
2008年11月26日
全中国ドラムクリニックツアーその14、山西省「楡次」
太原から楡次までは車で1時間ぐらい、
まあ言うならば東京と八王子ぐらいであろうか。
当然ながら旨いものも同じなのでここでまとめて紹介したい。
まずここの名物は麺。
「刀稍面」という、包丁で麺生地を削ってお湯の中に飛ばす麺を代表として
中国でも一番麺の種類が多いと言う。
レストランでは毎食小さなお椀に入れてたくさんの種類の麺を食べさせてもらった。
そして酒じゃが、
今回はビールではなくこれにハマってしまったのでえらいことになった。
白酒と同じ蒸留酒なのじゃが、緑色をしてるので白酒とは言わんじゃろう。
「竹葉青酒」と言う。
この地方独特の酒なのじゃが、
これがまた旨い!!
度数も38度とまだ白酒より飲みやすく、
ぐいぐい飲むと当然ながらぶっ倒れてしまう。
前日からこれだったんで写真あんまし撮れてないのよね・・・
そして忘れていけない名物が「酢」。
黒酢の発祥地とも言われているが、
レストランで席に着いたらまず酢を注がれるだけではない。
場所によっては薬の瓶みたいのに入った酢を飲んでから食事する。
これがことのほか美味しかったので二井原家に1ケースおみやげに買ったほどである。
さて酒飲んでうまいもん食ってばかりではない。
ドラムもちゃんと叩いた。
と言うより前の日に2ステージもやってるせいか、
この日は心なしか神様が降りて来た気がした。
XYZの10分を超す大曲、Wings~Fire Birdのメドレーをやったのじゃが、
最初のうちは水を打ったように静まりかえっていた観客が、
曲が終わると共に割れんばかりの拍手。
歴代ドラムクリニックでこの曲が一番ウケた街となった。
小さな街というのはいいものである。
実はこの日のドラムクリニックの模様はラジオで生中継しており、
(恐ろしいことするなあ・・・)
そのまま夜の生放送ではワシをゲストに呼ぶという暴挙である。
中国の生放送に出演するのは寧夏の時に続いて2回目なのじゃが、
前回はまだ布衣がメインだったのでいいが、
今回はなんとワシ自身がメインである。
番組のジングルには中国でワシが手がけたヒット曲をつないで作っているし、
(まあ大部分はドラムなのにプロデューサーと紹介されていたが)
中には李慧珍とか懐かしい歌手の曲も流れたりして、
なんか自分の中国での歴史を全部思い出すような番組で嬉しかった。
生電話なんかもかかって来て、
さすがドラムクリニックの生中継もたくさんの人が聞いてたんやなと感激した。
でもええのん?・・・
番組ん中でも「あの頃の中国と今とはどこが一番違いますか」と聞かれたので、
「あの頃ワシみたいな外国人を生放送で出演させてたらあんた達はもうここにはいなかったで」
と答えた。
中国は本当に変わったのである。
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)
Posted by ファンキー末吉 at:21:29 | 固定リンク
全中国ドラムクリニックツアーその13、山西省「太原」
山西省太原は一度、
テレビ局のカラオケコンテストの審査員として行ったことがある。
(いろんなことやっとるなあ・・・)
北京から寝台車に乗って、
酔っ払って寝て、着いたら朝だったので楽だったのじゃが、
(素人さんのヘタな歌を一日聞くのは苦痛だったが)
今回は悪い予感が当たってバス移動である。
寝台ではなく椅子席。
しかも何やらすーすー風が入って来てえらい寒い!!
