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2020/07/29

わらしべ(インスタントラーメン)長者?

プノンペンで一番のライブハウスと言われているオスカーで働いてたタカシ、
コロナでオスカーが閉店し、「食い詰めた」というのがぴったりの状況になったのか、ある日「インスタントラーメンでいいから恵んで下さい」とメッセージが来た(笑)

その時の話〜タカシの話

今から思えば、ここで「金貸して下さい」ではなく「インスタントラーメンでいいから恵んで下さい」と言ったことが、彼の人生の大きな「転機」だったのではないかと思う。
「何それ?」とつい笑ってしまって今に至るわけだし、「金」だったらひょっとしたら貸さなかったかも知れない・・・

それからと言うものコイツ・・・ワシの周りを金魚のフンのようについて廻る(笑)
まあ本当にインスタントラーメンも食えなかったのだからしゃーない。
メシぐらいなら食わせてやる!!

その代わり色々と雑用は手伝ってもらう。
一番役に立ったのは、居留届の提出!!

もうどこの国でもそうだが役所への届け出というのは前時代的で、色んなところをたらい回しにさせられ、とてもじゃないが言葉の通じる現地の人間が一緒でなければ出来たもんじゃない。

隣のポリスへの付け届け(笑)や外国人では到底やれないことも多い。

まあコイツはコイツで役に立ってるんだと思うことにして(笑)、まあメシぐらいは食わせてやっているというわけだ・・・。

ある時はタカシの部屋に行った・・・(その時の話〜タカシの部屋
まあ「底辺の生活」と言うにふさわしい生活をしとるのう・・・

1ヶ月140ドルの給料で50ドル家賃払ったら1日3ドルで暮らさねばならん・・・無理じゃ(>_<)

そんなタカシが惚れた女も同様に底辺で生きている・・・タカシの恋

しゃーないなぁ〜・・・とばかり奢ってやる・・・

ちょうどワシは昼間、保育園がコロナで閉まって困っている日本人の友人たちの子供を預かっているので、彼女たちに助っ人として来てもらうことにした。

そして彼女たちの生活をチラッと垣間見るのだが、(その時の話〜美女と三密3人乗り・・・
ただでさえ豊かではないこの国で、こうして底辺で生きていて、どうやってこの底辺から抜け出すのかがワシには全く見えない。

理想の共産国家を作ろうと、結局自国民の半数を虐殺したポルポト亡き今となっては、この国は一応民主国家(笑)となり、一応資本主義の道を歩んでいる・・・

資本主義って基本「持つ者が持たざる者の分まで儲ける」というシステムなのよねぇ・・・
持たざる者がある日突然持つ者になることは、それこそ天文学的な確率でしか起こらない出来事である・・・

そんなこの国の底辺で暮らすタカシの夢、それは小さくていいから自分のレストランを持つこと・・・

140ドルの給料で1日3ドルの中から少しずつ貯金していつか自分の店?・・・無理じゃろ(>_<)
そしてコロナでその140ドルさえなくなり、こうして私にインスタントラーメンを恵んでもらう羽目になっている・・・

しゃーないのでHIBACHIのバイトを紹介した。

給料のほどは知らないが、確実に140ドルよりはよかろう・・・但しバイクも持ってない彼は毎日トゥクトゥクで往復するとバイト代が飛んでしまうので、しゃーないなぁ〜・・・ワシが毎日バイクで送り迎えしてやる(>_<)

もうね、なんでワシがここまでやってやらないかんのと思ったりもするが(ちなみにこの罰金もワシが払う・・・コイツに払えと言っても金がないのだからしゃーない(>_<))、まあそれもコイツの人徳かと思って笑い飛ばすことにしている・・・(笑)

実際コイツには「人に可愛がられる能力」があるのだろう、知り合った中国人の知り合いにカジノに連れて行ってもらったりもしている!(◎_◎;)

