2009/10/04
究極のホルモン屋
エミさんの旦那(クマさん)はちょっと変わっている。
全世界をバックパッカーで回ったことがあるというのだから変わってて当然だが、
エミさんのライブにはいつも神戸から車を運転してやって来て、
レコーディングが始まるとどこからともなくコーヒーを買って来てくれ、
ライブが終わると打ち上げ会場まで探して来てくれる。
今回は車に自転車を積んで来た。
停め放題の駐車場を探すのに、
やはり便利のいいところは高いので、
遠くの安いところを探して自転車で店まで戻って来るためである。
そんなクマさんがこんなものを持って来た。

「ホルモン大王」ファンキー末吉の目の届くところに新しいホルモン屋をオープンするということは喧嘩を売ってるのと同じである。
これはライブ終了後に勉強しに行くしかない!!
いや、ホルモンどころではないことはじゅうじゅう分かっている。
翌日は橘高ナイトで果ててしまうかも知れないのである。
いや、果ててしまうからこそ思い残すことなく好きなモノを食して心おきなく果てたいというのは人情ではないか!!
11時半に店が閉まってしまうというのをクマさんが頼み込んで開けてもらい、
結局11時半にみんなでおしかけた。
注文は「ホルモン大王」たる私の仕事である。
ホルモン盛り合わせ1480円。
「うーん・・・ほな1テーブル3人前ずついっとこか!!」
店員さんが目を白黒させている。
「1人前500gありますよ」
「そんなにあるんかぁ・・・ほな1テーブル2人前ずつ!!」
それでも1テーブル1kgある。
ホッピーを飲みながらそれを全部たいらげる。
いや、ホルモンどころではないことはじゅうじゅう分かっている。
しかしここで究極のホルモンを食わずに果ててしまったら一生後悔が残ってしまうではないか!!
満腹になって酔っぱらったワシは、店からチラシを取って来てもらい、
店の人にそれを渡しながら胸を張ってこう言う。
私は「ホルモン大王」と申す者です。
このチラシの一番顔がぱんぱんに腫れているのが私です。
この私がここのホルモンは旨いと言っているのだから本当に旨い!!
あなたがたはこのチラシを店に貼って、
「ホルモン大王が旨いと太鼓判を押した店です」と書いてもよい、
ワシは感激したぞよ!!
とチラシを100枚ほど置いて帰って来た。
酔いどれの言うことである。
その店がその後チラシをどうしたか定かではない。
しかしワシはこの日、思い残すことなくホルモンを食した。
今日はこれから死地に向かうべく用意をしている。
果てるかもしれないのは1曲目と最後の曲である。
生きていたらまたこのホルモン屋に行ってチラシがどうなったかを確かめつつ1480円ホルモン盛り合わせ500gを食いたいと思う。

