2013/09/25
江川ゲンタ
イヤなことばかり考えてたら人生こんなイヤなもんはないので、
やはり楽しいことを考えて生きてゆきたいと思う。
いや、みんな実はそう思っているのだ。
だから「楽しいヤツ」というのは人気があるのだ。
中断していた中国のトランぺッターのアルバム制作が再開し、
それと同時に中国の映画音楽の仕事が来たもんだから大忙しである。
アレンジしたり人に振ったりは旅先で出来るが、
「録音」という「実働」だけは必ず自分でやらねばならない。
トドのつまりワシらミュージシャンは「肉体労働」なのであるから、
「出面でなんぼ」「働いてなんぼ」の世界である。
でも実際はワシのスケジュールはMAXになってしまっているので、
「こりゃ無理やなぁ・・・」
という仕事は人に振る。
まあとりあえずあらゆるジャンルのリズムアレンジからオーケストラのアレンジまで自分で出来るのだから人に振らなければ収入は全部自分のものであるが、
特に中国の民謡とか、ワシの頭の中で中国人のように固定してしまってるやつは、
発想を大きく転換してというのがなかなか出来ないので人に振ったりする。
しかし中国とのやり取りはやっぱりワシがやるのだから、
人に仕事を振ってクライアントとの詰めや話し合いは結局自分がタダ働きということになるので仕事としては何をやってるのかわけがわからない。
また、機械でやればタダなのだから制作費が大幅に節減出来て結果自分はもっと儲かるはずなのに、
パーカッションなどという今や「贅沢品」を生で入れたくなってしまう。
いや「パーカッション」と言うより、ワシはきっとこの「江川ゲンタ」という男に会いたかったのだな。
いやなことばかりある毎日で、彼のような本当に「楽しい」人間と仕事をやると、
その仕事だけでなく「人生」も楽しくなったような気がする。
そういうとワシの嫌いなある種のスタジオミュージシャンのように聞こえるかも知れないが、
ゲンタは決してそのような類いの人間ではない。
ワシは「上手ければそれでいいんだ」という人生を送って来たので、
「腕でなく口で稼いでいるスタジオミュージシャン」というのが大嫌いだった。
世の中というのはおかしなもので、
その昔森光子さんがサインに
「私より 下手なあいつが なぜ売れる」
と書いてたという話があるが、
だいたいにしてそんなヤツらの方が売れて金を稼いでるのがこの世の中である。
ところがゲンタはワシが打楽器奏者として尊敬するパーカッショニストのひとりである。
いや、今では「プロデューサー」と紹介した方が正しいか?
いろんな大御所のプロデュースなどもやっている。
ワシが好きなのはパーカッショニストとしての彼の「華」と言うか、
底抜けに「楽しいオーラ」なのである。
まあ人間なので毎日楽しく生きてるわけではないのだろうが、
彼には人を楽しくさせる「何か」がある。
それは最近彼のFacebookにも現れていて、
タイムラインなど見るヒマがないのだけど彼の書き込みだけはついつい見てしまう。
勝手に引用させてもらうが、
「俺はね、好きで太ってるのよ。頑張って太ってるの。
だって俺みたいな男前が痩せてたら誰も俺の音楽を聞いてくれなくなっちゃうでしょ。
だから頑張って頑張って太ってるのよ」
というのには笑いを越えて感心した。
喪黒福造が心のスキマを埋めに来るとしたら、
きっと江川ゲンタは「イヤなこと」があった時に呼びたくなるキャラなのだろう。
1曲はラテンの曲だったので彼の「腕」が必要だったのだが、
もう1曲のFunkの曲もついつい彼を呼んでしまった。
ギャラは当然ながら自分の「持ち出し」になるのだが、
「金を払っても呼びたい」みたいなのが彼にはある。
「こんだけしか払えないんだけど・・・」
とスズメの涙のような額を提示するが、
「いや、自分が必要とされるんだったら金はどうでもいい」
と漢らしい!!
それでは悪いからと、貰い物ではあるけれども家にある酒をプレゼントした。
いや、これがホント、ギャラを渡した時よりも嬉しそうな顔するの(笑)
そんな彼が叩いた曲をダビングやデータ整理で何度も聞くうちに、
彼のそんなモードが曲じゅうに充満して、
本当に「楽しい曲」に仕上がってゆくのな・・・
「音楽は生き様」と言うけれども、
楽しい人間はやっぱ楽しい音を出す。
だからせめて頑張って毎日を楽しく生きようと思う。
神様は平等に人にしんどいことを与えているのだ。
泣いたって怒ったってその数は変わりやしない。
だったら笑えばいいのだ。
ほら今日も好きな音楽やって楽しく酒を飲めた。
それだけで人生儲けもんだな・・・
ってゲンタくんがパーカッションで話しかけて来るよ(笑)
よっしゃー今日も楽しくライブやりますか〜!!
フェロモンオールスターズ大人の遠足ツアー
09月25日(水)大阪Mister Kelly's
09月26日(木)京都「都雅都雅」
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09月28日(土)岡山「MO:GLA」