ひとりドラムの軌跡

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2015年6月30日

零点楽隊故郷に錦を飾る!!

巴彦淖尔(BaYanNaoEr)・・・

ワシが読めなかったはずだ、
この「淖」という字は中国人でさえ「Zhuo」と読んだりしている・・・

モンゴル語の発音を漢字で充てようとするからこうなるのだが、
Wikiによると、北京からはおよそ900km、
中華人民共和国内モンゴル自治区西部に位置する・・・

BaYanNaoErMap.png

聞けばここは零点のギタリスト大毛とドラマー二毛の兄弟の生まれ故郷だと言う・・・
ああ、それで大毛はあんなに興奮してワシを呼ぶだの王笑冬(Wang XiaoDong)を呼ぶだの騒いでいたのだ・・・

つまり「故郷に錦を飾る」ということだったのだな、とだんだん理解して来た・・・

バンド結成から20年、中国ロックの歴史の中で一番金を稼いだバンドが、
そのメンバーの生まれ故郷で今まで一度もコンサートをやってなかったのが不思議なくらいだが、
何とその初めてのこの街でのコンサートが明日ついに行われるのだ・・・

・・・という緊張感も何もなく、
朝5時半に起きて空港に行き、10時前にはこの街に着いて、
昼飯を食って酒を飲まされ、酔いつぶれて昼寝をし、
晩飯を食って酒を飲まされ、酔いつぶれて夜寝をし・・・
夜中の2時に電話で起こされてやっと現場に行くことになった。

LingDianBaYanNaoErStage.jpg

野外やん!!(◎_◎;)

ああ、それで大毛はことあるごとに「あの工体のように」と言ってたのか・・・
あの工体と同じく、今度はここから始めるぞ!!」
と言ってたなぁ・・・

まあ今回はワシは頭の中に常に「??」があって、
「どうしてワシが来ないかんの?」
というのを解明する旅となっているのだが、
まあこれがあの工体のような野外ステージなのでメンタリティーとしては少しわかるところがある。

「从零开始(CongLingKaiShi)」つまり「ゼロから始めよう」が零点楽隊のスローガンである。

ちりじりになる直前のピークであったあの工体を彷彿させるこの野外イベントを「ゼロ」としてここから新たに始めたい。
そのためにはお前の力が必要だ、だから来い・・・みたいなメンタリティーか・・・

まああの工体の時はワシはプロデューサーで、
演奏曲全てはみっちりリハーサルしてアレンジしてるし、
アメリカからWyn Davis呼んでライブレコーディングまでやってるから大忙しであるが、
今回はそもそも何で呼ばれたかがわかってないぐらいなので(笑)基本「ヒマ」である・・・

この日は警察が来てどうのこうのだということでサウンドチェックも何もやらず(>_<)
結局何もやらずにホテルに帰って行った・・・

あのう・・・ワシ何やっていいかもわかってないんやから通しリハやらんとホンマにぶっつけ本番なんですけど・・・(涙)


次の日にやっとワシがドラムを叩く曲がアレンジャーから送られて来た。
聞くにどうやらモンゴル民謡のような、どこかで聞いたことがある曲・・・

まただんだんわかって来たぞ、
つまりは「ジャイアンコーナー」!!

大毛が言い出したことは「零点をふたつのバンドに分けて、自分の方のはドラムをワシ、ベースを王笑冬(Wang XiaoDong)というものだったのを、
それをメンバー(特にもう一人のオリジナルメンバー朝洛蒙(Chao LuoMeng))が一生懸命なだめて、
「じゃあ各人のソロコーナーはお前の好きにやれよ」
ということで落ち着いたのだと思う。

故郷に錦を飾る「ジャイアンコーナー」で大毛が歌う曲、
この曲をワシにドラムを叩けと言うのだ・・・
いいでしょ。別にそれぐらいなら・・・

と思ってたらこれがritやposeなどがたくさん入っててこのオケに合わすのはちょっと難しい(>_<)

当日リハでやってみて、
「このアレンジはやめてプログラムを走らせずに生でやろう」
ということになった。

「ジャイアンコーナー」のために一生懸命アレンジしたアレンジャーには悪いが、
ritやposeの時にクリックが鳴ってないと現実プログラムに合わすのは無理なのだから仕方がない。

