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2012年6月17日

金ちゃんかっこえ〜

彼女と最初に会ったのは1991年か92年、
当時中国と韓国がまだ国交を結んでない頃、
韓国籍でありながら中国に留学してたツワモノでした。

かっこえ〜

当時中国には北朝鮮からの留学生も多く、
そこに韓国籍の留学生も受け入れるという学校は少なかったのですが、
たまたま私が定宿にしていた戯劇学院だけが受け入れてくれたということで知り合うこととなりました。


戯劇学院は、最初に知り合ったロッカー「張楚(ZhangChu)」
(彼が私を地下クラブに連れて行って黒豹と出会い今に至る)
の知り合いである加藤(ジャータン)が留学していた学校なので、
加藤(ジャータン)が卒業後は太郎、その後は金ちゃん、
と歴代この学校の留学生が私の通訳をしてくれてたのでした。

ですから、中国で戦ってロックをしていた私にとって
金ちゃんは「戦友」であります。


92年爆風スランプで北京広播電台開局45周年イベントに参加して、
中止命令を受けても中止せず、
ブッキングしたロック仲間は公安にボコボコにされて、
その長髪を掴んで別室に引きずられてゆくのを、
私はステージ上から、金ちゃんは客席からそれを見てました。

「コンサートで立ち上がったら逮捕される」
まだそんな時代でした。

「俺は殺される」
とその後身を隠していたそのロッカーがほとぼりが冷めて帰って来て、
それを慰める意味もあったと記憶してますが、
朝鮮族中国人である当時の金ちゃんの彼氏の
北朝鮮の国境の街だと言うその実家にみんなで遊びに行きました。

国境の川は冬は凍るので、
「徒歩で渡って北朝鮮岸で記念撮影しようぜ」
と悪ふざけになり、
結局ひとりだけ金ちゃんは川の半ばで立ち止まってどうしても川を渡りませんでした。

「あんたらはええわ。日本人やし中国人や。
私は韓国籍なんや。捕まったらどんなことになるやらわからん!!」

いや、日本籍でも捕まったらえらいことやったけどな・・・(笑)


金ちゃんが帰国しても私はよく実家に遊びに行きました。
大阪のディープなところで純粋な日本人はほとんど住んどらん(笑)

お母さんとも仲良くさせて頂いて、
今でも大阪行ったら時々お母さんに会いに行ったりしとるけど、
今から考えたらお母さん、ちょっと心配しとったんかもな。
ワシら仲良かったからな・・・

あの辺の在日の人は、
日本人と結婚するなんて民族を売るぐらいのことやったからな・・・

しかしそんな心配をよそに、
私と金ちゃんの仲は恋愛に発展することもなく、
今だに「戦友」でここに至ります。


戦友には発達障害の娘がいて、
その娘を連れて今十数年振りに北京に来ております。

私がJASRACや北朝鮮と戦ってるうちに
一緒に中国で戦ってた戦友は今度は「人生」と戦っていたのです。

数年前には娘を連れてカナダに行って、
そこでいろんな発達障害の子供達とそれを取り巻く環境を見て、
「この子はちょっと変わってるだけなんや」
と気付き、今は子供を普通の中学校に入れとるそうです。

発達障害の子供は何かひとつの能力に長けることがあり、
どうもこの娘はそれが「言語」らしい。

ポニョは数カ国語で歌えるし、
日本語で伝わらんもんは英語で言うたら伝わったり、
きっとこの旅で中国語も覚えてしまうかも知れません。

外国への旅はこの娘にとってもきっとええ刺激になるでしょう。

「この子は凄いでぇ」
金ちゃんは言います。

「この子にとってはな、明日は必ず今日よりええねん。
毎日毎日、明日はまた今日よりええと言うて暮らしとる」


金ちゃんは私より数日先に北京に着きましたが、
まあ中国語も喋れるので大丈夫。
私が空港から直接老呉(LaoWu)のライブに行ったら
娘とふたりでそのライブを聞いてました。

娘も初めて聞く中国ロックを気に入ってるようでした。

「何これ?あの頃のロックと同じやん・・・」

崔健(ツイジェン)はら始まった中国ロックは、
その後商業的になって形を変え、
でもいつまでたっても変わらないのが老呉(LaoWu)の歌なのです。

「涙が出て来たわ・・・」
金ちゃん、そんな涙やったらなんぼでも流しぃや。

この娘を一生面倒みてゆく決意で、
何事もポジティブに、
関西人的に全てを「笑い」に変えてゆく金ちゃん。

ほんまにかっこえ〜と思います。


X.Y.Z.→Aのツアーの時に久しぶりに会ったら
「金ちゃん59kg」だったのが、
先日のやっちんツアーの時には
「金ちゃん65kg」ぐらいまでパワーアップしてたので、
この北京滞在で是非「金ちゃん70kg」ぐらいまでアップグレードさせたいと思ってます。

「世の中になあ、
私がまだ食べたことない美味しいもんがあるんやということが許せへんねん!!」
と金ちゃん。

かっこえ〜


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