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2011年2月10日

日本語支援制度

日本は本当によく出来た国だと思わざるを得ない。
日本語がおぼつかないこの子のためにありとあらゆる支援制度がある。

そのひとつが「日本語学級」である。

八王子市に小学校がひとつ、中学校がひとつ解放されていて、
保護者が希望すれば、
日本語のおぼつかない子供が入学した学校から申請を受けて、
週に数時間ここでマンツーマンの教育を受けることが出来る。

今日はその面接に行って来た。
面談の先生達、口を揃えて、
「あーらそんな日本語まで喋れるの?凄いじゃない」
である。

まあそれが
北京の日本人学校の面接のレベルに対してどうなのかは別の話しとして、
「ひょっとしてここに通うレベルは既に越しているのでは?・・・」
と思いながらも、とりあえず入学をお願いして来た。

まあ例によって
「前に通ってた学校」
の欄が空白になるという特殊なケースであるが、
誤解のないように先生方には説明したが、
実は彼は今まで全然学校に通ってなかったわけではない。
大黒柱の父親が生きていた頃は高い金を出して中国人学校に通っていた。

どのくらい高いかは実際は聞いてないが、
例として言うとワシの娘がちょっとだけ中国の小学校に通ってた時には、
「うちの学校は外国人を受け入れることが出来ない」
という理由で、特例として
「じゃあいくら払う」
ということで結局1年で100万円以上の金を払っている。

まあ言い値である。

この辺の話は今日のここの先生方は激怒した。
当たり前だ。この方々は、
「日本に来た外国人の子供」に対して日本語支援をしているのだ。

それはヒドい!!と・・・

しかしまあワシにしてみればそれは「中国」という国の問題だ。
「あそこはそんな国ですよ」
と言うしかない。
中国とか北朝鮮とか、
ワシがよく知っている社会主義の国は往々にしてそうなのである。

一家の大黒柱をガンによって失ったこの母子家庭が、
今まで通り多額の「言い値」を払い続けることが出来なくなって、
最終的に北京の日本語学校に入学を希望して
結局「日本語のレベルがもうちょっとですねえ」と言われ続けて1年以上拒否され続ける。

もう行き場がない・・・
この感覚も中国を知らない純日本人にとってはよくわからないようだ。

あるスタッフは
「どうして家庭で日本語教育をしなかったのか」
と素朴な疑問を投げかける。

両親が日本人だとしたら、
当然ながら子供は学校では中国語を話し、家庭では日本語を話す。

しかし両親の言語が違う場合、
特にここのようにお母さんが日本語が話せない場合、
家庭内言語は必然的に中国語となるので日本語ができなくなる。

しかしワシは別にそれを問題とは思っていない。
うちの子供は生まれたのは東京で日本語しか喋れなかったが、
中国に引っ越したら今度は中国語しか喋れなくなった。
そして両親は離婚し、今度は高知のばーちゃんに預けられたら、
今度は中国語は一切忘れてしまい、土佐弁しか喋れなくなった。

それでいい。
ワシは日中両国の間に生まれてどっちの言語もおぼつかない子供を何人か見て来た。
子供はどちらかネイティブな言語をまずひとつ習得する必要がある。
それから第二言語として「民族の言葉」を勉強するのだ。

マレーシアや中国のような他民族国家ではある種当たり前のようなことが、
ここ日本では非常によくわからないニュアンスとなっている。

またあるスタッフはこう言った。
「じゃあ国籍を中国に変えればいいのに」

しかしこれは現実難しい。
今度は「国家」ということに関する「個人」のものの考え方になってくる。

うちのふたりの子供達はその母親である前の嫁は迷わず「日本国籍」と言った。
単なる「日本のパスポートの方が便利である」という理由である。

子供に幸せになって欲しくない親はどこにもいないので、
その子が将来何かをやる時に足かせにならない国籍を選びたい。

ただそれだけのことである・・・

ワシの大好きな中国の大女優「Gong Li」は、
シンガポール人と結婚して国籍を変えた途端にネットでバッシングを浴びた。

反日デモをやってるようなアホな若者が、
独裁国家のあの手この手によって「愛国運動」の名の下に踊らされている。
彼女が女優として更に羽ばたきたいがために、
もっと便利なパスポートを選んだということを、
若者達を踊らせる独裁者達はそれをかっこうの標的にしたのだろう・・・

そんなことはどうであれヒロキ君の両親が選んだ彼の国籍は「日本」だった。
ただそれだけのことである。

どうしてそうしたかはワシは知る由もないが、
社会保障もなく医療も全額負担で、
一人っ子政策で一人の肩に両親とそのそれぞれの両親という
6人の子供が乗っかってるようなそんな国を選ぶか、
このように外国人にさえ教育を受けさせようとしてくれる国を選ぶか・・・

更には日本人があまり知らない中国の歴史で、
「大地の子」でも描かれていたように、
親が日本人として生まれた子が弾圧されて来た歴史がある。

「文化大革命」と言って、ある日突然、価値観が180度変わり、
全てのものを没収されて浮かび上がれなくなる歴史をこの国は持っている。

いつぞやの北朝鮮の「帰国運動」を見ればよくわかる。
あの時「地上の楽園」という宣伝文句と共に、
日本人妻を含む、北朝鮮籍を選んだ全ての人が今どうなっているのか・・・

ワシは中国に数限りなく「親友」と呼べる中国人がいるが、
彼らは自ら「中国籍」を選んだわけではない。
彼らは中国人として生きてゆくしかないのだ。

しかしこの子が(厳密には親が)なぜこの国籍を選んだか、
それを外国人が今のその状況だけを見て口出しをするのはワシははばかれる。
そんな彼に「中国国籍になりなさい」とはワシは口が裂けても言えない・・・

もともとこのような理論は無用なのである。
この子は現在は「日本人」なのである。
だから「義務教育」として国民全てが彼に「教育を受けさせる義務」がある。

長〜い長〜い面接はこんな話で終わった。

あとは週に2回、この子を今通っている学校に迎えに行き、
日本語学級に送り届けて、授業が終わったらまた今の学校に連れて帰る、
その事務的な作業である。

うちの嫁はこの旦那のワガママに振り回されて、
もう既にいっぱいいっぱいと言ってよい状態である。
今からメールを書くが、
ローテーションを決めて二井原家、仮谷家の車も是非稼働させて頂きたいと思う今日この頃である。

よろしくお願いしたくたてまつり候!!

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