
2012年6月30日
ユナちゃんへ
せっかく遠く北京まで来てくれたのに
おんちゃん忙しくてあんまし相手出来なくてごめんな。
でも日本におる時より楽しそうにしとると聞いて、
おんちゃんちょっと嬉しかった。
昨日ライブ見に行って、
パンクバンドの音楽を聞きながら突然ポコダンス踊ったのよかったなあ。
まあポコダンス言うても、
ユナはご飯が美味しかったり楽しかったりするとすぐ飛び跳ねるからそれと一緒なんやろうけどな。
そんな風に何でもすぐに身体で表現出来るって素敵やな。
パンクスの兄ちゃん達って逆に
「あ、ここでポコダンスせなあかん」
とか思って無理やりやっとるとこもあるからな。
音楽聞いて嬉しくなって、広いとこ行って飛び上がってたら、
それが偶然パンクの音楽でポコダンスやった言うのが素敵やったな。
音感がええっつうのも凄いな。
おんちゃん音楽の仕事しとるけどとてもそんな風に出来んもん・・・
きっと音楽を聞く時にユナみたいに
「好きやから聞いとるんや」
みたいのがもうないんやな。
頭使うていろんなこと考えながら聞いとる。
好きなことはもっと素直に好きやと思えたら、
おんちゃんももっとユナみたいになれるかも知れんのにな。
ユナの腕には自分の歯型がアザになって残ってたな。
思い通りにいかん時には悔しくて自分の腕を噛みながらガマンしてたんかな。
腕のアザの数だけ世の中はうまい事いかんっつうことやな。
おんちゃん達は自分の腕を噛んでガマンすることはないけど、
きっと心の中で自分の心を噛みちぎってガマンしとるんやな。
生きてゆくためにはいろんなことをガマンせなあかんから、
もうおんちゃんらの心は噛みちぎられて残ってないんやな。
そやからユナみたいにほんまに心からモノを楽しめたり悔しがったり出来ん。
ユナが見たり感じたりしてることが、
おんちゃんらはもう見たり感じたり出来んのかと思うと寂しくなるな。
ヒデ兄ちゃんも言うてたけど、
中国っつう国は「何でもあり」やからな。
別にユナが突然大きな声出したり飛び跳ねたりしても、
まあ別にどうも思わん人達ばっかりやからな。
オンマもその分気が楽やったから、
ユナもその分気が楽やったんかも知れんな。
でもおんちゃんらもホンマは、
嬉しい時にはユナみたいに大声出して飛び跳ねたいし、
悲しい時には叫びたいんや。
でもそれをやったらいかんと思うてるうちに、
いつの間にやら自分が嬉しいのか悲しいのかすらわからんなってしもた。
人に迷惑かけたらいかん思て、
一生懸命ガマンして生きようとしながら、
結局は人に迷惑ばっかかけて生きて来た。
一緒やのにな・・・
ヒデ兄ちゃんにはすぐ打ち解けてラブラブやったけど、
おんちゃんにはちょっと時間がかかったな。
それはおんちゃんがユナに壁を作ってたからやと思う。
ユナは「鏡」みたいなもんやからな。
こっちの気持ちがそのまま映し出されるんや。
オンマがユナとカナダ行って、
「この子はユニークなだけなんや」
と悟って帰って来た話聞いた。
ちょっと変わってるからって、
それに対して壁作ったらあかんな。
変わってない子供なんてそっちの方がキモチワルイのにな。
オンマはいつもユナのこと見てて、
何言うてもふんふん聞いてくれて、
ユナにもわかるやろ、オンマはユナのこと大好きやからな。
楽しい時にはまた飛び跳ねたらええ。
悲しい時にはまた叫んだらええ。
オンマが言うてた。
「この子はな、明日は絶対に今日よりええねん」
そうやって生きてるユナは素敵やな。
心を噛みちぎって生きていかないかん世の中やけどな、
明日は絶対に今日よりええねん。
余計なこと考えたらあかん。
ひたすらそれを信じることやな。
おんちゃんいろいろ勉強になった。
先に日本に帰るけどな、
今のうちにいっぱい美味しいお肉食べて、
帰ったら学校でまたお勉強して、
また行きたいなぁ思たらいつでもおいで。
チャンスがあったらヒデ兄ちゃんと大阪行くわ。
ほな元気でな。
みんなユナのこと大好きやで。