
2020年4月 1日
タカシの恋
HIBACHIが店での営業を停止してデリバリー専門になると言うので、
しゃーないなぁ〜・・・最後の営業には顔出さないかんなぁ・・・しゃーないなぁ〜・・・とばかり出かけて行った。
ところが忘れていたが、食い詰めたこの若い衆にメシを食わせてやらないかんではないか!!(>_<)
何とか毎日ローカルのもん食って0.5ドルのビール飲んで一日10ドルで暮らしたいコロナ失業者であるが、いくら日本よりは安いと言ってもHIBACHIに連れて行けばひとり10ドルぐらいはかかってしまうのう・・・
でもまあ金渡して「お前はこれで何か食っとけ、ワシは日本料理食いに行く」というのも何か後味が悪い・・・
HIBACHIの住所伝えて「ここに来い」と言ったら、前の美容室から紹介された子守の助っ人GiGiちゃんと一緒に来た。
まあよかろう、片っぽだけ奢って片っぽは帰れというわけにもいかん・・・
とりあえず粉もん食わせてとっとと満腹にさせればよかろう(笑)
というわけでお好み焼き!!
「オコノミヤキ」と言ってタカシが喜ぶ。
日本料理の名前よう知っとるのう・・・
「タコヤキ」も言うので頼んでやった。
「サケ」の「ハクツル」とも言うので日本酒も頼んでやった・・・
どんだけ奢ってやんねん(>_<)
客もいなくなり、土井さんもお好みおばちゃんことユキさんも一緒に飲む・・・
土井さんと飲むことももう滅多になくなるしなぁ・・・
初めて知ったがお好みおばちゃんクメール語喋れるのな!(◎_◎;)
タカシから色んなことを聞き出してたが、
タカシは昔シェムリアップの日本居酒屋で働いてたのだそうな・・・
なるほど、それで料理の名前とかいっぱい知ってたのな・・・
ワインも一本空いた頃「ショーチュー」とか言うので「黒霧島」を入れてもらったが、これも知ってたのな・・・
・・・ってか大散財なんですけど(涙)
日本の歌も大好きということで、彼のスマホを店のスピーカーにBluetooth接続で繋いで音楽を流す・・・
ところが中国の音楽ならともかく私は日本の音楽はさっぱりわからん(>_<)
「これ誰や?」
と聞くと
「BEGIN」
!(◎_◎;)・・・懐かしいのう・・・・
同じ事務所の頃はよく飲んだりしたのう・・・
異国の地で知り合いの歌を聞くってやっぱ心に染みる・・・
土井さん曰く、カンボジアの人は沖縄の音楽が大好きらしい。
やっぱ南国繋がりかのう・・・
タカシが歌い出す
いや、楽しいことは楽しいのだが、
何で大枚叩いてこいつを楽しませないかんのかと疑問に思えて仕方がない(>_<)
まあええか・・・ワシも楽しいし・・・(笑)
上機嫌のタカシとGiGiちゃんにGrabでトゥクトゥクを呼んであげて、ひとり残って土井さん達と飲んでたらタカシからメッセージが来た。
「オスカーが今日からこっそり営業してるんですけど来ませんか?」
オスカーとは彼の職場で、プノンペンいちのライブハウスである。
営業を再開したならこいつの食いっぷちも再開するということでもうメシを食わせてやらなくても済むではないか!\(^o^)/
こっそり営業ならミュージシャン達集まってジャムセッションとかするのかなぁ・・・
まあミュージシャンいなくてもドラムは叩けるなぁ・・・
などと思いながらオスカーに来たら・・・開いてないやないかい!!!!
怒ってタカシにメッセ入れると、何とオスカーの1階からタカシが出て来た!(◎_◎;)
オスカーって1階にもあるんや・・・
中に入ってみると真っ暗・・・
なるほど明々と営業するわけにはいかんのやな・・・
・・・てかこれって「営業」って言えるん?(笑)
暗闇に中からタカシが2人の女の子を連れて来た。
そうか、オスカーは1階がガールズバーで、そこでスケベなおっさん達から金巻き上げて、その金であの2階の素晴らしいライブハウスやってんのか・・・
・・・ってかこのご時世に女の子につかれるのはちと困る(>_<)
「あかんでぇ〜このご時世で濃厚接触は危険やから2m間あけてや」
聞くところによると、もう2週間前にもなるかな、
ガールズバーで女の子相手に濃厚接触してたアフリカ人感染者がそのまま逃げたという噂があり、
翌日プノンペンは見事に全てのガールズバーが営業停止!!