まあ「楽になった」とばかりドラムの席をSaraに譲ろうとしたら、
「ギターソロの曲も叩いてくれ!!」
と言う・・・

聞いたことない曲だが、まあみんなに合わせてればと思って叩きだしたら、
こりゃセクションは入るし、変拍子は入るし、とてもじゃないけどぶっつけは無理(>_<)
「お手上げ」でちゃんとリハしているSaraに変わってもらう・・・

ベースの王笑冬(Wang XiaoDong)もタジタジである。
大毛がその場で口伝てで教える・・・

LingDianBaYanNaoErRh.jpg
(オリジナルメンバーのこの3ショット・・・ワシにとってはなかなか感慨深い)

聞けばこのギターソロ曲は昔のコンサートでもやってたらしく、
最初っから覚えるというのではなく「思い出す」という作業だから出来たのだと後の本人の弁・・・

大毛さん、いくらワシでもいきなりこの曲は無理ですからね・・・(涙)


・・・というわけで本番!!!(もう本番かい!!)

結局4曲ぐらいしかサウンドチェックしてないが、
まあワシのパートはパーカッションなのでなんとか出来るかも知れない・・・

LingDianBaYanNaoErPercussion.jpg

当日のワシの「お城」・・・ちなみに曲順表は当日渡されたもの・・・
まあ曲を知らないんだからもらっても同じなのだが・・・

一度ホテルに帰ったメンバーは20時開演の1時間前、
19時に集合して会場へ出発!!

LingDianBaYanNaoErHotel.jpg

ホテルは見ての通りタイアップしてあるのだろう、
だからワシにもスウィートルームをあてがったり、
毎回の食事もこのホテルのレストランで振舞われるのであろう・・・

外には何台か「専用車」が待ち構えている!!

LingDianBaYanNaoErCar.jpg

まあセンスのほどは別にして(笑)この車で会場入り!!
道路は会場に向かう客で溢れている・・・

LingDianBaYanNaoErRoad.jpg

警備は中国なので人民解放軍か公安警察が受け持つ・・・

LingDianBaYanNaoErPolice.jpg

どんどん客も増え、日も暮れる頃にはもう1万人以上が集まっている・・・

LingDianBaYanNaoErOpening.jpg

いや〜凄いなぁ・・・

モンゴル族自治区の中のいち地方都市、
言うならばワシの生まれ故郷の香川県で言うと坂出市、
決して県庁所在地じゃないこの小さな街で、
爆風スランプが全盛の頃でもこれだけの人数を集められただろうか・・・

もっと譲って、中野や河合の生まれ故郷、
千葉県柏市で爆風スランプが全盛の頃に1万人も動員出来ただろうか・・・

落ちぶれた(失礼)と言っても零点、
このイベントをきっかけにまた6万人スタジアムに返り咲きたい、
それをまたこのワシと一緒に体験したいのだなぁ・・・
とおぼろげにそんな大毛の気持ちが伝わって来たような気がした・・・


コンサートが始まった・・・
ワシはパーカッションなので「後出しOK」ということで
(意味わかるかなぁ・・・)
ドラムなんかよりはまだ楽なので何とか曲についてゆきながらぶっつけ本番で演奏をこなしてゆく・・・

LingDianBaYanNaoErPercussionStage.jpg

問題は「ジャイアンコーナー」のワシがドラムを叩く曲である。

ドラムはパーカッションと違って「後出し禁止」なので、
他の様子を見て合わせて叩くのは難しい。

何よりプログラムを使わなくなったんだからテンポをワシ自身が出さねばならない・・・

まあ言ってみれば素人仕事のパーカッションではなく、
この曲だけがちゃんとした「お仕事」なのだからプレッシャーが大きい・・・

パーカッションは一生懸命「後出し」しながら次の曲をこっそり聞いてテンポを確認したりする・・・

そしていよいよワシが叩く曲となった・・・

・・・とその前にスタッフがワシのところに駆けつけて来て、
「次の曲は二毛さんが叩きますのであなたはこのままこの場所にいて下さい!!」

おっ!!ついにもうひとりのオリジナルメンバーが登場か!!

この曲にだけ登場する馬頭琴と共に二毛が登場!!

LingDianBaYanNaoErErMao.jpg

でもこの時って大毛
「それではドラムにファンキー末吉さん〜」
とか紹介してて二毛が一旦引っ込んだりしてるのよね(笑)

まあ段取りが悪いのは今に始まったことではないですが、
ベースにオリジナルメンバーの王笑冬(Wang XiaoDong)も登場!!

