2013/03/23
中日摇滚交流大派对(日中ロック交流大パーティー)
そもそも小畑秀光らが北京に来ると言うので、
「なんかライブをブッキング出来んか?」
というわけで老呉(LaoWu)にブッキングしてもらったものだ。
「平日なんで客来ないよ〜。それでもいい?」
と言うので、
「いいよ〜別に〜羊の丸焼きをみんなに食べさせてあげられれば」
と言ってたのだが、
「眼鏡蛇(COBRA)」の参加が決まってちょっと周りが騒がしくなって来た。
「眼鏡蛇(COBRA)」は1989年に結成された中国初のガールズバンドで、
とんと噂を聞かないと思ってたらまた再活動を始めたのか、
あまり客の入らない商業的ではないライブ肩ならししたいということだったらしい。
まあこちらとしては大歓迎なのだが、
問題は羊を何匹丸焼きにするかということである(笑)
老呉(LaoWu)が
「チケット50元(羊の丸焼き一皿付)」
と告知してしまってたため、
あまりたくさん客が来たら羊が足りなくなるのだ(困)
彼は「大丈夫だよ、一匹で足りるって!!」
と言うが、ワシは、
「派儿(Pair)と布衣(BuYi)と小畑秀光や一緒に日本から来たLOUD'N'PROUDだけで一匹食ってしまいまんがな」
と主張し、
結局チケット代が羊代に満たなければワシが払うということで二匹となった。
かくして3月20日、いつものようにゆるーくゆるーくライブは始まった。
出番は例によって直前まで決まらない。
「眼鏡蛇(COBRA)」はもともと一番いい位置の3番目にしていたのだが、
(中国のライブはアメリカなどと同じく開始時間が遅いので、トリだと時間が遅過ぎて必ずしもいい出番とは言えない)
「ファンキー!!出番もっと早くしてよ」
とワシに言われたって困るのだが
「じゃあ一番最初にやる?」
と言うと
「それじゃぁ遅れて来る友達が間に合わない」
とかいろいろ言うので2番目にしてもらった。
確かに中国のライブなんぞ時間通り始まることはないので、
客もそれがわかってて時間通りには来ないので出番が最初だと客がいない可能性もある。
結局、突然出演出来ることになったデブの張張(ZhangZhang)をトップにして、
9時開始のオンタイムでライブが始まった。
メンバーは、ベースには売れっ子スタジオミュージシャンの李劍を連れて来たので、
ワシがドラムを叩いてトリオでワシの曲を中心に3曲ほどの演奏。
「今日はこのトリオで3曲ほど演奏させてもらいます」
ワシがそうMCで言うと、客席で眼鏡蛇(COBRA)の肖楠が、
「3曲しかやんないの?もっとやれば〜」
と突っ込むので、
「何言ってんの!!みんなアンタ達のライブを見に来てるんだから3曲でいいの!!」
と言うと笑いが起きた。
実際その通りなのであるからして・・・
というわけでいよいよ中国ロックの大御所!!
中国ロックの歴史の中で最初に結成されたガールスバンドの登場である。
ワシは「さて次は20年ぶりに会った友人のバンドです」と紹介したら、
「20年は言い過ぎでしょ」
と笑っていたが、
実際結成から既に24年が経つ歴史的なバンドである。
久しぶりのライブなのか少々緊張しているように見受けられたが、
それでも昔のナンバーを一緒に歌っているファンがいたり、
ワシも20年前に見た彼女たちのライブを思い出しながら懐かしい気持ちになった。
次の派儿(Pair)はボーカルの安敏捷の出産のためしばらく活動を休止していたが、
復帰後初のワシとのコラボである。
安敏捷の歌は「まるで大歌手のようなパフォーマンス」と絶賛された素晴らしいパフォーマンスでした!!
さてその次は日本からLOUD'N'PROUD。!!
と言ってもバンドのメンバー全員が来れたわけではないので、
ドラムのようちゃんがキーボードとギターを弾いてアコギバージョンで歌った。
それにしてもドラムやギターやピアノや、
どんな楽器でも演奏出来るようちゃんってやっぱ凄いな(驚)
冴も歌が上手いし、お客さんも十分に楽しんでたな。
途中の中国語の歌「何日君再来」も見事なもんでした!!
そしてここで飛び入りゲスト!!
いや〜文化祭では上手く歌えたとは聞いていたが、
生で初めてステージで歌うの見たが・・・ほんま、ちゃんと歌えるのな!!(驚)
音程は外さんし、裏声も上手く使いながら完璧に1曲歌い切った!!
いや〜これが実は一番拍手が多かったな・・・
激鉄オムニバスには彼女の曲も入るということになっているので、
引き続きレコーディングも頑張って欲しい!!
舞台上に居残って応援してくれた冴もありがとう!!
