2020/03/27
カンボジアよもやま話
カンボジアにもコロナが発生し、うちの近所のガールズバーも全部営業を停止し、火が消えたように静かである・・・
もうすぐカンボジアのクメール正月、
ここ首都プノンペンでは、ただでさえ食い詰めたカンボジア人が里帰りの金を稼ぐ為に犯罪が増加する時期であるが、
今回はこのコロナによる失業が拍車をかけ、「くれぐれも気をつけて下さい」とお触れが回る・・・
なんでも、バイクによる引ったくりは日常茶飯事なのであるが、
それが今時はバイクで走っていると向こうからバイクをぶつけて来る!(◎_◎;)
バイクが倒れると、集団でやって来て身包み剥いでゆくという手口・・・
またお触れが回って来たのが、
「マスクありますか?無料で配布します」
と知らない人が家までやって来て、
「何と親切な人なんだ」
と思ってそのマスクをすると、薬が仕込まれていて、昏睡してる間に盗み放題!(◎_◎;)
いや〜コロナならではの手法ですなぁ・・・と感心している場合ではない。
思い起こせば中国でも、うちの院子でスマホが盗まれた。
同じ院子に住む仲間たち(当時はみんなド貧乏だったが今はみんな成功している)曰く、
『Funky、泥棒を追いかけちゃダメだよ。俺なんか夜中に目が覚めたら、一人がモノ盗んでて、一人がバッド持って俺を殴る準備してたから俺なんかずーっと寝たふりしてたよ」
まあ食い詰めたら人間何をするかわかりません(>_<)
そんなこんなで食い詰めた人間がとても多いだろうここ首都プノンペン、
バーの姉ちゃん達はこぞって田舎に帰り、
それがまたコロナを蔓延する原因になっているとも聞く。
バーだけではない、来週にはレストランも全部閉店せよというお触れが出るという噂・・・
もう長く足も運んでないが、ライブハウスなんかとっくに閉店してしまっている・・・
ミュージシャンも仕事あぶれて大変やろうなぁ・・・
と思ったらミュージシャンだけではなかった!!
いつも行く近所のライブハウスOSCAR、
そこにはタカシという日本名(日本が大好きで自分でこの名前をつけている(笑))の従業員がいて、
いつもこの店に行くと飲み物を奢ってやる。
システムを聞くと、ガールズバーと同じく、5ドルなりの飲み物を奢ってやると、そこから1.5ドルなりのチップが彼の所に行くということで、お姉ちゃんに巻き上げられるぐらいならこいつに奢ってやった方がということでいつも奢ってやってた。
でもこいつは決して私のことを「金づる」と思ってる節はなく、
むしろ「あなたは凄いドラマーだ!!今日は叩いていかないんですか?是非叩いていって下さい!!」と、いわゆる私の「大ファン」である。
そんなタカシも今頃何してるかなぁ・・・と思いを馳せたその瞬間、そのタカシからメッセージが届いた。
「Funkyさん、どこに居るんですか?」
「プノンペンにいるよ〜お前はどこに居るの?ホームタウンに帰ってる?」
「僕のホームタウンはプノンペンです」
あ、昔彼のホームページで見つけた彼女の写真を見て
「お前の彼女むっちゃ可愛いやないかい!!」
とイジメてたら、
「彼女は田舎に住んでて遠距離恋愛なんでもうダメになりました」
と言ってたので、勝手に彼も田舎の人間だと思ってた・・・
「それでお願いがあるんですけど・・・」
「何だ?言ってみろ」
「何か食べ物を恵んでくれませんか?」
!(◎_◎;)・・・
そして彼から送られて来た写真はカップラーメンの写真!(◎_◎;)
「こんなものをいくつか恵んでくれればありがたいんですが・・・」
お前なぁ・・・(>_<)
食い詰めるにもほどがある・・・
思えば職場も閉まってしまい、ガールズバーと同じシステムだとすると給料はむっちゃ少なく、ほぼ客からのチップだけが彼の収入・・・
店が開いてないんだから私のような気前のいい客もいなければ収入も全くゼロ!!
こんな奴がその日に食う物を求めて引ったくりとか犯罪に走るんやろなぁ・・・
わかった!!お前に仕事をやろう!!
ちょうど布衣のニューアルバムをレコーディングするスタジオを探していたのだ。
くっくま孤児院の美和さんから紹介してもらった人は、クメール語話せる人に電話してもらったら、何故か人に貸したくないようで断られた。
前回得たミュージシャンネットワークに、その連絡先をアップしてみる・・・
「誰かこの連絡先に知り合いいない?」
いるのだ!(◎_◎;)
凄いのう・・・プノンペンも狭いのう・・・
中国でもそうだが、ひとつの方向でモノを頼んで断られたら、他の方向から頼んだらOKだったりする。
この人も知らないカンボジア人から電話かかって来たら「めんどくさいなぁ」かも知れないが、
このプノンペンの重鎮ベーシストから連絡が来たらイヤとは言えない。
面白いことに、その重鎮ベーシスト、私のことを「もの凄いドラマーがいるから」とでも紹介しているのだろう、会ったことない人みんな私のことを「Brother」もしくは「Sir」と呼ぶ(笑)
トントン拍子で「明日スタジオ見に行くよ〜」までいってたのだが、また突然連絡が途絶えてしまってたところなのだ。
とりあえずタカシを呼び出して、家にあったカップラーメンと10ドル渡して、こう言いつける・・・
「まず君のミッションだが、ここに電話して明日か明後日のアポを取ること。無事スタジオでレコーディング出来るようになったらそのレコーディングにアシスタントとしてついて来い。また別途ギャラをあげよう!!」
食い詰めた人間のパワーは凄い!(笑)
彼はすぐにその人に連絡を取って詳細を詰める。
重鎮ベーシスト、何をどうその人に吹き込んだのか知らんが、
「あの人を満足させられる設備なんかありませんよ」
(>_<)
断られてもめげない!(笑)
オスカーの常連ドラマーがスタジオを知ってるとかで新たに別のスタジオを探し出して来る!(◎_◎;)
まあオスカーもここプノンペンでは一番いいライブハウスだと言われているので、
そこの店員だったらここに出演する全てのミュージシャンとは繋がりがあるということだ。
ひとりのドラマーとFacebookで繋がり、そこからスタジオのオーナーに繋がった。
凄いぞタカシ!!中国の仕事でもドラムのレコーディングはある。
もうカップラーメンと言わず、このスタジオでちゃんとしたレコーディングが出来るならレコーディングの度に飯と酒を奢ってやろう!!ギャラも少々だったらやるぞ!!
だからどれだけ食い詰めても犯罪なんか犯すなよ!!
金のない奴ぁ俺んとこに来い!!俺もないけど心配するな!!
いや、俺もないけど心配はしてね。まあどんな国でも中国で学んだこの処世術がある限り何とかなるでしょ・・・(笑)
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