
2013年4月28日
モンゴル人の歌
ここで言う「モンゴル人」とは、厳密には「モンゴル族中国人」なのだが、
日本人が「関西人」を別の人種のように言うのと同じように、
ここでは敢えて「モンゴル人」と言わせてもらう。
いやホント別の人種(笑)
北京の仕事の大きなものの中に「未払金の回収」というのがあるが、
そんな中の一人がモンゴル人だったので行って来た。
当然ながらいきなり酒!!(涙)
彼らは毎食ごとに白酒を飲むという豪傑である。
当然ながらビールなど飲まず白酒(号泣)!!
救いは「奶茶(NaiCha)」と呼ばれるミルクティーと、
羊肉料理の油で胃に膜を作り、
50度を越えるその酒から胃袋を守ることである(命懸け)・・・
彼らは飲むと歌う、歌うと飲む・・・
前回内モンゴルの草原まで行って飲んだ時と同じく、
北京のモンゴル料理屋さんでも飲めや歌えや歌えや飲めや・・・
その場に居る人が入れ替わり立ち替わり歌っては飲むのだが、
「私はドラマーです。ファンキーさんを尊敬してます」
というドラマーがやって来て歌を歌った。
冒頭にホーミーを使っている(驚)
ホーミーとは、
喉で倍音をコントロールしながらひとつの喉で複数の音程を出す唱法である。
この人はまあシンセサイザーのフィルターをコントロールしてるぐらいのものだが、
おそるべくは後半の人、
先ほどの映像でギターを弾いてた人だが、
彼は倍音を完璧にコントロールして、
まるでもうひとりの人が口笛を吹いているように聞こえる。
周りが騒がしいので注意して聞いて欲しいが、
これは決して口笛でメロディーを吹く人がもうひとりいるのではなく、
この人が低音と口笛のような音を両方出しているのだ!!(驚)
「どうしてこんなことが出来るの?」
と聞いたら、
「吐いたことあるかい?」
と奇妙なことを言う。
ゲロを吐く時のように喉の奥から声を出して、
その倍音をコントロールするのだそうだ。
マネしようとしたら本当に吐いた(涙)
モンゴル人おそるべし・・・
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2013年4月25日
初めての中国語曲
上海で中国語を勉強している日本人歌手宮脇詩音ちゃん、
今回は初の中国語曲を歌うということで着いてすぐにその曲をレコーディングしてみる。
ディレクションはBeiBei、エンジニアは方言、
おいおい、二人とも何か普段と熱の入り方が違うぞ・・・(笑)
まあ90年生まれの美女で歌も美味いとなったらほっとくわけがない。
特に方言は美女のためなら水深15cmの湖に飛び込む男なのである!!
(いかん・・・思い出しただけでまた笑いが・・・)
ワシは通訳とちょっとした発音のアドバイス
(・・・と言うのも、ネイティブの中国人は「Xuだよ、どうして発音出来ないの?」としか言えないが、学習したことがある日本人だけが、「ウの口でシーって発音してみぃ」というアドバイスが出来るから・・・)
をした後にこてんと寝てしまったが、
この二人が盛り上がって夜中まで詩音を放さない。
BeiBeiは「今日は用事があるから帰る」と言いながらずーっと居座るし、
方言に至ってはBeiBeiが帰っても最近凝っている「お茶」を勧めて夜中の3時まで話し込んでいたらしい(呆)
まあその話を翌日聞いた時に、
また方言のアホさ加減に大笑いすると共に、
たかだか数ヶ月の中国語学習で片言でもネイティブの中国人と何時間もコミュニケーション出来る彼女に感心した。
これならちゃんと中国語のMCも出来るのではないか・・・
ワシはひとつだけ大事なアドバイスをした。
「中国語は速く喋った方が通じる」
これは経験則なのだが、
日本人はとかく発音を丁寧にしようと思ってゆっくり喋ろうとするが、
そうすると逆に発音のアラが出て通じなくなる。
どうせ外国人はそれぞれの発音のエレメントは正しくないのだ。
むしろ大事なのは「四声」と言われるイントネーション。
これもネイティブが速く喋ると既に崩れてしまっている。
どうせ日本人より発音の下手な田舎の中国人がたくさんいる国なのだ。
ネイティブのように速く喋った方が中国人には聞き取り易いのである。
かくしてライブ本番、
張張(ZhangZhang)とのJazzセッションに続いて、
中国人歌手の揚青(YangQing)が3曲歌い終わったら彼女を紹介する。
舞台に上がってとりあえずは喋らずにそのまま歌い、
1曲終わってのMCはなかなかのものだった。
もう1曲日本語の歌った後に問題の中国語曲。
「初めて中国語の歌を歌います」
と言っておけば掴みは問題ない。
問題はちゃんと歌えるかどうかである。
かくして・・・
ちゃんと歌えた!!!
いや〜彼女この1曲でこの日のライブ全部持って行ったなぁ(驚)
来月は5月21日にやるからまたおいで〜
ps.ところでこの映像で仲間内が一番笑ったのがBeiBeiである。
美女に気に入られるべく一生懸命ギターを弾くのだが、
頑張れば頑張るほど萎縮して顔がゲゲゲの鬼太郎化してくる。
そして人生何をやっも運の悪い彼は何度も譜面を落とす(笑)。
やっと廻って来たギターソロでここぞとばかり頑張って弾くのだが客は誰もBeiBeiなど見ていない(爆)
一番前で撮影しているおそらくは揚青(YangQing)だろうが、
ギターソロだろうがボーカルしか写してないのだ(涙)
いや~笑った笑った・・・
BeiBei~お前の恋はまだまだ遠い!!
まずはギターを精進するのぢゃ!!
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2013年4月24日
90后(JiuLingHou)の女性歌手達
中国で、理解不能な新人類、現代っ子のことを総称して「80后(BaLingHou)」と呼ばれ出してからもう久しい。
「80年代生まれ」という意味なのだが、
この言い方で言うと59年生まれの私は「50后(WuLingHou)」、
聞いただけでもの凄いインパクトである(笑)
中国は78年に経済開放したと言うから、
「80后(BaLingHou)」の子供達は共産主義のイデオロギーの時代を知らず、
89年に起こった天安門事件も知らず、
一人っ子政策もあり、親戚一同から一人が愛され、
豊かさを享受しながら育った新世代である。
インターネットにより世界中の情報も自由に手に入る時代に育った彼らは、
それこそ文化大革命の荒波を乗り切った世代からは理解不能な人類・・・
そんな彼らももう今や30代となり、
この新しい中国でバリバリに仕事をしている。
うちの若い衆だとキーボードの張張(ZhangZhang)、
ベーシストの韓陽(HanYang)、ギタリスト(と言うより作曲家プロデューサー?)の貝貝(BeiBei)などがそれである。
10年前に出会った頃にはペーペーの20代だったのが、
今や若手として音楽界でバリバリに仕事をしている。
中国の音楽界ももうすぐ彼らの時代となるだろう・・・
そんな彼らを脅かしているのが「90后(JiuLingHou)」と呼ばれる更に新世代。
中国も確実に変わっていってると実感せざるを得ない・・・
実は今日は「Funky末吉とそのお友達ライブ」。
前回のライブの大好評を受けて、
ワシはこんなライブを毎月中国で行おうと画策している。
もともとは隣人である布衣(BuYi)のドラマーとしてドラムを叩いたり、
バンドではないのでなかなかライブが出来ないBeiBeiのユニット「Pair」にライブをやらせてやろうというところから始まったのだが、
やればBeyondのWingだの有名人が遊びに来て飛び入りしたり、
「眼鏡蛇(COBRA)」が肩ならしに出演したりと、
なかなか「凄いこと」が起こるライブになって来た。
毎月続けてたらそのうちにもっと凄いことになるぞ(笑)・・・
ということで現在そのように考えている。
実は今回のライブには上海で知り合った90后(JiuLingHou)の日本人歌手を呼んである。
宮脇詩音というAvex所属の歌手なのだが、
Live Bar X.Y.Z.→AのオーナーであるKさんの友人の娘で、
今は上海でKさんのところに住み込みながら中国語を勉強している。
前回の上海でのライブに一緒に出演したのだが、
カラオケで日本語の自分の持ち歌を歌う彼女にちょっとしたアドバイスをした。
「中国なんだから中国語の曲歌ったら〜」
まあ言うのは勝手だが言われた方は大変である。
何をどうしていいやらわからない(笑)
幸い20年以上中国で仕事をしているワシには、
中国語のオリジナル曲など山ほどあるのだ。
既に未発表曲をいくつかメールで送って選んでもらっている。
今日のライブが決まった時、老呉(LaoWu)からメールで、
「出演者は全部で誰と誰?告知始めるから教えて〜」
と言われたので、
「あんたも出る?」
と軽く詩音ちゃんにメールしたら、
「え?中国語曲まだ1曲しか歌えないのにライブなんて無理〜(>_<)」
とばかり丁重にお断りされた(笑)
まあいい、人の世話など無理強いしてやるもんではない。
気がむいたらやればいいよ〜
ぐらいで結局毎度のごとく布衣(BuYi)とPairだけでライブを組んだ。
どうせ張張(ZhangZhang)も仕事が終わったら駆けつけて来るだろうし、
蓋を開けてみればどうせ毎回出演者は結局増えているのだ。
ところがそれから一生懸命考えて、
清水の舞台から飛び降りるようなつもりでメールしたのだろう
「やっぱりやります!!」
と返事が来た。
よっしゃ〜!!ゲストその1決定!!!
