ひとりドラムの軌跡

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爆風スランプトリビュートアルバム WeLoveBakufuSlump

2017年6月27日

中国人による中国人のための中国人のコンサートin東京

20年前ほどになろうか、アメリカで記者をやっている私の友達がメールでこんなことを書いて来た。

「あんたこの中国人歌手知ってる?アメリカでは全く無名やのにマジソンガーデン満杯にしてるんやで・・・しかも取材に来たら観客チャイニーズばっかし!(◎_◎;)・・・一体誰?」

アーロンコックだか誰だか忘れたが、香港四天王と呼ばれる一番売れている歌手であることを彼女に伝えたのを覚えている。

時はアジアブーム、私はアジアの音楽を紹介する番組を持っていて、
プロモーションで来日するアジアのアーティストはほぼ全てインタビューを行った。

不思議に思ったのは、日本のレコード会社はそのアジアのアーティスト達を演歌班に所属させ、演歌を歌わせていることだった。

そりゃ彼らは本国ではその国で一番売れ線であるバラードを歌っているが、
日本という当時のマーケットでは演歌が一番大きなマーケットではない。

ヘタしたら日本人アーティストの誰も敵わないかも知れない、歌って踊れる、それこそマジソンスクエアガーデンを満杯に出来るエンターテイナーを新人として迎えようとして、その国で一番大きなマーケットじゃない班に編入させるというセンスが私には理解出来なかった。

ヒップホップであろうがR&Bであろうが、それこそロックであろうがJazzであろうが、
ヘタしたら当時の日本人歌手達よりもっとレベルが高いからこそ、彼らは全世界のチャイニーズポップスの頂点に立てているのである。

演歌班と聞いて私がピンと浮かんだのは「テレサテン」・・・

あの偉大な台湾の女性歌手は日本を拠点にして演歌で全チャーニーズ圏のトップ歌手となったでしょ!!
「だからお前も演歌を歌え」
私はそう言ってるように思えて仕方がなかった。

別に演歌が悪くてポップスが良いというわけではない。
何が何でもそのように押し込まなければ気が済まない日本の音楽業界が嫌いで仕方がなかったのだ・・・

テレサテンの大成功は過去の物語、それこそ「時代」が彼女を歴史に残る大スターにした。

でも今は「時代」が違う!!
当時から中国人歌手の多くは日本なんて高々「一億人のマーケット」ぐらいにしか思っていない。
彼らは日本なんか経由しなくても自力でマジソンスクエアガーデンを満杯に出来るのだ!!・・・


さて時代はまた移り変わって今現在・・・
私はWINGのワールドツアーで色んなところを廻ってみてまた驚かされることとなる。

香港台湾北京その他大陸の地方都市などはお膝元だとしても、マレーシアシンガポール・・・はまあチャイニーズが多いアジアの国だとして、イタリアオーストラリアなどはもう白人の国ではないか!!

しかもオーストラリアでは私たちの前に中国大陸の女性歌手のコンサートがあって、友人のミュージシャン達が入れ違いでオーストラリアにやって来ている!(◎_◎;)

イタリアの華僑会もむっちゃ力持ってて、次々と中国人歌手を招聘して大きなコンサートを打っているようである・・・


さて、そんなWINGなんかを日本に呼ぼうとしても、
私自身日本でそんなチャイニーズネットワークを探し当てることが出来なかったので、
「アジアのこんな大スターのライブを日本だけこんな小さなところ」
というような思いでライブをブッキングした。

中国電視という中国のCCTVの日本支社長が偶然昔の知り合いで、
その方と再会した時に、そのような話を愚痴っぽく話す私に彼はこう言った。

「いや、そんなネットワークが日本にも絶対にあるはずです!!」

そしてそれをついに探し当てたのだろう。
日本人は絶対に会場に足を向けないであろう「伝統漫才」というジャンルで、
中国人のお客さんだけで国際フォーラムAホールを満杯にした!!


