
2007年11月22日
上海楽器フェアー
先月の話になるけど、
上海の楽器フェアーに呼ばれてドラムを叩きに行って来た。
さすが商業都市、上海。
北京の楽器フェアーの数倍の規模で、
各ブースでのデモンストレーションも多く、
北京からもあらゆるミュージシャンが呼ばれたりしているので、
会場を歩くと知り合いばかりに出会うこととなる。
日本からは手数王こと菅沼孝三も来ていた。
前回彼が北京に来てた時には、
私がステージに飛び入りしてバトルをやったりしたが、
今回は彼はヤマハのデモンストレーション、
私はパールのデモンストレーションと言うわけで、
お互い商売敵のブースに行ってドラムを叩くわけにはいかないので
今回は遠慮させて頂いた。
しかし前回の模様は誰が撮ったか海賊版DVDが出回っていたので、
ここ中国ではそのようなことはあまりしない方がよろしいようである。
さて、私が今回参加したのは、
パール楽器をはじめ、
世界中のありとあらゆる楽器の代理店をやっている
「中音」と言う会社のブースでのデモンストレーションである。
パールドラムを叩く叩く!!
ドラムの音を聞いてオーディエンスもわさわさ集まって来る。
そのほとんどがドラムおたくなのであろう・・・
ここで撮影されたものがまた海賊版となって全国に出回る可能性はあるが、
それはそれ、これはこれ、ThatはThat、ThisはThisと言うことで、
4日間、通算5ステージもあるので、
スタッフに撮ってもらって一番いい演奏を
逆にオフィシャル海賊版として先に出してしまえばよい。
これぞThis is China的な生き方である。
さて今回は、
もともとはミュージシャン連れて来て一緒に演奏したかったのじゃが、
ブッキングがあまりに突然だったので結局ひとりで来た。
ドラムなんて楽器はひとりだけで叩いてたって「音楽」ではない。
仕方ないのでコンピュータを持ち込んで、
ドラムマイナスワンの伴奏に合わせて演奏する。
曲目はXYZのWingsの中の橘高のインスト曲「Incubation」やら、
五星旗の定番ナンバーだった「炎の靴」やら、
あらゆるジャンルの音楽を叩きまくるわけじゃが、
命の綱はこのコンピュータである。
コンピュータが止まれば演奏もそれで止まってしまう。
曲中のMCでは、
ドラムを叩きながら説明する時には、
わざわざ担当者が後ろからマイクを持って来てくれるのじゃが、
ご丁寧と言うか、
この担当者は演奏を始めると、
マイクと共にパソコンのインターフェイスの電源を引っこ抜いてしまったりする。
そしてこれがこの中国最大の代理店のドラム部門の責任者である。
彼とは今回しこたま飲んだ。
「回族」と言う回教(イスラム教)を信じる民族なのだが、
さすがに豚肉は食わないが酒は飲む飲む・・・
二の腕にイスラムのタトゥーを入れながら
「酒とたばこがなければ生きていけないから」
と酒を煽る彼は、神をも恐れぬ相当なロッカーである。
そして彼は今回、
周囲の反対を押し切って「窒息」と言うヘビーメタルバンドをブッキングした。
中国の楽器フェアーでヘビーメタルバンドが演奏したのは初めてのことである。
最前列で頭を振り、ファンと共に一緒に記念撮影。
しかしヘビーメタルと言うとなぜこのように「痛い」顔で写真を撮らねばならないのだろう・・・
ラウドネスが全盛の頃、
二井原もアー写を見た友人に「お前どっか痛いんか」と言われたらしい。
まあ痛い顔の奴らほど飲んでて楽しいものである。
酒を飲みながら彼らに最高の称賛をしてやった。
「お前らの音楽、最高だ!
でも断言する!
こんな音楽やってる限り、お前ら一生貧乏じゃ!」
笑いながらぼそっとメンバーが言う。
「別にいいよ、毎日楽しいし・・・」
うん、なかなか痛い奴らじゃ。
金のない奴ぁ俺んとこへ来い!
俺もないけど・・・
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)