BeiBeiに連絡取って、「今回のバンドメンバー誰?」と聞いてみる。
そのメンバーにそのまま詩音のバックをやらせればそれでいい。
ところがBeiBeiから思いがけない返事が帰って来た。
「ボーカリストの安敏捷(AnMinJie)がテレビの仕事で来れなくなったんです(泣)」
「ほな誰か歌手呼べば〜」
軽く答えるワシ・・・
「ほな誰か探します〜」
と答えるBeiBei、知り合いの歌手に声をかけた。
「オリジナルを歌ってる歌手なんですけど・・・」
と彼女のオリジナル曲をメールで送って来た。
ギターとボーカルだけで歌っているDEMOなのだが、
これがなかなかいい感じの曲で、
「やっぱ90后(JiuLingHou)は違うなぁ・・・」
と舌を巻く。
彼女と詩音ちゃんでBeiBeiと演奏して、
その後に駆けつけて来た張張(ZhangZhang)とワシの曲などセッションして、
最後に布衣(BuYi)でシメればいい感じのライブになるではないか・・・
・・・と思ってたら直前にBeiBeiが慌てて電話をかけて来た。
「あの女性歌手ダメになりました(困)」
事情を聞くとこういうことらしい。
「そいでそのライブって誰が出るの?」
「そもそもFunkyのライブで、あと布衣(BuYi)とかJazzの人とか・・・」
「FunkyってあのFunky?」
「そうだよ」
「私出ない!!!」
「え?」
「あのFunkyさんでしょ?私なんかが恐れ多くて歌えるわけないじゃん!!」
「え?そんなことないよ」
「何言ってんの!!私の曲なんか聞かせたらまだまだだなとか言われるに決まってるじゃん!!私出ない!!」
いや・・・顔はともかくとしてそんなに怖い人ではないと思うんだけど・・・(泣)
日本人の皆様には別に違和感はないかも知れないが、
ワシは中国人がこのような行動を取るというのが信じられない。
通常中国人だったら「恐れ多い」とは考えない。
中国でワシがスタジオミュージシャンとしてやっていけるのはひとえに、
「え?このドラムがこの値段で?」
という中国人の即物的なモノの考えによるものである。
若い歌手からしたらワシと知り合うことによっていろんな「チャンス」が生まれるだろうと考える人も多い。
実際そのまま「うちでレコーディングすれば〜」でレコードを出してスターになった女性歌手もいる。
チャンスなど飛び込んで初めて手に入るもので、
それをこうもいとも簡単に放棄するのがさすが90后(JiuLingHou)!!
中国も豊かな新時代に突入したんだなとしみじみとそう思った。
結局BeiBeiは彼女をあきらめて別の歌手を連れて来た。
それがまた英語、日本語、朝鮮語を操る才女で、
オリジナル曲も英語で歌詞を書いて来ている(驚)
その女性歌手に彼女の話をしたら、
「へ〜・・・私なんかふたつ返事よ〜
Funkyさん?凄いじゃん、やった〜って感じ〜」
これもある意味90后(JiuLingHou)(笑)
今日のライブはそんな日中の90后(JiuLingHou)と、
BeiBeiや張張(ZhangZhang)達80后(BaLingHou)、
そして老呉(LaoWu)達70后(QiLingHou)、
だいぶ離れてワシ50后(WuLingHou)が入り乱れてのライブとなる。
楽しそうやなぁ〜今月から毎月こんなライブやるど〜!!!
場所:蓝溪酒吧
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2013年4月23日
中国人の「仕事」ときたら全く・・・
小畑秀光が金もないのにグッズを作りたいと言うので、
人民元だったらあるから中国で作るならいいよということで作ってやった。
上海に日本人がやっている会社もあるそうで紹介されたのだが、
やはり日本人の「仕事」はいい仕事をするだけあって単価も高い。
いろいろ調べてみたら北京のアンダーグラウンドバンドは鄭州の会社を使っているらしい・・・
まあバンド連中がいつも使っている会社なら大丈夫だろうということで発注した。
サンプルを作らせてみたらモノはなかなかいいようだ。
まずはハチマキ!!
まあこんなもんは悪く作ろうにも作りようがないのでまあ完璧と言ってよかろう!!(喜)
次は旗!!
これはさすがにどんなもんが出来て来るやらわからんかったので、
サンプルを作らせてチェックして問題なさそうなので発注した。
「大きいのはこのサイズで、小さいのはハチマキの絵柄のサイズね!!」
と言ってたにも関わらず出来て来たのがこれ!!
小さいのが大きいのとほとんど変わらんやん!!!
これはワシ自身が受け取ったので文句を言ってやった。
「小さいのはハチマキの絵柄と同じサイズって言ったよね!!」
その時の答えがまことに中国人らしい。
「だってそんなに小さかったらかっこ悪いじゃん!!」
かっこ悪いかどうかはワシが決める!!
お前が決めるな〜!!!!!!!(怒)
そう言えば昔Wingの北京での大きなコンサートの時に、
香港人の舞台監督が泣いていた。
「この人達、舞台監督の言うことなんて何も聞かないんですよ。
バトンを上げる人は指定したタイミングでなんか上げやしない。
このタイミングが一番だろ!!
とばかり自信持って自分のタイミングで上げて威張ってんですから(泣)」
大小2種類の旗を作るつもりが大中小になってしまったが、
まあ中の使い道は考えるとしてまた新たに小を発注する(涙)
そんなこんなしてたらTシャツが届いた。
ちゃんとサンプルも作ってもらってチェックしているのでモノは心配ない。
こんなにいっぺんに持って帰れないので
半分ぐらい持って帰ろうとばかりトランクに詰め込む。
大きさはS,M,L,XLといろいろあるので、
それぞれ半分ずつもって帰ろうと思うのだが、
どれがSでどれがMやらわからない。
首元のタグに書かれているのだが、
襟が小さいTシャツなので首元に埋もれていて、
いちいちビニールを開けてみないと確認出来ないのだ。
どうしてちゃんと分類して箱に入れて来ん!!!!(怒)
ちなみに段ボールを見ると、
ひとつの箱にはL40,S40と書きなぐっている。
もうひとつの箱にはMとだけ書かれている。
じゃあMの箱にはMだけが入っているのだろうとそれを取り出してトランクに詰める。
問題はもうひとつの箱である。
そこにLとSが40ずつと、残りXLが入っているのじゃな!!
