ひとりドラムの軌跡

ドラムセットと伴奏をPA設備さえあれば全世界どこにでも行きます!!
呼んで下さい!!こちら ファンキー末吉BLOG モバイル版はこちら
バックナンバー
バックナンバーを表示

このブログのフィードを取得

X.Y.Z.→A オフィシャルサイト 八王子 ライブバーX.Y.Z.→A 爆風スランプトリビュートアルバム WeLoveBakufuSlump
今回新録された楽曲のみを
おまけComplete」
としてCD化しました。
OmakeCompleteJacket.jpeg 爆風スランプトリビュート盤を既にご購入されている方は、このCDを買えば「完全版」となり、更には他のCDには収録されていないファンキー末吉の「坂出マイラブ」も収録されてます。
「完全版」としてセットで買うと500円お得な2枚で3500円のセット販売もあります!!
ファンキー末吉関連グッズ
(書籍)











ファンキー末吉関連グッズ
(CD、DVD)


















ファンキー末吉関連グッズ
(その他)

爆風スランプトリビュートアルバム WeLoveBakufuSlump

2013年8月28日

お前、慢心してただろ・・・

Wing台湾公演のリハーサル開始。

例によって夜9時開始という遅い時間開始なので、
ワシらは近くの重慶大厦(チョンキンマンション)に行ってカレーを食べた。

重慶大厦(チョンキンマンション)というのは昔は「悪の巣窟」と言われていて、
不法滞在のインド人や、まあインド人だけが悪いことをしているわけではないが、
いろんな犯罪の温床になっていた時代が長かったが、
今では治安も向上されて観光スポットになっている。

ビルの中にはバッタもんの電気機器や両替商だけでなく本場のインド人がインド人相手にカレーを食べさせる店も多く、
滞在中には一度はカレーを食いに行きたい場所である。

当然ながら辛さで飛んでビールで酔って一日終わってしまうが、
ワシにとって大事なのはそこから9時まで寝ることである。

ここ数ヶ月毎日移動してはドラムを叩いているので一日ゆっくり寝ることがないが、
歳とってくるとどんだけ遅く寝てもつい早起きしちゃうのな・・・

だからこうして昼間時間があると昼から酒飲んでぶっ倒れることにしている(笑)


さて9時には二樓後座(Beyond Band Room)へ向かう。
数々の名盤を生み出したBeyondのホームスタジオで、今ではWingの所有物となっているようだ。

ワシはたっぷり寝たので体力はばっちし!!
軽くドラムをチューニングしてリハーサルが始まる。

ところが今度は小畑秀光の様子がおかしい・・・
表情が暗いというか、いつものような元気はつらつとした姿がないのである。

今回の台湾コンサートでは、前回の広東語曲だけではなく北京語の曲も多く加わっているので、
この日のリハーサルはまずやっていない曲を全部おさらいしてみようということなのだが、
小畑秀光にとっては全ては「新曲」なのであっぷあっぷしてるのだ。

また今回加わった北京語曲は昔ワシがアレンジしてレコーディングした1曲を除いて全てバラード、
しかも小畑秀光が苦手とする歌謡曲コード進行の曲ばかりである。

リフだけで出来ている激メタルの世界で生きて来た彼には「鬼門」の曲ばかりなのである。

肩を落としてタクシーに乗る小畑秀光にワシは優しくこう説いた。
(このような男はおだてれば空も飛べるが叩けばすぐ潰れるので大変である)

「お前・・・慢心してただろ」

「そんなことありません!!」
と彼は首を横に振る。

彼にしてみれば前回と同じく一生懸命やって来たのだろうが、
「結果」は大きく違う。

そりゃ今回は苦手な曲ばかりだったと言えばそれまでだが、
思い起こしてみろ、前回だって苦手な曲は半分以上あったのだ。
前回は出来てて今回は出来てないのはどうしてだ?

前回は「まだあやふやだ」と思ったらもっと突き詰めてやってなかったか?

