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2012年6月25日

小畑秀光北京ライブ

それにしても、思い立ったらすぐ北京でライブがブッキング出来るワシって我ながら凄いなと思う・・・

まあそれは「客が入らなくてもいい」という前提なのであるが、
今回はWINGに小畑くんを紹介するという目的のためだけなので、
WINGさえ来てくれれば別の他の客はどうでもよい。

両個好朋友というライブハウスは、
ワシら北京の院子(ユエンズ)に住んでたドラマーが立ち上げたライブハウスなので、
開店以来ワシはここで金払って酒を飲んだことがない。
ブッキングも空いてればいつでもOKなので簡単なのである。

かくして小畑くんにも羊を食わせてやろうと丸焼きを一匹注文した。

ObataMaruyaki.jpeg

羊代1000元(訳12000円)を安いと見るか高いと見るかであるが、
まあ入場チケット50元で20人来れば元が取れるか・・・

・・・と言いながら20人も来ないのである。
結局は金払った客は8人、残りはワシが自腹ということである・・・

まあ客が8人でもライブはライブ。
汗かいてタダ酒飲んで、羊食ってハッピーーーーならそれでいい。


金ちゃんの娘、ユナもライブは大喜びだったようだ。
オープニングアクトの老呉(LaoWu)のステージに突然上がって来た。

どうもユナは耳がいいので、
スピーカーから出ている音が嫌いなのだそうだ。
楽器の生音を聞きたくてステージに上がったのだろう。

ベースの韓陽(HanYang)がステージ下手、
老呉(LaoWu)が真ん中に立って歌ってたのであるが、
ユナはちょうど空いているステージ下手に立って、
しばらくふんふんと音を聞いて、
飽きたのかそのままぷいとステージを降りて行った。

日本ではスタッフが上がって来て連れて降りるだろうが、
ここでは誰も何もしない。

中国のライブは何でもありなのである。


老呉(LaoWu)率いる布衣(BuYi)レコ発ライブの時、
「羊肉麺」という、今では彼らの代表曲となったその曲のイントロの時、
ひとりの女の子が花を持ってステージに上がって来た。

これは大きなコンサートでもよくある光景である。
きっとCDを買ってこの曲が好きになったのだろう。
この曲が始まったら上がって来て老呉(LaoWu)に花を手渡す。

お嬢さん、でもちょっと考えてみて下さい。

老呉(LaoWu)はギターを弾きながら歌っているのです。
イントロのギターも見ての通り彼が弾いているのです。
歌も1番はひとりでギター弾きながら歌うのですよ。

ギター弾きながら、歌いながら、花束を受けとれますか?!!

ライブ録音にはバッチシ、彼がギターをやめて、アカペラで歌いながら花束を受け取っている様子がありありと記録されている・・・


まあこのように中国のライブは常にこうなので、
ユナが上がって来て佇もうが、そのままドラムを叩こうが、何でもありである。

でもよく考えたら、世の中は「何でもあり」であるべきなのだ。

ユナは突然奇声を上げたりして周りの人間をびっくりさせるが、
人はみな叫びたくなる時があるのではないか。

楽しい時、悲しい時、
人は大声で叫びたい時にも「社会性」というものでその感情を押し殺して生きている。

だからユナの音感のように、
人はもともと持っていた能力をその「社会性」によって殺されて育ってゆくのではないか・・・


てなことを考えながらドラムを叩いてるうちに老呉(LaoWu)のライブが終了し、
「社会性」から程遠いアホがステージに上がって来る。

思えばこいつも、
音楽をやるからと言ってコードもドレミファも知らず、
譜面も読めず、一般音楽理論も知らず、
ただメタルが好きだというだけでギターを弾いている。

ユナが「音楽が好きだ」というのと同じように、
彼は「メタル」だけは「上手い」のである。

アホは世界を救う!!
この日はたまたま来ていた8人の中国人を救った。
世界中の人間を救うためにはあと1万年ぐらいかかるかもわからんが、
とりあえず8人救った。

最後の曲の前に「ひとりギターソロ」の部分も作っていたのだが、
予定より1曲早くギターソロを弾き始める。

ObataBeijingLive.jpeg

後ろで韓陽(HanYang)がぼーっと立っている。
彼の頭の中では
「ギターソロが1曲早まっただけで、後残り2曲である」
と考えているに違いない。

「何でもあり」の中国なので、
ワシはドラムんとこを降りて行って堂々と韓陽(HanYang)に耳打ちした。

「次は1曲飛ばして最後の曲だからね!!」

韓陽(HanYang)は不思議そうに頭をかしげた。
「ファンキーはいつこのギタリストとそんな打ち合わせをしたんだろう、
予定ではあと2曲ではなかったのか?・・・」

ギターソロ終わってカウントを出すと、
間違いなく最後の曲に入った。

アホの気持ちアホのみぞ知るである。

アホがステージで興奮してもっとアホになっとるんだから、
「これはきっと5曲目なんかすっ飛んで、
いきなり最後の曲だと思ってソロを弾いてるに違いない!!」

そういうワシの読みは正しかった。
アホは自分が1曲すっ飛ばしていることさえ知らなかったのだ。


かくしてライブは終わった。
羊も焼けた。

LetsEatMaruyaki.jpeg

WINGも感動して上機嫌で帰った。
次にこのアホがいつ北京に来るかは彼の胸先三寸である。

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