2026年2月20日
不運続き?不幸中の幸い?
「す・え・よ・し」という、自らの楽曲をセルフカバーするバンドでツアーを廻っている・・・
ことの発端は高知でのこと・・・
ライブハウスXpt.のオーナーである西岡さんが、駐車場に停めてる車を見て私にこう言った・・・
「末吉さん、カーナビが点いたままなんですけど大丈夫ですか?」
このカーナビ、実はハンドルの右側に電源のオンオフスイッチがあって、降りる時に触って押してしまったのだろうオフになってて「カーナビが壊れた」と修理に持ち込んだり大騒ぎになったことがあった。
実はそのスイッチには「常にオン」というのもあって、今回はそれを押してしまってたのだろう・・・これによってエンジンを切っても点きっぱなしになってしまってたのだろう・・・バッテリーが上がってしまった(>_<)
余計な機能を・・・(涙)
ちょうどその場にJAFの会員の方がいて、JAFを呼んでくれたのだが、今度はこの車のバッテリーの位置がわからない(>_<)
このキャンピングカーの母体はマツダのボンゴなのであるが、ネットで調べたらボンゴのバッテリーは運転席を前に倒してその下の部分にあるというのだが、それがこの車にはそこには影も形もない!(◎_◎;)
もう私とJAFのスタッフの力ではどうしようもないので、夜中で悪いとは思いつつ、関西でトラブった時に時々お世話になっている「RV-Village」の田村さんに電話をして、「キャンピングカーのバッテリーってどこにあるんですか?」と聞いた。
「車種によって違うので一概には言えないけど、可能性としては助手席の方に小さなドア見たいなのがありませんか?」
・・・あった!(◎_◎;)

しかし今度はこの小さなドアを開けるカギがない(>_<)
車内をくまなく大捜索してみたら・・・あった!!
そしてJAFのスタッフは膨大な時間を無駄にしながらやっと充電を済ませて帰っていった・・・しかも料金は無料である!(◎_◎;)
そして私はその働きぶりに「JAFに入会しといた方がいいな・・・」ということで、すぐさまネットにて入会手続きを済ませてところだったのだ・・・
その2日後、今度は走行中にタイヤがバーストした・・・(>_<)

もう10年近くこのキャンピングカーに乗って(暮らして)いるのだが、こんなことは初めてである。
「そう言えばJAFの会員になってたなぁ・・・」
とJAFに電話をして会員番号を伝えたら「来てくれる」ということになった!!
しかし、JAFには予備のタイヤがあるわけではなく、どこかに「お運びする」ということができるだけだと言う・・・
車内にはベースの渋谷有希子と二胡の中川えりかが乗っていて、車はちょうど二人を宿泊先のホテルに送っているところだったのだ・・・
「そのホテルまでお運びできますよ・・・」
しかしそれではまた翌朝修理してくれるところまで「お運び」して貰わなければならない(>_<)
「同乗者の方はいらっしゃいますか?JAFの車の助手席にはおひとりしか乗れず、同乗者の方は在来交通機関にて移動して頂くことになりますが・・・」
仕方ないので渋谷有希子と中川えりかにはすぐさま電車に乗ってホテルまで行ってもらい、私はネットで近所のタイヤ交換できる業者を探し、そこまで運んでもらうことにして電話を切った・・・
待つこと1時間、JAFがごっつい車両運搬車でやって来た!(◎_◎;)

サンダーバドかっ!!というカッコよさで荷台上に乗っかっていた車両を乗せる台が後ろにスライドして降りて来て、チェーンをキャンピングカーの前部に引っ掛けて引っ張ってその上に乗せる・・・!(◎_◎;)

そして今度はその部分をそれごとクレーンのような装置により元通りの荷台の上に乗せる!(◎_◎;)



