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2018年6月27日

生楽器の新しいレコーディングのやり方

弦や管の生楽器レコーディングはアレンジャーにとって晴れの舞台!!

打ち込みやバンド録音などは長くやっていても、
これら生楽器をアレンジしたことない、もしくは出来ないというアレンジャーも少なくない。

日本の場合、これら生楽器のレコーディングは予算もかかるし「敷居が高い」というのもあった。

その昔、バブルでスタジオミュージシャン全盛だった頃、
売れっ子ミュージシャンは高級カーを乗り回してスタジオをハシゴしていたと聞く。

彼ら売れっ子ミュージシャン達にとって、
ぽっと出の新米アレンジャーなど格好の「イジメ」の標的であったとも聞く。

当時はコンピューター譜面などはなかったので、
一生懸命手書きで書いたオーケストラ譜(スコア譜)を、
写譜屋さんという専門業者に出してそれをパート譜に書き直してもらう。

売れてる写譜屋さんなどは写譜ペン一本で家が建ったと言われていた時代である。

人間が手書きで書いているのだから当然ミスが出る。
優秀な写譜屋さんは音楽的に判断してそのミスを直してくれてスコア譜にしてくれたとも言うが、それでも人間がやってるので当然ミスは出る。

#やbなど明らかに写譜ミスだろうという音でも、
意地悪なプレイヤーはワザとそのように間違えて音を出す。

アレンジャーの耳を試しているのだ。

「音は濁っているけどどれが間違いかわからない」
とパニクっているアレンジャーに容赦なく罵声を飛ばす。

「おい、アレンジャーさん、この音はこれの間違いじゃねーのか!!」

そんなことが平気で行われていたというのだから、生楽器のレコーディングはさしずめ「戦場」である。

かく言う私もスタジオでイジメられたことはある。

「音が濁っている」と感じたら、
とっさにどのパートが間違えているのかを聞き分けて指示を出す。

それが瞬時に出来なければ罵声が飛ぶのだから「命がけ」である。

特に弦楽オーケストラのビオラなどは小学校の音楽の時間に習った「ト音記号」でも「ヘ音記号」でもない「ハ音記号」で書かれているのでとっさにどの音なのかが口に出せずにしどろもどろになったりする。

レコーディングが終わると冷や汗で身体はネトネト、
しかしそんなことが私の音楽人生には大きな「経験」となった。

経験値が高くなるともうナメられることもないし、
何よりも、いつの間にやら録音に来るミュージシャンよりも、私の方が数段歳上になってしまった(笑)

いつの間にやら、ストリングスだったら中国ではこのオーケストラ、みたいな「チーム」が出来上がって来る。

彼らは「プロ」なんだからどなた様の書いた譜面でも演奏する。

小沢征爾が中国に来た時に呼ぶオーケストラなどが、私の仕事なんかにも来てくれるということになってしまうのだ。

中国のスタジオミュージシャンは「1曲いくら」なので、
当然ながら順調にレコーディングが進んで早く家に帰れた方が「時給」が高くなってよい。

「アレンジャーいじめ」なんかやってるヒマなんかありゃしないのだ。
一致団結して、なるだけ高いレベルの演奏を短時間で録り終えれるように一緒に頑張る。

弾き方のニュアンスなどを書き込み忘れてたって、
棒弾きなどしてアレンジャーをイジメているヒマなんかない。

「こう弾けということだろうな」などとコンマスが判断して、
もうとっとと指示を出してリハーサルを始めている。

こちらはそれを聞いて「そうそう」とか頷きながら(笑)、
万が一これがライブなどで演奏される時のために、それをスコア譜にメモ書きで追加しておくのだ。


しかしこれだけシステムが出来上がっていても、
それでも私にとってはオーケストラのレコーディングはやっぱり命がけである。

気を抜いたら失敗する。

前回映画音楽の時にこんな失敗があったのも、
気を抜いてアシスタントなど使って
「低いなとか思うところがあったらオクターブ上げたりして譜面整理しといて」
などと指示していたからだ。

現場で音が違って聞こえる・・・
こんな風に書いたつもりはないのだが、
でもどこが違うか全くわからない・・・

冷や汗をかきながら譜面をガン見してどのパートが間違えてるのかを探るが、
どう聞いても誰も間違っていない・・・

時間切れ(>_<)

オーケストラを帰してからひとりで検証してみると、
実は原因は、アシスタントがどこかのパートをオクターブ上げるか下げるかする時に、間違えて5度上げるか下げるかして譜面を印字していたのだ。

譜面が間違っていた(>_<)

他の楽器のコードを変えて事なきを得たが、
それ以来気を抜くこともなく、毎回命がけで現場に挑んでいる。

ところが先日、
布衣の次のリーディングソングに弦を入れたいということで、
鼻息荒くして現場に行った時に肩透かしを食らった。

いつものように譜面を印字してそれとにらめっこ。

「このアレンジでいいのだろうか」
そんな気持ちを飲み込んで
「昨日まであれだけ試行錯誤してこれに落ち着いただろ!!自分を信じろ!!自分が書いたこの譜面を信じるのだ!!」
と自分に言い聞かせる。

これ即ち「自分との戦い」・・・

ストリングス録音です〜毎回ながら緊張します〜 今日のオーケストラはいつもの人達とちゃうからな〜なおさらです(>_<) 頑張るもへったくれもない、夕べ書いた自分の譜面を信じるしかない!! ちゃんと書いたからちゃんと録れるじゃろ!! - Spherical Image - RICOH THETA

