
2010年9月 8日
方言(Fang Yan)が英雄(YingXiong)になった日
愛の力とはもの凄いものである。
若くて美人、スタイル抜群で頭もよく、
そして金持ちで性格もよい寧夏の女性に恋をした方言(Fang Yan)、
何とか彼女の気を引きたいが自分には彼女の気を引ける気の効いた「芸」がない。
「ファンキーさんのようにドラムでも叩ければ・・・」
と思うのは人の常だが、
彼はもともとギターをやってはいたがそれほどの腕ではない。
時は寧夏の一日目、沙湖でのこと。
「じゃあ次は湖で泳ごうぜ」となった時、彼の目が輝いた。
泳ぎだったら俺に任せろ!!
彼の頭の中ではくっきりと自分の姿が想像出来た。
さっそうと飛び込んで悠々と沖まで泳ぐ彼を、
憧れの目で見る彼女の姿が・・・
しかしそこには地元の悪友達の大きな罠が仕掛けられてたのである。
この湖、水が汚れているわけではないが、
緑色で透明度が著しく悪い。
水の底など全然見えないという水質なのである。
場所は船着き場、
まさか船着き場の水深がこんなに浅いとは誰も夢にも思わない。
悪友のひとりが方言(Fang Yan)がいないところでぽちゃんとここに飛び込んだ時にこのいたずらを思いついた。
「方言(Fang Yan)、ここは水深4mはあるからぱーっとかっこよく飛び込んで見ろよ!!」
もう彼は居ても立ってもいられない。
彼の頭の中ではくっきりと自分の姿が想像出来た。
さっそうと飛び込んで悠々と沖まで泳ぐ彼を、
憧れの目で見る彼女の姿が・・・
いそいそと水着に着替えに行く彼、
大笑いで笑う悪友達、
しかしワシは
「まさかこんな子供騙しに引っかかるヤツはいないだろう」
と思っている。
彼が帰って来た。
みんなカメラを構えて
「さあ飛び込め!ベストショットを撮ってやるぜ!!」
と構える。
彼は水に手を入れてちゃぽちゃぽと水温を見ている。
通常は水温よりも水深を計るものだが、
彼の頭の中はもうさっそうと飛び込んで悠々と沖まで泳ぐ彼を、
憧れの目で見る彼女の姿しか見えていない。
思えばこの時にもう少し手を伸ばせば水底に手が当たっていたのだ・・・
「こんないたずらに引っかかるヤツはいない」
そう思ってたワシはバカだった。
彼は手を引っ込めるといきなりさっそうと飛び込んだ!!
見よ、この勇姿!!この美しさ!!
しかしこの水深は実は15cmしかないのだ!!!
「こんないたずらに引っかかるヤツはいない」
と思ってたワシは慌てたがもう間に合わない。
ほんの一瞬の出来事だったのである。
別カメラの連続写真がある。
おいおい、本当に飛び込むつもりか・・・
おいおい、マジかよ!!
ヤバい!!こいつ、本当に飛び込みよった!!!
ざっぽーん!!!
後ろで笑い崩れてゆく悪友達の姿が見える。
この場でいた全員が笑い崩れてもう立てない状況である。
ぷっかーん・・・いかん!!死んだか?・・・助けなきゃ・・・
・・・でも笑い過ぎて立てん・・・お腹がよじれる・・・苦しい・・・
動かんぞ・・・死んだか?・・・助けなきゃ・・・
・・・でも笑い過ぎて立てん・・・
ぷっかーんとしばらく浮いていた方言(Fang Yan)・・・
それが何秒だったのかもう誰もわからない。
人間笑い死ぬということがあるんだなというぐらい七転八倒してた悪友達を尻目に、
しばらくしてむっくりと起き上がった方言(Fang Yan)、
そのまま沖に行って、何事もなかったかのように悠々と泳ぎだした。
こんな姿をマンガ以外で見ることがあるのだろうか・・・
一同はまだ腹抱えてもんどうりうっている。
こうして彼は、3日間の首と腰の痛みを引き換えに、
我らの英雄(YingXiong)となった。
もちろん水底が砂であると知っての狼藉である。
よい子は絶対にマネしないように・・・