
2012年9月27日
最近読んだ本:「日本の領土問題」孫崎享
中学生の息子が参考書を買いに行くと言うので本屋まで連れてって、
その時に何の気なしに買ったこの本。
衝撃でした・・・
元外務省国際情報局長が、2010年の漁船衝突の後に書いた本だが、
尖閣諸島の問題が後に更に悪化して今日に至るであろうことを見事に言い当てておる・・・
この本を読めば
「尖閣諸島は日本固有の領土である」
とか
「領土問題は存在しない」
とか日本の言い分のどこがおかしいかが見えて来る。
誤解のないように言っておくが、
ワシは別に「中国よりの考え」を持っている人間ではない!!(キッパリ)
これを言うと日中間のいろんな人、
例えば「大陸ロック漂流記」を読んでバイブルにしてくれてる在中国日本人たち、
自分の夢を先に実現している大先輩と慕ってくれる中国好きの方々、
共に中国で戦って来た戦友だと思ってくれている友人達、
その他いろんな人を失望させてしまう知れないが、言おう・・・
ワシは断じて日中友好の架け橋でも何でもない!!
日中友好とは国と国の関係であって、
ワシが義兄弟の如く付き合っているロッカー達は、
むしろその中国政府と反目してたヤツらである。
彼らと一緒に中国ロックの今を作り上げようと頑張ってた当時から、
今に至るまでなおワシは中国政府と手を結んだことは一度もない。
一度ロックフェスティバルに出てドラムを叩いたらそれが抗日イベントで、
冗談か本気か力のある友人から
「共産党にうまく宣伝してやるから、
そしたら住居や市民権や、一生の食いっぷちまで与えてくれるぞ」
と言われたが、当然ながらそんな話に乗るわけもなく、
未だに「不法就労」である(笑)
ワシが仲良くしてるのは「中国政府」ではなく「中国ロック」なのである!!
そのことを踏まえて先入観なく読んで欲しい。
ここからは「国」の話・・・
まず中国は1969年に国境問題でソ連と争っている。
それは中ソ国境の河の中に浮かぶ、
資源も何の価値もない長さ1700メートル、幅500メートルの島が原因で、
武装衝突となってそれこそたくさんの人が死んだ。
尖閣諸島問題は当時から日中間における諸問題のひとつであったが、
1972年の日中国交正常化交渉の際に、
周恩来首相はこの教訓を受けて尖閣諸島問題を棚上げすることを提案した。
そこに手付かずの資源が眠ることを知っての上での提案である。
当時それをすることは中国にとって決して有利な選択ではない。
それによって日本がこの島の実行支配を強め、
中国は力ずくでそれを変更することは出来ないということになるからである。
しかし中国にとってはそんな問題よりも日中国交正常化の方が大きな問題だった。
「小異を置いといて大同を求めようではありませんか」
当時中国にとっては技術や資本や日本から得たいものはたくさんあったし、
日本とてアメリカが頭越し外交を受けて何としても国交正常化をせねばならない。
「求大同存小異」は両国にとって「メリット」があったのである。
後の鄧小平副主席と園田外務大臣との会談でも鄧小平副主席は
「我々の世代では解決出来ないが、
我々の次の世代、そしてその次の世代はきっと解決の方法を見つけてくれる」
と発言している。
まさになるみちゃんが言う通りである。
でも次の世代であるワシらはその解決の糸口を見つけたのか?・・・
この本にはこんなことも書いてある。
日本がこの問題は「国内問題として対処する」という態度を取った。
それは即ち「中国はこれを国内問題として対処する」という口実を作ったということである。
つまり「武力」である。
「安保があるからアメリカが助けてくれる」
というのは大きな間違いであると著者は言う。
ガチでやる気なら自衛隊が自力で「核を持つ世界有数の中国軍」と戦って守らねばならない。
戦争覚悟でやるんか?・・・
そうまでして守りたいんか?・・・
日本人はまだわかっていない。
尖閣諸島は紛争地なのである!!
少なくとも世界の中ではそういう位置づけにある。
当時、この問題を棚上げしてでも「日中友好」が必要だった。
じゃあ今は必要ないのか?・・・
そもそもこの紛争って双方に国益を得たのか?
両方「損」しかしてないんとちゃうんか・・・
内政が乱れた時に政治家はよくナショナリズムを煽る。
中国もそうだが日本もそうである。
喧嘩して得するヤツなどいないのだ。
得するヤツはきっと他にいる。
自分が得をしたかったら喧嘩などしないに限る。
尖閣諸島問題などまた棚上げにしとけばいいのだ。
「次の世代に解決してもらおう」
などいい子ちゃん発言をする必要はない。
中国は共産党一党独裁。
今は毛沢東主席や周恩来首相のように人民に絶対的に慕われていた時代でもない。
(日本も今は似たようなもんだが・・・)
「中国が民主化するまで棚上げしましょ。
民主化したらこの件をゆっくり話し合いましょうよ」
でいいのではないか?