私の頭の中にはずっと「サンダーバードのテーマソング」が流れていたことは言うまでもない(笑)
さてJAFの車に乗り込み、スタッフの方と「どこに運ぶか」ということを相談する・・・
このスタッフの方は非常に気さくで親切な方で、このキャンピングカーはトラックのタイヤではということでトラックのタイヤ交換ができるところを探してくれているのだが、この車は普通車であり、タイヤ交換もイエローハットでやっている。
近所のイエローハットやオートバックスを検索するのだが、どれも朝10時開店・・・そこからタイヤ交換して、まあおそらくホイールごと交換になるので色々10時からやってたら今日の浜松の入り時間に間に合わないかも知れない・・・
それにそういうチェーン店の業者は往々にして予約が必要で、実は今回のスタットレスタイヤ交換の時も、別の軽自動車のタイヤを間違えて持って来しまって、「すぐに家に取りに帰りますから」と言っても聞き入れられず予約を取り消されて再予約(>_<)
飛び込みでそれら業者に持ち込んでもそのまま丸一日待たされる可能性があるので、街業者・・・しかも朝7時から営業している店を見つけてそこまで運んでもらった・・・
しかし着いてみたらそこはどう見てもガソリンスタンド・・・
昔はタイヤ交換できる業者だったのかも知れないが、どう見てもタイヤが並んでいる様子がない(>_<)
「ここだと例え7時に店が開いてもタイヤは取り寄せとかいう可能性がありますよ」と親切なJAFのスタッフ・・・
しゃーないなぁ〜とばかり、今度は写真にいっぱいタイヤの在庫が並んでいる街業者を探してそこまで車を運んでもらった。
また頭の中に流れる「サンダーバードのテーマソング」と共に車を降ろし、街業者のシャッターの前でこのブログを書いている・・・
カーナビのつけっぱなしでバッテリが上がったり、不運なことはあったけどそのおかげでJAFに入会していたので今回のこのサービスを受けることができた・・・
そしてもしこの車がキャンピングカーでなかったとしたら、私はこの寒空の下、エンジンもかけずに車内で仮眠しながら朝を待つのか?
それともガソリンの残と戦いながらエンジンをかけて暖を取るのか?・・・
もう夜も遅いので寝よう・・・いつものようにこの我が家のベッドで・・・
この3日間で
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2025年8月11日
中国のドラムコンテスト2025
夏は中国ではドラムコンテストがたくさん催されて、よく私にも審査員としてお鉢が回ってくる・・・
去年は「中国好鼓手」という中国最大のコンテストだったが、
(その時の話はこちら)
今年はカノープスというドラムメーカーの主催のコンテスト!!(だと思う)



