
2020年7月29日
わらしべ(インスタントラーメン)長者?
プノンペンで一番のライブハウスと言われているオスカーで働いてたタカシ、
コロナでオスカーが閉店し、「食い詰めた」というのがぴったりの状況になったのか、ある日「インスタントラーメンでいいから恵んで下さい」とメッセージが来た(笑)
その時の話〜タカシの話
今から思えば、ここで「金貸して下さい」ではなく「インスタントラーメンでいいから恵んで下さい」と言ったことが、彼の人生の大きな「転機」だったのではないかと思う。
「何それ?」とつい笑ってしまって今に至るわけだし、「金」だったらひょっとしたら貸さなかったかも知れない・・・
それからと言うものコイツ・・・ワシの周りを金魚のフンのようについて廻る(笑)
まあ本当にインスタントラーメンも食えなかったのだからしゃーない。
メシぐらいなら食わせてやる!!
その代わり色々と雑用は手伝ってもらう。
一番役に立ったのは、居留届の提出!!
もうどこの国でもそうだが役所への届け出というのは前時代的で、色んなところをたらい回しにさせられ、とてもじゃないが言葉の通じる現地の人間が一緒でなければ出来たもんじゃない。
隣のポリスへの付け届け(笑)や外国人では到底やれないことも多い。
まあコイツはコイツで役に立ってるんだと思うことにして(笑)、まあメシぐらいは食わせてやっているというわけだ・・・。
ある時はタカシの部屋に行った・・・(その時の話〜タカシの部屋)
まあ「底辺の生活」と言うにふさわしい生活をしとるのう・・・
1ヶ月140ドルの給料で50ドル家賃払ったら1日3ドルで暮らさねばならん・・・無理じゃ(>_<)
そんなタカシが惚れた女も同様に底辺で生きている・・・タカシの恋
しゃーないなぁ〜・・・とばかり奢ってやる・・・
ちょうどワシは昼間、保育園がコロナで閉まって困っている日本人の友人たちの子供を預かっているので、彼女たちに助っ人として来てもらうことにした。
そして彼女たちの生活をチラッと垣間見るのだが、(その時の話〜美女と三密3人乗り・・・)
ただでさえ豊かではないこの国で、こうして底辺で生きていて、どうやってこの底辺から抜け出すのかがワシには全く見えない。
理想の共産国家を作ろうと、結局自国民の半数を虐殺したポルポト亡き今となっては、この国は一応民主国家(笑)となり、一応資本主義の道を歩んでいる・・・
資本主義って基本「持つ者が持たざる者の分まで儲ける」というシステムなのよねぇ・・・
持たざる者がある日突然持つ者になることは、それこそ天文学的な確率でしか起こらない出来事である・・・
そんなこの国の底辺で暮らすタカシの夢、それは小さくていいから自分のレストランを持つこと・・・
140ドルの給料で1日3ドルの中から少しずつ貯金していつか自分の店?・・・無理じゃろ(>_<)
そしてコロナでその140ドルさえなくなり、こうして私にインスタントラーメンを恵んでもらう羽目になっている・・・
しゃーないのでHIBACHIのバイトを紹介した。
給料のほどは知らないが、確実に140ドルよりはよかろう・・・但しバイクも持ってない彼は毎日トゥクトゥクで往復するとバイト代が飛んでしまうので、しゃーないなぁ〜・・・ワシが毎日バイクで送り迎えしてやる(>_<)
もうね、なんでワシがここまでやってやらないかんのと思ったりもするが(ちなみにこの罰金もワシが払う・・・コイツに払えと言っても金がないのだからしゃーない(>_<))、まあそれもコイツの人徳かと思って笑い飛ばすことにしている・・・(笑)
実際コイツには「人に可愛がられる能力」があるのだろう、知り合った中国人の知り合いにカジノに連れて行ってもらったりもしている!(◎_◎;)
この頃にはオスカーの営業も始まり、給料が90ドルに減額されたと言うがタカシはHIBACHIをやめて古巣に戻った。
90ドルから家賃50ドル払ったら全く食っていけるわけはないので、必然的に毎日うちにメシを食いに来るようになる・・・(笑)
この頃には同じく食い詰めたヤツの友達が毎日メシを食いに来ているので、誰かしらが材料買って来てもらえば昼夜数人分を作ってくれる・・・まるで中国古代の「食客」を飼ってるような気分である(笑)
そんな中で私もこちらカンボジアで音楽制作の仕事が始まり、その流れでタカシにとあるMCの仕事が舞い込んで来た。
アンコールワットの訪問客数を上回る年間訪問客数1400万人を誇るプノンペンAEON2の特設ステージでMCをやってみないかという話である。
「ボク・・・無理です・・・やったことないし・・・」
アホか!!誰でも最初はやったことないわい!!