買ったばかりのiPhoneにコピーした映画を見ながら、
2本ほど見てちょうど電池が切れた頃着いた。
だいたい6時間ぐらいの旅だっただろうか、かなり疲れた。
このツアー・・・移動と酒が疲れるのよ・・・
まあお決まりの酒と料理の話は次の街でまとめてするとして、
今回は何と2ステージ、ジャニーズのように2回まわしである。
これはワシの人気がどうのこうのではなく、
単にこのパール倶楽部の生徒の人数が全国で一番多いからである。
ほとんどが子供で600人を超えている。
するとその父兄も合わせて1000人以上のオーディエンスが来るというのだから数百人クラスの小屋では足りないというわけである。
その日の夜セッティングとチューニングをやって、
翌日は朝9時と昼3時の2回ステージである。
ちなみに中国の会場の席番号というのは連番で買うと隣にならないのをご存じか。
舞台下手側は奇数ナンバー、上手側は偶数ナンバーである。
なんでじゃろ・・・
ともあれ2回まわしだと当然テンションが上がる。
いや、テンション上げないと乗り切れないと言えよう。
まだ午前中だというのに汗だく、
そしてここのパール倶楽部のシュエ先生とドラムバトルまでやって、
中国式お決まりの花束贈呈で幕を閉じる。
(共同通信京極さん提供写真)
ちなみにこの時点でまだ午前である。
先はまだ長い・・・
ホテルに帰って小休止して更にもう1ステージ。
ここでシュエ先生からリクエストが来た。
「午前中にやったヘビーメタルの速い曲を最後にやってくれ」
XYZの新曲、「Spreading of Fire」のことである。
XYZの曲ってウケるんか?・・・
まあ生徒たちはみんな課題曲にヘビーメタルやっとるしなあ・・・
遠慮なくフルパワーでぶっ叩く。
隣でシュエ先生がマイクを持って客を煽る。
先生・・・これやりたかったのね・・・
そして客(子供たちじゃが)は興奮のるつぼ・・・
(共同通信京極さん提供写真)
ええんかなあ・・・
ワシが初めて中国に来た頃にはコンサートで立ち上がっただけで逮捕されていたが・・・
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)
Posted by ファンキー末吉 at:19:09 | 固定リンク
2008年11月 9日
シンガポール滞在二日目、本番
昔とある日本人留学生の友人からこんなことを聞いた。
「中国人ツアーでタイに旅行したんだけど、食事が毎食中華なの。
私はね、タイ料理が食べたかったんで、今日こそタイ料理かな、と思ってたら、
結局最後までずーっと中華だったの。
どうして?って聞いたら、
だって中華が世界一おいしいのに
何を好き好んでそれより不味いものを食わなきゃなんないだ、って・・・」
都市伝説のような話であるが、
実際今回のこのツアーの御一行の食事は確かに中華ばっかりであった。
シンガポールは国自体が大きな中華街のようなもんじゃが、
マレー系やインド系を抱える多民族国家である。
この日は早起きして地下鉄で「Little India」へ行った。
飯もここに来て初めて中華でない店に飛び込んだ。
マレー系の代表的なメニューであるナシゴレン(マレーシア焼き飯)や、
ミーゴレン(マレー系焼きそば)もあったが、
これは夜だけのメニューということで、隣の人が食っているのと同じものを頼んだら、
朝からカレーを食うハメになってしまった・・・。
ちなみにアイスミルクティーを頼んだが・・・ひたすら甘い・・・。
ストローで飲むと下の方はホットのままなので、
氷のある上の方から飲む。
最終的にはぬるま湯になる。
ちなみに持ち帰ろうと思うと、
後ろのオッサンが持っているようにビニール袋に入れてもらえる。
これにストローを挿して飲みながら歩けるわけである。
街にはイスラム教の寺院や、
さすがはリトル・インディアというだけあってインド寺院もあった。
そう、多民族国家シンガポールでは宗教も多種多様である。
当然ながらチャイニーズ系のコンサートではこの儀式は欠かせない。
まずはメインの出演者と主催者、
そしてミュージシャンやスタッフ全ての人間が代わる代わる線香を持ち、
四方に向かってコンサートの無事と成功を祈って拝む。
もともとは道教から来ている香港台湾など中国南方の習慣なのじゃが、
今では北京や地方のコンサートでもこれをやるので、
ワシは名実ともにこれを一番経験している日本人ということになる。
楽屋の飯は日本や北京ではだいたいが楽屋弁当じゃが、
香港ではよくひとつの部屋を開放してビュッフェ形式がとられるが、
ここシンガポールでもはたしてそうであった。
ドラムを叩く前に食い過ぎると後で地獄を見ることを知りながら、
これがなかなか旨いのでついつい食い過ぎてしまう。
やっぱ中国人が言うように中華は最高なのかも知れない。
本番が始まる。
ステージ前に垂らした黒幕を通して満員の客席が見える。
(一応)解散したバンドのメンバーがふたり集まってのジョイントコンサートで、
解散前と同じくスタジアムを満員に出来るというのが凄い!!
しかもここは「外国」なのである。
この「Beyond Next Stage」という企画で、
ひょっとしたらまた全世界ツアーが組めるのではないか。
そしたらワシは彼らと全世界の中華圏を廻れるのか?!!
満腹なのに胃袋が反応してしまう・・・。
コンサートが始まった。
(今やもうすっかり「大歌手」になってしまったWing)
(この企画の一番オイシイ部分。PaulとWingとのジョイント)
ちなみにこれらの写真は
Paulバンドのドラマーが演奏しているすきにドラム台から降りてかぶりつきで自分で撮った。
中国系のコンサートは何でもアリなので楽しい。
そしていつもながら思うのじゃが、
中国人のオーディエンスっつのはハケるのが早っ!!
終了後1分も経ってないのに客席はこれである。
「余韻を楽しむ」っつうことを知らんのかい!!」と言いたくなるほど、
あれだけ熱狂してたオーディエンスがコンサート終了後すぐ帰る。
現実的なんやな、中国人は・・・。
そして打ち上げ。
中国語で「慶功宴(QingGongYan)」と言う。
ご想像の通りその後大いに飲み食いし、
みんなそのまま二次会に繰り出したが、
年寄りは早々と退散させて頂いた。
ホテルに着いたらそれでも夜中の3時・・・
いやー・・・毎度のことながらドラム叩くより飲むのがキツいですわ・・・