2012/09/04
寧夏省「呉忠」ビールフェスティバル
先日の北京ライブが終わって、老呉(LaoWu)が
「寧夏に行くけど来るか?」
と言うので喜んで同行させて頂いた。
省都である銀川には何度も行ったことがあるが、
その隣町の「呉忠(WuZhong)には初めてである。
だいたいにして初めての土地には行っとくべきなのだ。
ワシは「ひとりドラム」でもう数十カ所廻っている。
死ぬまでに自分がどれだけの中国の街を廻れるか、
それが現在の楽しみのひとつである(笑)
「朝5時20分に院子(ユエンズ)を出発するよ」
と言うので10時頃には布団に入ったのだが、
そしたら3時に目が覚めてしまった(年寄りかっ!!)。
今回は高々1泊だから重たいパソコンは持って行かず、
iPadだけ持って行こうといつものリュックからいろんなモノを取り出した。
まあよくもこれだけの周辺機器を世界中に持ち歩いてたもんだ・・・
モバイラーも大変である・・・
一気に軽くなったリュック、
中には着替えのパンツとTシャツ、
あと電気機器はひょっとして「ひとりドラム」をやることになった時のためのiRiggPortとiPadの充電器ぐらいである。
iPadは昔はリュックに入れていたのだが、
貴州省でトン族のポシェットを買ったのでそれに入れている。
私のiPadは中国の3Gなのですぐに取り出せてネットにつなげるので便利。
そして便利なのでそれに集中していてリュックを搭乗口に忘れてしまった!!!(≧∇≦)
気付いたのは飛行機が寧夏省銀川に着いた時であった。
すぐに北京空港に電話をするが電話ではわからないと言う。
iRiggPortは日本でなければ手に入らないが、
取り敢えずパンツは買っとかねばということで街に出た。
初めて来る名も知らない街、呉忠は大都会だった。
銀川の街よりも回族の割合が多いように感じる。
嫁にまた民族衣装でも買って帰ろうと思ったが、
イスラム教は女性は派手にしてはならないのでいいのがない。
貴州省や雲南省の少数民族とは大きな違いである。
仕方ないので自分のイスラム服を買った。
今日はこれでステージをやるのだ〜
ちなみにバンダナもリュックの中なので、
これは配偶者以外に髪の毛を見せてはいけないイスラム女性が頭に巻く布である。
ええやんええやん・・・
ビールフェスティバルが始まった。
ステージ袖では地元の出演バンドのメンバーから一緒に写真を撮ってくれと頼まれる。
布衣(BuYi)が地元のアンダーグランドバンドの誇りなら、
ワシはそれをここまでにしたプロデューサー、
言わば「恩人」、と言うより、「縁」を何よりも大切にする中国人のとってはもう「地元の人間」やな。
ワシの出番は布衣(BuYi)の最初の3曲でドラムを叩くのみ!!
その後は会場に行ってビールを飲みながら出演バンドの演奏を楽しむ。
ビールフェスティバル、何度か出演させてもらったが楽しいぞ〜
地元のバンドから、とっておきの「手抓羊肉」をご馳走になった。
大高さんや納さんや三科さんと行ったあの銀川のレストランの本店である!!
銀川のあの絶品の羊肉もここから持って来るというのでもうこここそが世界一の羊肉の楽園である!!
翌朝は朝飯に羊の臓物スープ「羊杂汤」をご馳走になり、
昼飯に「凉手抓」つまり「冷たい手抓羊肉」を食って北京へと帰るわけだが、
問題はなくしたリュックである。
方言(FangYan)が一生懸命北京空港に電話をかけるのだがつながらない。
まあこの辺は日本でもどこでも同じなので、
とりあえず万が一を考えて、北京から乗った飛行機で失くしたのかも知れないということで銀川空港の遺失物のところで聞いてもらう。
中国らしく相変わらずぶっきらぼうな態度で、
「え?ないよ、そんなの」
と言い捨てられる。
中国がどれだけ開放されたって「サービス」という点ではまだまだ「昔の中国」である。
頼み込んでもう一度調べてもらうが、
だいたいにして調べる書類が手書きで書いたノートなので信用ならん。
どこかに電話して聞いてたようだが、
「やっぱないよ」
とつっけんどんに答えられる。
「うちでなかったらあっちで聞いてみれば〜」
指差されたのは空港内の警察の施設。
警察官に聞いてみたら、
「そんなもんはあっちで聞けよ」
とさっきの遺失物係の方に回される。
「あっちでこっちに来いって言われたんですけど・・・」
日本の「サービス」が本当に懐かしくなりながら、
なるだけケンカ腰にならないように丁重に話す。
「あっちにないならないよ。うちにはないから」
はいはい、結局ここにはないのね、
失くしたのは北京空港なのね、
というわけで飛行機に乗る。
着いたら方言(FangYan)がまた遺失物係に電話をする。
今度はつながった!!
電話でリュックの形態を説明して探してもらったが、
「ファンキーさん、リュックはないようです」
と残念そうに言う。
しかしワシはあきらめない!!
この人達を信じてはいけない!!
ひょっとしたら電話を受けた人がしっかり探してないかも知れないし、
探すと言っても手書きのノートだろうから、
それが何冊もあってたまたまそのノートにないだけかも知れない。
着いたT2から、来る時に乗ったT3までシャトルバスで行って、
そのまま遺失物係に飛び込んだ。
おっ!!しばらく見ない間に近代的な様相に変わっているぞ!!
確か数年前にイヤホンを失くした時に行った時は、
相変わらずの暗い殺風景な部屋で、
木の机の上で係員が手書きのノートで調べてたのに・・・
なんとコンピュータがあるではないかー!!!(涙)
心なしか係員のお姉ちゃんも接客態度がいいぞ!!
北京!!進歩したなー!!!!
というわけでちょっとだけ愛想のいいお姉ちゃんが調べてくれて、
パソコンの画面を見せる。
「あんたのリュックってこれ?」
大喜びで頷くワシと方言(FangYan)
「どこのメーカーなの?言ってみて!!」
メーカーなんてそんなん知らんがな〜
別にブランドもんでも何でもないし〜・・・
こりゃぁ自分のリュックだと証明するのは大変だなぁ・・・
と思っていたら、中に確かパンツが入っていたのを思い出した。
「中にパンツが入ってますから!!」
お姉ちゃんいきなり不機嫌になり、
「パンツぅ?!!(怒)」
ニコッとしてワシは話を続ける。
「そうなんです。中国ではめったに履かないパンツですよ。
ブタのパンツって中国人は履かないでしょ。
そのパンツが入ってますから!!」
お姉ちゃんまたまた不機嫌になって叫ぶ。
「ブタのパンツぅ?!!」
ワシは娘がプレゼントしてくれたパンツの柄を絵に描く。
わけのわからない様相でリュックを持って来たお姉ちゃん、
リュックを開けるとはたして一番上にこのパンツが入っていた。
まるで汚いものでも触るかのようにパンツを投げ捨てたお姉ちゃん、
「もういいわ、帰ってちょうだい」
とばかりにテキパキと受け渡しの書類を書いてリュックをくれた。
娘よ、素敵な誕生日プレゼントをありがとう!!
おかげでパパは助かったよ〜!!!