
2013年4月 5日
8ビートの叩き方
いろんなリズム理論が存在するだろうが、
ワシはとりあえず次のように定義しておる。
8ビート=8分音符上のどの位置にアクセントが来ても「ノリ」が変わらないビート
例え音符的には16分音符が並んでいたとしても、
「ノリ」が8ビートであると言うのは即ち、その裏拍である16分音符にはアクセントが来ないのだ。
解りやすく言うとディープパープルのスモークオンザウォーターである。
ハイハットはずっと16分音符を刻んでいるが、「ノリ」は8ビートである。
だって16分裏にアクセントなんか入れられたら「ダッサー!!」って感じでしょ。
昔ロックとフュージョンが相入れなかった時代には
「お前みたいなドラマーはあっち行ってフュージョンでも叩いとけ!!」
とどやされていたもんだ。
もちろんワシも若い衆がそんなドラムを叩いてたりなんかしたら頭を張り倒す。
「ボケー!!ロックの魅力は8ビートじゃ!!欲かいてのうて命がけで8分刻まんかい!!」と・・・
まあこの曲の後半ではイアンペイスはハイハットを開いてスネアを打つ直前の16分ウラでアクセントを入れるが、
それはあくまでスネアのアクセントの前に来るアクセントであり、
決して16分ウラを強調したビートではない。
アクセントはあくまでも8分音符上なのである。
逆に16分音符のどこにでもアクセントを入れられるビートを「16ビート」と言う。
これは逆に8分音符しか叩いてなくてもそうである。
解りやすい例がスライ&ザ・ファミリーストーンのサンキューである。
解りやすいようにベースの譜面も付けたが、
このドラムはあえてシンプルに8分音符だけで叩いているが、「ノリ」は明らかに16ビートである。
その証拠にドラマーが16分音符のどこにアクセントを持って来てもサマになる。
4ビートというのだけが解釈が違っていて、
これは実は和製英語で、正しくは英語圏では「Swing」と言うらしい。
ワシは
「4分音符だけが共通の「ノリ」で、それ以上の細分化はフレキシブルに対応出来るビート」
と解釈している。
「シャッフル」が三連符の真ん中抜きの音符でビートが固定されているのに対して
「4ビート」と言うともっとフレキシブルであるからだ。
実際Jazzなどでは速い4ビートでは三連符の真ん中抜きと言うよりは8分音符に近い感じでレガートするし、
逆に遅い4ビートでは16分音符の真ん中ふたつを抜いたような音符でレガートする。
さて話を8ビートに戻そう。
私は「ファンキー末吉」と名乗っているぐらいだからFUNKドラマーとして16ビートを得意とはしているのだが、
ロックの美学はやはり「8ビート」だと思う。
8ビートの代表的な叩き方を例に説明したいと思う。
これが速度が速くなってくると「美学」が分かれて来る。
「パンク」だとテンポ180を越えようが敢えてこのまま叩いたりするが、
「メタル」だとこのように叩いたりする。
ハイハットは当然ながらオープン、もしくはハーフオープンにすることが望ましい。
ベンチャーズでドラムの叩き方を学習した幼き末吉少年は、
その後「外道」で初めてこのような叩き方を聞いてぶったまげた。
「ハイハットって4分で叩いてもええんや・・・」
実際にやってみるとベンチャーズの8ビートに比べると違った「疾走感」が生まれる。
これにワシは病みつきになった。
「これがロックかぁ・・・」
ところがいろんな曲を演奏するうちに、
ハイハットは果たして8分で叩くのがいいのか4分で叩くのがいいのか迷うテンポがある。
さてここからは左足のゴーストビートの話になる。
8ビートを叩く時に左足を8分で踏むドラマーは多いが、
これを踏むべきか踏まざるべきかは論議が分かれて来た。
ハイハットを8分で叩く時には8分で踏むのだが、
速いテンポでハイハットを4分で叩く時には当然8分では踏めない速さなので4分で踏む。
つまりハイハットを8分で踏みながらだんだん速度を上げてゆくと、
ある瞬間にハイハットを8分から4分に切り替えるタイミングが出来て来るわけだが、
そのちょうど狭間のテンポというのがやっかいである。
8分では速過ぎて踏めないが、4分では間持ちがしない・・・
まあ踏むと言っても実際に足を上下させてもハイハットは閉じたままという感じで「リズムを取っている」という感じなのだが、
結論を言うとこの辺のテンポでは「足は4分で踏むがハイハットは8分で叩く」という状態になる。