私は指揮こそしないが、
オーケストラに指示を出すのと、生の響きがどう聞こえるのか勉強のために、
いつもブースに入って指揮者の位置で聞くようにしている。

ちなみに、今どき中国でのポップスのオーケストラ録音に指揮者など来ない。
みんなクリックとBaoHaoという小節番号を録音したトラックだけを聞いてそのまま録音するのだ。

つまり、そのBaoHaoの録音こそが指揮者の代わりとしてアレンジャーの大きな仕事なのである。
(中国ならでは)

ところがエンジニア曰く
「あ、BaoHaoはもう録音してありますから」

更には
「ブースで聞かなくてもいいですよ。コンソールで聞いて下さい。あとは僕らがやっときます」

オーケストラのコンマスがやって来た。
いつもの人とは違う。

おそらくいつもの人は国家級の偉い人になってしまったのでその下が来たのだろう。

「じゃあ譜面を下さい」
コンマスは自分の弾くパート譜ではなく全部のパートがあるスコア譜を要求、
ブースに入らずにコンソールルームでスコア譜を見ながらオーケストラに指示をし始めた。

「何小節目、ニュアンスとしてはスラーで弾いてみようか。
セカンドバイオリン、この部分モタらないように気をつけて」
など指示をしながら簡単にリハーサル。

「こんな感じでいいですか?」
と私に確認してその場でレコーディング開始!(◎_◎;)

つまり「ディレクション」という一番の「戦いの場」をコンマスが私の代わりに全部やってくれるのだ・・・

ワシ・・・全くやることないんですけど・・・(笑)


時々弾き方に関して
「これはこのような弾き方がいいですか?それとも」
などと選択肢を出して来るので
「こっちがいい」
と選べばそれだけでよい。

そして逆に私がディレクションするよりも音に対する要求が厳しい。

私ならOKとして後で聞き直して判断するテイクでも、
早めに止めてさっさとやり直しをさせる。

「餅は餅屋」である、きっとその方が高いクオリティーを短い時間で録り終えることが出来るのだ・・・

あっと言う間にレコーディングは終了し、
オーケストラをバックにMV撮り!!

これは1曲分のためにスタジオを押さえると、
スタジオ代もオーケストラのギャラも割高になるので、
「1曲半」としてMV撮りのために先ほど弾いた譜面を2回通り最初から最後まで弾いてくれという風にブッキングしたためである。

私はもう役目を終えたので、
最初のテイクはスタジオの中で聞いて、
実際自分の書いた譜面がどのような生音として響いているのかを勉強のために頭に叩き込んでおく。

2回目はコンソールルームでもう一度、バンドの中でどう聞こえるのかを最終チェック!!

まあ問題があるはずがない。
そのままさっさとオーケストラは帰って行った。

「录得很好!!(素晴らしい録音でした)」
そう言ってコンマスを褒めると、
「写得好!!写得好!!(あなたの書いた譜面がいいからですよ)」
と言われる。

この瞬間が「合作愉快!」
戦い終わったアレンジャーとプレイヤーが心を交わす至福の時間である・・・

・・・とか何とか言いながら今回ワシ・・・全く戦ってないがな(笑)

これらのブッキングを全部やってくれたLaoLuan曰く、
「最近はもうアレンジャーは現場に来ないよ」

!(◎_◎;)・・・そこまでシステム化が進んでいる?・・・

中国最高峰のアレンジャー、三宝や捞仔などは、
もうメールでここに譜面とDEMOを送りつけるだけで、
あとは全部このチームが完璧に録音して送り返して来るそうな・・・!(◎_◎;)

考えてみればドラムも最近そうよなぁ・・・

データが送られて来て、ガイドで打ち込まれたドラムパターンを聞いて、
そこにドラマーとしてアイデアを加えてひとりでレコーディングして、
ちょっと迷った部分があったらテイク2も録音しといて、
データをネットで送ってそれで仕事終わり。

それもこれも私自身がプロデューサーでもあるので、
「この音楽だったらこうだろう」
というのを織り込んでゆくから出来ている部分もある。

オーケストラでこれが出来るというのは、
やはりこのエンジニア自身もその「センス」があるからではないかと思う。

日本ではエンジニアは文字通り「技師」であり、
音楽の内容には口を出さないという不文律があるが、
中国では参加する全員がプロデューサーなので(笑)
それによってこのシステムが成り立っているのではないかと思う。
(まあまかり間違えば時々このせいで大混乱を生むのだが・・・(笑))


さてまた長い長い前置きはさておいて、
今回北海道ツアーの間に更に民族楽器もレコーディングせねばならなくなり、
さっそくこのシステムを使わせてもらった。

その都度このようなショートビデオが送られて来て状況が伝わって来るのだが、
最初は「録り終わったらmp3で送ってね〜確認するから」と言ってた私も、
そのうち「いいや、もう聞かないからそっちで勝手に録っといて」となった。

奏者も知り合いで何曲が一緒に仕事をしてるので、
「こんな弾き方もあるわよ」
と色々送って来てたのだが、
「それもいいねぇ〜じゃあそのバージョンも録って入れといて」
でそれでいいのだ。

聞くのは全部録り終わってデータ送ってもらってから選べばよい。

釧路でファンキーはんと大村はんのライブをやっているうちにレコーディングは無事に終わったようだ。

ライブ終了後に携帯を開くと、
データと共にこんなメッセージが添えられていた。
「写得好!!真好听!!(いいアレンジだ。とってもよかったよ)」

その場には一緒にいないが、アレンジャーとミュージシャン、
そしてこの「チーム全体」が作った音楽が高いところに昇って行った気がしてとても嬉しかった。

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