叱り飛ばしてケツを叩く・・・
だいたいコイツはたまに下らないウソをつく。
「オスカーでは客からチップがもらえるので月に500ドルは稼げますから」
アホか!!ほなワシの借金すぐ返せ!!(怒)
たまたま気前のいい客が多い月に偶然500ドル稼いだことを、自分の頭の中で都合よく変換して定着してしまっているのだ。
外国人客がほとんどを占めるオスカーであるが、今は時代が違う。
外から観光で来る外国人観光客は皆無の状態で、
来る客と言ったらここカンボジアに滞在している外国人・・・つまり景気のいい客などいようはずもない。
この時ばかりはさすがに怒鳴りつけた。
「そんなにオスカーがいいならずーっとオスカーでいろ!!」
橘高が若いバンドを叱り飛ばす、
「そんなに休みたかったら一生休んどけ!!」
というアレである(笑)
まあヤツもワシに対しては多大な「恩」がある。
ワシが「やれ!!」ということをそう簡単に断ることは出来まい。
渋々(笑)重い腰(怒)を上げてMCの仕事が始まった・・・
タカシだけ特別扱いでその時に新調の衣装まであつらえてくれている・・・
ついでにワシも・・・(笑)
そう、この特設会場で「ファンキーはんと大村はん」の公開生放送もやるというので私のぶんもあつらえてくれたというわけだ。
当然ながら私の番組の中でもタカシにMCをやってもらう。
客席のほとんどの客はカンボジア人なので、クメール語で喋る人が絶対的に必要となって来るのだ・・・
こうして会場でのリハーサルが始まったのだが・・・
この「おばちゃん」ことលោកសី(ロークスレイ:マダムの意)・・・なんか気がついたらワシ、オスカー行く度に美女たちに目もくれずいつもこの「おばちゃん」と飲んでしまうのよねぇ〜楽しいのよねぇ〜
女の子を束ねる立場にいるわけだから当然タカシなんかよりも給料はいいはずだが、それでも私はおばちゃんを口説いてみた。
「あんたオスカーでいくら稼いでるか知らんけど、MCの仕事は頑張ったらもっとお金稼げるよ。あのプロのMC見てみぃ、あれぐらい喋れるようになったら、あの人たち結婚式とかで呼ばれてどれだけもらってるか知ってる?」
そう、この人たちはタカシの1ヶ月分の給料など1時間ほど喋っただけで稼いでしまうのだ・・・
この特設会場はさながらプロのMCへの登竜門!!
タカシの給料の数倍を保証してくれてるだけでなく、ちゃんと一人前になったらその倍額、そして人気者のMCに育ったらオスカーの10倍以上の給料も夢ではない。
そして何より、人気者になったらそこについて来る金は計り知れなくなるだろう・・・
「おばちゃん、田舎に預けてる子供いるんでしょ?例えオスカーと給料が同じだとしても、昼間の仕事だったら子供呼び寄せて一緒に暮らせるかも知れないじゃん」
タカシにもこう言って檄を飛ばす。
「お前なぁ、オスカーで例え毎月500ドルもらってたとしても(アホか!!)、来年それが1000ドルになることはない!!この仕事は頑張って技術を習得すれば来年は違う可能性がある。だから頑張れ!!」
しかしアホはやっぱアホである・・・
「ファンキーはんと大村はん」のMCに大抜擢して、「これをやれ!!」と言うこともようやれん(>_<)
まあ素人なんやからしゃーない!!
出来んもんはいっぱい練習するしかない!!
・・・というわけで、オープンの前日、「ファンキーはんと大村はん」の回線チェックリハーサルも兼ねて、何回か通しリハをやろうと大村はんにもそうお願いした。
回線等もバタバタで、ようやく大阪の大村はんと繋がって、いざ遠そうとしたらタカシがおらん!(◎_◎;)
「どこにおんねん!!」と探し回るが捕まらん(>_<)
やっと捕まったと思ったら「今オスカーです・・・今日が最後の出勤なので・・・」
アホか!!!(怒)
さすがにこの日は怒鳴りつけた!!
「今日通しリハすることは伝えてたよな!!なんで先に帰んねん!!」
もう英語で怒鳴りつけるなんてワシの人生では滅多にないのだが、腹が立ってるのでどんどん英語が出て来る(笑)
大恩のあるワシをこれだけ怒らせて、それですぐにここに戻って来んかったらさすがに人でなしやな、さすがに飛んで帰って来た・・・(笑)
頭を一発しばき倒してリハを始める・・・
まあ出来んのは素人なんやからしゃーない。
しかし「ボク出来ません」は許さん!!