LingDianBaYanNaoErWangXiaoDong.jpg

ともあれこれでオリジナルメンバー5人のうち4人が揃ったわけですから「ジャイアンこオーナー」もまんざらではない。

それにしてもここではもうギターも持たず立ちボーカルなんだから「ジャイアンリサイタル」です(笑)

続いてのギターソロコーナーもこのオリジナルメンバー4人で演奏されました。
昔やってたんやな、二毛もキメも変拍子もばっちしでした。

大毛上機嫌でお立ち台!!(笑)

LingDianBaYanNaoErGuitarSolo.jpg

この零点というバンド、日本で例えて言うならばサザンオールスターズみたいなものか・・・

ロックの形式は取ってはいるが、
耳障りのいい歌謡曲的なロックをヒットチャートに送り込み、
それこそ中国国民には知らない人はいないほどの知名度を築いた。

作詞作曲の全てをやっている桑田さんとは違って、
楽曲はバンドのみんなで作るのだが、
それでもそのセンターであるボーカリストが脱退した後のダメージは計り知れない。

だが彼らには「ヒット曲」の数々が残っている。
脱退したボーカリストの周曉歐でさえ、これらのヒット曲を歌うには零点に使用料を払わねばならない。
この裁判の結果・・・中国ならではの判決ですなぁ・・・)

ラス前の曲は「爱不爱我(AiBuAiWo)」、彼ら最大のヒット曲である。
サザンで言えば「いとしのエリー」みたいなもんか・・・

続く「勝手にシンドバッド」は、「挥挥手(HuiHuiShou)」「相信自己(XianXinZiJi)」などたくさんあるが、この日のラスト曲は「站起来(ZhanQiLai)」。

タイトル通り「立ち上がれ!」と言うんだからそりゃ客席総立ちですわなぁ・・・(笑)

LingDianBaYanNaoErXhanQiLai.jpg

ジャイアンリサイタル、いや零点故郷に錦を飾るコンサートは大成功のうちに幕を閉じた・・・(笑)

ワシ・・・結局何も働いてないような気がしつつも打ち上げ!!

LingDianBaYanNaoErUchiage.jpg

まあよくぞこんだけ人を集めるよねぇ・・・

その会場のディスプレイにはこんな文字が表示されている。

LingDianBaYanNaoErDisplay.jpg
(ゼロポイントの世界ツアー巴彦淖尔の大成功を熱烈にお祝いしましょう!!)

世界ツアー?・・・

酔っ払った大毛がやって来てワシの肩を叩く・・・
「Funkyさん、次は日本だ!!よろしく頼むよ!!」

いやじゃぁ〜!!!頼むから日本だけは来んといてくれ〜!!!(涙)

Posted by ファンキー末吉 at:15:41 | 固定リンク

2015年6月26日

頭のおかしい人とバンドって大変(>_<)

中国ロックの歴史上で一番金を稼いだバンド「零点(ゼロポイント)」・・・

ワシがプロデュースを引き受けるようになったいきさつ
一緒に成し遂げた6万人コンサート

その後ボーカルが脱退し、何とか復活させたげたいと頑張ってはいたのだが・・・
ギタリストの大毛がまたおかしいことを言い出したのでやってられなくなってもうやめた(>_<)

もともとちょっとおかしいところがあったのだが、
この6万人コンサートが終わってからもちょっとおかしかった・・・

当時小室ファミリーが日本で大全盛だったのを受けて
「大毛家族」でスタジアムやるぞ!!とか・・・(涙)

いろんな業者とかも全部呼ばれて、ワシなんかも心配なので
「ねえこれ実現すんの?」
とか聞いても
「無理でしょ・・・」
と渋い顔・・・

こんな時には
「お金は前払いでちょうだいよ!!」
しかない!!