「いや・・・音源聞いてそれに合わしてはやって来たんですが、
バンドで音出してみたら取って来たコードと何か違うんです・・・」

ワシはこのように分析してやった。

バンドのメンバーだって久しぶりにやる曲ばかりだ。
うろ覚えであやふやに弾いてる曲もあるだろう。
でも前回はお前がちゃんと覚えてるから「これだよ」という感じで弾く。
みんなはそれに引っ張られてバンドがまとまる。
ディストーションギターのお前が一番音がでかいんだから、
お前が間違うとみんながよけいあやふやになっちまうだろ。

ホテルに帰って全曲とり直し。
ワシは酒を飲みながら付き合ってやる。

「ここはそれではなくこのコード」
とか直しを入れるだけではなく、
「この部分はパワーコードで刻んで。この部分は単音で」
とか指示を与える。

前回は初回のリハーサルでこの作業が出来たのに、
今回はリハーサル1回分「遅れて」スタートになってしまったのだ。

凹むと全く使い物にならなくなる男なのでこんなアドバイスも与えてやる。

ワシはもう慣れてるし譜面もあるから、1回ぐらい聞いたらもう出来る。
でも何回聞いても出来ないということを恥じる必要はない。
「1回聞いてステージでこのぐらい出来た」というのと、
「100回聞いてステージでこのぐらい出来た」というのは、
実は客にとっては何も関係ない。
「要はステージでどれだけ凄いか」
ミュージシャンに取ってはそれだけよ。

才能のないヤツはあるヤツの何倍も努力すればそれでいい。
作曲の世界でもワシはそう思ってやって来た。
(そのエピソードはこちら
だから耳障りがいいだけで内容がない曲を作るヤツが嫌いだ。

あんたはこのコード進行でもっとメロディーを突き詰めなかったの?
「このぐらいでいいや」と思ってぽんと曲出してない?

ひとつのコード進行にメロディーは無限大にある。
そのコード進行自体がまた無限大に存在するんだから、
これだけの楽曲が世に存在しててもまだまだいい曲は書けるはずなのだ。

ただ、現存する素晴らしい楽曲はこの上ない素晴らしいメロディーがそのコード進行に乗っかっている。
それを越えようと思ったら並大抵の努力では無理だよ・・・

音楽における全ての作業は「戦い」である。
「このぐらいでいいか」と思ったらそれがその人の「限界」である。

ただ、ずーっと突き詰めてばかりいると結局何も出来上がらないので、
いつかは「もうここまでです、無理です」と言って引導を渡さねばならない。

その「限界」が高いか低いかを人は「才能」と呼んでいるだけで、
実のところこんなものは親から受け継いだものでも何でもない。

「性格」というのが親から受け継いだものだとすると、それこそが「才能」である。

小畑秀光の選択肢の中には、
「僕はメタルギタリストなんですからこんなもの弾けなくて当然でしょ」
という考え方もある。

実際Wingの中ではこれらの曲の中に小畑秀光の参加は考えてなかった。
「特効(特攻?)」のようにメタル曲の部分だけ暴れてもらえればよかったのだ。

でもワシは「いやあいつは出来るから大丈夫だよ」と言って全曲参加させた。
それがイヤなら一生貧乏して好きなメタルだけやってゆけばいいのだ。

それもひとつの立派な人生である。別にワシは止めはしない。
別に今回これらの曲を全て外して、得意な曲だけ登場して弾いてもいいだろう。

でもそんなギタリストなんてそのうち仕事がなくなる。

学校に通ってた時と違って、先生が
「あれをやってはいけません、これをやってはいけません」
と教えてくれるわけではない。

間違った選択肢を選んだら「仕事」がなくなる。
それが「この世界」なのである。

「尖った部分」を伸ばしてゆかなければ「アーティスト」として生きてゆけない。
しかし「引っ込んだ部分」を最低限引き上げておかねば「仕事」が出来ないのだ。

まあ教えることだけは教えて、確認する部分だけは確認してやった。
あとは本人が「どうしたいか」だけである。

苦手な曲の中でも少しでも存在感を出したいのか。
もしくはボリュームを絞って弾いた振りをしとくのか。

お前はどっちが「かっこいい」と思う?・・・

ワシは酔っ払って先に寝たが、結構夜中までギターを弾いていたようだ。
ベッドは深センから遊びに来た奥野くんに占領されているので、
朝起きたら床で寝ていた。

JetSleepingOnTheFloor.JPG

相変わらず床で寝るのが似合う男やのう・・・(笑)

どこで寝ようが本番でもの凄いギターを弾けば拍手をもらえるし、
ヘタを打てば二度と仕事は来ない。

それがワシらの住む世界なのぢゃ・・・慢心は一番の敵ぢゃぞ・・・

«新しい記事
ドラマーとして金を稼ぐ2つの方向性
前の記事»
ドラマーとドラムセットの関係