タカシの人生が終わった日

この頃にはオスカーの営業も始まり、給料が90ドルに減額されたと言うがタカシはHIBACHIをやめて古巣に戻った。

90ドルから家賃50ドル払ったら全く食っていけるわけはないので、必然的に毎日うちにメシを食いに来るようになる・・・(笑)

この頃には同じく食い詰めたヤツの友達が毎日メシを食いに来ているので、誰かしらが材料買って来てもらえば昼夜数人分を作ってくれる・・・まるで中国古代の「食客」を飼ってるような気分である(笑)

そんな中で私もこちらカンボジアで音楽制作の仕事が始まり、その流れでタカシにとあるMCの仕事が舞い込んで来た。

アンコールワットの訪問客数を上回る年間訪問客数1400万人を誇るプノンペンAEON2の特設ステージでMCをやってみないかという話である。

「ボク・・・無理です・・・やったことないし・・・」
アホか!!誰でも最初はやったことないわい!!

叱り飛ばしてケツを叩く・・・

だいたいコイツはたまに下らないウソをつく。
「オスカーでは客からチップがもらえるので月に500ドルは稼げますから」

アホか!!ほなワシの借金すぐ返せ!!(怒)
たまたま気前のいい客が多い月に偶然500ドル稼いだことを、自分の頭の中で都合よく変換して定着してしまっているのだ。

外国人客がほとんどを占めるオスカーであるが、今は時代が違う。
外から観光で来る外国人観光客は皆無の状態で、
来る客と言ったらここカンボジアに滞在している外国人・・・つまり景気のいい客などいようはずもない。

この時ばかりはさすがに怒鳴りつけた。
「そんなにオスカーがいいならずーっとオスカーでいろ!!」

橘高が若いバンドを叱り飛ばす、
「そんなに休みたかったら一生休んどけ!!」
というアレである(笑)

まあヤツもワシに対しては多大な「恩」がある。
ワシが「やれ!!」ということをそう簡単に断ることは出来まい。

渋々(笑)重い腰(怒)を上げてMCの仕事が始まった・・・

タカシだけ特別扱いでその時に新調の衣装まであつらえてくれている・・・

ついでにワシも・・・(笑)

そう、この特設会場で「ファンキーはんと大村はん」の公開生放送もやるというので私のぶんもあつらえてくれたというわけだ。

当然ながら私の番組の中でもタカシにMCをやってもらう。
客席のほとんどの客はカンボジア人なので、クメール語で喋る人が絶対的に必要となって来るのだ・・・

こうして会場でのリハーサルが始まったのだが・・・

この「おばちゃん」ことលោកសី(ロークスレイ:マダムの意)・・・なんか気がついたらワシ、オスカー行く度に美女たちに目もくれずいつもこの「おばちゃん」と飲んでしまうのよねぇ〜楽しいのよねぇ〜

女の子を束ねる立場にいるわけだから当然タカシなんかよりも給料はいいはずだが、それでも私はおばちゃんを口説いてみた。

「あんたオスカーでいくら稼いでるか知らんけど、MCの仕事は頑張ったらもっとお金稼げるよ。あのプロのMC見てみぃ、あれぐらい喋れるようになったら、あの人たち結婚式とかで呼ばれてどれだけもらってるか知ってる?」

そう、この人たちはタカシの1ヶ月分の給料など1時間ほど喋っただけで稼いでしまうのだ・・・

この特設会場はさながらプロのMCへの登竜門!!
タカシの給料の数倍を保証してくれてるだけでなく、ちゃんと一人前になったらその倍額、そして人気者のMCに育ったらオスカーの10倍以上の給料も夢ではない。
そして何より、人気者になったらそこについて来る金は計り知れなくなるだろう・・・

「おばちゃん、田舎に預けてる子供いるんでしょ?例えオスカーと給料が同じだとしても、昼間の仕事だったら子供呼び寄せて一緒に暮らせるかも知れないじゃん」

タカシにもこう言って檄を飛ばす。

「お前なぁ、オスカーで例え毎月500ドルもらってたとしても(アホか!!)、来年それが1000ドルになることはない!!この仕事は頑張って技術を習得すれば来年は違う可能性がある。だから頑張れ!!」

しかしアホはやっぱアホである・・・
「ファンキーはんと大村はん」のMCに大抜擢して、「これをやれ!!」と言うこともようやれん(>_<)

まあ素人なんやからしゃーない!!
出来んもんはいっぱい練習するしかない!!