また前置きが長くなったが、先日2017年6月24日に行われたこのコンサートは、日中の文化交流の歴史の中で大きな出来事であった。

何せ今まで中国の歌手が日本でコンサートをやるというのは全て、レコード会社だテレビ局だが持ち出しで初めて来日出来ていたのだ。

実際今回
「今年は日中国交正常化45周年なので何かイベントをやろう」
という話になって、
そのようなイベントをいつも開催して来た人に相談に行ったらやはり
「経団連とかどこかがお金を出してくれないとチケットの売り上げだけでは絶対にペイしません」
と言われた。

その考えには私も同感であった。
何せアジア圏の大スターWINGでさえ世界中でこの国だけはライブハウス程度しか打てなかったのである。

LuanShuはその時に、
「中国から有名な誰々、日本から有名な誰々を呼んで一緒にやれば武道館ぐらい満杯になるんじゃないか?」
と言ったが私は大きく首を振って反対した。

中国人の動員数100人で日本人歌手が動員する客だけで満杯になっても、
その武道館を満杯にする歌手が売り上げまで全部ギャラで持って行くんだから何にもならない、と・・・

ところがLuanShuはある日突然こう言った。

「国際フォーラムAホールを押さえたから」

!(◎_◎;)

もう何が何やらわからない、しかも中国から招聘するのは日本人には全く縁がない「伝統漫才」!(◎_◎;)!(◎_◎;)

後々わかって来るのだが、既に経費は日本円で3000万円ほど使っているらしい(>_<)

この長年の親友がどれほど金持ちかは知らんが、
まあやりたいようにやって、損しても自分の金なんだからそれもよかろうぐらいの軽い気持ちでお手伝いしていた。

いや、本来なら「お手伝い」などと言えるような軽い立場ではない。
何せ彼と私と共同名義で立ち上げたFLYという会社がこのイベントの主催者なのだ!!(>_<)

宣伝会議等全ては毎回渋谷にある中国電視の会議室で行われるが、
もちろんながら言語は中国語(>_<)

今まで頑張ったってWINGのライブハウス程度のことしか出来なかった人間に何も発言出来るようなことはないが、ふと思いついたので、こんなことも提案してみた。

「宣伝カーってどうですか?日本で中国語の宣伝カーってむっちゃインパクトあるんじゃないですかねぇ・・・」

速攻で答えが返って来た。
「もうやってます」

!(◎_◎;)

SendenCar1.jpeg

SendenCar2.jpg

SendenCar.jpeg

「駅貼りもやってます」

!(◎_◎;)

SendenPoster.jpeg

もうね・・・これ見た日本人が「何じゃこれ」という顔が思い浮かんで来てつい笑ってしまう・・・(笑)
まあ言うならば20年前に私のアメリカの友人が首を傾げたようなものか・・・

「動員数がカッコつくぐらい入ればペイする」
みたいな話はちらっと聞いたが、
中国国内でもバカ高い徳雲社のギャラ払って、
(日本で漫才で1000万超える人っているの?)
相変わらずバカ高い日本での宣伝費払って、
それだけではない、中国からのご一行の渡航費、ホテル代、
そして何よりその方々のメシ代(>_<)

そして共産党幹部の偉い人(この人)とかをご一家でご招待(>_<)

ホンマにペイするんやろか・・・

17日にメインの郭徳網(Guo DeGang)という人が先に日本入りするが、
多くのメンバーは前々日の22日に来日ということで私も駆り出される・・・

空港からの送迎は既にタイアップを取って(?)大丈夫ということだが、
私は「遊撃隊(YouJiDui)」ということで、誰かを突発的にどこかに送らなければならない運転手、もしくは突発的な通訳、そしてメシ屋のブッキング、等いわゆる「雑用」である。

いや、何より大事なのは主催であるLuanShuのそばにいてあげて、その精神状態を良好に保つことである・・・

22日はまず17人ほど来日してみんなをメシに連れて行く・・・
もちろんこのメシ代も中国式には全部奢らねばならない・・・

次の日は演者さんも含めて20人ほど来日するが、
飛行機が大幅に遅れて予約していた居酒屋のラストオーダーに間に合わないということで急遽別の居酒屋を探す(>_<)