とばかりビニールを開けて自分で分類する(涙)
これはSだなとわかったらSと、
LだなとわかったらビニールにLとマジックで書いておく。
どうしてその作業を業者がやっとかん!!!(怒)
そして分類していくうちに不思議なことが起こって来る。
なんとこの箱の中にもMが混じっているのだ・・・
悪い予感がしてトランクにしまったTシャツを開けてみる。
そしてさすがのワシもそこで叫び声を上げた。
SやらLやらも入っとるやないのーーーー!!!!!!(怒)(怒)(怒)
結局業者は2つの箱にでたらめにいろんな大きさのを放り込んでいるのだ(涙)
そして何の意味もないS40,L40という数字を段ボールに書きなぐっているのだ(号泣)
仕方がないので全部開けて自分でマジックで書き込む羽目となる・・・
発注してくれた老呉(LaoWu)にはこの話はしていない。
どうせ、
「モノはよかったんだろ、だったらいいじゃない」
と言われるのがオチである。
「分類までちゃんとしろ」などと言ったら、
「日本人って全くどうでもいいところに細かいよな」と言われるのがオチである。
どうでもよくないっ!!!!!!(怒)(怒)(怒)
まあこの業者に発注している全てのアンダーグラウンドはこんなことでクレーム言ったことはないんじゃろうからワシが何も言えることではない。
安かったしモノはいいからまあよしとするか・・・(泣)
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2013年4月22日
寧夏省銀川の不思議なライブハウス
バブル真っ只中の中国では、
とんでもない田舎町にお金持ちがいたりして、
それが世代的に若い頃にロックの洗礼を受けてたりして、
そんなこんなでアンダーグラウンドのロックバンド達はいろいろ恩恵を受けたりしている。
布衣(BuYi)で一度呼ばれた貴州省貴陽のバーもそうだった。
普段は歌謡ショーとかやってるバーで儲けて、
夏の気候が良い時期になると毎週週末に北京からロックバンドを呼ぶ。
もちろん旅費やホテル代にギャラまで出したら赤字である。
でも彼は儲けたお金の中から毎年必ずそれをやっている。
自分はロックに育ててもらったんだ、
だからロックに恩返しをするんだ・・・とばかり・・・
公安とイタチごっこしながら営業しているライブハウスもあったり、
日本資本で営業しているライブハウスもあったり、
でもこの銀川のライブハウスは一番不思議なライブハウスである。
何が不思議かと言って客層が不思議なのである。
初めてこのライブハウスで演奏したのは1年前、
Bs.納浩一、Org.大高清美、Vo.三科かをりというメンバーでここにやって来た。
こんな凄い人達が中国に来るんだからライブをブッキングしてよ、
と老呉(LaoWu)に頼んだらこの店を紹介してくれたというわけだ。
客が入らなかった困るのでアンダーグラウンドではあるが地元のロックスターである老呉(LaoWu)もゲストでブッキングしてある。
これがまた満員なんだな・・・(笑)
まあ満員なのはいい、特筆すべきはその客層である。
中国では田舎に行くほど客が大騒ぎをするが、
この店の客はとにかく度を超えた「酔いどれ」。
普通の店の倍ぐらいの値段のこの店の酒を浴びるほど飲む。
まあ飲むのだから泥酔してステージに上がり込んで来て
マイクを持ってわけのわからないことを叫んだりする客もいたりするのはご愛嬌だが、
だいたいそんな酔いどれ客など演奏なんて聞いてないのが常である。
特にJazzだの小難しいことをやってると大体は聞かずに仲間内で大声で盛り上がったりするものなのだが、
全中国のライブハウスの中でこの店の客だけは違うのだ。
その時も大高清美さんの変拍子の難曲とか、納浩一さんの超絶なベースソロとか、
ちゃんと騒がずに聞いて惜しみない拍手を与えている。
同じメンバーで北京でやった時には、
客層は明らかに「聞く耳がある」ミュージシャン達が多かったのでそりゃ聞いていたが、
ここの客層は決してそんな感じではない。
死ぬ気で飲みに来ている田舎のおっちゃんおばちゃん青年たちが、
純粋にこの難しい音楽をちゃんと「楽しんで」聞いているである。
今回もドラムソロを叩いてそれを感じた。
拍手が来る場所や盛り上がる場所がツボを得てるし、
ここの客は本当にこの音楽を「理解」している。
「理解」と言ってもしちめんどくさいものはわからないだろうが、
少なくとも「いいものはいい」という「感覚」を持っているように感じる。
「何つう音楽か知らんがホンマに感動した。楽しませてくれてありがとう」
という種類のものである。
まあステージを降りたら酔いどれの写真や握手や一気飲みの洗礼を受けることになるのだが(苦笑)・・・
彼らは本気で「飲みに」来ている。
そして「音楽」が美味しく酒を飲むためにどれだけ貢献しているかを知っている。
「音楽」こそは「最高のツマミ」なのだ。
私が最初に北京に来た頃、もう20年以上前になるが、
その時にも感じたことである。
RockだJazzだジャンルは関係ない。
「好听(HaoTing)」もしくは「不好听(BuHaoTing)」、
つまり「よい」か「悪い」かだけである。
(「好听(HaoTing)」を正確に訳せる日本語がないので思いっきり意訳)
当時ワシは「売れる音楽」だけを強要される世界に住んでたので、
まだジャンルが確立してないこの中国に大きな魅力を感じた。
売れる「下らない音楽」なんかやらなくていい。
売れない「素晴らしい音楽」をやっていればいいのだ。
なにせ当時この国では「革命の歌」以外は「売れない音楽」だったのだから・・・
その証拠に「精神汚染音楽」として政府から忌み嫌われていた「ロック」という音楽が、
共産党が推奨する「革命の歌」よりも売れる時代が来たではないか。
・・・とか言いながら、
今ではもう北京をはじめあらゆる大都市では音楽は細かくジャンル別けされ、
「聞く耳がある」リスナー達が自分の好きなジャンルだけを「頭」と「耳」で聞く時代になって来ている。
誰もこの銀川のライブハウスの客のように「心から」音楽を楽しんではいない。
もっと田舎に行ったら逆にまだまだ「音楽を楽しむ」までいってないのかも知れないが、
中国で2番目に小さなこの省の省都である銀川の、
たまたまこの店に集まる酔いどれ達がちょうど「そんな時代」なのではないか・・・
ひょっとしたらこの街もまたいつか「発展」して北京や他の大都市のようになるのかも知れない。
そしたらもっと田舎にまたこんなバーが現れるのかな・・・
願わくばここだけは変わらずこの「不思議な空間」を維持し続けて欲しいと思う。
ps.この店のオーナーは10月にまた新しい店を出すと言う。
「ファンキー、その時はまた来てくれよ。また最高のドラムを叩いてくれ」
そう言ってワシの肩を叩く。
「北京から有名歌手を呼んでくれないか」
などと言うような人間ではない。
そしてまた自腹でミュージシャン達にとびきりの羊肉をご馳走してくれるのだ・・・
Posted by ファンキー末吉 at:12:02 | 固定リンク
2013年4月20日
ワシは中国で1億元損した男(笑)
中国の寧夏省、省都の銀川からさらに80kmほど車で走ったところにある「大武口(DaWuKou)」というところに来ている。
まあはっきし言って「田舎」である(笑)
布衣(BuYi)は今年になってオリジナルメンバーでもあるギタリスト兼箏奏者の張威(ZhangWei)が脱退して、
今はボーカリストである老呉(LaoWu)ひとりが、ライブによってメンバーを変えて活動していると聞いていたが、
最近はよく張張(ZhangZhang)のAcidユニット「化現場(HuaXianChang)」と一緒にライブをやることも多いらしく、
今回はその形でこんな田舎町までやって来たということらしい。
ワシはゲストで数曲叩くだけなのでライブをボーっと見てたのじゃが、
こんな田舎町でも彼らの曲をみんなが大合唱してるのな(驚)。
「羊肉面(YangRouMian)!!羊肉面(YangRouMian)!!」
とワシの作った曲をオーディエンスが連呼するのを聞いてとても嬉しく思い、
ライブ終了後に羊肉食って飲みながらその話をしてたら老呉(LaoWu)からこんな面白い話をされた。
羊肉面(YangRouMian)なんかよりもっと凄いのがあるよ。
「我爱你亲爱的姑娘(WoAiNiQinAiDeGuNiang)」・・・
何せ携帯の着メロダウンロードで1億元稼いだって噂だよ。
ちなみに日本はCD等からダウンロード商売に移行するのに非常に手間取っているようだが、中国ではあっと言う間である。
ビデオからDVDへのシフトもあっと言う間だった。
きっとシステムを完全移行させる場合、
日本ではCD屋や従来のレコード会社が潰れてしまうことを恐れて慎重に対処するのに対して、中国ではそんなこと気にしないからあっと言う間なのだと思う。
この国では別にCD屋など潰れてもいいのだ。
レコード会社もビデオ業者なども潰れてもいいのだ。
どんな手を使ったって早く金持ちになるのが「勝ち」なのだ。
中国の携帯電話利用者数は今や11億人を越え、
着メロビジネスが儲かるぞと言われ出してからもう久しい。
こちらでは1曲のダウンロードにだいたい1元が課金される。
日本円でだいたい15円なので貧乏人でも携帯を持ってるぐらいの人なら十分払える額である。
しかしヒット曲となると1000万ダウンロードは下らないと言うのだから凄まじい!!
