2015/05/21
零点(LingDian)完全復活!!
北京に帰って来て今回は長く滞在するとなるといろんな人から電話がかかって来る。
「Funkyさん〜帰って来たんですか!!」
この日は零点(LingDian)のギタリスト大毛(DaMao)である。
年上を重んじる中国の風習においては彼こそが零点の「リーダー」ということになるのだが・・・
いかんせん頭がちょっとおかしい(笑)
以前復活のお手伝いをした時
(零点(ゼロポイント)復活計画
零点(ゼロポイント)リハーサル開始!!
零点(ゼロポイント)のリハーサルは続く・・・
戦争勃発?!!)
も、結局彼と彼の奥さん(何人目や?)に引っ掻き回されてワシは手を引いた。
その後、弟であるドラムの二毛(ErMao)が麻薬で逮捕され、
オリジナルメンバーである彼とキーボードの朝洛蒙(ChaoLuoMeng)だけを残してメンバーを一新、再出発をしたという噂は聞いていた。
朝洛蒙(ChaoLuoMeng)とはあれからもよく仕事をしているので彼から情報はよく入って来るし、
新ボーカルの老五(LaoWu)はワシが北京に帰って来ると必ず「飲もう」と言って連絡をくれる。
電話の着信に「大毛」と表示されると、
「またこいつに無理難題を押し付けられるのでは」
と反射的に身体が身構えしてしまうのだが、
今回は「毎日リハーサルをやってるから見に来てくれ」ということで電話を切った(ホッ)・・・
リハーサルが始まった。
月末から彼らの故郷である内モンゴルのツアーが始まるのでそのリハーサルだということだ。
新ベーシストの楊海東は初対面だったが、
マニピュレーターからマネージメントから全部知り合いである。
新ドラマーのSaraは彼女が17歳の頃からの知り合いである。
手数を売りにしているソロドラマーで、一度呼び出されて
「私もファンキーさんみたいにいろんな仕事したいの」
と相談を受けたことがある。
「住んでる世界が違うんだよ」
ワシはそう説明した。
「天才」と呼ばれる子供ドラマーはこの国でたくさん見て来たけれども、
彼女も含めその多くはバンドをやることもなく、
そのままクリックと伴奏だけを相手にドラムを叩き続け、
彼女もそうだがそのままドラムの先生となって同じような子供ドラマーを育ててゆく。
「君もバンドをやればいいんだよ。バンドのドラマーってのはソロとは全然違うからね」
そして10数年経って彼女が加入したバンドが、
中国ロックの歴史の中で一番金を稼いだと言われる商業ロックの頂点のバンド・・・
それにしてもSara・・・会う度に身体が横に大きくなってゆくけれども毎日何を食ってるんだ?(笑)
ワシと同じくその身体には「幸せ」が詰まっているんだな!!!
(彼女は黒豹のキーボードとの結婚が決まっている。おめでとう!!)
今回のツアーはホールクラスの単独コンサートらしく、
過去のヒット曲と新しいアルバムの曲を20曲以上演奏するフルメニューである。
過去のヒット曲はさすがに懐かし過ぎて目頭が熱くなった・・・
2003年、中国ロックの歴史の中では初めてとなる、ロックバンドによる工人体育場での6万人コンサート(リンク)、日本人は誰も知らないが、それを作り上げたのはこのひとりの日本人ドラマーだったのだ。
リハーサルの時は大毛と二毛が兄弟喧嘩を始めて、
最後には大毛が怒って帰ってしまった。
「バンドのプロデュースとは喧嘩の仲裁」
とばかり双方をなだめて翌日からまたリハーサル・・・
一生懸命アレンジしたなぁ・・・ヒット曲メドレーも作ったし・・・
その時にアレンジした数々の彼らのヒット曲が、また形を変えて目の前で演奏されている・・・懐かしいなぁ・・・
そして新しいアルバムの曲・・・
復活に向けてワシが考えたのは「バンドの底力」。
だから高い演奏能力が必要なリフとかセクションをいっぱい作ったが、
所詮は二毛(ErMao)では「無理」だったのだろう。
ドラムがSaraに変わってそれが完全に蘇っている。
もう既に金はもらっているのでお蔵入りしようが別に構いはしないのだが、
(中国ではこういうのがとても多い)
やはり自分が思いを込めて作った作品がこうして世に出るのはとても嬉しいことである。
今回はワシは全くの「部外者」で単なる「見学」なのだが、
みんなにいろんな「意見」を求められるので仕方ない。
士気を上げるために「とてもいいよ」と言いながら思うところを小出しにアドバイスする。
そして予想通り終わったらメシ!!!!(笑)
まったくもってこいつらと酒を飲むのは命がけである(>_<)
「Funky、7月11日は空いてるか?」
ボーカルの老五が突然そう聞く。
彼らの故郷である内モンゴル包頭(BaoTou)でのコンサートには是非来て欲しいということだ。
「よし、じゃあFunkyの段取りをしとけよ。会社が出さないんだったら俺が個人で出すから!!」
マネージャーにそう言い放つ老五・・・
そうまでして来て欲しいんかい!!(笑)
秋にはアメリカでレコーディングしたいということで、
ネット電話でWyn Davisにつないだ。
Wynも懐かしい零点(LingDian)と話せてとても嬉しそうだった。
ちなみにSaraは英語が喋れるので今回はワシの「中英通訳」はナシ!!(ホッ)
ロサンゼルスで大毛(DaMao)と酒買いに行って中ー英の間に入ってコンビニの店員に一生懸命「売れ」と交渉した苦労を思い出す・・・(笑)
「今回はワシは行かんからな、お前が酒買うの頑張れよ!!」
とSaraに言うと、
「え〜?!!何で来ないの??お前も来いよ!!」
とみんな・・・
え?ワシも行くの?・・・!(◎_◎;)
まあ飛行機代出してくれるなら行くけど・・・(笑)
まあまた「会社が出さないなら俺が自分で出す」と言い出すんじゃろうな・・・スケジュールが空いてたら是非ご一緒させて頂こう・・・(笑)