「払えない」即ち「この話はなかった」ということである。

その後ワシは一時期零点(ゼロポイント)の仕事は離れていたが、
その後復活のお手伝いということでまた仕事を始めた。

お金さえもらえれば何ぴと様でもクライアントなので、
ちゃんと値段決めてギャラさえ払ってくれればワシなりにそれはそれは愛情を込めて一生懸命やってあげた。

しかし最終的には昔のメンバーを訴えたり、話はどんどんきな臭くなって来るし、
大毛が「メンバーには言うなよ、次はこれをやってくれ」と変なことを言い始める・・・

いくら何ぴと様でもクライアントであろうが、
ワシはバンドに雇われてるんであってこいつに雇われてるわけではない。

「バンド内でちゃんと話してから持って来ないとやれないよ」
とはっきりと通達、その後
「でもやれ!!」「やらない!!」
で、それ以降彼らとは仕事をしていない。

その後数年、個人的には朝洛蒙(Chao LuoMeng)新ボーカルの老五(LaoWu)とは仕事をしたりしていたが、
ここに来て今回メンバーを一新して完全復活!!

「リハーサル見に来てくれ」と電話があった時から実はちょっとイヤな予感がしてたのだ・・・(>_<)

まあその時は
「どうだい?新しい零点は?」
とか、純粋に元プロデューサーに意見を聞きたいのかなぐらいに思ってはいたのだが・・・


一本の電話があった・・・
「Funkyさん、今日空いてるか?単独で会ってお話ししたいんだけど・・・」

この「単独(dan du)」というのがクセモノである。
つまり「メンバーの誰にも知らせるな」ということである。

知らせるに決まっている!!(>_<)

今はたったふたりとなってしまったオリジナルメンバーのキーボード朝洛蒙(Chao LuoMeng)に一報入れておく・・・

まあこいつはモンゴル族で酒の飲み方がちょっと頭おかしいだけで、
仕事としてはちゃんと一緒に出来るヤツなのでよい。

「そうかぁ・・・じゃあ大毛と会った後に来てくれ」
ということになった。

さてその当日、ワシの車はナンバー制限
(北京は渋滞緩和のため五環路内をナンバーの末尾の数字と曜日で日替わりで入れないように制限している)
で入れなかったため、
「今日は足がないから無理〜!!」
とメッセージ送ったが、さすがに大毛・・・
「じゃあ誰かに迎えに行かせるから」

そこまでやるか・・・(>_<)

豪華な車が迎えに来て、
どこやら豪勢なレストランの社長室でその社長を紹介される・・・

そのチェーン店とタイアップして「零点白酒」を作るのだとか・・・(>_<)

まあその辺は勝手にやっててくれてよい。
音楽に関することしか手伝えんし、
以前はフォードかなんかのキャンピングカーとタイアップで何たらで、
ワシには一台くれるとか言ってたが当然もらえてない。

万が一タイアップが成功したらワシに白酒一生ぶんくれたらそれでいい(笑)

そしていよいよ本題である。
「ファンキーさん、6月27日空いてるか?」

またこれが運悪く(笑)空いてるのである(>_<)

本人は興奮しまくってるし、早口なのでよくわからんが、
まあドラムを叩いてくれと言うなら別にいつでもどこでも・・・

しかしここでちょっと気になる名前が出た・・・
「Funkyさんがドラムでベースは王笑冬(Wang XiaoDong)・・・」

いや、あんた・・・血みどろの大げんかして別れた昔のメンバーって無理やろ・・・

まあワシとしてはこの名前が出た瞬間から話半分に聞いている(笑)
アレンジの仕事とかと違ってドラムを叩くならスケジュールを押さえといてダメになったらまたその日に別の仕事を入れればそれですむし・・・

話半分に聞いて朝洛蒙(Chao LuoMeng)のところへ向かう・・・

「こんなこと言ってたよ・・・」
「不可能(BuKeNeng)」
「そうでしょ・・・」
「脑子有病(NaoZiYouBing)。。。」

ちなみに中国語で頭がおかしいことをこのように言う・・・

「じゃあワシ・・・相手しなくていいよね!!」
まあこれで楽になったとばかりそう言い放つと、
朝洛蒙(Chao LuoMeng)が真顔でこう言う・・・

「相手しなくちゃダメだろ!!」

え?!!(◎_◎;)・・・

「病気なんだから誰も相手にしなきゃどんどん悪くなっちゃうだろ!!
だから相手しなくちゃダメ!!」

え?!!(◎_◎;)・・・ワシ・・・バンドのメンバーでも何でもないんですけど・・・


かくしてワシは内モンゴルにいる・・・
何でもここのコンサートでロートタムと中国大太鼓叩いて全曲参加するんだと・・・
あの時の工人スタジアムのように・・・」ですと・・・