「ボク頑張ります」以外の返答はもう許さん!!
久しぶりに人の頭をパコパコどつきながらリハ終了!!かくして本番である・・・
BINGOゲームのMCの方は感知してないが、まあちょっと見よく出来てたようだ。
何よりコイツ、子供に好かれるのだ。
子供がこの金ピカ衣装のコイツと一緒に写真を撮りたがる。
これこそがひとつの「才能」であろう・・・
ところが「ファンキーはんと大村はん」のMCでクライアントからダメが出る。
首脳会議が開かれて、
「まあまあ、初日ですからもうちょっと様子を見ましょう」
ということでなんとか落ち着く。
まあそうなるとワシの厳しさも更にエスカレートするする・・・
朝メシ時の説教から始まって、朝のリハーサルの時にも容赦無く頭をどつき回す!!
「お前そもそも曲をまだ覚えてないやろ!!1週間以上前に送ってあるやろ!!なんで聞いてないねん!!」
「すみません・・・時間がなくて・・・」
アホか!!お前の人生なんて「時間」だらけやないかい!!
お前はワシの一番忙しい頃を知らんからそんなことが言えるんじゃ!!
どんなに寝てなくてもなぁ、どんなに何を失ってもなぁ、やらないかんことをちゃんとやって来たから今があるんや!!
それが出来んヤツに未来はない!!オスカーにでもどこにでも帰りやがれ!!
「ボクもうオスカーはクビになりましたから・・・」
もうね、コイツのこの「可哀想さ」もひとつの才能である(笑)
聞けばクビになって今まで働いた分の日割りももらえんらしい・・・
「ボクもう全財産40ドルしかないんです・・・」
ってそれ・・・ワシが貸したった40ドルやし(>_<)
まあ「にらめっこ」と同じで、笑ろてしもたモンの負けである(笑)
どうせ満額貰えたとしても90ドルしかないんや、そんなん忘れてここで頑張って稼げ!!
かくして本番!!
まだまだではあるが、ちょっとずつでも進歩していることは認めざるを得ない。
昨日より今日が、今日より明日がちょっとでも進歩している限り、いつかはお前の前に明るい未来が開けるだろう。
「インスタントラーメンでいいから恵んで下さい」
から本当にMCのビッグスターに昇り詰めたとしたら、それこそ現代の「わらしべ長者」、いや「インスタントラーメン長者」と呼ぶべきか(笑)
早くいっぱしに稼げるようになってワシの借金を返すのじゃ!!(笑)
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2020年7月17日
さようならおじさん〜いつまでもお元気で
おじさんと最初に会ったのは・・・いや最初に「この人が毎日ここに座っていることを認識した」のはこの時・・・
そしてそれからおじさんを観察する日々が始まる・・・
そして色々考えるところあって、今日が学びの窓最終日!!!
おじさんはいつものようにいつもの席でいつものように1ドル弁当とカップヌードルを召していた・・・
いつかは話しかけようと思っていたのだが何を話したらよいのやら・・・
今日は学校の最後の勉強をしながら考えた。
「クメール語で話しかけてみよう・・・」
3ヶ月弱一生懸命クメール語を学んだがまだ喋れない。
でも喋れるだけの単語や文法は既に勉強しているはずだ!!
まずは話しかけるんなら「May I talk with you?」からやなぁ・・・
色々丁寧な言い方とかはあるけど、とりあえず簡単にすればするほどよい。
乱暴に「និយាយបន្តិច់បានទេ?(ちょっと話していいですか?)かなぁ・・・」
そして「ខ្ញុំរៀនខ្មែរ(私はクメール語を勉強している)」と続いて、とにかく「今日が最後の日だから一緒に写真撮らせてもらえませんか?」まで雪崩れ込むのじゃ!!
「写真を撮る」というのはつい先日習ったばかりの「ថតរូប」!!
「最終日」っつうのだけ辞書で調べてみる・・・
ほう・・・「ចុងក្រោយ」というのか・・・
「ក្រោយ」というのは「後ろ側」とかいう意味で、
「ចុង」は結ぶという単語かと思ったらそれは「ចង」か・・・
まあ似てるから関連づけて覚えたら覚えやすいぞ!!
というわけで学校帰り、いつものように復習をしながら話しかけるチャンスを待つ・・・
ここのマックスバリューはイートインが広々としてて昼食時には結構混雑するのよねぇ・・・
なんか胸がドキドキするぞ!!
もうはるか昔のことになるが好きで好きでたまらない女の子に告白する時よりもドキドキする(笑)
そして勇気を振り絞ってついに声をかけた!!