この決勝戦の前に安徽省合肥での予選にも参加して来たが、いやーやはり決勝戦はレベルが違う!!
これは未就学児の部門なのだが、この4歳児、おそらくシード扱いされたのだろう、もう「ゲスト」として私なんかと一緒にステージで叩いていた・・・
そして今年は小学生の部が凄かった!!
この少年は後にグランプリ(ひとりではなく複数が受賞する)を受賞することとなる・・・
その他、動画を撮れた参加者だけでも・・・
など、去年の段階では「騒音」にしかきこえなかった曲が(流行り廃りがあるのか、コンテストで受かりやすい曲があるのか、演奏曲は去年と同じ曲もたくさんあった)今回は「どう叩いているのか」が聞き取れる!(◎_◎;)
やはり去年のコンテストではちゃんと叩けてないのが多かったのだろう・・・
今回極め付けはこのメガネの子・・・
残念ながら撮り損ねたが、この後に続く3連系のドラムソロが圧巻で、思わず満点を入れてしまいましたがなぁ・・・
今回の決勝戦は、私は最終日とその前と2日間参加させて頂いたが、前日のこの子も当然ながら最終決戦に残っていた・・・
少年の部はA ,B ,C,Dに分かれていて、それぞれの最終決戦に残った選手の中から3人がそれぞれ2分間フリーのドラムソロをやってグランプリを選ぶのだが・・・
これが小学生の構築するドラムソロか?!!!!(◎_◎;)
もうだんだんわかって来ているのだが、楽曲内のドラムソロはみな誰かが書いた譜面を一生懸命練習して叩いている(やはり優勝者はそれを自分なりにアレンジしていた・・・先生が指導したのかも知れんが)、しかしフリーのドラムソロはそうはいかん!!
だいたいのスタイルは先生が指導できるにしても、こうして自由に叩くためにはかなりの数の「引き出し」が必要である。
実のところ、私は「ちびっ子ドラマー」が嫌いであった。
子供には「表現すべき自分の人生」がないからである。
でもこの日から私の考えが変わった。
彼らのこの短い人生・・・たかだか10年ぐらいのその人生のほとんどは「ドラム」なのだ。
それが伝わって来た瞬間に、フィルターが取り除かれて大人のドラムと同じように感動した。
トイレに行った隙に、とある参加者の親子に捕まった。
お母さんが私にこう言う・・・
「あなたが削った1点のおかげでこの子は入賞できませんでした。一体どこが悪かったんですか?」
辛い点数を入れた審査員を責めている口調ではない。
「来年こそは!!」という強い思いが感じ取れる・・・
私のスタッフのヤオヤオ君が、「審査に落ちて廊下で泣いている子供がいるんです」と言っていたが、この子かも知れない・・・
しかしそんなこと言われても、100人以上の子供の演奏を見て点数をつけているのだ、この子がどんなドラムを叩いたかなんて覚えているわけがない・・・
「審査員によって基準は違うだろうけど、私はね、リズムが正確かどうかに重きを置いて採点しています。私の点数が他の審査員より辛かったとしたら、それは演奏が伴奏に対して正確じゃなかったっていうことだと思いますよ」
その子とお母さんはゆっくりと頷いて会場を後にした・・・
10年にも満たないこの人生を、この子はまた1年ドラムに費やすのだ・・・
今回も強く感じたのだが、このドラムコンテストは「子供のための祭典」、
大人の部など全く盛り上がらないのである!(◎_◎;)
そりゃそうだ、大人になってからドラムを始めて、同じ数年かけて練習したところで、頭の柔らかい子供の数年にかなうわけがない!!
だから大人の部は参加者も少ないし、レベルも決して高くない。
中高生の部もそんなに盛り上がらない。
未就学児の部はあの4歳児を除いてはやはり「たかだか子供」である。
この小学生の部だけが異常な盛り上がりを見せているのだ・・・
そこで大きな疑問が湧いてくる・・・
この小さな天才たちは、大きくなったらどこへ行くんだろう・・・
2008年から中国でこの活動を始めて、全中国100近くのドラム教室を訪問した。
(ブログ記事カテゴリー「全中国ドラムクリニックツアー」)
そこで見た小さな天才たちのほとんどはもうドラムなど叩いていないのだ。
中国の学歴社会、生存競争のために、ドラムなんてやっている場合じゃなくなるのかも知れない。
女の子は恋をしたらドラムなんかやっている場合じゃないのかも知れない・・・
私が出会った小さな天才たちで、今もプロとしてこの国でドラムで食ってるのは、私の知る限りたった二人だけ・・・
じゃあこの小さな天才たちはどこへ行くの?・・・
ひょっとして、大きくなって共産党員(これがこの国では一番の出世)にでもなって、酒場にドラムセットがあったら、上司たちに「僕も小さい頃にドラム習ってたんですよ」とか言ってその超絶テクニックを披露するのだろうか・・・
そもそもが、この小さな天才たちのほとんどは「バンド」をやったことはないし、将来もほぼ「バンド」を組むことはない。
この子たちが大きくなって、私や他のドラマーの仕事をかっさらっていくことなどほぼ皆無なのだ・・・
そして今回気づいたことがある・・・
今回入賞したドラマーのほとんどはとあるひとつのドラム教室の生徒なのだ!(◎_◎;)
その先生がとても優秀なのだろう。
「どうすればコンテストに入賞できるか」というのを知っているのかも知れないし、私のような人間を感動させるんだから、本当にこの子供達の「人生」を引き出せる能力があるのかも知れない。
決して安くないこの参加費を払って、全国から数万人の子供がこのコンテストに参加する。
ひとつのコンテストだけで数億円の金が動くのだ!!
そしてそんなコンテストが中国ではいくつもある・・・
ここで入賞した子供たちは、他のコンテストでもきっと入賞するだろう・・・
そしたらその生徒を有するドラム教室の名前は全国に鳴り響くことだろう・・・
私の行ったドラム教室の中で一番大きな教室には生徒が2000人いると聞いた・・・
あるチェーン店展開してる教室の「先生にドラムを教えに行く」という仕事では、全国のその教室から先生が300人来ていた・・・
「これって中国で一番大きな教室だよね?」そう聞いたら「いや、4番目ですよ」と言われた・・・
そもそも2000人いる生徒がひとり5000円の授業料を払っただけで、その教室の年商は1億を超えるのだ・・・そんな教室が中国にいくつある?(私は1万はくだらないと思っている)
中国で既に巨大な産業となってしまった「ドラム教育」・・・その出口は・・・ない。
日本人の誰もが想像できない単なる・・・「習い事」でしかないのだ!!
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2025年5月25日
古琴との戦い(後編)
前回の続き〜
さて血気盛んに済南へ〜
私が拠点としている寧夏回族自治区銀川からこの山東省済南までは、直行便は夕方着の一本しかなく、必然的にレコーディング前日の前乗りとなり、「前日に着くのならば」ということで顔見せお食事会〜
山東省は淄博(ZiBo)というところが串焼きで有名だが、ここ済南の串焼きもそれに負けないほど美味しいんだよということで串焼き!!

山東省の規則というわけで飲むのは白酒!!