リハも一回もやってないんですけど・・・
音源も一曲も届いてないんですけど・・・

朝5時半起きでここに着いた・・・
巴彦淖尔・・・何て読むのかもわからん・・・
この街の一番高級なホテルに連れて来られた・・・
スウィートルームである。

とりあえず高級料理と酒を振舞われる。

BaYanNaoEr2.pic.jpg

BaYanNaoEr3.pic.jpg

BaYanNaoEr1.pic.jpg

ちなみにこの「零点白酒」完成しとるし・・・!(◎_◎;)
頭がおかしいと言っても強大な「力」はあるんだから時々実現してしまうところが恐ろしい・・・(>_<)

大毛が現れた・・・
ものすごい上機嫌でワシを地元のお偉いさんに紹介する・・・

「この人はFunkyさん、あの6万人コンサートも彼がいたから実現出来た!!」

その場にいるお偉いさん・・・ぼーっ・・・
大毛はますます上機嫌でワシの肩を叩いて酒を飲もうとする・・・

「お前・・・今晩ゲネプロでしょ?飲まない方が・・・」
心配するワシににこっと笑って、
「ファンキーさんが来てくれたからもう俺は何もやらなくていい!!
超安心だから飲んでもいいんだよ・・・」

(>_<)・・・

明日には王笑冬(Wang XiaoDong)も来ると言う・・・
「あれだけ大げんかして別れたのによく来ることになったねぇ。。。」
彼と連絡を取ったらこう答えた。

「何ぴと様であろうが仕事くれたらクライアントだからね・・・」

さすがは今やこの国ナンバーワンのスタジオミュージシャン・・・
ワシも見習って頭のおかしい人の相手頑張ろう・・・(>_<)

Posted by ファンキー末吉 at:18:16 | 固定リンク

2011年8月17日

戦争勃発?!!

過去、中国のロック史に残る争いとして、
歴史上一番レコードを売った黒豹の第二期のボーカリスト巒樹(LuanShu)が、
第三期ボーカル秦勇(QinYong)黒豹
そして日本のレコード会社JVCを相手取って起こした訴訟がある。

自分が歌っている音源をあたかも秦勇(QinYong)が歌っているかのように商売をしたと言うのだ。

昔の仲間を告訴するなんてことはやめた方がよい。
その頃巒樹(LuanShu)は誰にも相手にしてくれる者もいなくなり、
そんなことを知らないワシがいつものように
日本から遊びに来て彼んちに泊まったりしてたもんで、
今では
「いい時もどん底の時もずーっとそばにいた朋友」
となって今でもしょっちゅう仕事もしている。

ワシは今回北京に戻って来て、
何故か零点からリハのブッキングがないなと思ったら突然ミーティングに呼ばれ、
脱退したボーカルの周曉歐(ZhouXiaoOu)を相手に訴訟を起こすと言うのだ。

聞けば周曉歐(ZhouXiaoOu)が地方の営業の仕事で「零点」という名前を使ったらしい。

まあ例えて言うと、もし
「ラウドネスを脱退した二井原がラウドネスという名前で仕事をしたらタッカンがどれだけ激怒するか」
という感じだが、
彼らの場合はもっと流行バンドなので、
国内にふたつの零点が現れたら誰もバンドの方なんか見向きもしない。
彼らにとったら致命的に「絶対に許せない」ことなのである。

「そんなヒマあったら練習せーよ!!もっと上手くなりなはれ!!」

しかしやつらは既に訴状を用意し、
マスコミを呼び、明日宣戦布告をすると言う。

「ファンキーさん、明日から全中国が大注目する訴訟劇が始まる。
いい宣伝になるから今晩すぐ1曲アレンジしてくれ。
急いでレコーディングしてネットにUPする!!」

ひぇー!!!