おじさん、聞き取れてるのか、聞き取れててもどう答えていいのやらわからずキョトンとしている。
そりゃそうだ。
いつも隣に座って勉強している変な外人がいきなり喋りかけて来たのだ。
何を答えていいやらわからん・・・ってかそもそも「質問」の構文を一切用意してないではないか!!!!(>_<)
最後の「一緒に写真撮っていいですか?」で携帯をカメラにしたら、おじさんハッと我に帰ったように座り直し、襟を正して記念撮影!!
私は丁寧にお辞儀をしてマックスバリューを後にした。
もう来ることも滅多にないだろうが、おじさんはまた相変わらず毎日ここに来て、毎日同じものを食べて、そしていつものように何をするでもなくひょっとしたら毎日一日中ここにいるのだろう・・・
今日はおじさんとは「会話」ではなく私が一方的に喋って終わったが、
おじさんの面影が私にこんなことを語りかけてくれている。
「やっと話しかけてくれたね。君がいつも一生懸命勉強するのを見てたよ。
君は決して喋れないわけじゃない。喋らなかっただけなんだ。
新しい生活が始まったら、恥ずかしがらずに間違えてもどんどん喋ってゆけばいいんだ。
君ならきっと喋れる!!だってあんなに一生懸命勉強してたんだもの。
また近くまで来たらここに寄ればいい。一緒に1ドル弁当を食べながら話をしよう」
おじさんが何をしている人か、どうしてここに毎日いるのか、
そんなことはもうどうでもよくなった。
携帯を引ったくられ、今日から新しい携帯となり、そして学校も終わって、今まで勉強したことを復習してから今日から実践!!
新しい生活となった後も、おじさんは変わらずここにいる・・・
そう、世俗で何が起ころうがきっと、おじさんはここでいつものように1ドル弁当とカップヌードル、そして水とコーヒーを飲みながら何もせずにぼーっと座っているのだ。
新しい生活で、何か嫌なことがあったらまた来よう!!
そして今度こそはクメール語で「会話」をしよう!!
それまでさようならおじさん、いつまでもお元気で!!
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2020年7月14日
英語と中国語とクメール語
外国で暮らすのが夢だった・・・
何も知らない幼い頃はターゲットはアメリカしかなく、
それでも日本の英語教育の「間違ったら恥ずかしい」に心挫かれて、
結局ちょっと喋れたら「中国語上手いですねぇ」という中国社会でもう30年も暮らして来たことになる・・・
今となっては、英語は一度頭の中に浮かんだ中国語を引っ込めて仕切り直して英語で喋るみたいな感じで全く喋れなかった。
時々タカシに喋ってて、それが中国とやり取りした直後だったりしたら、こちらは英語で喋ってるつもりでもところどころ中国語になってたりするらしい(笑)
さて日々は移り変わり、今はカンボジアで暮らしてる・・・
この国は基本私ぐらいの英語力で十分暮らしていける国である。
しかし思い立って今英語でクメール語を勉強している・・・
そこで少し気づいたのだが、頭の中がこの生活の中で結構「英語化」されてるのではないか・・・
うちの娘が小学校に上がる前、半年ぐらい中国で暮らしたのだが、
その時点では全く中国語が喋れなかったのだが、
帰国して高知で暮らし始めたら今度は土佐弁しか喋れなくなった(笑)
娘はまだ北京のばーちゃん(もちろん中国人)とかクラスメート(これももちろん中国人)と会話した内容をまだ覚えてるらしく、
でもそれは今になってはそれら中国人が日本語を喋ってるという図で思い出されて来るらしい・・・
そう、大事なのはそのイメージであって、
それを何語で表現するかはその「手段」でしかないのだ・・・
ところが外国語を習得するというのはご存知の通り並大抵の努力では出来ない。
一時期中国語しか出来なかったという娘でさえ今は中国語を喋れない。
お隣さんの二井原実がワシにこんなことを言ったことがある。
『Funky〜そんな日本語が通じん国で老後を暮らしたいと思うか?」
これは実は私にとってはショッキングな発言であった。
おそらく私の中国語より上手い英語を操るこの世界のロックシンガーが、
例えその英語が通じる国よりも母国語である日本で老後を送りたいと!(◎_◎;)
でも気持ちはわかる!!
私は長く中国語で暮らしているが、時々病気のようにあらゆる中国語が耳に入って来なくなる時がる。
頭が中国語を拒絶してるんやな・・・
まあ長くそれと一緒に暮らしているので「まあしばらくしたら治るだろう」ぐらいの「病気」ぐらいに今は考えてるが、二井原の言うのは、「そんな病気が出るような国で死ぬまで暮らしたいか?」ということだろうと想像した。
(二井原にもこの病気があるかどうかは知らんが)
とかく外国語を喋れるようになるためには、
一番障害になるのは「完璧主義」である!!
