2015/08/19
北京暮らしの便利不便
北京暮らしも20年前から比べるとかなり便利になったが、
不便なことと言えば相変わらずネット規制であったりするが、
これには「上に政策あれば下に対策あり」でVPNを使って対処!!
ところが「法律」に対してはなかなかどうしようもない(>_<)
「明日から軍事パレードのため奇数ナンバーは奇数日のみ、
偶数ナンバーは偶数日のみしか運転しちゃダメよ!!」
とかがいきなり発令されて文句も言えないのだからこれはもう仕方ない・・・
北朝鮮と同じく、この国では「軍」と「党」に逆らうことは最大の御法度なのだ・・・
まあ時々ご無体なことは言われるが、
それ以外では非常に便利になったというか、
ひょっとしたらいろんな部分「日本より便利」かも知れない・・・
これって日本にある?的な便利なものを挙げてみたいと思う・・・
まず前回チケットを取るのに紹介したこのアプリ「Qunar」!!
ワシは日本ではこのアプリ「Skyscaner」で安いチケットを検索するのだが、
このアプリの方が絶対的に安いチケットを検索してくれる。
しかも支払いがWeChatで出来るというのがありがたい!!
ワシはLINEが「中国のSIMを挿した途端にアクセスを遮断してインストールし直すしかなくなるという」という暴挙に出たためにアプリごと削除してもう二度と使う気はないが、
日本ではWeChatよりシェアが大きいLINEでも同じような支払いシステムはあるのかな?・・・
「Qunar」からチケットを選択して支払いの画面。
ちなみに「Skyscaner」だとここから各航空会社(もしくはチケットを取る旅行会社)のサイトに飛んで、それぞれにクレジットカードの番号を打ち込んだりここからの手間が非常に多いが、
「Qunar」にはワシのパスポート番号などの情報を打ち込んであるので次のワンステップでもうチケットが購入となる。
(ちなみに「Skyscaner」だと導かれたサイトによってはパスポートの有効期限やらいろいろ打ち込まねばならず、やっと打ち込んだ時にはそのチケットはもうなくなっていたということもあった)
WeChatにはワシの中国の銀行カードが紐付けされていて、
「指紋で支払う」はいわゆるiPhoneの指紋認証のことである。
WeChatの乗っ取り被害では張張が以前乗っ取られたことがあったが今ではほぼそんな被害を聞くこともなくセキュリティーはかなりしっかりしているようだ。
タクシーに乗った時などにも
「支払いは現金?それともWeCha?」
と聞かれるほどである。
次に代行運転のアプリ「e代驾」
これはちょい前にブログにUPした時に「日本でもあるよ」というメッセージは頂いたが、中国ほどこれほど多く使われているとは思えない・・・
アプリを起動するとこの画面のように近所にいる代行運転手の位置と名前が表示され、
あとはクリックして運転手からの返事を待てばそれでよい。
折りたたみ式自転車に乗って来たり、電動スケボに乗って来たりするのが笑える(笑)
そしてタクシーを呼ぶアプリ「滴滴打车」!!
これも起動するとこの画面のように近くにいるタクシーが表示される。
以前はタクシーの乗車拒否が生活上の大きな問題であったが、
これが現れてからそんなトラブルは聞かなくなった・・・
「どこまで行く」というのを入力するので、
「そんな遠くには行きたくない」という運転手は返事をしなければいいのだ。
雨の日など車が少ない時にはアプリが
「いくら追加金を支払いますか?」
と聞いてくる。
「じゃあ5元」とか「10元」とか選んで、
「だったら行ってやるか」というタクシーが手を挙げるのを待つ。
まあ日本でも店がタクシー呼んでくれて到着まで店で飲むというシステムがあるが、
それをタクシー会社の壁を越えてデジタルに大々的に行っているというシステムである。
ちなみに代行もタクシーもWeChatで支払うことが出来る。
支払いに関しても「デビットカード」を国際的にしたような「中国銀聯」で大体全ての店舗で支払うことが出来る。
この「中国銀聯」の素晴らしいところは、
日本のいろんな商店でも使えるだけでなく、
日本のATMで中国の口座から日本円で現金を引き出すことも出来る!!(◎_◎;)
噂によると両替手数料もリーズナブルらしく、
前回帰国した時に試してみたら、
日本のキャッシュカードと全く同じように「残高」として引き出し可能な日本円が表示された!(◎_◎;)
まあこうなって来るとみんな現金を持ち歩かなくなってしまうので、
レコーディングの仕事などをした時にどさっと札束をもらうことがなくなった・・・
(中国の最高紙幣は日本円で2000円程度なので大きな仕事は札束が来るのだ)
「銀行口座ある?」
と聞かれて、ネットバンクに登録している口座番号をWeChatで送る。
(ほぼ中国人でWeChatをやってない人はいない)
「じゃあ送金するよ」
と相手もスマホを使って送金、
ワシも銀行のアプリで残高を調べる。
銀行のアプリは、
もうATMのように暗証番号を入れるだけで
(文字認証は必要)
自由に振り込みや残高照会が出来るので便利である。
逆に支払う側になった時にはこの画面から銀行口座に入って振込先を入力すればそれでよい。
さて、上記のような便利グッズ、
「日本にもあるよ」と探してくれる人もまた多く現れるだろう。
しかし現状で日本ではそんな便利グッズが中国ほど普及している現実は見たことがない。
チケットは何倍ものステップをクリックしてクレジットカード番号を入力し、
代行は電話で呼び、タクシーも電話で呼び、
振り込みは銀行に行ってATMで振り込む。
便利なチケット獲得もあるだろうし、
代行やタクシーアプリ、ネット振り込みも存在はしているのだろうが、
中国のように周りの人がその「全て」を普通に使っているという現状はどう考えてもないだろう。
ひとつにはスマホの普及率もあるかも知れない。
(日本はガラケーの時代が長かったからなぁ・・・)
例えば時代のタイミングもあるのだろうが、
中国では「ビデオ」という磁気録音は全く普及せずにいきなりDVDになった。
音楽業界で「録音物を販売する」というシステムは、
日本で全てをダウンロード販売に移行した場合、
レコード会社やレコード店、あらゆる旧メディアの産業が大きな痛手を被るのもあり、ゆるやかに新しいシステムに移行してゆくような気がするが、
中国の場合は全く気にしないので移行がむっちゃ早い(>_<)
そのためにどんな企業が潰れようが全く気にしないのである。
ネット本に押されている「本屋さんを何とか存続させよう」という動きは、
中国人のメンタリティーとしてはきっと「???」なのに違いない。
「豊かになれる者から先に豊かになりなさい」
と鄧小平は「先富論」の中でそう言った。
後に続く「そして後に続く人を助けなさい」など誰もかれもが忘れてしまっている・・・
近代化で便利になった反面、
昔のよき時代の胡同(フートン)などはどんどん取り壊されている現状を見て、
寂しいと思いながらももうこの便利さから戻れないのが人間なのであろう・・・
北京の胡同