まあ金さえもらえば別に急ぎの仕事でも何でもするが、
人の争いで金をもらうのも何か武器商人のようですっきりしない。

院子に帰る道すがら周曉歐(ZhouXiaoOu)方面の友達にも電話を入れる。
「零点が訴訟まで考えてるから気をつけろって伝えといて!!」

そして零点側にも「訴訟劇の最中に絶対俺の名前を出すな」と伝えておかねば・・・

こんなことに巻き込まれて敵など作りたくない。
中国の音楽界は狭い。
人と恨まれなんかしたら商売なんて出来やしないのだ・・・

Posted by ファンキー末吉 at:19:33 | 固定リンク

2011年7月24日

零点(ゼロポイント)のリハーサルは続く・・・

今回で3回目になるのか?
演奏レベルもちょっと上がって来て、
何とかぐしゃぐしゃにはなりそうになるものの最後までいけるようになった。

何よりもみんなの顔色が変わった。

「有点儿意思!!(ちょっと面白いね)」
とみんなが口々に言う。

階段を一歩踏み出した実感がそう言わせるのか、
久しぶりにバンドで音を出した感触がそう言わせるのか、
おそらくその両方であろう。

彼らは「バンド」であった頃を思い出して来ているのだ。

ワシはギタリスト席にいるのでいつも大毛をこう言って励ます。
「上手いじゃない。こんなにテクニックがあるなんて思わなかったよ」

もともと彼らは成功する前は実力派のバンドだった。
しかし莫大なあぶく銭が、あの芸能人の生活が彼らをダメにした。

思い出すんだ!!あの頃を!!

モンゴルの片田舎からみんなで出て来て、
北京の院子に住んで一緒にカップ麺をすすりながら、
箱バンの仕事をし、オリジナルを作ってはレコード会社に売り込んだ。

「あの日に戻ってやり直そう!!」ただそれだけのことなのだ。

「若い頃はねえ、怖いもの知らずだったから何でも弾ける気になってた。
でも大人になったら実は弾けてないことがわかったんだ」
と大毛は言う。

みんなそうなんだよ。
それに負けたらもう楽器は弾けない。
それを乗り越えるのよ!!

ボーカリストはとくとくとワシにこう言った。

「最初にこのアレンジをもらった時にはね、
まるで陌生(見知らぬものの意)でね、
こんなものが自分たちがやってどうなるのかさっぱり見えなかった。
でも実際にやってみたらちょっとずつ分かって来た。
昔ツイジエン(中国ロックの創始者)だって、
最初に作った曲は全部当たり前のコードだったけど、
そこに外国人から新しいギターの弾き方を導入した。
それを初めて聞いた時には俺たちはぶったまげたもんだよ」

それそれ!!それをワシは君らにやらせたいのだよ。
今まだそれが自分のものになってないうちは消化不良をおこすかも知れない。
でもいつの日かそれが自分のものになった時に「新零点(ゼロポイント)」は誕生する。

思えば爆風にはいろんな優秀なプロデューサーがついたが、
悲しいかな、どれも「バンド」のプロデューサーではなかった。

ドラマーじゃない人が指定するダサいドラムのフレーズにケチはつけるわ、
どんな一流のプロデューサーに対してもでかいツラするこのドラマーに、
その偉大なプロデューサー達はみんなきっとイヤな思いをしたと思う。

でもその人達から学んだノウハウをワシは、
今度は「バンドのプロデューサー」として人に与えてあげたい。

くじけそうになっているメンバーを励まし、
飲んでは「ロックとは何か」を語り合い、
それぞれのメンバーのいいところを引き出して伸ばしてやり、
それと一緒に音を出しているメンバーがいかに幸せかを説き、
バンドとはどれだけ楽しく素晴らしいものかを教えてやり、
そしてどうなればそのバンドがよくなるかを提示してやる。

バンドの6番目のメンバーとして、
一緒に泣いたり笑ったりしながら共に上へ登ってゆく。

それが出来るのがワシだけなんだからもうちょっと頑張ってやってみようと思う。

1曲だけではなんだから、
彼らのモチュベイションのためにも2曲目をぼちぼちアレンジしよう。
難易度は少しだけ落として、
「ほら、お前らもう昔に戻って来てるんだ!!
これぐらいだったらもうすぐに弾けるじゃないか!!」
そう言ってまた彼らの笑顔が見たい。

演奏終わってみんなで顔見合わせてニコーっとする、
そんな「バンドの姿」を見たいからこの仕事をやってるんじゃないかな。

そんな風に思えて来た今回のリハーサルであった。

Posted by ファンキー末吉 at:11:29 | 固定リンク

2011年7月16日

零点(ゼロポイント)リハーサル開始!!