人が聞くとびっくりするかも知れんが、私はA型で実に完璧主義な人間である。
でも爆風が活動停止して、中国で生きて行かねばならなくなった時にそれは捨てた!
所詮語学に「完璧」なんてものはないのだ!!!
30年中国語で暮らしてても、ここまで喋れたらそれ以上の会話が、そこまで喋れたらそこ以上の会話が・・・いつまで経ってもワシら外国人がその国のネイティブな言語を喋れるようになるはずがない!!!
そんな不自由な世界で老後を暮らしたいのか・・・それは二井原ぐらい英語が喋れても考えるであろうひとつの「正論」である。
さてそんな中で今のワシ・・・
英語を使ってクメール語を勉強している・・・
まあ「なんでクメール語を勉強してるの?」というのに対しては色んな答えがあるけれども、端的に言うと「仕事もないしヒマだから(笑)」・・・
「どうせしばらく帰れんのやからほな〜」という感じである。
でもそれをやってると今度は脳がどんどん「英語化」される・・・
昨日BassのSakhornから呼び出されて飲んだ時にそう思った・・・
この国の売れっ子ミュージシャンである彼が連れて来たのは、若いけど「おじさん」にあたる人らしいが、これもミュージシャンでピアニスト。
クラシック畑から出た人でオーケストラのアレンジも全部出来ると言う・・・
この国でオーケストラ録音するならどうすればいい?みたいな話で盛り上がった。
気がついたらワシ・・・英語で話してるやん!(◎_◎;)
これは私自身にとっては衝撃的なことであった。
何故なら同じテーブルで半年前には3分でカラータイマーが鳴って逃げ出して帰ってたのだから・・・
「言語なんてその国に行けばすぐに喋れるようになるよ」ということをよく言われるが、ワシは全く信用してなかった。
渋谷有希子(長らく音沙汰ないなぁ〜元気かなぁ・・・)が中国に来た時、
やはり毎日一生懸命勉強してて、やっとカタコト喋れるようになって「凄いなぁ」と思ったことがある。
言語なんて勉強しなければいつまで経っても喋れやしないのだ!!
ところがこの国に来てからいつの間にやらちょっと英語が喋れるようになってる!(◎_◎;)
もちろん勉強したわけではない。
「喋れないと生きてゆけない」からである。
この辺はやはり中学校から英語教育を受けて来た「下地」がここで生きて来ているのだろう・・・
勉強しなければ単語は増えることはないが、昔覚えた単語が出て来ているのだ。
自分にとって英語のボキャブラリーと中国語のボキャブラリーとどちらが多いのかはわからないが、今日の話題、音楽家にとって金とは・・・金がなければ音楽も出来ないけど、金のためには音楽はやれないね・・・
ここで「理想と現実」ということを言おうとしたのだが、
現実は「Real」でいいとしても(知らんけど(笑))この「理想」という英語が全く出て来ない(>_<)
中国語だとその言葉の漢字がわかれば大体喋れるのだ。
「理由」と「想像」という単語を知ってると、その「理」と「想」をくっつければ乱暴にそれだけで喋れる。
英語だと「Reason」と「Image」知ってても「Ideal(?)」は出て来んもんなぁ・・
まあこの人の英語が、カナダに留学してただけあって非常に上手いのと、
それでいてネイティブの人みたいに難しい単語でまくし立てるということもない。
でも結局は半分ぐらいわからん会話を、なんとか知ってる単語を繋ぎ合わせて全体の意味を把握している・・・
ああ、これって中国語でもそうやったなぁ・・・
なんとなく思い出した。
語学に「完璧主義」はダメなのだ。
わかってなくても適当に相槌を打ちながら会話を流して全体を把握してゆくことが大切だった・・・
ではクメール語はどうだろう・・・
残念ながら今週で学びの窓も終了!!