私が友人から頼まれて映画音楽を担当した「瘋狂的石頭(Crazy Stone)」はその年タイタニックを抜く興行成績を挙げ、
その中の挿入歌である「我爱你亲爱的姑娘(WoAiNiQinAiDeGuNiang)」も1000万ダウンロードを越える大ヒットなのだと言う。
「1000万ダウンロードって1億元だよ?」
老呉(LaoWu)がそう言って笑う。
1億元と言えば日本円で大体15億円である。
もちろん曲を作ったワシにも、詞を書いた老呉(LaoWu)にも一銭たりとも支払われていない(笑)
まあ訴訟を起こしても無駄である。
何十億元も稼いでるヤツらはこの国では既に絶大な「力」を持っていて、
こんな金のないヤツらの訴訟なんか問答無用ではねつけることが出来る。
それにまあ、この曲に関する権利関係も実は非常にアヤシイ・・・
契約上は映画会社が全部権利を持っていることになっている。
つまり全ての楽曲は「買い取り」なのである(恐)。
しかし通常は契約書もへったくれもない。
たしかこの時は香港の会社だったのでわざわざ契約書を作ったようだが、
ワシのところに契約書を持って来たのは公開した後、
つまり誰もが「儲かるぞ」とわかってからである。
もちろんワシはサインをしていない。
記憶によると困った先方は「誰でもいいからサインして下さい」と言うので、
嫁か助手か誰かがしたかも知れない(笑)
「儲かるぞ」となったのだからいろんな人がいろんなことをする。
エンディングロールで重慶語のラップを歌った「潤土(RunTu」はさっそく、
「ファンキーさん、あの曲を発売してもいいですかねぇ」
と電話をかけて来る。
ヤツとてワシからたかだか1万円にも満たないギャラしかもらってないのだ。
「儲かる」ならそれをどんどん使いたいというのは当たり前である。
「ワシはサインしてないから権利関係については何とも言えんが、
まあひょっとしたら映画会社がお前を訴訟するかも知れんぞ」
・・・と、ワシが言えるのはたかだかこのぐらいのことである。
「いいんです。訴訟されたら話題になってまたその曲が売れますから」
これがこの国での「物の考え方」である。
そもそもが「力がある者」が「力のない者」を訴訟したりはしない。
ヤツらにとっては「力のない者」など「ゴミ」と同じなのである。
逆に万が一「潤土(RunTu」が売れたら「力」を持つことが出来るので、
そうなったら逆にヤツらだって手出しが出来なくなる。
要は「どっちが正しいか」ではなく、「どっちが力があるか」なのである。
そうして「潤土(RunTu」は売れた。
お礼に彼はワシにたんまりとご馳走を奢ってくれた(笑)
中国で絶対やってはいけないこと、それは「友達を裏切ること」。
だから彼はワシのところに真っ先に電話をかけて来たのだ。
こうしてワシは彼の「恩人」となった。
これを受けてワシは当時ファーストアルバムをレコーディングしている布衣にもこう言った。
「お前らも自分のアルバムにこの曲を入れればいいんだよ」
そしてその曲が1億元を動かす曲になったというだけの話である。
もともとはこの曲は映画ではこのように使われている。
女をナンパするシーンで、
宝石を盗んだ悪ガキが、同じ宝石を狙う親分の女を見初める瞬間にかかる曲。
以前にやった「ショムニ映画版」で似たようなシーンにキングトーンズの歌う「I can't stopp loving you」を使ったので、
同じようにそれを貼付けてデモとして、
監督のOKが出たのでそれと同じような雰囲気の曲を作っただけの話である。
つまり「やっつけ」(笑)
録音も隣で住んでいる布衣の連中を呼び出して
「誰か歌え!!」
と言ったらドラマーが手を挙げたので彼に歌わせただけの話である。
実はサビだけでなくAメロもちゃんと作っていたのだが他に使い場所がなく、
結局彼らがそのAメロとサビを使ってこのようにアレンジして自分のCDに入れたのだ。
この映画音楽はサントラを出してないので、
このバージョンが着メロとなって1億元を生み出したということだ。
「今の中国のダウンロードビジネスに則ったら、
楽曲の権利が業者から2000万元は入って来るから、
ふたりで1000万ずつだぜ〜」
そう言って老呉(LaoWu)は笑う。
つまりワシとあんたで1億5000万円ずつ〜(笑)
間違ってもその金を「取り返そう」などと思ってはいけない。
ワシはこのアンダーグラウンドバンドの未来によかれと思ってそれを進言しただけである。
実際この曲と羊肉麺(YangRouMian)は彼らの代表曲となった。
そして寧夏省のド田舎でもこのようなライブを行えるようになって、
そしてワシをゲストとして呼んで好きなだけ絶品の羊肉を食わせてくれる。
ワシにとっては今からまた人と争っていろんなものを失って、
その結果やっと1000万元手に入れるより、
このような「友達」がこの国にもっともっと増えて、
その人達が今よりももっと大きくなってもっともっと美味しいものを奢ってくれればそれでいい。
ワシにとって大切なものはもっと他にあるのだ。
東京に出て来て爆風銃(Bop Gun)でグランプリを取った時、
「これはまぐれで取ったのではない!!俺たちにはその実力があったからなんだ」
と頑に信じた。
まぐれで取ったグランプリにしがみついて生きてゆくなんて人生ミジメ過ぎる。
爆風スランプがデビュー出来た時も、
「俺らには実力があったからだ」
と頑に信じた。
まぐれで出来たデビューにしがみついて生きてゆくなんて人生ミジメ過ぎる。
バンドはレコード会社のコントロール下に置かれたので仕方なくワシはひとりでJazzなどを命懸けでやって自分を磨いた。
「もしこのバンドが突然なくなっても俺は少なくても全く同じことが出来る実力はある」
とばかり・・・
Runnnerがヒットした時は揺れた・・・
「金」とはある種「麻薬」である。
なくなると禁断症状に見舞われて、何をやってもまたそれを手に入れようとする。
「次にヒット曲を出さなければバンドは一発屋で潰れる」
と言われ、死に物狂いで「リゾラバ」を作ったが、
その後中国に行ってワシは「ヒット曲を出す」戦いよりも、
「このクオリティーの曲ならいつでも作れるんだ」
という戦いに身を置いた。
「今まで日本でここまで来れたのは爆風スランプの名声のおかげではない。
全ては自分の実力だったんだ!!」
もしそれが本当なんだったら、
誰も爆風スランプなどしらない中国でゼロから同じぐらいの結果は出せるはずではないか。
そして中国での今がある。
嫁がはワシに
「パパは日本では正当に評価されてない」
と言ったことがあるが、
「中国での評価が余りあるもんだから俺は気にせーへんよ〜」
と笑った。
自分の曲で1億元儲けたやつがのうのうとしていることに腹は立たない。
大事なのは「こんな曲ならいつでも作れるぞ」ということである。
ここで「1000万元取り返そう」という人生にシフトしたとしたら、
いつかそれが取り戻せたとしてもその時にはもうこんな曲は作れなくなっているだろう。
ドラムもそうだが、「音楽」そのものこそが「生き様」なのだから・・・
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2013年4月18日
ネットテレビのお仕事
と言っても今回はワシがやっているわけではない。
とあるトランペットプレイヤーのアルバムを請け負って、
その打ち合わせでスタジオに行き、
張張(ZhangZhang)に振ったアレンジが出来上がってないので
「何やってんだ?」
と聞いたら
「今日はリハーサルやってるわよ」
と言われたので覗きに行ったのだ。
リハーサルスタジオに入るとメンバーはほぼ顔見知り。
ストリングスアレンジで有名な张毅(ZhangYi)と張張(ZhangZhang)がキーボード群に囲まれて横並びに並んでいる。
見れば張張(ZhangZhang)の顔には心ばかし疲れが見て取れるようだ。
「何やってんの?何の仕事?」
笑顔でそう聞くのだが、
「ファンキーさんが忙しいって言うから僕らがしっちゃかめっちゃでやってんじゃないですか」
と涙顔。
そう言えば発注元はトランペッターのと同じなので先月からワシのスケジュールをかなり細かく聞いてきてたのは実はこちらの仕事の方だったのじゃな・・・
聞けば、前回ワシがやったテレビのオーディション番組の、
今回はそれのネット版であると言う。
中国の若者はもうテレビなんか見ないと言うが、
ネットテレビでこれだけのミュージシャンを雇う予算が出るというのが凄いと思う。
確かに中国には400を超えるテレビ局があるのだから、
そこに広告打つよりは人気のWebサイトに打つ方が効果があるかも知れんのう・・・
このネット番組は毎週月曜日の20時から生放送で行われる番組だそうで、
出演者が決まったらその歌う曲10曲を、
张毅(ZhangYi)と張張(ZhangZhang)が手分けしてアレンジして譜面にして、
打ち込みの部分はまた手分けして打ち込んで、
終わったら毎週毎週こうやってリハーサルして・・・
毎週月曜日には生放送でそれを演奏して・・・
終わったらまた次の週の10曲をアレンジして譜面にして・・・
6月までそれが毎週毎週・・・って出来るわけないやん!!!!
いや〜2人より3人でやれたら思たんかな・・・無理っ!!!!
というわけで早々にリハスタを後にした。
こりゃ張張(ZhangZhang)当分使い物にならへんなぁ・・・
ドラムには艶楽隊の王欄や、ギターには天堂楽隊の羊力がいたが、
日本ではスタジオミュージシャンとロックミュージシャンはバシッと線を引かれていて、中国では上の方はもうぐっしゃぐっしゃなのだが、
でもお前ら、「仕事が忙しい」言うてバンドのライブに穴あけたりしてたらいつの間にやら「ロック」が出来んようになってしまうでぇ〜
ふ、ふ、ふ、ワシは明日から寧夏省行ってドラム叩いて来るし〜
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2013年4月17日
スクール・オブ・ロック
この1本の映画を、北京に住む荒巻という男が私に見せて、
「これと同じことを北朝鮮でやるんだ」
ということで北朝鮮ロックプロジェクトが始まった・・・
とオフィシャルではそういうことになっているが、
実のところ荒巻が私に渡したDVDは北京で買った海賊版で、
言語はオリジナルの英語、字幕はいい加減な中国語訳だった。
ワシは英語は映画をヒヤリング出来るような実力もなく、
中国語も字幕を一生懸命追ってやっと意味がわかる程度である。
しかし「ロック」の映画なのでそれでもワシは結構楽しめた。
そして昨日飛行機の中でこれがあったので初めて日本語吹替版でこれを見てぶったまげた!!
いや〜これは素晴らしいロック映画ですわ〜・・・
毎度のごとく機内サービスのワインを飲みながら、
ヘッドホンの音量を最大にして映画を見るのだが、
終了後には号泣!!泥酔で瞼を腫らして中国に入国している(笑)
やっぱ聞き取れない英語と一瞬で消える字幕と戦いながら見るのと全然違うな。
いろんなところにジョークや深いセリフが散りばめてあって、笑いどころ、そして泣きどころが満載である。
いや〜この主人公ってどことなくワシと似てるな。
まあロック馬鹿をデフォルメしたようなキャラなのでロック好きならどこか自分に似てるように感じるように作ってあるのだろう。
バンドバトルに負けてしょげる主人公を、子供たちが
「ビートルズだって賞をもらったことがない。
僕たちは最高のショーをやった。最高のショーは世界を変えるんだ。そうだろ」
と言って慰めるシーンはついついワイングラスを持ち上げて画面と乾杯したもんな(笑)
かく言うワシはドラマーとしては無冠の帝王である。
コンテストに出てもベストドラマー賞を取ったことがない。
ある時はココナッツボーイの笠浩二だったり、
ある時はれいちだったり、
バンドは賞を取ってもベストドラマー賞は必ず他のドラマーだった。
ドラマーが上手いと「いいバンドだ」と言われ、
ドラマーが下手だと「下手なドラマーだ」と言われる、
それが「ドラマー」という職業なんだよ。
という末吉語録は実は「負け惜しみ」から始まっていたのである(笑)
しゃーないからドラムが上手くなることに命をかける。
主人公のように「どうせ俺は下手くそだし」などとは死んでも言いたくない。
そうやってがむしゃらにここまで来たその人生こそが・・・「コメディー」やな(笑)
いや〜人生楽しい!!ロックは楽しい!!コメディー万歳!!