独裁国家はこの処置が出来るから素晴らしい!!
ちなみに今日この日の感染者は2人、今ブログを書いてる今日は感染者ゼロのカンボジアでもこの処置である。
その数十倍の感染者が大爆発している日本で、まだガールズバーどころかキャバクラや風俗営業もまだ平気で営業してる日本の方がおかしいとしか思えない・・・
まあその処置がいくら素晴らしくても、結局割を食うのはこの女の子のような底辺の人間である。
2人は英語が喋れないのでタカシが通訳してくれたが、
ホームタウンはない、つまり里帰りすべき故郷がないのだから、
こうして物価の高い首都プノンペンで仕事もなく暮らすしかない。
タカシと同じく食い詰めているのだろう、
オーナーとしては、上のライブハウスを開けると一発でバレてしまうので、
こうして1階のガールズバーだけでも細々と営業しようということなのだろうと想像した・・・
それにしても営業ったってこんなに真っ暗で客が来るわけないだろう・・・
かと言って明々と営業したら捕まってしまう・・・
まあこのご時世に女の子と濃厚接触しようと思うなんてよっぽどアホしかおらんから客はなかなか来んと思うぞ・・・
「二人は姉妹で、こちらがお姉さん、こちらが妹です」
タカシがそうやって紹介してくれるが、何せ真っ暗に近いので顔がわからない(笑)
そしてタカシがそのお姉さんの方をこっそり指して私にこう耳打ちした。
「僕はこの人が好きなんです」
!(◎_◎;)・・・
まあ同じ職場っつうか系列店っつうか、
一緒に働いてたら恋が芽生えることもあるわなぁ・・・
そう、読者の方々はタカシと美容室子守助っ人のGiGiちゃんとの恋かと想像したかも知れないが、
タカシが好きな子は全然関係ないこの子だったのだ(笑)
(写真自粛・・・っつうか暗過ぎるし遠過ぎるしちゃんと写らん(>_<))
でもタカシ〜・・・この恋はちょっと難しいぞ・・・
ガールズバーの女の子が全員が全員売春をしてるわけではないが、
お前が好きなこの子がもし売春でもしなければ食っていけなくなった時、
自分のメシも食えないお前がそれをどうやって救ってやることが出来る?
それより何より今、この子たちだってもう2週間以上働いてなかったんだからお前と同じく全く食っていけとらんじゃろ・・・
ガールズバーひしめくこのリバーサイド、
白人とかの、母国に帰ったら絶対誰にも相手にされないであろうおっさんが、
そこそこの若いカンボジアの女の子を連れてるというカップルをよく見かける。
需要と供給がマッチしてるんやな・・・
誰にもわからんが、彼女ももしタカシのことが大好きだったとしても、
彼女にとってはそんな外国人の旦那を見つける方が幸せなのかも知れんぞ・・・
いや、それは誰にもわからんけどな・・・
かと言ってこの私もタカシひとりにメシ食わせてるだけでも大変なのに、この姉妹ふたりまでは面倒みれんしのう・・・(>_<)
ここでパーッと豪遊して店にも彼女達にも十分潤うぐらいの収入を落とすほどの金もない・・・
ってかこんな密室で知らん人と一緒におりたくないし〜
彼女たちには飲み物1杯ずつ頼んだから店からは1.5ドルのバックか?・・・
2週間収入がなかったであろう彼女たちにとってはスズメの涙よのう・・・
かと言ってチップを弾んでやるほど金もない(涙)
そっと1ドルずつ余分にチップをあげてその店を後にした・・・
そんなプノンペンの夜・・・タカシの恋は結ばれるのだろうか・・・
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