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2010年10月15日

イベントキャンセルの実情

今日はレコーディングの途中でひとりの魑魅魍魎がラップ歌手「爽子(Shuangz)」を連れてやって来た。

先日「9月までにアルバムを完パケ」という無茶な要求をして来た男である。
当然ながら今は10月なのでその話はとっくに流れている。
今度は「来年の4月までに完パケ」という話である。

もともとこの男も少々うさんくさい。
先日
「じゃあ1曲アレンジするからそれ聞いて決めようよ」
ということで1曲アレンジしたのじゃが、
結局本人は大喜びだったもののどこからもギャラが支払われていない。

まあこっちの仕事は金をもらわなければ絶対に「使える」形にしては渡さないので問題はない。
間違っても「カラオケ」なんぞは渡さない。
そのままライブで使われて金も払わないような
そんな目に合ってたまるもんかという感じである。

アレンジ聞いて、
「ああ、ファンキーさんいいな・・・やってもらいたいなあ・・・」
と思ったらどうしても金を払わねばならないのだ。

この辺、まあこちらで覚えた処世術・・・

当然ながら本人はワシにやってもらいたいと思う。
会社もそう思うのだが、根本的な問題として実は彼とまだ契約してなかったのだ。

よくある話、よくある話・・・

いろんなところからワシに爽子(Shuangz)の話が出る。
「ファンキーさん今度爽子(Shuangz)やるんだって?」
はまだいいものの、
「爽子(Shuangz)のことでお会いしたい」
という会社も現れる始末。

今では爽子(Shuangz)はラップを歌うアンダーグランド歌手としては頭ひとつ飛び抜けた存在である。
そこにいろんな金の亡者がまとわりついて来るのは仕方のないことである。

要は「誰がワシに金を払うのか」ということである。

1曲無償でやったアレンジをエサに魑魅魍魎達を手玉に取る。
これもこちらで覚えた処世術である。

その魑魅魍魎のほとんどは「演出公司(イベンター)」である。
この国はコンサートでしか金を稼げないんだから仕方がない。
コンサートのギャラを吊り上げるまえに立派な名刺が欲しい、
つまりレコードは名刺なのである。

「大丈夫、金さえ払えばこいつに最高の名刺を作ってやるぜ」
ってなもんである。

そんな魑魅魍魎から今日聞いた話、
「どうして最近イベントがことごとくキャンセルになるのか」

中国経済は今バブル。
昔は国の組織しか企画出来なかった音楽イベントも今では誰でも企画出来るようになった。

しかし「音楽が国のプロパガンダ」だったのは今も昔、
今では「音楽は金儲け」の時代なのである。

国が金を出して企画するイベントはまだいい。
個人が能力もないのにイベントを企画して、
蓋を開けてみたらステージも作れなくてキャンセルになる、
そんなことが今日び日常茶飯事。

ワシだけでこの夏3つのイベントがドタキャンになっているが、
ベーシストの韓陽なんて一ヶ月に9つドタキャンになっているというからもの凄い。

もともとこの北京だけで1年で100近いイベントがあるというので。
全国では何百、しかもその全ての出演者は同じバンド。

じゃあと言ってその全てのバンドが儲かっているわけではない。
ひどい話になると、出演バンドが現地に着いた。
ステージは出来てない、イベントも開催出来ない。
主催者は逃げた、帰りの切符ももらえない。

そんなイベントが相次いでいると聞く。

中国のバンドの諸君!
音楽は決して「金」ではない。
しかし自分の身を守るために最低限「金を確保する術」を知らねばならない。

金のない奴ぁ俺んとこに来い!!
俺もないけどいろいろ教えてやるぜ!!

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