4週間のタームが3回で今週が最後、
早いのか遅いのかわからんが、今週で教材も終わってしまうので、これで一度おしまいにした。
学んだ単語を全部エクセルに打ち込んだら600以上、それがまだほとんど覚えてないのだから喋れるわけがない。
会話しようとしてても、「あ、あれ勉強したなぁ・・・何て言うんだっけ」となる。
つまりこの単語を全部復習して頭に定着させたらある程度は喋れるようになるに違いない。
このまままた新しい教材になって、また一日にたくさんの単語を叩き込んでは忘れてゆく・・・まあ語学学習にとってはそれも大切なことなのではあるが、制作の仕事が始まったらもうそれを毎日予習復習する時間がない(>_<)
おじさんとはもう会えなくなるけど、ここは一度学校から離れてこの教材をもう一度最初から復習しようと思い立ったのである・・・
Facebookでカンボジアに住む人から流れて来た情報で、
中国語でクメール語を教えてる人と繋がった。
中国人で日本語も喋れるようだが、日本語で教えると8ドルなのに対して中国語で教えると7ドル!(◎_◎;)
中国語でええし〜(笑)
思えば英語を喋る時も頭の中で一度中国語が浮かんだのを押し戻して英語に変換している。
クメール語の場合はそれを更にクメール語に変換しているので時間がかかってパッと出て来ない・・・
いっそのこと中国語をインターフェイスにしたら回路が繋がるのではないか?(笑)
まあ語学に近道はないので、とにかくこの3ヶ月勉強したことを、ちょっと時間を置いて全部復習してみたい。
おじさん、ワシが来なくなったら心配するかなぁ・・・
それだけが心残りである(笑)
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2020年7月13日
カンボジアの結婚式
前回このドラムレコーディングでお世話になったプロデューサーからメッセージが来た・・・
「12日は私のWeddingだから是非来て下さい」
結婚式かぁ・・・
カンボジアでは路上にどでかいテントを建ててそこで結婚式をしている景色をよく目にした。
聞くところによると今は路上は禁止されてると言うが、
実際この前うちの隣に道路を封鎖してまでテントを建てて、
これは結婚式ではなく葬式なのだが、
まあ三日三晩とは言わないが丸々2日は葬式を繰り広げていた・・・
くっくま孤児院の子供たちも、地方のこんな結婚式に呼ばれて伝統舞踊を踊ったり、そのために今ではPAシステムだけでなくステージや照明器具まで買い揃えていると言う・・・
はてさて、制作仕事が大詰めになっているというのにここで三日三晩飲み続けるスケジュールはない(>_<)
幸い「じゃあBoomBaar君と一緒に来ればいいよ」とのことなので、
「結婚式って何時から始めるの?」
と聞いてみる。
「Evening」
・・・ってあーたそんな大雑把な(>_<)
しかし結婚式となるとまず着て行く服が問題である・・・
LCCに載せられる7kgの荷物だけ持って、それこそ「着の身着のまま」でやって来てそのまま住み着いてるんだから礼服なんかあるわけがない!!
持ってる服と言えばおの写真の後ろに掛けている服だけである・・・
幸いタイで買った白ずくめの上下があったのでBoomBaar君に聞いてみたら、
「いいんじゃない?俺もラフな格好で行くよ」
というわけで、それにネパールでもらった首にかけてくれる布をコーディネートしてみた・・・
まあこれに財布兼色んなものが入っているベストを着るのでこんな感じ・・・
全く普段着やん!!(笑)
まあ中国での結婚式も基本普段着なので大丈夫じゃろう・・・
そうなると問題は「ご祝儀」の額である・・・
少な過ぎると礼を欠くし、多過ぎると浮いてしまう・・・っつうか多く払うその金がないがな!!(>_<)
カンボジア人にいろいろリサーチしてみるが、
「20ドルぐらいじゃない?」とか「30ドルぐらいじゃない?」とか言うのでほっとしてたら、タカシが
「Funkyさんなら100ドルは包まなきゃ」
と言うので腰を抜かしそうになった((((;゚Д゚)))))))
しかしカンボジアでは誰かと一緒に行っても連名で100ドルでいいらしい・・・
おう!助かったぞ!!じゃあBoomBaar君一緒に100ドルで〜
というわけで彼の車に乗って一緒に会場へ〜・・・・
って着いてみたら何?この高級なレストラン!(◎_◎;)
このレストランを借り切って結婚式やってるのか・・・
新郎自ら来客を出迎えてくれて席に案内する・・・
そして入り口でもらったのがこれ!!
まあ「引き出物」っつう感じかな、消毒用アルコール・・・ご時世やなぁ・・・(笑)
というわけで席に案内されたけど、その席はまだ私を含めて4人しかいない。
噂には聞いてたが、10人揃わないと料理が出て来ないのだ(笑)
他の席は美味しそうな料理をもう食べているが、こちらはひたすら人数が揃うまで待つ・・・
そしてやっと料理!!
これ何料理やろ・・・カンボジアの料理ではないような洋風な・・・
そして久しぶりに召すペッパーステーキ!!
このソースがカンボジアの生胡椒が入って美味い!!
