2009/10/03
やっぱ無理じゃろ・・・
なんぼファンのみんなにオーケストラバージョンを聞かせたいと言っても、
テンポ180でクリックに合わせてツーバス踏むのは無理じゃろ・・・
(橘高ナイトのリハーサルの話)
そりゃワシは筋肉少女帯のコンサートでテンポ190の「スラッシュ禅問答」を叩き切った。
しかしそれは「人間」であるみんながもうテンポの限界であるワシに合わせてくれるからである。
ところが機械は一切そんな温情はない。
ちょっとでも遅くなると容赦なく見捨ててゆく。
たとえば足がもつれるなどしてほんの1拍だけほんのちょっとだけ遅れたとする。
「人間」相手だと、その次の拍を頭として仕切り直してくれるが、
機械はようしゃなく見捨てて先に進んでゆくので、
その1拍を取り戻すのにそのテンポより速いテンポにして追いつかねばならない。
つまり180が自分の限界の速さだったとすると、
ライブでクリックに合わせて叩くのは無理なのである。
レコーディングはまた違う。
パンチイン、パンチアウトと言って、
そのちょっとよれた部分だけまた録音し直せばよい。
つまり180が限界の速さであっても繋ぎ合わせればレコーディングが出来るのである。
速さの限界を超しているスラッシュ禅問答が叩けたのは
「アドレナリン」という脳内麻薬のおかげである。
190というテンポをメトロノームで流して、
足で八分音符を踏むと、とてもじゃないけどあんな長い時間踏み続けられるもんではない。
ところがこの麻薬は「苦しい」とか「痛い」とかを麻痺させ、
脳の命令を直接肉体に伝え、
あたかも「出来ない」ことが「出来る」かのように錯覚させてしまうのだ。
その麻薬がすーっと引いてゆくと当然肉体にダメージが残る。
出来ないことを「出来る」と勘違いさせて酷使されてるのだから当然である。
コンサートで「スラッシュ禅問答」よりもその後の「イワンのバカ」の方が苦しかったのはそのせいである。
また、一応麻薬物質なのであるから脳にもダメージが残る。
いわゆる「アホになる」のである。
まあそれはそれで気持ちがいいのでよい。
おかげで今夜のブルースライブはいい演奏が出来たと思う。
明日は夜に店でブルースライブだけなので、
とりあえず風呂にでも入って酷使した肉体を労ってやる。
そして明後日はその肉体を騙して酷使するのだ。
橘高曲、おそるべし!!
ドラマーを廃人にするが如し!!