まあ「民主化」を明文化するわけにもいかんからとりあえず
「10年間棚上げして、10年後にまた話し合いましょう」
ではいかんのか?
Posted by ファンキー末吉 at:09:18 | 固定リンク
2012年9月17日
文明国の資質
愛国無罪・・・なんか物凄い状況になって来ましたなぁ・・・
嫁が「私が北京にいた頃はこれほどではなかったよね」と言うので思い返してみたが、
あの頃はたしか靖国問題でもめていたと思うが、今は領土問題である。
靖国問題は過去の戦争のこと、
だが領土問題は現在のこと。
こりゃ解決するわけないわのう・・・
日本政府のみなさん!!言っておきますが、
この国って国際司法がどんな結論出そうが必ず
「尖閣諸島は自分たちのもんだ」
と言い張ります!!
絶対に譲歩はしません!!
まあこれは中国と断交覚悟で、
尖閣諸島に自衛隊でも送り込んででも守るしかないわのう・・・
(断交してもワシはあっちでドラム叩くやろうけど)
中国のTwitter「微博(WeiBo)」でもちょこちょこメッセージが来たが、
キツいのは一度来てこのように返信したら慌てて削除しおった(笑)
これはワシにとっては伝家の宝刀!!
これに逆らえる若者は中国にはおらんわのう・・・
と思ったらまた新たな書き込みが・・・
「听说有人在微博上骂你,是吗?
(誰かが微博でお前を攻撃したらしいけど本当か?)
放心我们这些接受过你帮助的朋友会支持你的,
(安心しろ我々お前に助けられた朋友はお前を支持する)
不要伤心!那些傻逼会得到惩罚的!
(傷つくことはない。あんな腐れマンコは俺が懲らしめてやる)」
天堂楽隊のベーシスト「久(ジョウ)」なのだが、
こいつはいつもながらタイミングが悪い(苦笑)
もう沈静化しとるんやからまたぶり返すなよ!!と言いたい・・・
まあこいつはロック界では歴史は長いは長いが、
まあ影響力という点ではまあまあであるが、
そこに李慧珍がレスをした。
「我们都在!(私たちがいるわよ!!)
他给了中国摇滚音乐人 20多年无偿的帮助,
(彼は中国のロッカーに20数年も無償の援助をして、
帮助那些新人完成对音乐的梦想!
(その新人達の音楽の夢をかなえてあげた)
他应该得到尊重!(彼こそ尊重されるべきなのよ!)」
これにまた「久(ジョウ)」が追い打ちをかける。
「不管世事怎么变,你永远都是中国摇滚界的好朋友,
(世の中がどれだけ変わったってお前は永遠に中国ロックの好朋友だ)
这一点不会变。(これだけは変わらない)」
ま、伝家の宝刀ですな、これで鎮火!!
「あなたのことは大好きですが魚釣島は私たちのです」
とか
「あなたも日本人です魚釣島をどう考えますか?」
などというユルい書き込みも自ら削除してしまったようだ。
あ、そう言えば
「次に北京に帰る時はいろいろ注意して下さいね」
というものもあったが、
帰ると言っても貧民街やからなぁ・・・
この貧民街に住む食い詰めた日雇い労働者にとっては、
尖閣諸島がどこの領土であっても全然関係ないからなぁ(笑)
仕事をすると言ってもロック界は味方ばっかりやから、
基本的に反日感情に接する機会がほとんどないからなぁ・・・
日本人と会うことも滅多にないし(笑)
というわけでここからが本題。
ワシのようなケースは「特殊な例」と言えるのかも知れないが、
逆に「中国国民」という大きな中で言うと普通であるとも言える。
大部分の中国人は貧民街の人達と同じく、
政府がどうなったって自分らの生活が変わるわけではないのだ。
だが一部の血気盛んな若者が今「暴徒」と化している。
「魚釣島は我々のもの、蒼井そらはみんなのもの」
というスローガンが表してるように、
そのノリは「政治のもの」というよりはもっとユルい。
蒼井そら自身も微博(WeiBo)で日中友好を呼びかけたらしいが、
「政治と私たちの関係は別よ」
ということは実現出来ても、領土問題までは解決しない。
もし中国政府が魚釣島を手放したとしたら、
彼らは反日に向けてたその矛先を中国政府に向けるだろう。
この流れで反政府運動をされたら天安門事件の二の舞である。
こりゃ戦争してでも魚釣島を手に入れるしかないわのう・・・
ちなみに天安門事件は日本では
「民主化を叫んだ若者を独裁政権が武力で鎮圧した」
と報道されているが、
このような側面もあったということは西側諸国には知られていない。