このソースをフランスパンにつけて食うとまたこれが美味いのよ〜・・・
カンボジアはフランスの植民地だったのでその影響でフランス料理も多く、ここもフランス料理屋かも知れない・・・
ステージ上では新郎のお父さんが何やらスピーチ・・・
なんか今回は新婦が全くフィーチャリングされないのよね〜
有名プロデューサーだからなのかここのご家庭の事情なのか・・・
ひょっとして新婦の故郷とかに行ったら今度は逆に新婦中心のパーティーをやるのかも知れない・・・
新郎新婦が上がって来て一緒にスピーチをするが、
言っちゃ悪いがみんな食うのに一生懸命で誰もスピーチ聞いてないのよね〜(笑)
料理はシーフードとなり、スープとご飯〜
チャーハンと白飯が半分でハートマークになっているのが結婚式らしい・・・
その後ちょっとトイレに行ったのだが、そしたらBoomBaar君からメッセージが・・・
「どこにいるんだ?食事も終わったから帰るぞ」
・・・ってもう帰るん?!(◎_◎;)
ってもうみんな帰ってるがな・・・!(◎_◎;)
中国でも別に新郎新婦に挨拶するわけでもなく三々五々勝手に帰って行ったが、まあ全部が全部セレモニーになってる日本のやり方の方が特殊なのかもな・・・
心配で「ご祝儀はいつ渡すん?」と聞いたら「帰る時に」と言うので見てたら、本当に玄関にそのような場所があった。
ご祝儀袋が用意されているのが嬉しい(笑)
私が渡した100ドル札をそのご祝儀袋に入れて、BoomBar君が二人の名前を連名で書く・・・
おう・・・この料理で50ドルだったらまあ安いぞ・・・
ということは新郎新婦はこのパーティーにいくら金を使ったんだろう・・・
路上にテント建てて三日三晩飲み食いしてたら果たしてどんなことに・・・((((;゚Д゚)))))))
しかし昔ながらの路上にテントの結婚式ってもう今ではあまりやらんのか?
(路上は禁止されたという話だが・・・)
はたまた彼がたまたま有名プロデューサーで、若者たちの先陣を切って昔のスタイルを打破しようとしてるのか?・・・
色んなことを考えながらBoomBaar君の車で送ってもらって帰路に着く・・・
「カンボジアで結婚するって大変だな、お前結婚する時どうすんの?」
聞いてみたら、「I don't know」と言って肩をすくめる・・・
いや、どっちにしろ大変やと思うぞ・・・
車を降りてから気がついた・・・BoomBaar君、ワシがご払ったご祝儀100ドルの半分、君のぶんの50ドルまだもらってないぞ〜・・・(笑)
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2020年7月10日
タカシの人生が終わった日
カンボジアで大きな仕事が舞い込んで来たので、当分はそれに忙殺されるだろうと、クメール語学校のスケジュールまで変更している・・・
クライアントは色んな中国系の知り合いを紹介してくれるのだが、
今日はどこぞのカジノのオーナーを紹介してくれた。
その人のカジノなのかそうでないのか、
まあ一行はプノンペンにひとつだけあるカジノへと向かう・・・
ここから向こうは写真禁止なので文章だけで頑張って伝えようと努力はするが、
とにかくこのグランドフロアーは庶民のための「普通カジノ」、
ここから上はどうやら「VIPカジノ」らしい・・・
そう言えばオーストラリアでカジノに連れてってもらった時には、入り口でパスポートチェックや、VIPカジノに入るにはそれ専用のパスが必要であったが、ここは手荷物検査をしたぐらいで全く何もチェックをしない。
このメンバーの中に誰か「顔パス」の人間がいるのだ。
そうでなければそもそもカンボジア人が入ってはいけないカジノにタカシが入れるわけがない・・・
そうそう、だからタカシがこの前連れて来た田舎から出て来たばかりの女の子も連れて来たのだ。
「こんな経験めったに出来るもんじゃないからね」
この娘・・・
そしたら彼らがこんなことを言う。
誰かこの中で運のいい人いる?ちょっと座って遊んで行ったら〜
そう、めったに出来ないことだから、それは私も言おうと思ってた。
1ドルや10ドルだったら出してやるから、ちょっと遊んで記念にすればよい・・・
私は彼女の肩を押してそこに座らせた。
トランプを使った胴元との一騎打ちのゲームである。
ルールはわからない・・・だがテーブルの上に賭ける部分が書かれていて、その勝負がどのようになるのかによって賭ける場所が違うようだ・・・
見れば全てに中国語が書かれている・・・
そしてミニマムベット・・・つまり最低賭け額がこのテーブルでは50ドル((((;゚Д゚)))))))
彼らはこのテーブルに100ドル札をぽんと投げた。
胴元はそれをすぐさまチップに変えた。
チップが4枚・・・つまり1枚が25ドルである!(◎_◎;)
