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2009年6月25日

中国で一番憎まれている日本人

懐かしい香港人の友人に呼び出されてに飲みに行った。
そこで紹介してくれたのが彼である。

ZuoTeng.JPG

ちなみに写真右は手前味噌で言うと「中国で一番愛されている日本人ドラマー」である。
そして写真左が「中国で一番憎まれている日本人」であると言う。

何故か?
それは私が手に持っているこの映画に彼が出演したことによる。

そう、彼は役者。
数年前から中国の映画によく出演しているらしい。
その大部分が「日本人」の役。

よくある話で中国で作る日本人が出て来る映画、
特にこう言う時代モノはだいたいは日本人は悪人の役である。

彼はきっと役者としての「腕」もかなりなもので、
その「役」を完璧に、いや完璧以上に演じた。
そしてその映画は大成功し、監督は彼にこう言った。

「間違っても映画館に足を運んだりしないように」

映画の中では彼は眼鏡をかけているが、
決して中国の街でその眼鏡をかけたりしないよう注意している。
それでも中国の人々は街で彼を見かけたらあからさまに憎しみの表情をあらわにする。

「日本鬼子(リーベングイズ)!!」
(戦時中の日本兵を最大級に蔑視する言葉)

そんな彼がある時「上島珈琲」に行った時の話・・・。

ちなみにこの「上島珈琲」、
日本で有名な上島コーヒー、つまり「UCCコーヒー」ではない。
台湾系の大チェーン店で「まがいもの」である。
その証拠にちゃんと「UBCコーヒー」と書いてある。

その「まがいもの」のコーヒーを飲みながら、
彼はカウンターで無線LANが繋がらないと四苦八苦していた。
もちろん眼鏡もかけず、
顔を隠すように深々と帽子をかぶっている。

それでも店員たちは何やら彼をみてひそひそ話をしているようだ。
彼が困り果てて店員を呼んだ。
そして彼に呼ばれてやって来た店員は小声で彼にこう言った。

「俺はお前を知ってるぞ!!佐藤だろ!!」

ちなみに佐藤とは彼が演じた役の日本人の名前で、
彼はれっきとした「渋谷」という名前があるのだが、
中国では彼はその極悪非道な日本人、「佐藤」でしかない。
店員が彼を見る目は憎悪に満ちていたと言う。

「いや、それは素晴らしいことだよ!佐藤くん!!」
「渋谷です!!」
ワシは彼を誉め讃えた。
渥美清が日本の街を歩けば「寅さん」であるように、
ひとりの役者が本名ではなくその役名で呼ばれるようになるというのはある意味素晴らしいことではないか!!

初対面の時は笑顔の素敵な好青年にしか見えなったが、
もう今ではワシは彼を人相の悪い極悪人にしか見えない。

「佐藤くん、君の両親は・・・」
「渋谷です!!」
「君は両親に感謝するべきだ。そんな極悪人の人相に生んでくれて・・・」

「僕・・・そんなに人相悪いですか?・・・」

いや、人相だけではない。
彼が役者として素晴らしいからこそこれだけ中国人に憎まれるのだ。

彼はこれからも身の危険を感じながら中国の映画に出演し続ける。
言うまでもなく「極悪非道な日本人」の役ばかりである。

頑張れ!!佐藤!!
「渋谷です!!」
どれだけ中国人に憎まれようと、
ワシはお前を日本人として、役者として誇りに思うぞ!!
今度北京で会う時には・・・

・・・いや、北京で会うとワシの身も危険になるかも知れんので、やっぱ日本で会おうな。

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