・・・というわけで、オープンの前日、「ファンキーはんと大村はん」の回線チェックリハーサルも兼ねて、何回か通しリハをやろうと大村はんにもそうお願いした。

回線等もバタバタで、ようやく大阪の大村はんと繋がって、いざ遠そうとしたらタカシがおらん!(◎_◎;)

「どこにおんねん!!」と探し回るが捕まらん(>_<)
やっと捕まったと思ったら「今オスカーです・・・今日が最後の出勤なので・・・」

アホか!!!(怒)

さすがにこの日は怒鳴りつけた!!
「今日通しリハすることは伝えてたよな!!なんで先に帰んねん!!」

もう英語で怒鳴りつけるなんてワシの人生では滅多にないのだが、腹が立ってるのでどんどん英語が出て来る(笑)
大恩のあるワシをこれだけ怒らせて、それですぐにここに戻って来んかったらさすがに人でなしやな、さすがに飛んで帰って来た・・・(笑)

頭を一発しばき倒してリハを始める・・・

まあ出来んのは素人なんやからしゃーない。
しかし「ボク出来ません」は許さん!!
「ボク頑張ります」以外の返答はもう許さん!!

久しぶりに人の頭をパコパコどつきながらリハ終了!!かくして本番である・・・

BINGOゲームのMCの方は感知してないが、まあちょっと見よく出来てたようだ。
何よりコイツ、子供に好かれるのだ。
子供がこの金ピカ衣装のコイツと一緒に写真を撮りたがる。

これこそがひとつの「才能」であろう・・・

ところが「ファンキーはんと大村はん」のMCでクライアントからダメが出る。
首脳会議が開かれて、
「まあまあ、初日ですからもうちょっと様子を見ましょう」
ということでなんとか落ち着く。

まあそうなるとワシの厳しさも更にエスカレートするする・・・

朝メシ時の説教から始まって、朝のリハーサルの時にも容赦無く頭をどつき回す!!

「お前そもそも曲をまだ覚えてないやろ!!1週間以上前に送ってあるやろ!!なんで聞いてないねん!!」
「すみません・・・時間がなくて・・・」

アホか!!お前の人生なんて「時間」だらけやないかい!!
お前はワシの一番忙しい頃を知らんからそんなことが言えるんじゃ!!
どんなに寝てなくてもなぁ、どんなに何を失ってもなぁ、やらないかんことをちゃんとやって来たから今があるんや!!
それが出来んヤツに未来はない!!オスカーにでもどこにでも帰りやがれ!!

「ボクもうオスカーはクビになりましたから・・・」

もうね、コイツのこの「可哀想さ」もひとつの才能である(笑)
聞けばクビになって今まで働いた分の日割りももらえんらしい・・・

「ボクもう全財産40ドルしかないんです・・・」
ってそれ・・・ワシが貸したった40ドルやし(>_<)

まあ「にらめっこ」と同じで、笑ろてしもたモンの負けである(笑)
どうせ満額貰えたとしても90ドルしかないんや、そんなん忘れてここで頑張って稼げ!!

かくして本番!!

まだまだではあるが、ちょっとずつでも進歩していることは認めざるを得ない。
昨日より今日が、今日より明日がちょっとでも進歩している限り、いつかはお前の前に明るい未来が開けるだろう。

「インスタントラーメンでいいから恵んで下さい」
から本当にMCのビッグスターに昇り詰めたとしたら、それこそ現代の「わらしべ長者」、いや「インスタントラーメン長者」と呼ぶべきか(笑)

早くいっぱしに稼げるようになってワシの借金を返すのじゃ!!(笑)

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