最近の一番大きなプロジェクトとなった零点(ゼロポイント)復活計画!!
それにしても腹が立つ。

バンドが活動停止してからというもの、
奴らには「収入」というものがない。

早い話「人から借金しながら生活」しているのである。

それなのにドラマーの二毛(ErMao)は、
郊外ではあるが広大な院子を借りていて、
そこにこんな豪勢なリハスタまで作っている。

Y_m.jpg

写真はこの部屋の半分ぐらい、
それが院子(中庭)を囲んで四方にあるひとつの建物の半分ぐらいの広さなので、
建物としては全部でこの写真の16倍、
院子も含めれば30倍以上の広さがあるということになる。

この生活を「収入なし」で続けるためには、
いったい人からいくらの借金をしていることやら・・・

そしてその中にはこいつに踏み倒されたワシのギャラも入っているのだ・・・

まーしゃーない!!
金のないところから金は取れないので、
まずは彼らを見事復活させて金持ちにさせてからたっぷり取り返すしかないのだ。

リハーサルが始まったが、現状では演奏はひどいもの。
末吉スタイルのロックアレンジではディストーションギターとアルペジオギターと2本入ることが多いが、
人手が足りないのでアルペジオギターを弾いていたワシがヘタしたら一番上手いぐらいである。

このレベルのバンドをX.Y.Z.→Aクラスの演奏力にするには一体どれだけの莫大な労力と時間が必要なんだろう・・・

精神的にも疲労困憊でリハを終えた時、
二毛(ErMao)がワシに言った。

「このスタイルのドラムをいくら頑張ったってファンキーにはかなわない!!
もっと金の儲かるようなのやろうぜ!!」

「そうよそうよ!!零点はあんな素晴らしい財産がたくさんあるんだから、
むしろそれを使ってそのスタイルを貫くべきだわ!!」

「試しに」ということでベーシストで参加してもらっている二毛(ErMao)の妹
(彼らはギタリストの大毛(DaMao)を筆頭に4人兄弟みな楽器をやっている)
まで口を揃えてこう言い出す始末。

お前ら今まで楽器弾けなくたって
「俺たちは売れてるから」
というのを言い訳にずーっとそれから逃げて来た!!
(日本でもそんなバンドが多いが)
今バンドが売れてない状態でまだそんなことを言うか!!

「これがちゃんと演奏出来なかったらお前らの未来はない!!
ワシはもう助けようがないからな!!」
と始まったこのプロジェクト、
「やっとれるか!!ボケー!!」
ともうぶっちして帰ろうと思ったら、
彼らに投資している社長がワシを呼んで、
「ファンキーさん、これお約束のプロデュース料の半金」
と札束をどどんと渡した。

ま、ええか・・・のんびり構えて頑張るか・・・

中国人はまことに飴と鞭の使い分けが上手い。
金さえもらえば「感情論」はない。

あと数ヶ月ワシが頑張って奴らがダメなら、
そりゃもうワシのせいではない、奴らが悪いのである。

わずかな救いは、
今まで自分でギターを弾く気もなかった大毛(DaMao)が、
今回は誰よりも早く来て頑張って練習していることである。

あんた長男でしょ、弟ちょっと何とかしてよ・・・

Posted by ファンキー末吉 at:10:26 | 固定リンク

2011年6月24日

零点(ゼロポイント)復活計画

中国のロック史の中で商業的に最大に成功した、
つまり「一番金を稼いだロックバンド」である零点は、
麻薬によるメンバーの逮捕から始まって、
数年前にボーカリストの脱退を受けて完全に活動を停止した。

最後の打ち上げ花火である6万人スタジアムコンサートと、
最後2枚のアルバムはワシがプロデュースさせて頂いた縁で、
数年前にも一度ワシはメンバーひとりひとりに
「お前らを救えるのは俺だけだ!!」
と言ったことがある。

中国のロック事情、
マーケット戦略、
豊富な経験値でモノが言え、作れ、
そして何よりもメンバー間の人間関係をうまくやれるのはワシだけだ。

ボーカリストが脱退した今、
メンバーに対して対等にモノが言え、
メンバーが絶対的にそれを聞いてくれる人間関係があるのはワシだけなのである。

考えてみれば昔はそれがアダとなったのかも知れない。
実質のシンクタンクであるドラマーは、
ワシをしっかと懐に抱き、
ワシを使ってバラバラになったメンバーを頭ごなしに言うことを聞かせようとしたのではあるまいか。
だからボーカリストはそれに嫌気がさして出て行ったのではあるまいか。