北京空港の大雨で遅れに遅れて今日も20名ほどやって来てやっと乾杯〜!! 予約してたところは間に合わず、慌てて居酒屋を探し、店員が忙しくて回らないのを助けて従業員してます〜(>_<) まあ遠方から友が来たら必ずそうするのが中国人〜 もちろん今日も奢らねば〜(>_<) 黒字になるのか明日のイベント(>_<) http://md.pia.jp/pia/event/event.do?afid=P05&eventBundleCd=b1764601 - Spherical Image - RICOH THETA

夜中の12時にいきなり30人以上予約なしで飛び込まれても居酒屋が回っていかないので従業員として手伝う・・・

・・・が給仕に忙しくてイスラムがいること忘れていてうどん焼きが〜うどん焼きが〜!!(涙)

でもまあ箸はつけたけど口はつけてないということでセーフ・・・
もう知らずに豚肉食べさせたなんて言ったら切腹もんやからなぁ・・・(>_<)

そして当日!!・・・会場に着いて改めてその大きさに圧倒される・・・

楽屋では日本にいる全ての中国メディアが集結して囲み取材!(◎_◎;)

舞台袖では日本人スタッフが休憩している・・・

JapaneseRoudousha.jpeg

どこかで見た光景だと思ったらイタリアである!!
あの時、「イタリア人が中国人に雇用されている」ということにびっくりしたのだが、
日本で同じ光景を目にしようとは夢にも思わなかった・・・

そしていよいよ開演!!
おそらく日本人はひとりもおらず、全て中国人だけでどれだけ会場が埋まるのか・・・

ほぼ満席!!!(◎_◎;)

日本人は私と他中国関係の数人しかいないだろうが、
「笑い」というのは外国人がなかなか完璧に理解するのは難しい。

私レベルの中国語力では10回に1回ぐらい一緒に笑える程度で、
それを5000人が一斉にどっかんどっかん笑うのだ!(◎_◎;)

コンサートとしては大成功だろう・・・

採算としては焼肉屋さん借り切ってこの後の打ち上げをやったりしてるしまだまだわからないが、(日本のように演者以外は関係者は割り勘というシステムが羨ましい・・・(>_<))
たとえ少々赤字であったとしてもこの第一歩はむっちゃ大きい!!

FLY株式会社と中国電視はこれによって5000人の中国人マーケットを開拓したということなのだ。

孙楠(Sun Nan)という中国の有名歌手も見に来てたが、
オーストラリアなどでホールを満杯にする彼なんかが
「次は日本でやりたい」
と思えばもういつでもやることが出来るのだ!!

今回は日本人の観客が誰もいないので厳密な意味では「日中交流」ではないのかも知れないが、純粋に中国人だけのイベントが成功したことは今後の日中文化交流の上ではとてつもなく大きな一歩である。

何せ中国人のアーティストは既に日本で5000人動員出来るマーケットを持っており、
次に例えば音楽イベントを開催するとすれば、
一緒に出演する日本人アーティストはその5000人の新しい顧客の前で歌うことが出来るのだ。

今までのように日本では無名の中国人アーティストが日本のどこかが出したお金とか一緒に出演する日本人アーティストの顧客におんぶに抱っこでコンサートを開催してたのとは全く違う!!

お互いが自分の顧客を相手に提供する真の意味での「文化交流」を今後やってゆくことが出来るのだ!!
(もちろん日本人アーティストがこの中国人マーケットにおんぶに抱っこすることも可能ということになる)

レコード会社の人にとってもそうだ。
5000人を満杯に出来るアマチュアバンドがいたとしたら、
レコード会社はそのアマチュアバンドに演歌を歌わせますか?!!

この第一歩によって日中の文化交流はやっとスタートラインに立ったと言えるのではあるまいか・・・

今年は日中国交正常化45周年なので、今年じゅうにもう一回、
今度は日中のアーティストが一緒に音楽のイベントをやろうじゃないかという話もある(らしい・・・笑)

音楽イベントだったら遊撃隊(YouJiDui)以外でも色々役に立てるぞ(笑)

願わくばこの民間交流が「政治」によってぶち壊しにならないことを願うばかりである・・・

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