賞ももらったことがなければドラムマガジンにも一度足りとも評価されたこともなく、それでもこんなに笑える人生を爆走するロックドラマーはこの映画以上やな(笑)
これでJASRACに刑事訴訟されて刑務所にでもぶち込まれたらハリウッドも真っ青やな(笑)
スクール・オブ・ロック、笑って泣けてロックを堪能出来る名画です!!
北朝鮮ロックプロジェクトまとめはこちら
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2013年4月16日
お歌のライブ和佐田口末吉(わさだぐちすえきち)歌合戦レポート
Live Bar X.Y.Z.→A始まって以来一番の「ゆる企画」である(笑)
ワシがAJ-米田渡-のサポートをした時、
実は初めて米川くんは昔はリードボーカルを取ってなかったと知った(驚)。
それが「抱きしめたい」で初めてソロボーカルを取った時、田口くんは
「ああ米ちゃんが遠いところに行っちゃう(涙)」
と思ったという話を人ごとのように聞いていたのだが、
ところが前回のAJ-米田渡-のライブで田口くんが「噂のカタカナボーイ」を歌った時、
「ああ田口くんが遠いところに行っちゃう(涙)」と思ってしまった自分がいた。
そこで何とか「田口くんに追いつけ追い越せ」で「お歌のライブ」はやってみたいと思ってはいたのだが、
ところがここにベースで渡辺英樹などが来てしまったとしたら私にとってはよけいなプレッシャーがかかってしまって楽しくない。
そんな中、とあるライブで和佐田の歌を聞いて
「こいつなら相手にとって不足はない!!」(笑)
とということで今回のライブと相成ったというわけである(メデタシ)。
あ、そうそう。
調停不成立後JASRACの方も血眼になってワシのブログをチェックしてるだろうからここで明言するが、
これは店が企画して立ち上がった企画ではない。
ワシが「出演者」としてこの店にこのライブをお願いしたのだ!!(キッパリ)
何故ならワシがブッキングマネージャーだとしたらこれはいくら何でもあんまりな企画ではないか(笑)
出演者だとしたら逆にこの店ぐらいしか「いいよ」と言ってくれる店はないではないか(胸を張る)。
何か言いながらだんだん悲しくなって来たが(笑)、
これがまたリハーサルをやってみるといい具合にお歌のレベルが揃ってるのな・・・
それぞれが4曲ずつ持ち寄ってリハーサルをする。
1曲ずつ3回戦に渡って戦うのだが、
4曲目は優勝者しか歌うことが出来ないというルールである。
ワシはとりあえず聞き語りの「坂出マイラブ」を4曲目に据えて、
田口くんも何やら弾き語りを4曲目に据えているようだ・・・
さて本番が始まった。
まずジャンケンで歌う順番を決める。
何せ初めてなので最初が得か後が得かはわからない。
ジャンケンで買った和佐田は3番目を選ぶ。
負けた田口くんは1番目。
さてそうやって始まった第一回戦、
田口くんが選んだ曲はいきなり爆風スランプの「愛がいそいでる」。
「爆風のメンバーの二人の演奏で爆風の曲を歌いたい」
というそれだけの理由だったらしいが、
何とこれ1曲で投げ銭は3000円!!
これにはいきなりぶったまげてしまった・・・
言い忘れていたが、今回競うのは歌の上手さでも何でもない。
単なる「投げ銭」が多いか少ないかだけである。
末吉頑張って歌うも1111円、和佐田頑張って歌うも1650円・・・
第二回戦はまたジャンケンで順番を決めるのだが、
順番は変わっても
末吉1100円、和佐田2006円、田口2420円
と田口くんがごぼう抜き。
ところが最終回で異変が起きた。
第三回戦(最終回)、最初にワシが歌ったらえだちんが小銭と共に持っている人民元を全部入れたのだ。
まあワシとしてはもらえるお金なら人民元でもミャンマーチャットでも何でもよい。
問題はそれが日本円でいくらぐらいなのかということである。
和佐田が歌っている間に計算する・・・
最終回歌い終わって和佐田の投げ銭の合計は6979円(それでも凄っ)
末吉は3391円+人民元424.5元・・・
424.4元って日本円にして・・・いくら?・・・
計算してみるとなんと6641円!!!!(驚)
発表した途端にえだちんの顔から血の気が引く(笑)
ともあれこの人民元のおかげでワシはごぼう抜きでトップに躍り出たのである。
なんと合計10032円!!!えだちん一人のおかげで大台を越した!!!
しかし2回戦までぶっちぎりトップだった田口くんは5420円であるが、
最終戦で万が一投げ銭が4612円以上あればトップ帰り咲きも夢ではない。
歌った曲は古井戸の「さなえちゃん」。果たして投げ銭は・・・・
何とこの曲だけで7790円!!!!見事にトップに帰り咲きました〜!!!!
いや〜楽しかったなぁ・・・
次は5月2日に行います。
投げ銭は最低1円からなので、
9曲聞いて面白くなかったら1曲ごとに1円ずつ、
全部で9円と店の飲食代1000円だけで楽しめます。
おいでまーせ〜
ところでこの「ドラム」バージョンも考えてます。
お相手はマッド大内か工藤義弘!!
現在スケジュールを調整中!!
しかしこれも「ドラムの腕」を競うのではなく「投げ銭の額」を競うのであるから、
クドーちゃんに「ちん毛ファイアー」を出されたら誰も太刀打ち出来ん!!(涙)
こんな話をクドーちゃんとしてたら、
隣で聞いてたシャラが「そりゃだんだん趣旨が変わってくるで〜」と笑う。
「これはドラマーならではの企画やわ〜
俺と橘高と恭司さんとやったって絶対そうはならんし・・・」
クドーちゃんの「ちん毛ファイアー」が見れる日も近い!!
Live Bar X.Y.Z.→Aではこのようなアホな持ち込み企画を大募集しております。
どんな下らない企画でも結構です。
こちらにメール下さい。
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2013年4月15日
JASRACとの調停ついに「不成立」で終わる
本日2013年4月15日にて、
足掛け2年に渡って行われたJASRACとの調停は「調停不成立」という形で終止符を打ちました。
調停中はその内容をブログに書くことが出来ないので、
私はその全てをこの瞬間に全国民に伝えるべく長い長いレポートを書いて来てたのだが、
弁護士からそれをUPすることを止められる。
調停不成立となったら次はJASRACは私を刑事訴訟して来るのだ。
戦いの前に自分の武器を敵に晒すバカはいない。
今回の調停ではJASRACは数々の信義則に反する言動を行って来たので、
「こちらから訴訟を起こすことも出来ますよ」
と弁護士は言うが、ワシは相手が訴訟して来るのを待つことにした。
戦いは終わらない・・・次は法廷だ!!
調停までの一連の流れはこちら
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2013年4月14日
平和、愛、僕たちに勇気を
高知のファンの方が高知新聞夕刊を持って来てくれた。
一面にはワシの記事が載っていた。
半年前の取材をまた記事にして頂いたわけだが、
この記者がどうして今頃この記事を載せたかったのか・・・
きっと連日北朝鮮のミサイルの記事ばっかり書いててイヤになったんやろうなぁ・・・(笑)
戦争の影でいつも傷つくのは何の力もない子供たち〜・・・
昨日はファンクラブ会終了後鶴橋に向かった。
大勢で飲んでたのだが、
ひとりこっそり抜け出して生野区のディープな串焼きやで一杯。
在日のおばちゃんが焼いてくれる絶品のホルモンや、
珍味の生コブクロなどを頬張りながらマッコリを飲む。
ちょっと前に新大久保で在日朝鮮人を誹謗中傷するデモが起こったが、
ここ生野区でもそれがあったらしい。
中国で反日の事件を見る度に
「民度の低い中国ならいざ知らず我が国では」
と思っていたのだが、やっぱおるんやなぁこんなアホ達が・・・
車椅子の在日の人がデモ隊になぎ倒され、
それを警察は見て見ぬ振りをする。
「私らがそれやったら即逮捕やろ!!」
おばちゃんが笑いながら吠える。
ちなみにおばちゃん韓国籍ではなく北朝鮮籍。
(厳密には日本は「北朝鮮国籍」というのは認めていないらしいが)
4人の子供を育てながらホルモンを焼いて来た。
そのおばちゃんの絶品のホルモンを頬張りながら、
「人間とは何と愚かなものなのか」
とか
「ワシらは何と無力なのか」
とか考えて飲んでたらふとワシの頭にこの曲が浮かんで来た。
AMANI NAKUPENDA NAKUPENDA WE WE
(平和、愛、僕たちに勇気を)
「ずっと歌うよ」と歌ってた黄家駒はもう先に逝ってしまった。
しゃーないからワシは今日も世界平和のためにツーバスを踏むのだ!!