プロパガンダがあるのは何も共産圏だけではない。
「ほら社会主義はよくないでしょ、資本主義万歳」
というプロパガンダに隠されて何も見えないようにされていたことを
ワシは当時ロッカー達の付き合いで強く感じていた。
そう言えばロッカー達はみんな天安門事件を経験しているが、
今暴徒と化してる若者はそれを経験していない・・・
時代は繰り返すのか・・・(怖)
「中国は4000年の文化があると言うが文明はない」と言われる。
デモで焼き討ちをするなどおよそ文明国家の国民がやることではない。
上海では日本人に対する傷害事件が起こったと言うが、
日本で逆に中国人に対してそんな事件が起こったとしたら、
ワシは同じ日本人としてそれはどうかと思うぞ。
日本は世界に誇る「文明国」である。
どこかの焼肉チェーンの社長が、中国人従業員の給料明細に
「尖閣諸島は日本のものです」と書いて渡したという噂があるが、
もしそれが本当だとしたらワシはこう言いたい。
「そんな恥ずかしいマネはしなさんな!!」
中国人だと見たら優しくしてあげればいいのだ。
「あんたの国では今、我々日本人がヒドい目にあってるけど、あんた達は大丈夫?
我が国では絶対あんた達をそんなヒドい目に合わささないからね」
と言ってやればいいのだ。
要は「人間の資質」の問題である。
それが出来る国を「文明国」と言う。
中国はまだまだである。日本はきっと出来るぞ!!
Posted by ファンキー末吉 at:06:59 | 固定リンク
2012年9月12日
日中関係悪化のため初の「中止」
6連チャンのブルースツアーを終え、
戻って来てそのまま7連チャン目の「江川ほーじん山本恭司ファンキー末吉セッション」。
JASRACとの調停裁判のために上海からオーナーのKさんが来てたので、
そのまま一緒にメシを食いに行った。
テレビではニュースで、また中国漁船が尖閣諸島にどうのこうのと報道している。
「上海はどうなの?」
「いや〜このまま悪化したらアホが生卵投げつけて来るかもわかりませんねぇ(笑)」
「まあ上海は都会やから田舎と違うてなかなかないやろけどな」
「末吉さんの方はどうですか?」
「ワシは不思議と一度もないなぁ・・・」
などと話してたらいきなりメールが入った。
「关于9月的两场活动'由于最近中日关系比较紧张'我们将推迟本次活动的演出时间'
(9月のライブは最近の日中関係の緊張を受けて延期することにしました)」
ついにキター!!!
反日デモが大規模に行われている同じ街でもライブをやってたワシが、
ついに日中関係悪化が理由で初めてのドタキャン・・・
まあドタキャンはいいのだが、
X.Y.Z.→Aのレコーディングのために上海から日本に飛んで北京に戻るチケットを買ったばっかりやったりして、
実は来月の上海楽器博覧会での演奏が会場の設備の問題で中止となったりして、
チケッティングがもうぐっしゃぐしゃ・・・
もともとは北京で日本往復のチケットを買っていたのじゃが、
今では日本発券のチケットと一緒になってぐっしゃぐしゃである。
9月19日北京行き(日本発券デルタ航空の行き)無錫寧波のライブのため
20日無錫行き寧波回る予定が今回中止
9月24日上海ー北京(中国発券による中国国際航空の行き)X.Y.Z.→Aドラム録りのため
25日日本にてX.Y.Z.→Aのドラム録り
9月27日羽田ー北京(24日の戻りチケット)北京でのJazzライブのため
9月28日北京での疆进酒でのJazzライブ
10月5日北京ー東京(中国発券による中国国際航空の行き)
10月9日東京ー北京(5日の戻りチケット)上海楽器博覧会のため
10月11、12、13日の上海楽器博覧会中止
10月15日北京ー東京(9月19日の戻りチケット)
つまり、日本で買った9月19日行き10月15日戻りのチケットは、
今回の無錫寧波がキャンセルになったからキャンセルしようと思うと、
他のチケットは全て中国で買ったやつなので、
その全ての便は乗れないということになる!!
何故ならば行きを乗らずに帰りだけを乗ることは不可能なのだ・・・
かと言ってそのためだけに何も用事がないのに北京に行くのもどうかのう・・・
こりゃ一度9月28日の疆进酒でのJazzライブをキャンセルして、
一度スケジュールをまっさらにして仕切り直すべきかのう・・・
キャンセル料いくらかかるんやろか・・・(困)