どのバンドも似たようなもんである。
思えば爆風スランプも同じくロックバンドの形態を持ちながら商業的な音楽活動をしていたところでは非常に似ていたかも知れない。

彼らと打ち合わせのためにテレビ局に行き、
そこでバラエティーに出演する彼らが終わるのを待ちながら、
「ああこんなこと俺も昔やってたなあ」
と思った。

ワシはそんな生活がイヤで今に至るが、
彼らは何せ莫大な金がそれによって転がり込んで来るのだ。
家を買い、外車を乗り回し、
メンバーがサッカー賭博で何百万円、何千万すった頃にはバンドももう下火になっていた。

彼らの収入のほとんどは全国を回る営業の仕事。
そのほとんどがカラオケか口パクである。

実際ワシが彼らのアルバムを録ろうとした時、
「待ってくれ、もう何年もドラム叩いてないんだ」
と言ってたぐらいである。

ただベースの王笑冬だけは違っていた。
彼はもともとスタジオミュージシャンであり、
零点(ゼロポイント)をやりながらもいろんなスタジオ仕事をこなしていた。

優秀なミュージシャンである。

しかし今回は彼が不参加を表明した。
理由は「もう疲れた」ということである。

彼は昔は零点(ゼロポイント)があるゆえに、
スケジュールがバッティングしていろんな大きな仕事を受けられなかったりしたが、
今となっては国内の全ての仕事は全部受けることが出来るのだ。

「同じベースを弾くならこっちの生活の方がましだ」
と思うのも無理はない。
彼はある意味もう「頂点」にいるのだから。

最初のミーティングの時に彼の不参加を聞いて、
ワシは「こりゃちょっと前途多難だなあ」と思った。

新しいボーカリストの歌は申し分ないが、
昔の曲を歌えば全てオリジナルと比較されるのだ。
どうやってもそれを越えることは出来はしない・・・

だからバンドでガツンとやって、
「零点(ゼロポイント)はやっぱ凄い!!」
と言わせてからの新ボーカリストなのである。

しかし王笑冬がいなくなった今、
プレイで人をあっと言わせるメンバーはいない。
ギタリストなんてまたしゃーしゃーと別の若いギタリストを連れて来てる始末である。

お前、また自分で弾く気がないな・・・

日本で最大の売り上げを記録したサザンオールスターズもそうだが、
バンドは売れて来るとどうして「バンド」ではなくなるのか?
爆風でこそそれはなかったが、
いろんなバンドがもうメンバーではなくスタジオミュージシャンが録音したりする。

こんな奴らだけが残って、
零点(ゼロポイント)のあらゆるヒット曲だけを継承して、
それでまたあのていたらくで大金を稼ぎたいと言うのか?

半分やる気をなくしていたワシに、
一番そんなことを言い出しそうなドラマーから意外な発言を聞いた。

「宣伝費とか大金を投資とかそんなことをもう言うな!!
俺らはゼロからやり直す!!
バンドのバスに乗ってもう一度またキャバレー廻りからやり直すんだ!!」

この言葉がワシを動かした。
長い中国ロックの歴史で本当にこれをやったバンドはいない!!
文字通り零点(ゼロポイント)からやり直すんだったらワシは手を貸すぞ!!

というわけでここ数日ずーっと彼らのアレンジを考えてた。
そしてついさっき出来上がった。
難易度が高い「ロック」である。

長いメールと共に彼らに送った。

これが叩けないようなら、
これが弾けないようなら、
もうバンドをやめろ!!

今、中国は黒豹などが頑張って小さなクラシックロックブームが始まりつつある。
零点(ゼロポイント)はそれには呼ばれなかった。

そう言えばワシは黒豹の連中にもこう言ったことがある。
「お前らを救えるのは俺だけだ」と・・・

しかし彼らはワシを選ばなかった。
零点(ゼロポイント)はワシを選んだ。

黒豹のみんな、
悪いけどお前らが今まで作り上げて来たものは全部ワシらがもらう!!
零点(ゼロポイント)はそれを全部踏み台にしてお前らの頭の上に君臨するだろう。

与えられた時間は半年!!
それまでにワシが彼らを何とかしてやろうではないか!!

Posted by ファンキー末吉 at:14:45 | 固定リンク