女の子はそれを4枚全部言われるままにひとつの枠の中に置いた。
「おいおい、それって100ドル全部賭けてることになるんやで!!!」
言うが早いか胴元がカードを配るのが早いか、その100ドルはあっと言う間に胴元の元に消えた!(◎_◎;)
この娘の1ヶ月の収入がほんの数秒で消えてしまったのだ!(◎_◎;)
一行は何も気にすることなく笑いながら次のテーブルに進んだ・・・
そしてこう言うのだ・・・
「次は誰が遊ぶ?」
私が遊んでも仕方がないのでタカシをそこに座らせる。
そして彼らは今度は100ドル札を3枚ぽんとテーブルに置いた・・・
別の色のチップが今度3枚出て来て、タカシは言われるままにそれをひとつの枠の中に置いた。
そして同じようにすぐさまカードが配られ、今度はそのチップが倍になって戻って来た!(◎_◎;)
ご一行は笑いながらそれを現金に変えて、200ドルは手元に、そして100ドルをタカシに渡した・・・
つまりタカシは自分の1ヶ月の収入を数秒で稼いだことになるのだ!(◎_◎;)
その上には最低賭け金が1000ドルのVIPカジノもあるらしいが、一行はそこで終わりにして外に出た。
そしてタカシにこう言った。
「あ、駐車場代2ドル、お前が払っといて」
その100ドルから払えと言うことだろう、
でも100ドル札で払うわけにはいかないので、タカシは自分の持ってるリエルで支払う。
「お前、このままその金持って行ったら人生終わるぞ!!今日はお世話になった人(ワシも含む)にパーっとご馳走して今日全部使っちまうんだ!!そうしないとお前の人生は終わる!!」
1日働いて3ドルしかもらえない人間が、その1ヶ月分より多い金を一瞬で手にしたら人生なんてそれだけで終わってしまう・・・
タカシもそれは知ってるのだろう、「HIBACHIに行きましょう」・・・
オスカーが閉まってる間バイトでお世話になった土井さんの店でそれを全部使って、ついでに土井さんにもいっぱい飲んでもらって恩返しをしようということだ。
その女の子も一緒に来たが、見た感じ何も動じている様子はない。
そりゃそうだ。彼女にとったら全然知らない人の金が自分を通して数秒で消えていっただけのことである。
でもタカシは違う。1ヶ月分の収入が現実にその手元にあるのだ・・・
6年ぶりにタバコを吸う・・・
そしてお勘定・・・本当は100ドルでは足りなかったが、私がそっとその足りない分を出した。
ちなみにカジノからここまでのトゥクトゥクは暴利を貪って5ドルとか言うのでケンカしてたら、それはタカシが払った。
同様に100ドル札で払うわけにはいかないので自分のリエルで払った。
帰りのトゥクトゥクは私が払った。
たかだか2ドルである。さすがに今日いっぱい散在したタカシはもう金がないだろう・・・
「すみません、20ドル貸してもらえませんか?明日電気代とかいろいろ払わなきゃならないんで・・・」
結局私もいろいろ散財したことになるが、いやここで泡銭が手元に残る方が恐ろしい。
「わかってるんです。この金が入ったからってまた博打に行ったら、今度はこの額だけじゃなくて全財産なくなってしまうんです。もう二度と博打はしません」
結局こいつも手元から数日分の収入であるリエルを使っている・・・
思えばあの人たちも酷なことをする・・・
ヘタしたらこいつ一人の人生が終わってしまってたのだ・・・
朝起きてメッセージを見たら、タカシはどっかに飲みに行ったようだ・・・
また明日金を借りに来るだろう(笑)
でもいいように考えたらこういうことではないだろうか・・・
この若者の人生が終わるかどうかはこの若者次第である。
それを100ドル出して確かめてるのではないか・・・
これで終わるようだったらそこまでの人間である。
それを乗り越えられるようだったら見込みがある。
そんなことではあるまいか・・・
勝ったのがタカシでよかった。
もしこの女の子が勝ってたら彼女の人生はいったいどのように変わってしまっただろう・・・
田舎から出て来て1週間、動画に写ってるあの素朴な女の子が、今では立派なバーの女に成長している・・・
誰かがこんなことを言った。
男は金を持ったら悪くなる。
女は悪くならないと金を持てない。
二人とも頑張れ!!今日のことは一夜の夢・・・追いかけても消えてしまう夢だったのだ・・・
それがわかる人間だけがいつか自分の夢のところに行ける・・・
そしてタカシは今日きっとオスカーをクビになるだろう。
人員削減で誰かひとりが切られるだろうと言う時に無断欠勤をしたのだから・・・
この日が本当に「タカシの人生が終わった日」になるのか、それともこれをきっかけに大きく羽ばたくことになるのかはこいつ次第である・・・
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