
2012年7月22日
酒飲んでドラムを叩いてはいけない
今日はX.Y.Z.→Aのプリプロ5日目。
二井原はどうもプリプロが終わったらバーベキューをやるというモードになってるらしく、
終わったらそそくさと肉を買いに行く(笑)
ワシは実は中国から2曲ドラムの依頼があったのだが、
「まあバラードだからいいか」
と思って二井原に付き合って酒を飲んでしまった。
いつ頃からかドラムを叩く前は酒を飲まない。
昔は飲んで叩いて平気だったのだが、
ある日ふと気がついた。
気持ちいいから自分でわかってないだけで、
「実は叩けてない」のだと・・・
それ以来ドラムを叩く前は酒を飲まない。
ライブでも、もちろんレコーディングでもそうである。
まあ「気のゆるみ」というヤツかな、
「驕り」とも言う・・・
「バラードだからまあいいか」と思ってた仕事は、
前回極上の羊肉をご馳走してくれた老五(LaoWu)の仕事。
酔っ払ってファイルを開いてみると、
曲はこの時歌ってくれた「想你」や「告诉我」など、
彼が零点(ゼロポイント)在籍中に歌った曲。
(1曲は彼のオリジナル、1曲は外モンゴルの曲)
ワシがアレンジしたバージョンはもちろん零点(ゼロポイント)がそのアレンジ料を支払ったのだから彼がそれを使用するわけにはいかない。
自分でやったのか、また他のアレンジャーに頼んだのか、
その仮歌とアレンジには「魂」がこもっていて圧倒された。
「こいつ・・・本気やな・・・」
零点(ゼロポイント)を脱退して、
これを引っさげて勝負をかけるつもりなのだ。
彼が今、何をやって金を稼いでいるかは知らない。
しかし、前回奢ってくれたあの羊代だって庶民には払えないぐらい高額である。
そして中国で一番高いワシにレコーディングを頼む・・・
本気や・・・
彼の歌っている仮歌やアレンジがワシにこう語りかけて来る。
「ファンキー、これはお前にしか叩けないんだ・・・」
短い間だったが一緒に仕事をしてた間に、
彼はワシのことを本当に理解した。
彼の頭の中でははっきりとワシのドラムが聞こえているのだ。
羊肉の恩もある。
そして何よりも「友情」がある。
ワシは酔いが醒めるまで何度も何度もドラムを叩いた。
気がついたらこんな時間である。
何とかそれに答えられるような「魂のドラム」が叩けたと思う。
酒はもう醒めた。
まことにもったいない・・・
そして今から飲み直すのか?・・・
それなら最初から飲まない方がいいのだ。
飲まずにドラム叩いて、終わって美味しい酒飲んだ方がよっぽどいい。
酒飲んでドラム叩いたっていいことはひとつもないのだ。