2011/09/26
9月の爆風トリビュート制作週レポート
いやー涙あり笑いありの楽しい制作週でした。
初日20日はC-C-Bのお三方が集まってリズム録り。
もうこの曲は自分の中ではどうにもいじりようがなくなっているところ、
彼らの感性による新しいRunnerが仕上がったと思います。
ドラムも笠くんのシモンズをサンプリングして、
なるだけ「C-C-B」をイメージしながら打ち込ませて頂きました。
次の日は大笑いの歌入れ!!
いやー田口くん、相変わらずオイシイところを持っていきますが、
本チャンでは残念ながら(笑)ちゃんと歌ってくれました。
これに笠くんのボーカルが送られて来てこの曲は完成です!!
2日目はThe Goodbyeの「やっちん」こと曾我泰久がやって来てくれて、
「それから」のレコーディング。
この歌声にはほんま、スタジオにいる全ての人が涙目になったね!!
最初のテイク1を聞いたところでワシなんか号泣!!(笑)
「それじゃあ回していきましょうか」
と別の歌い方で歌ったのをワシが
「テイク1のように歌ってくれ」
とお願いした。
この曲って、じゃあ感情込めて悲しく歌っても悲しくない。
テイク1のように明るい歌声で歌ってくれたら逆にむっちゃ泣ける!!
十年も二十年も過ごした思い出が本当にいいことばっかなんだな、
と泣けてくるいい歌が録れました。
ちなみにこの曲のオケはワシ以外は全て中国人なので、
これに参加している日本人はワシとやっちんだけということになる。
どうでもいい話ですが・・・(笑)
そして次の日は元クリスタルキングのマー坊こと田中雅之さんがいらしてくれて
「大きな玉ねぎの下で」をレコーディング。
この曲はあまりに中野の歌のイメージが強過ぎて、
マー坊さんぐらいじゃないと歌えないじゃろうということでお願いしたのじゃが、
テイク1回してる時に「あ、歌えてない」と非常に焦る・・・
「とりあえず聞いてみましょう」
ということでスタジオから出て来たマー坊さん見て大爆笑!!
「いやな、この情景が浮かんで来てな、涙が出て来て歌えんかった・・・」
聞けばウォーキング中にこの曲を聞きながら、
気がついたら号泣していて道ゆく人に変な目で見られていたとか・・・(笑)
その後は「涙との戦い」(笑)
マー坊さん実はこんな素朴な若者の時代がなかったそうで、
クリキン時代から一緒にいるワシは、
「マー坊さん、今○○さんの時代まで来ました。
もうちょっとで○○さんの時代まで来ます。
それを越えたらこの少年の時代まで来ますよ!!」
と女性の実名を出しながらディレクション。
しかしこの少年の時代まで来たらこの情景が浮かんで号泣!!
いやー楽しいレコーディングでした!!
実は号泣バージョンもレコーディングしてますが、
隠しトラックかなんかに入れたりしようかと画策してます(ウソ)
さて今月の制作週最後は44マグナムの梅原"PAUL"達也。
ご存知の通り彼はパーキンソン病にかかってしまい、
それと戦いながら歌を歌ってます。
数日前にひょこっと訪ねて来て彼と飲みながら、
「ポールも何か歌ってや〜」
と言ったところ、
あまり自由に動かない身体で100曲を越える爆風スランプの全曲を聞いてくれて、
その中から選んでくれたのがこの「愛がいそいでる」。
「誰と一緒にやりたい?」
と言ったら「ホッピー神山」という名前が挙がったのでさっそく連絡を取った。
器材は是非自分のでやりたいと言うので取りに行ったら、
出たよ出ました懐かしのプロフェット5!!
今では二人がかりでやっと持ち上げてるけど、
若かりし頃はひとりで渋谷屋根裏の4階まで担ぎ上げてたんだから信じられない。
ポールとふたりで方向性を話し合って、
キーを決めて「じゃあ録っていこう!!」
ということでいきなりレコーディングが始まる。
「何かハネもののループ出して!!」
というので適当なのを探して来たら、
「じゃあまずはエレピからね」
といきなりレコーディングが始まる。
しかも出力は全部モノで1ch!!
潔いにもほどがある!!(笑)
「じゃあ次Padね!!」
「じゃあ次はプロフェット!!」
ほぼ1回弾いたらOKで次々に音色を変えてゆく。
見れば「音探し」をしている様子がないので、
こいつは自分のシンセの音色を全て覚えているのだ!!(驚)
しかもポールとちらっとリハをした時に既にアレンジも出来上がっているのだろう、
「試行錯誤」というものをしないのであっという間にオケが録れてしまった!!(凄!!)
そしてここからの歌入れが大変。
何せこのパーキンソン病という病気は、
現代医学ではその有効な治療法も見つかっておらず、
とりあえず「薬」を飲んで症状をやわらげるのであるが、
その薬も必ずしも「飲めば効く」とは限らないのだ。
歌いながらポールの背筋、
本人曰く「肩甲骨のあたり」の筋肉が動かなくなった。
歌を歌うには大きく胸を張って肺を大きく広げねばならないのだが、
それを引っ張る背中の筋肉が動かないと、
肩が下がり、前のめりの猫背になって歌が歌えない。
「今日は薬が効かない」
ということなのだが、そのまま待ったら治るというものでもなく、
こればかりは人間の力ではどうにもコントロールしようがない。
「酒飲んだら血行が良くなって治る時もある」
というので仕方ないので大宴会!!(笑)
2本目のビールが空く頃、
「じゃあ歌ってみようかな」
ということで見事素晴らしいテイクが録れた!!
駅まで送って行って、
「いつでもうちの店でライブやってや!!」
と言って別れた。
今11月に彼のバンドのライブと、
ポールの「俺の歌いたい歌を伴奏せんかいJamセッション」というのを企画ちう!!
そんな感じで今回のレコーディング週は無事に終了!!
続きは10月からということで、
10月6日Cuttの歌う「月光」から始まって、
11日は三井ぱんの歌う「東の島にブタがいたVol.3」、
16日にはアースシェイカーの「ひどく暑かった日のラブソング」が予定されてます。
レコーディングの模様は時々ゲリラ的に下記のアドレスで配信されたりもします。
https://www.funkyblog.jp/tribute/
また、参加アーティストのコメント等もここに随時UPしてゆきますのでチェックしてて下さい!!
C-C-Bのみなさん、やっちん、マー坊さん、ポールさん、ホッピーさん、
みなさん素晴らしい音楽をありがとう。
今度またセッションやろうね〜