さてここで問題の(笑)小畑秀光!!・・・
老呉(LaoWu)が日本に来た時、彼の「ひとりメタル」を見て非常に感激してて、
「是非北京でもひとりでやってくれ〜」
と言ってたので敢えて1曲ひとりメタルをやってもらったのだが・・・
いや〜これが中国人にウケた!!(大笑)
これがまた「神様」というのがいるのか、
途中のギターソロでストラップが外れてギターが落ちるのな(爆)
当然ながら爆裂している小畑秀光、途中でやめるわけがない。
床の上に立てたギターを弾いては客を煽り、
最後にはギターを持ってストラップをつけた途端に、
「気合い入れるぞ!!デャアアアアアアアアア!!」
あーた、中国人に日本語で言ったって伝わるわけないから、
これは単に自分に気合い入れてるだけやん!!(爆笑)
しかし煽られて中国人がみんな拳振り上げるのがワシは可笑しくって可笑しくって・・・(涙)
すぐさまワシとようちゃんがステージに上がってバンド編成になるのだが、
いや〜曲のテンポが速いこと速いこと・・・
ワシはほんまツーバスで死ぬかと思いました(涙)
客は盛り上がるというより大笑い!!
後にも「ファンキーよく生きてたな」と言われる伝説のライブとなりました。
そして最後は今やアンダーグラウンドバンドの中ではかなりメジャーなバンドとなってしまった布衣(BuYi)!!
実は前回日本に来た時、老呉(LaoWu)は悩んでいた。
結成当初からのオリジナルメンバーであるギタリストの張巍が脱退してしまったのだ。
毎晩毎晩ワシは飲みながら彼を説得した。
「もう既にあいつとは音楽の方向性が違って来てたじゃないか。
今後布衣(BuYi)はお前ひとりのバンドになるわけだから、
時々ミュージシャンを入れ換えながら自分の好きなように歌っていけばそれでいいんだよ」
実際、今回はドラムはワシが叩いてるし、
今では本人も吹っ切れて、
逆にリフレッシュして楽しんでいいライブが出来るようになったようだ。
バンドをやるのはつくづく大変である。
小畑秀光は
「腕はあるのにうだつの上がらないバンドがいっぱいいる」
と言う。
「そんなヤツらはみんな北京に来い!!」
と激を飛ばしたが、
実際仕事を休んで自腹でチケット買って北京まで来れたのは冴とようちゃんぐらいなもんなのだ。
そりゃ小畑秀光みたいに家もなく仕事もないヤツはいいが、
普通みんなが毎日死に物狂いで戦っているのは「生活」なのだ。
派儿(Pair)はボーカルの出産で活動停止を余儀なくされたし、
眼鏡蛇(COBRA)や布衣(BuYi)はメンバーチェンジを繰り返している。
それでもバンドを続けてゆくんだからいろんなことがある。
ところがこの日のパーティーは全てのバンドがみんな「いい状態」で、
それぞれがキラキラと楽しくやっていたのが非常によかった、
と見た人はみんな大喜びしていた。
出演者が楽しんでいるから客も楽しいのだ。
眼鏡蛇(COBRA)はMCで
「ファンキーに感謝するわ」
と言っていた。
いやいや、ワシはプロデューサーでも何でもない。
ただ知り合いを集めてワイワイしてただけなのである。
しかし客席には中国のベストプロデューサー賞も何度も受賞し、
中国映画音楽の巨匠の域まで来ているLuanShuも来ていたし、
BEYONDのWINGも来てたので引っ張り出して1曲歌わせた。
いや〜BEYONDの曲は「誰か弾ける人〜」と言うとすぐに演奏出来るんだから凄いよなぁ・・・
ともかく、「ROCKは国境を越える」と言うが、
「うだつの上がらないバンド」も「香港の大スター」も、
音楽はその「国境」さえも越えてしまうのだ。
チケットの売上は全部羊代に化けてしまうので出演者はもちろんノーギャラだし、
かと言って「日中友好」とかそんな大きな「お題目」も全然ない。
やったところで誰にも得はないし、やらなくったって誰も損はしない。
「おうっ楽しかったなぁ。また呼んでくれよ」
と言って帰ってゆく友人達を見ながら、
「なんなら毎月やってもいいかな・・・」
などと思ってしまった・・・
ところで羊肉!!
こんなのが二匹まるまる焼かれるんだから胃袋も大満足である!!
前回と違って大きな羊だったので少々お高い・・・
二匹でだいたい3000元(約4万5千円)!!
でもチケット代50元がまるまる羊代に充てられるのだから、
客が60人も来たら十分元が取れるぞ!!!
と思ってタカをくくってたら、
実際にはそのぐらいの客はいたはずなのに、
チケットの売上は1000元ちょいしかないのだ(>_<)!!!
あとは全部タダ見タダ食いかい!!!!(涙)
ワシは赤字分の2000元(約3万円)を払いながら思った。
「来月もやろうと思ったけどやっぱやめよう・・・(涙)」