ちなみに山東省は人口に対する白酒の消費量が中国いち!!つまり世界一!!
「この酒は白酒の中でも度数が低いから」と言うがそれでも43度(>_<)
ちなみに白酒をじゅうぶん飲んだ後には水代わりにビールを飲むのは許される(笑)

酒を飲み交わすにつれお互いから笑顔が・・・

長く中国と仕事して来て、昔はよく「中国ビジネスは胃袋でする」と言われたもんだが、こうして経済発展を遂げてからもそういう名残りはある。
一見ビジネスには全く関係ないような、この「酒を飲み交わす」という作業が、翌日のレコーディングでのやり取りを非常にスムーズに持ってゆくのである・・・

何やら荘厳な門構え・・・

1909年創立・・・ということは中国はまだ清の時代・・・

厳かに家系図が掲げられている・・・今日一緒にレコーディングする王笑天老師は、創始者から数えて6代目の家元であるということだ!(◎_◎;)
着いたらまずお茶を入れてくれる・・・これも厳かに・・・
前日酒を酌み交わしてなければここで心臓が破裂しそうなものだが・・・

和気藹々(笑)

数多くの古琴の中から一番古いやつを出して来て裏側を見せてくれる・・・
明代のだと言うからざっと400年以上前のものである!(◎_◎;)
スタジオを取ってそこでレコーディングというのも考えたのだが、これら国宝級の楽器、それから楽器を共鳴させる専用の机も一緒に運ぶというのはどうかということで、ここの一番静かな部屋で録ることにしたのだが、案の定一番いい机は石で出来ていて運ぶことが出来なかった。
師匠(今後こうお呼びしよう)が選んだ楽器と机でいざレコーディング開始!!

レコーディングエンジニア(ワシ)とのガチのセッションである・・・
さて、楽器をアレンジするためにはその楽器の特性を熟知することが必須であるが、私がこの楽器によるいろんな演奏映像を研究した結果、この楽器のキーはFなのだが、チューニングを下げた他のキーの演奏も多く発見した。
今回レコーディングする曲のキーはE。ギターにとっては弾きやすいキーなのだが、この古琴もチューニングを半音下げるだけなので簡単だろうと思っていたら・・・「Eのキーでやることはほぼない。Ebだったらあるけど・・・とのこと・・・
向こうにとっても「異種格闘技」である。色んな妥協をしてくれて、結局何百年モノの明代の古琴をEチューニングにしてセッション開始・・・
ところが、あるポジションを押さえた時にイヤな倍音が出るという問題が発覚・・・
「こんなことは一度もなかったのだが・・・」と師匠も困り顔・・・
そうこうしているうちに弦が切れた!(◎_◎;)
まあ弦楽器なのだから弦が切れることもあるだろうが、これもあまりないことのようで師匠も驚いている・・・
今まで変な倍音が出たことがなくて今回初めてなのだから、原因はおそらく今回初めてのこと・・・つまりEチューニングによる弦の微妙な緩みによるものではなかろうか・・・
そしてこの明代の古琴は、それを示唆して自ら弦を切ってE調を滅したのではないか・・・
などファンタジーなことも考えつつ結局F調で録ることにした!!
最近の機械は優秀なので、後で機械的にEに直すことも可能だろう・・・
というわけでF調のガチのセッション終了!!
師匠は私に古琴の教材を一冊プレゼントしてくれて直筆のサインをくれる・・・

そして祝杯!!(笑)

そこで師匠は自分の指のタコを見せてくれた・・・

私などがギターを弾いて水ぶくれが出来てしまうのと違って、これは長年弦を指の同じ位置で押さえているために石のように固くなっているのだ。
柔らかい指で押さえるのと違って、もしボトルネックを使って押さえてたらと考えれば想像がつくだろう、やはり音色が全く違うのだ・・・
師匠、ちょっと酔っ払ってこんなことも言ったりした・・・
「私はこの酒狂という曲はね、実は専門外なんだ。でもね、あんた達が探して来たお嬢さん達に比べたらレベルは段違いのはずだよ」
6代目家元のプライドが垣間見えた発言だった・・・
師匠が私の書いた譜面を自分が弾くために書き直した走り書き・・・

どうやら左上の漢字は指使いらしい・・・こうやって奏法を固定するのね・・・勉強になった・・・
後日談・・・
これを持って帰って色々Editして、F調でDEMOを作ってみんなに聞かせた。
「お、いいじゃん!!」・・・みんな大喜びなのでそれをE調に直した途端・・
「全く良くない!!」
結果、古琴はF調のままで、バンドが全員F調で録り直すことになった。
あの明代の古琴が、「古琴はFだよ!!頑張ってそれに合わせなさい!!」と言ってるような気がした・・・





