
2010年11月16日
いっぱい仕事したどー!!
昨日いち日ふて寝したので今日は働いた。
まず午後からラップ歌手のミーティング。
散歩も兼ねて歩きとバスと地下鉄で相手の事務所まで向かう。
1時間ちょいということはこの貧民街は日本で言うと八王子ぐらいの位置にあるのね・・・
着いたらラップ歌手はギタリストを連れて来ていた。
今彼が一緒にいろいろDEMOを作っている相方だ。
通常こういう場合は話がややこしくなる。
会社が選んだプロデューサーより、
いつも一緒にやっている人間の言うことしか聞かなくなるというのはよくある話だ。
しかしこのギタリスト、苗佳(Miao Jia)は張楚(Zhang Chu)のバンドでも一緒だったし、
今まさにレコーディングしようとしている紅焼肉楽隊のギタリストでもある。
RUN DMCがエアロスミスのWalk This Wayをカバーしたように、
「X.Y.Z.→Aのカバーやんなよ」という意見にも一緒に飛びついて来る。
事務所の社長も飛びついて来た。
この事務所の社長も古くからの友達である。
金を出すのは事務所だが、
その事務所の人間が全面的な信頼を置いてくれるということは非常に仕事がやりやすい。
じゃあ帰ろうと思ったらもうひとり来るから待ってくれと言う。
待ってたら別会社のDである。
きっとこのプロジェクトに投資してるのか何かであろう。
彼には数年前「ロックのオムニバスを作るぞ!!」と声をかけられ、
あてにしてX.Y.Z.→Aの中国語バージョンまで作って企画が流れてしまっているので貸しがある。
「ファンキー、NewB(牛のおま○こ、つまりファッキングレートの意)なRockアルバムにしてくれよ」
の一言で終わる。
ここで全ての関係者のベクトルがひとつに集約した。
「ファンキーに頼めば世界レベルのRockになる」
これだけである。
知り合い以外が関係者にいない、
この状態をなし得るまでにワシは20年の月日を費やしている。
ロック界でファンキーを知らなければ「モグリ」なのである。
あと重要なこと、事務所と契約書を交わしてサインした。
これは昔にはなかったことだが、
金の支払いまでちゃんと明記されており、
明日にはちゃんと前金が振り込まれるだろう。
仕事成立!!
別れ際に苗佳(Miao Jia)がワシの肩を抱いてこう囁く。
「ファンキーさん、いろいろ助けて下さいね」
ワシは言う。
「助けてもらいたいのはこちらの方さ。
ラップ歌手とワシの間に立っていろいろよろしく頼むよ」
彼は言う。
「いやいや、僕はいろいろあなたから学びたいんです」
どうも金ももらうつもりはないようだが、
いやいやちゃんとギャラは払いますよ。
プロデュースの名前に一緒に連ねてもいい。
こういう損得なしで燃えている人材が一番必要なのよ!!
みんなと別れて張張を訪ねて行った。
彼がプロデュースしている歌手のアルバムのミックスをファンキースタジオ八王子でやりたいと言うのだ。
中国のデブでも日本のデブでも仕事をくれるデブはいいデブである。
(鄧小平の白猫黒猫の理論より)
別にデブは今日のレコーディングが終わったらデータを持って来ると言うのだからわざわざ行かなくてもよかったのじゃが、
その歌手というのが会ったことのない人なので、
これは一度脅しをかけに・・・いや、ちゃんと面通ししに行かねばと思ったのだ。
想像するにこのプロジェクトはその歌手が自分で金を出している。
そしてどんな人間にも「感情」があり、中国人は特にそれが強い。
大事な金を払う相手をちゃんと見極めておきたいというのは人情である。
そのスタジオとやらは初めて行くスタジオだったのじゃが、
そこのエンジニアがワシのソロアルバムを聞いて育った世代だった。
「やっぱりファンキーさんでしたか。あのアルバム聞いてました。
一緒に写真を撮って下さい」
こういうシチュエーションはその金を出す人に大きな安心感を生む。
すかさずデータの受け渡しについていろいろ打ち合わせをし、
ミックスの方向性、特に中国のマーケットにどう合わせるかを話し合う。
この辺は外国人ではまず出来ない技なので先方には更なる安心感を生む。
最後に金の支払いについて話をして終わり。
みんなワシが必ず前金を取るのを知っているのでそれも尊重してくれる。
院子に帰ってしみじみ思う。
ワシは20年ここにいるからそれが出来るのだ。
どんなところにでも10年頑張れば地盤が出来、
20年頑張ればそれなりの地位が出来る。
日本やアメリカに仕事を振る時に、
「高いだろ」
と言われたら必ずワシは
「中国値段でいいよ」
と言う。
「悪いねえ・・・」
とみんな言うが実はわかっていない。
不景気のどん底であがいている日本より、
ドル安であがいているアメリカより、
バブルまっただ中の中国の方がヘタしたらギャラが高いのだ!!
まあ今は円高なので両替して持って帰ろうとは思わない。
突然没収されるリスクはないとは言えないが、
北京のスタジオの維持や何やらこちらでも金が出てゆくのだから仕方がない。
日本政府よ!!円高をいつ止めてくれる!!!
ま、どっちでもいいけど・・・