つまりゴーストビート、つまり左足をどう踏むかというのはハイハットの叩き方と組み合わせると次の3パターンが考えられるということである。
1、足は8分で踏み、ハイハットも8分で叩く
2、足は4分で踏み、ハイハットは8分で叩く
3、足は4分で踏み、ハイハットも4分で叩く
テンポが上がるほど下に移行してゆくのであるが、
順列組み合わせとしては実はもうひとつ考えられる。
4、足は8分で踏み、ハイハットは4分で叩く
これはよっぽど遅いテンポでどうしても4分でハイハットを叩かねばならない時に起こり得る順列組み合わせであるが、
結論から言うとあまり格好良いものではないと個人的には思っている。
バンドのドラマーの中には左足どころか身体中で8分音符を踏みながら8ビートを叩くドラマーもいるが、
見ていてどうも「格好悪い」・・・どう見ても「上手いドラマー」には見えないではないか・・・
そもそも左足のゴーストビートに対するワシの見解は、
「もう上級者になったら踏まずに叩けるようにしときなさい」
と言うものである。
「リズム感」というのは左足にあるのではなく、「頭の中」にあるのである。
手足がどのような状態であっても「頭の中(というより身体の中?)」でリズムを感じているべきものである。
「ロックドラムとは何か?」と言われると諸説あるが、
「叩きながらわーーーーー!!!ってな感じ(なんのこっちゃ)」
と言うのがワシの「感覚」である。
しぇからしく左足で8分を踏み続ける姿で「わーーーーー!!」とは言えないではないか・・・(笑)
というわけでワシは、8ビートを叩く時も身体は4分で揺らす。
それが「ロック」なのである。
だって8分で身体揺らしてる客なんてどこにもおらんでしょー・・・
前置きが長くなったが、X.Y.Z.→Aのリハーサルで死ぬ思いで8ビートを叩いている。
新曲は日替わりでメニューが入れ換えられるように全ての曲は練習しておくのだが、
例えばヘビーな8ビート曲である「WHILE YOU'RE STILL YOUNG」などでは、
これで身体を8分で揺らしていたのでは「わーーーーー!!」という感じにならないではないか!!
当然ながらゆっくりのテンポでも4分で首を振る!!
POPチューンの「INSPIRE FUTURE GENERATIONS」なんかでは、
まあパンクバンドなら死ぬ気でハイハットを8分で叩くのだろうが、
ファンキー末吉の「ロック魂」としてはやっぱ「わーーーーー!!」と言いながら4分である。
難しいのは「METAL HEADS」のような曲、
ハイハットは4分であるが、実際に叩いているのは16分音符である。
まあ冒頭のスモークオンザウォーターと同じく、
16分を叩いているからと言ってこれは16ビートの曲ではない。
しかしこのようにバスドラがウラで入るビートには必ず16分音符の「リズム感」が不可欠である。
前半2拍のバスドラは、ともすれば訛って2拍三連のようになりがちだが、
実は2つめのバスドラは8分音符2つめのちょうどウラに正確に入ってなければならない。
ハイハットを4分で叩いているのだから、
そのオモテ拍であるべき2つめの8分音符というのは実際には叩いてない。
つまり実際に音が出ていないその音を感じなければこのウラには正確に入れられないのである。
左足を8分で踏んでいたなら、ちょうど両足が交互に動けばいいので叩き易いが、
ハイハットを4分で踏みながらここに正確にバスドラを入れ込むためには頭の中に正確な「16分音符」が流れてなければならない。
「リズムのキモとは音の聞こえてないところにある」
という名言が示すように、
それぞれの頭の中に流れている「リズム感」こそがその「グルーブ」を支配するのだ。
身体を4分で揺すりながら頭の中では16分の細かい音符が流れている、
そしてそれをメンバーがびったし共有している形こそがバンドの「グルーブ」を生むのだ。
X.Y.Z.→Aのリズムセクション、末吉と和佐田は長年のコンビネーションの中でこれがびったし共有されている。
とてつもなく「ロック」で、
そして「ファンキー」であると人が感じるそのリズムセクションの秘密は、
このそれぞれの頭の中に流れている16分音符の中にあったのだ。
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