X.Y.Z.→Aツアー
4月14日(日) 滋賀 BARI-HARI
OPEN 15:30 / START 16:00
イープラス
5月25日(土) 東京 渋谷 club asia
OPEN 16:30 / START 17:00
イープラス
5月31日(金) 大阪 RUIDO
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:57797 / イープラス / チケットぴあ Pコード:193-506
6月01日(土) 愛知 名古屋 ell.FITS ALL
OPEN 17:00 / START 17:30
ローソンチケット Lコード:47408 / チケットぴあ Pコード:193-516
チケット発売中
チケット料金
前売 4,500円
当日 5,000円
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2013年4月13日
神戸牛パワー
目黒イベントから始まって千葉の初日が終わって、
一日空いて広島に入ったら筋肉痛で4Fの会場の階段が上がれん(涙)
いやーそれでもドラムが叩けるんやから凄いな・・・
広島、岡山と終わって神戸への移動日、
昼からステーキ食ったった〜
この店はステーキランドという大衆店。
二井原実タワーオブパワーツアーで大高清美さんに連れて来てもらった。
昼間のランチで最高級のステーキを選んでも2980円、
非常にリーズナブルである。
そのまま神戸サウナに直行!!
マッサージをした。
「こってますねぇ・・・」
そりゃそうでしょう・・・
心身ともにすっきりしたのだが、
次の日もこのステーキの味が忘れられない。
モーリヤの看板を見る度に
「やっぱモーリヤなぁ・・・」
と思ってしまう。
この店は100年以上の歴史を持つ老舗で、
神戸生まれの嫁の憧れの店であった。
「一度でいいからモーリヤでステーキが食いたい」
と願う嫁と嫁の母の思いを叶えてあげるべく、
「ランチならまだ安いやろ」
と結婚式の前の日に初めてこの店を訪れた。
結婚式には当時小学生だった2人の子供も参列するので、
子供たちも連れて新神戸駅を降り立ち、
嫁と嫁の母とモーリヤの前で待ち合わせた。
総勢5人でカウンターに通される。
ものものしいメニューが手渡される。
値段を見てびっくり!!!
「ラ、ランチメニューはないんですか・・・」
ウェイターが悲しそうに首を横に振る。
ワシは悲しそうに嫁と嫁の母をチラ見する。
いや、新郎たるものここで心(財布)の中を見透かされてはいけない。
平静を装って、嫁の家に伝わる注文法
「高いのから2番目のものを頼む」
を清水の舞台から飛び降りるつもりで注文した。
問題は子供達である。
小学生にこんな高級な肉を食わせても無駄なので、
何とか一番安い肉、もしくは別のもので誤摩化したいのだが、
「私もそれ〜」「僕もそれ〜」と言うので仕方がない。
1食5万円・・・(号泣)・・・
しかし流した涙の量に比例してここのステーキは美味かった!!
というわけで神戸ライブの当日の昼間、
「神戸なので今日もステーキ!!」
というわけで今度はモーリヤにやって来た。
最近ではランチメニューを始めたようで以前よりは安くはなってたが、
やはりステーキランドよりは高い肉はやっぱそれなりに美味い!!!
ついつい肉も追加、ご飯も追加してライブ会場に向かう。
いやー・・・満腹・・・ニンニクぷんぷん・・・
通常このような状態でドラムに向かうと、
普段の1.2倍速でしゃかりきに叩いてしまうか、
もしくはまった〜りとレイドバックしてしまうか、
どうせなら前者でということでリハでもしゃかりきに叩く。
リハ終わったら・・・両足また筋肉痛・・・なんちゅうバンドじゃ!!!!
というわけで本番!!
レイドバックしたら負けなのでしゃかりきに叩く!!
移動日を経てゆっくり寝ているので体力がある。
調子はすこぶるよいようだ。
しかし異変は中盤で起きた。
ワシの異変ではない、機材の異変である。
ツーバスを踏んでたらいきなり右足から手応え(足応え?)が消えたのだ。
ドラム袖で待機していたPan-d-raのYO-HEYが走って来る。
ワシは左足だけでドラムを叩きながら右足を空ける。
ところがYO-HEYがペダルを外してそれを見せて初めてわかる、
ビーターが外れたのかと思ってたら実は折れてたのだ!!(驚)
予備のペダルに変えてまたツーバスを踏む。
その間ワシは左足だけで曲をずーっと叩いていたのだ!!(自慢)
いやー右足で出来ることを左足でも出来るようにしとくもんである(自慢)
ふ、ふ、ふ、誰も気がつかなかったじゃろう・・・
いい気になって曲が終わったらマイクを取って自慢してやった!!!(大人げない)
いやービーターが折れるなんて10年に一度ぐらいの出来事じゃぞ!!
神戸牛のせいか?神戸牛のせいなのじゃな!!!
というわけでライブ終わっても焼肉を食いに行った。
神戸牛パワーおそるべし・・・
Posted by ファンキー末吉 at:09:31 | 固定リンク
2013年4月11日
オープニングアクト
二井原はラウドネスで数多くのビッグネームのオープニングアクトを務めたと言うが、
ワシはと言えば爆風時代に早稲田の学祭に呼ばれてREMの前座をやったのぐらいかなぁ・・・
REMはその後アメリカでビッグネームとなるのだが、
当時誰も注目してなかった彼らを学祭に呼んだ早稲田プロデュース研究会の方々の眼力はなかなかのものだと思う。
しかし前座に爆風スランプを使ったのは大きな誤算であった。
当時のベーシストは身体は大きいが気は小さい現在のベーシストとは違い、
それはそれは火の玉のような男だった。
ラウドネスもそうだったらしいが、
オープニングアクトの機材はメインアクトの機材の前にセッティングする。
オープニングアクトが終わったらその機材は全部ハケて、
メインアクトがいつもやっているステージがそのまま残るというものだ。
PAはもちろん時には照明もろくに当たらなかったりすると言う。
当時のベーシストはそれに腹を立ててステージで吠えた。
「ここは日本じゃ!!ボケ!!!
何でワシらが毛唐の前で演奏せなあかんねん!!毛唐はアメリカに帰れ!!」
いやーどういうわけだかこれで客席は湧いて、
爆風スランプのステージは大盛り上がりで幕を閉じた。
ワシが主催者やったらギャラ払わんな!!(笑)
しかしREMはそこでやっぱ実力があったんやな。
日本ではまだまだ無名でヒット曲など1曲もないのに最後までステージをやってちゃんと客を盛り上げた。
人間も非常にいい人達で、
終演後に楽屋に挨拶に来てくれた時にはワシはどんな顔で会えばいいのか困ったのを覚えている。
さて時は流れて今はX.Y.Z.→Aのツアーちうである!!
今回のツアーは橘高がプロデュースしたふたつのバンド、
Pan-d-raとZig+Zagと一緒に廻っている。
いわゆる「オープニングアクト」というものだが、
あんな火の玉のような男のバンドでなくてよかったと心から思うぞ(笑)
意外に思うかも知れないが、
メタル界とかビジュアル系の社会は実は非常に厳しい「縦の社会」である。
先輩達の機材を運び、早くから会場に入ってセッティングし、
楽屋は狭くなるので客入れ前の会場でメイクをし、
自分たちの出番が終わったらX.Y.Z.→Aのローディーをし、
コンサートが終わったら物販売り場で物販を売り、
そして機材を全部片付けて積み込んで次の土地へと移動する。
特にドラマー二人は大変やな。
ワシのドラムを使ってくれるのは全然いいのだが、
いろんなドラマーが「叩きにくい」というドラムセットを、
二人ともそのままのセッティングで叩くのだ。
だからワシはオープニングアクトが終わってもセッティングの微調整をする必要はない。
そのままステージに上がってすぐに叩けるのだ(驚)。
今時の若者が全てこんな「縦の社会」で生きているとは思えないが、
少なくとも彼らは10本のコンサートをワシらと一緒に廻る。
だいたい客はオープニングアクトを目的で来ているわけではないので、
そりゃ「大盛り上がり」というわけにはいかない。
時には盛り上げようと頑張り過ぎて空回りしたり、
機材がトラブったりいろんなことがある。
1バンド20分で転換込みで30分で終わらせねばならない。
毎日毎日メニューを変えて、少しでも少しでも客を掴もうと頑張る。
ワシらが与えてあげられるのは莫大なギャラでも強力なコネクションでも何でもない。
彼らを見たこともないお客さん、たかだかこれぐらいの数のお客さんの前でやるチャンスを与えるぐらいしか出来ない。
でも頑張ったら何人かはファンになってくれるやも知れんぞ。
財布の紐が緩んで君らのCDを買ってくれるやも知れん。
頑張るので若者たち、CDを売るのだ!!
今日びレコード会社など何の力もない。
頼れるのは自分の力だけじゃぞ!!
