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2012/12/06

母を迎えに高知まで〜

母が入院してもうだいぶになる。

まあ入院と言っても別に身体が悪いのではなく、
コケて肩の骨を折ったと思ったら今度は腰・・・
と外傷ばかりなので身体は丈夫は丈夫なのだが、
さすがに83歳、いろんなところにガタが来ている。

特に老人性痴呆症は進行を見せ、
今や息子にされたいいことは(あまりないが)ひとつ残らず忘れ去ってしまい、
悪いことばかりを覚えているようだ(涙)

入院のお見舞金で何やらの支払いをして来てくれと頼まれたことも、
母の中では「息子が見舞金を持ち逃げした」ということになってるし(号泣)

まあもともと親不孝をし続けて来た自分が一番悪いのだ(キッパリ)!!

小学校の頃は「トムソーヤの冒険」を読んで
「俺も無人島に行く!!」
と家出をしたり、
高校の頃は学校をサボって「レインボー」のコンサートを見に広島まで行ったのがバレて呼び出しを食らったり、
バンドをやり出したら部屋にドラムやアンプを持ち込んで、
毎夕方には大音量でロックなどやり始めるもんで、
近所の人から「親の頭を疑います」と無記名のハガキが来たり、
酒はやるわ〜タバコはやるわ〜
大学を勝手に退学して、下宿を引き払ってその金で東京に家出をして、
10円玉3枚だけ入れて(当時はカード式電話はまだない)、
「あ、おふくろ?俺今東京!!大学やめた!!」
ガチャン・・・プープープー・・・

あの時はさすがにおふくろ死に物狂いで東京に探しに来てたなぁ・・・

最初に結婚するのどーのの時も30円だけ入れて、
「あ、俺!!あれやめた!!」
ガチャン・・・プープープー・・・

その後一度目の結婚をすることになるがそれも結局離婚して迷惑かけとる・・・

子供を預けてひとり北京で生活しとる時にはさすがに
「高知に帰って来い!!」
と言われて喧嘩になった。

「俺は今中国で一番大きなプロジェクトをやっとるんや!!
この仕事は中国でしか出来ん!!
おふくろは俺が仕事も全部やめて帰って来て
高知でドラムの先生でもやってんのが一番ええとでも言うんか!!」

これにはおふくろは真顔で、
「そうや!!」
とはっきり言った。

そこで仕事をやめて親や子供のために生きる人もいるだろう。
もともと音楽なんぞどこに住んで何をやってたって出来るのだ。
音楽に付随する「商売」というのが都会じゃないと出来ないだけの話である。

しかしワシはその選択肢には目もくれず、
ずーっと親に迷惑をかけながら音楽をやってきた。

母が孫たちに
「音楽なんてやったらいかん!!」
と教育してたのはそういう理由からだと思う。

月日は流れて母も歳をとり、
一人で孫たち二人を育てるのも大変になったというので、
今度は東京に引き取って嫁に面倒みてもらいながらやっぱ自分は好きな音楽を続けている。

ワシの音楽なんぞしょせん誰かに迷惑をかけて初めて続けることが出来るものでしかなかったのである。

そんな母ももうかなり歳をとった。

老人ホーム(と言ってはいけないらしい、シルバーマンション)に入るなど、
「何で私がそんなところに入らないかんがよね!!」
と頑なに拒んでいた母だが、
ここに来てちょっと弱気になったのか孫が恋しくなったのか、
「まあ別荘が出来たぐらいのつもりで1年ぐらい住んでみたらええわね」
という誘いに乗って来た。

それは本当に助かる!!
このまま介護が必要な状態でありながら高知で一人暮らしをしてたのでは、
次に転んで怪我をするのは肩や腰とは限らない。
いつ頭を打って取り返しがつかない事態になっても不思議ではないのだ。

八王子の近所でホームを探す。
うちに近ければ近いほど孫とも頻繁に会えてよい。

しかしそのほとんどは商業的な施設で、
「入居時に1千万払いなさい、そしたら月々家賃程度の支払いでええよ」
とか基本的にそんな施設が多いのだ。
手元にまとまった金のない人は平気で月々20万以上払うこととなる。

そんな金は当然ないのであるが、
考えてみたらこの母がワシに今まで支払って来た金を考えるとそれも小さいもんではあるまいか・・・

とりあえず近所で一番安いところを予約した。
そこは面接があるのでその結果が出るまで滞在する短期ステイのところも決めて来た。

金で親孝行を買えるわけでも何でもないのだが、
金で出来ることならやはりやった方がよいのだ。

やってしまった親不孝を取り消すことは出来ないが、
金なら働けば稼ぐことが出来るのからである。

幸い働くことは嫌いではない。
あんな仕事はやりませんとか選り好みをしたこともあまりない。

働け〜働け〜

まあそうしてワシが仕事でいつもいないとまた嫁に負担がかかるのであるが、
嫁孝行はまたこれが一段落したら考えることにして、
とりあえず明日おふくろを八王子に連れて帰るとしよう・・・

働け〜働け〜仕事くれ〜

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