彼らとのツアーは続く・・・
4月12日(金) 兵庫 神戸 WYNTERLAND
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:59529 / イープラス / チケットぴあ Pコード:194-608
4月13日(土) 大阪 某所 ファンクラブ "Z to A" イベント
「SEVENTH HEAVEN リリース記念祝賀会@大阪」
4月14日(日) 滋賀 BARI-HARI
OPEN 15:30 / START 16:00
イープラス
5月25日(土) 東京 渋谷 club asia
OPEN 16:30 / START 17:00
イープラス
5月31日(金) 大阪 RUIDO
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:57797 / イープラス / チケットぴあ Pコード:193-506
6月01日(土) 愛知 名古屋 ell.FITS ALL
OPEN 17:00 / START 17:30
ローソンチケット Lコード:47408 / チケットぴあ Pコード:193-516
チケット発売中
チケット料金
前売 4,500円
当日 5,000円
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2013年4月 8日
弟子
ワシは「弟子」というものを取ったことがない。
そもそもが人に師事したことがないのだから人に教えることも出来るわけがないのだ。
中国では若いドラマーが門を叩いて来ることもあったが、
ひとりとして長く続いたことがない。
なにせあっちは
「早く上手くなって手っ取り早く金を稼ぎたい」
と思っているのに対して、こっちが
「人生はなぁ〜・・・」
みたいなこと言ってたら誰でもしびれを切らして逃げていってしまう(笑)
先日北朝鮮に行って、
6月9日高等中学校軽音楽部で「一平」というドラマーが、
「ファンキーさんはお弟子さんなんかいるんですか?」
と荒巻に質問したと言う。
「いや、いないみたいですよ」
と答えると、
「やったー!!じゃあ僕は少なくとも共和国でのファンキーさんの一番弟子ですね」
と喜んでいたらしい。
ワシが教えたことなど簡単なことである。
「お前は今ちょっと間違えて萎縮したな。それが一番よくないのだ。
ドラマーはバンドの指揮者だ。
どんなことがあっても自信をもってメンバーを引っ張っていかねばならん。
お前が萎縮したら他のメンバーはもうやっていけないだろ。
社会に出たっていろんな困難があるぞ。萎縮したって誰も助けてくれん。
お前がメンバーを引っ張ってゆくんだ。それがドラマーってもんだ」
聞けば一平はお父さんが亡くなって、
それからドラムを叩くことに熱中していたらしい。
ひょっとしてこの教えを思い出してあの国で頑張ってくれてるのなら非常に嬉しいことである。
中国では・・・残念ながらドラマーの弟子はいないが、
みんなが煙たがるワシの言うことを最初っから熱心に聞いていた2人のプレイヤーがいる。
ひとりがピアニストの張張(ZhangZhang)、
そしてもうひとりはベーシストの韓陽(HanYang)、
ふたりとももう若手では引っ張りだこのプレイヤーになった。
まあ「コケの一念」と言うが、
ワシの言うようなアホなことでも信じたものが勝ちなのである。
そう言えばもう中国で一番レコードを売ったバンドとなった黒豹(HeiBao)のドラマー「趙明義(Zhao MingYi)」に一言だけ言ったアドバイスもアホみたいなもんである。
「お前は"みなさんについていきます"でドラムを叩いてる。
違うんだ。"俺について来い"という気持ちでいないとダメなんだ。
何?自信がない?そんなんでドラムなんか叩けるか!!」
それから彼に「I'm No.1!!」と大きな声で言わせた。
「声が小さい!!」と何度でも言わせた。
「そしたら不思議となぁ。次の日から見違えるほどドラムが上手くなったんだよ」
と、この逸話は中国のロック界では伝説となっている。
さあ日本ではどうかな・・・
そう言えば最近「響太」という高校生ドラマーが急成長していると聞く。
いや、何と言うことはない。一言だけアドバイスをしただけなのだ。
「お前、今ドラムを叩きながら一瞬くじけそうになっただろ。
くじけるなら死ね〜!!!」
後に彼のライブを見に行った。
いや、見に行ったと言うより
たまたま新宿に用事があったのでふらっと顔を見せただけなのだが、
アマチュアバンドばかり集めてのオムニバスライブで、
ワシみたいなモノがどかんと客席に陣取ったらそれなりに緊張感が走るらしい。
対バンは「なんであんな人がお前らを見に来てるんだ」とか、
楽屋でもヒソヒソ話が始まるらしい。
響太のプレッシャーも大変なものだったのだろう。
何せくじけたら死ななければならないのだ(笑)
いや〜その時の響太のドラムは凄かった!!
人間盲信すれば神に近づける(笑)
死に物狂いでドラムを叩く響太にワシは何度も涙した。
「感心する」ことにはいくらでも出会うことが出来る御時世だが、
「感動する」ことにはとんと出会わない今日この頃、
これはワシにとっては「感動」といっていい涙だった。
ワシはすぐさまメッセージを送った。
「響太〜素晴らしかったよ。
このドラムがどれだけしんどいかはお前の顔を見てたらわかる。
でもお前は一度たりともくじけなかった。
もう一人前の男だ。
社会に出てもっとしんどいことに打ち当たっても同じようにくじけずに戦ってゆくのだ!!」
面白いことにこの日のライブはファンの間ではあまり評判はよくなかったようだ。
あそこが叩けてない、キメがぐしゃぐしゃだった・・・等々
まあそんなことは初めて曲を聞くワシには関係ないことなので
どうやらワシひとりだけが感動してたライブだったようだ・・・(笑)
しかし先日うちの店でやった「秀光」のライブはとてもよかったらしい。
見に行ってた嫁が目をウルウルさせながら
「響太がとってもよかったの・・・」
と言っていた。
「あの若さであれが叩けるって凄いわ」
と言ってたので逆のことを想像して聞き直した。
「そんなに円熟してたの?」
先日「今井義頼」のドラムを聞いて、
「あの年でロックからJazzから完璧に叩けるのは凄い」
と言ってたのでそれを想像したのだが、
嫁が大きく首を振ってこう言った。
「違う!!全然円熟してない!!ただ言いたいことがバシバシ伝わって来るのよ」
つまり
「あの年であれだけ強く言いたいことがあるって凄い」
ということである。
ああ、それはよかった・・・とワシは思った。
あの年で円熟なんかしたらもう人生終わりである。
「コンペイ糖のトゲトゲを全部削って丸にしたらこんな小さい丸である。
トゲトゲをもっと大きくしたらこんな大きなコンペイ糖になれる」
響太もあれから死に物狂いのライブを何本かやって、
生死の狭間で考えることがあったのだろう。
まあ「盲信出来る」というのもひとつの「才能」で、
でもそれは「邪念が出る」とか「他の道を見つける」とかで容易に吹っ飛んでしまう危うい道である。
褒めたら天狗になって信じていることを忘れてしまうし、
くさしたら盲信し続けられなくて道が塞がれてしまう。
危うい道を歩んでいるぞ・・・それもひっくるめて「戦い」なのだ。
明日(4月9日)は彼のバンド「秀光」がうちの店で「公開リハーサル」をやる。
「公開リハーサル」というのは、
まあ金のないバンドとかが自分で金を出してスタジオでリハーサルするぐらいなら、
少々なりともチャージをもらってファンの前でリハーサルをすればという企画である。
酒を飲みながら人のバンドのリハーサルを見るというのも楽しいぞ(笑)
ワシはあいにく明日からX.Y.Z.→Aのツアーなので、
おヒマな方は響太の成長振りを見に行ってやって欲しい。
ワシは・・・橘高プロデュースのオープニングアクト2バンド相手に、
1ツアー毎日連続説教でもやるかな(笑)
X.Y.Z.→Aツアー開始!!
4月09日(火) 広島 NAMIKI JUNCTION
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:64567 / イープラス / チケットぴあ Pコード:193-577
4月10日(水) 岡山 MO:GLA
OPEN 17:30 / START 18:00
イープラス
4月12日(金) 兵庫 神戸 WYNTERLAND
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:59529 / イープラス / チケットぴあ Pコード:194-608
4月13日(土) 大阪 某所 ファンクラブ "Z to A" イベント
「SEVENTH HEAVEN リリース記念祝賀会@大阪」
4月14日(日) 滋賀 BARI-HARI
OPEN 15:30 / START 16:00
イープラス
5月25日(土) 東京 渋谷 club asia
OPEN 16:30 / START 17:00
イープラス
5月31日(金) 大阪 RUIDO
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:57797 / イープラス / チケットぴあ Pコード:193-506
6月01日(土) 愛知 名古屋 ell.FITS ALL
OPEN 17:00 / START 17:30
ローソンチケット Lコード:47408 / チケットぴあ Pコード:193-516
チケット発売中
チケット料金
前売 4,500円
当日 5,000円
Posted by ファンキー末吉 at:22:59 | 固定リンク
2013年4月 5日
8ビートの叩き方
いろんなリズム理論が存在するだろうが、
ワシはとりあえず次のように定義しておる。
8ビート=8分音符上のどの位置にアクセントが来ても「ノリ」が変わらないビート
例え音符的には16分音符が並んでいたとしても、
「ノリ」が8ビートであると言うのは即ち、その裏拍である16分音符にはアクセントが来ないのだ。
解りやすく言うとディープパープルのスモークオンザウォーターである。
ハイハットはずっと16分音符を刻んでいるが、「ノリ」は8ビートである。
だって16分裏にアクセントなんか入れられたら「ダッサー!!」って感じでしょ。
昔ロックとフュージョンが相入れなかった時代には
「お前みたいなドラマーはあっち行ってフュージョンでも叩いとけ!!」
とどやされていたもんだ。
もちろんワシも若い衆がそんなドラムを叩いてたりなんかしたら頭を張り倒す。
「ボケー!!ロックの魅力は8ビートじゃ!!欲かいてのうて命がけで8分刻まんかい!!」と・・・
まあこの曲の後半ではイアンペイスはハイハットを開いてスネアを打つ直前の16分ウラでアクセントを入れるが、
それはあくまでスネアのアクセントの前に来るアクセントであり、
決して16分ウラを強調したビートではない。
アクセントはあくまでも8分音符上なのである。
逆に16分音符のどこにでもアクセントを入れられるビートを「16ビート」と言う。
これは逆に8分音符しか叩いてなくてもそうである。
解りやすい例がスライ&ザ・ファミリーストーンのサンキューである。
解りやすいようにベースの譜面も付けたが、
このドラムはあえてシンプルに8分音符だけで叩いているが、「ノリ」は明らかに16ビートである。
その証拠にドラマーが16分音符のどこにアクセントを持って来てもサマになる。
4ビートというのだけが解釈が違っていて、
これは実は和製英語で、正しくは英語圏では「Swing」と言うらしい。
ワシは
「4分音符だけが共通の「ノリ」で、それ以上の細分化はフレキシブルに対応出来るビート」
と解釈している。
「シャッフル」が三連符の真ん中抜きの音符でビートが固定されているのに対して
「4ビート」と言うともっとフレキシブルであるからだ。
実際Jazzなどでは速い4ビートでは三連符の真ん中抜きと言うよりは8分音符に近い感じでレガートするし、
逆に遅い4ビートでは16分音符の真ん中ふたつを抜いたような音符でレガートする。
さて話を8ビートに戻そう。
私は「ファンキー末吉」と名乗っているぐらいだからFUNKドラマーとして16ビートを得意とはしているのだが、
ロックの美学はやはり「8ビート」だと思う。
8ビートの代表的な叩き方を例に説明したいと思う。
これが速度が速くなってくると「美学」が分かれて来る。
「パンク」だとテンポ180を越えようが敢えてこのまま叩いたりするが、
「メタル」だとこのように叩いたりする。
ハイハットは当然ながらオープン、もしくはハーフオープンにすることが望ましい。
ベンチャーズでドラムの叩き方を学習した幼き末吉少年は、
その後「外道」で初めてこのような叩き方を聞いてぶったまげた。
「ハイハットって4分で叩いてもええんや・・・」
実際にやってみるとベンチャーズの8ビートに比べると違った「疾走感」が生まれる。
これにワシは病みつきになった。
「これがロックかぁ・・・」
ところがいろんな曲を演奏するうちに、
ハイハットは果たして8分で叩くのがいいのか4分で叩くのがいいのか迷うテンポがある。
さてここからは左足のゴーストビートの話になる。
8ビートを叩く時に左足を8分で踏むドラマーは多いが、
これを踏むべきか踏まざるべきかは論議が分かれて来た。
ハイハットを8分で叩く時には8分で踏むのだが、
速いテンポでハイハットを4分で叩く時には当然8分では踏めない速さなので4分で踏む。
つまりハイハットを8分で踏みながらだんだん速度を上げてゆくと、
ある瞬間にハイハットを8分から4分に切り替えるタイミングが出来て来るわけだが、
そのちょうど狭間のテンポというのがやっかいである。
8分では速過ぎて踏めないが、4分では間持ちがしない・・・
まあ踏むと言っても実際に足を上下させてもハイハットは閉じたままという感じで「リズムを取っている」という感じなのだが、
結論を言うとこの辺のテンポでは「足は4分で踏むがハイハットは8分で叩く」という状態になる。
つまりゴーストビート、つまり左足をどう踏むかというのはハイハットの叩き方と組み合わせると次の3パターンが考えられるということである。
1、足は8分で踏み、ハイハットも8分で叩く
2、足は4分で踏み、ハイハットは8分で叩く
3、足は4分で踏み、ハイハットも4分で叩く
テンポが上がるほど下に移行してゆくのであるが、
順列組み合わせとしては実はもうひとつ考えられる。
4、足は8分で踏み、ハイハットは4分で叩く
これはよっぽど遅いテンポでどうしても4分でハイハットを叩かねばならない時に起こり得る順列組み合わせであるが、
結論から言うとあまり格好良いものではないと個人的には思っている。
バンドのドラマーの中には左足どころか身体中で8分音符を踏みながら8ビートを叩くドラマーもいるが、
見ていてどうも「格好悪い」・・・どう見ても「上手いドラマー」には見えないではないか・・・
そもそも左足のゴーストビートに対するワシの見解は、
「もう上級者になったら踏まずに叩けるようにしときなさい」
と言うものである。
「リズム感」というのは左足にあるのではなく、「頭の中」にあるのである。
手足がどのような状態であっても「頭の中(というより身体の中?)」でリズムを感じているべきものである。
「ロックドラムとは何か?」と言われると諸説あるが、
「叩きながらわーーーーー!!!ってな感じ(なんのこっちゃ)」
と言うのがワシの「感覚」である。
しぇからしく左足で8分を踏み続ける姿で「わーーーーー!!」とは言えないではないか・・・(笑)
というわけでワシは、8ビートを叩く時も身体は4分で揺らす。
それが「ロック」なのである。
だって8分で身体揺らしてる客なんてどこにもおらんでしょー・・・
前置きが長くなったが、X.Y.Z.→Aのリハーサルで死ぬ思いで8ビートを叩いている。
新曲は日替わりでメニューが入れ換えられるように全ての曲は練習しておくのだが、
例えばヘビーな8ビート曲である「WHILE YOU'RE STILL YOUNG」などでは、
これで身体を8分で揺らしていたのでは「わーーーーー!!」という感じにならないではないか!!
当然ながらゆっくりのテンポでも4分で首を振る!!
POPチューンの「INSPIRE FUTURE GENERATIONS」なんかでは、
まあパンクバンドなら死ぬ気でハイハットを8分で叩くのだろうが、
ファンキー末吉の「ロック魂」としてはやっぱ「わーーーーー!!」と言いながら4分である。
難しいのは「METAL HEADS」のような曲、
ハイハットは4分であるが、実際に叩いているのは16分音符である。
まあ冒頭のスモークオンザウォーターと同じく、
16分を叩いているからと言ってこれは16ビートの曲ではない。
しかしこのようにバスドラがウラで入るビートには必ず16分音符の「リズム感」が不可欠である。
前半2拍のバスドラは、ともすれば訛って2拍三連のようになりがちだが、
実は2つめのバスドラは8分音符2つめのちょうどウラに正確に入ってなければならない。
ハイハットを4分で叩いているのだから、
そのオモテ拍であるべき2つめの8分音符というのは実際には叩いてない。
つまり実際に音が出ていないその音を感じなければこのウラには正確に入れられないのである。
左足を8分で踏んでいたなら、ちょうど両足が交互に動けばいいので叩き易いが、
ハイハットを4分で踏みながらここに正確にバスドラを入れ込むためには頭の中に正確な「16分音符」が流れてなければならない。
「リズムのキモとは音の聞こえてないところにある」
という名言が示すように、
それぞれの頭の中に流れている「リズム感」こそがその「グルーブ」を支配するのだ。
身体を4分で揺すりながら頭の中では16分の細かい音符が流れている、
そしてそれをメンバーがびったし共有している形こそがバンドの「グルーブ」を生むのだ。
X.Y.Z.→Aのリズムセクション、末吉と和佐田は長年のコンビネーションの中でこれがびったし共有されている。
とてつもなく「ロック」で、
そして「ファンキー」であると人が感じるそのリズムセクションの秘密は、
このそれぞれの頭の中に流れている16分音符の中にあったのだ。
明日からツアー開始!!とくと聞きに来たまえ!!!
4月06日(土) 東京 目黒 THE LIVE STATION (イベント)
「Blasty アーティスト 3タイトル同時リリース記念 3マンLIVE "HEVEN'S BLAST"」
OPEN 17:00 / START 17:30
ローソンチケット Lコード:71915 / イープラス
4月07日(日) 千葉 LIVE SPOT LOOK
OPEN 16:00 / START 16:30
ローソンチケット Lコード:70484 / イープラス
4月09日(火) 広島 NAMIKI JUNCTION
OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:64567 / イープラス / チケットぴあ Pコード:193-577
4月10日(水) 岡山 MO:GLA
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4月12日(金) 兵庫 神戸 WYNTERLAND
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ローソンチケット Lコード:59529 / イープラス / チケットぴあ Pコード:194-608
4月13日(土) 大阪 某所 ファンクラブ "Z to A" イベント
「SEVENTH HEAVEN リリース記念祝賀会@大阪」
4月14日(日) 滋賀 BARI-HARI
OPEN 15:30 / START 16:00
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5月25日(土) 東京 渋谷 club asia
OPEN 16:30 / START 17:00
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OPEN 17:30 / START 18:00
ローソンチケット Lコード:57797 / イープラス / チケットぴあ Pコード:193-506
6月01日(土) 愛知 名古屋 ell.FITS ALL
OPEN 17:00 / START 17:30
ローソンチケット Lコード:47408 / チケットぴあ Pコード:193-516
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前売 4,500円
当日 5,000円