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2012/03/22

ワシは実は「仕事」をしていない?!!!

母が実家の玄関でコケて腕の骨を折って入院をしてしまったので、
母に預けてた長男を八王子に連れて帰るべく高知に来ている。

言ってみればたかだか骨折なのだから母は元気だし、
病院に居れば次にコケてどうなってもすぐに治してもらえるし、
風邪引けば風邪引いたで調子が悪いなら調子が悪いですぐ治してもらえるので安心である。

長男の転校手続きとか住民票転出とかいろいろ細々なことをやりながら、
しばし長男を下宿させてくれて面倒を見てくれてた親戚にも重々お礼を言いに行く。

この親戚はワシの母方の従兄弟にあたる家庭で、
親戚付き合いが苦手なワシが唯一仲良くしている親戚である。
容赦ない土佐弁で東京の人には何を言ってるのか全然聞き取れないおばちゃんが実はワシの従兄弟に当たる。

その旦那さんが高知の名家出身で、
「おヒゲのおじちゃん」と言えばもう母方の親戚の中では発言力が絶大な「長老」格である。
その「おヒゲのおじちゃん」から先日こんなことを言われた。

「おまんは実のところ何の仕事をしゆうがかよ?」

まあ母が退院した後に老人ホームにでも入ってくれたら安心なんだけど・・・
という話をしてた時である。
「その金はあるがかよ?何やって稼ぎゆうが?」
という意味である。

そう言えばだいぶ前の話、
金にもならないJazzのツアーで高知に来た時にも同じことを言われたことがある。

「金にもならんのにこうやってツアーをやっとるっつうことは、
それは仕事ではないな、遊びやな!!」
と言いながら彼自身大のJazz好きで金にもならないピアニストの高知ツアーを自腹で援助してたりしている人格者であったりする。

まあ援助してもらうピアニストは赤の他人なのでいいが、
ワシは一応「親戚」なのであるから、
こうもあからさまに「遊びやな」と言われると少々バツが悪い。

今回も何か「社会人らしく」やっている仕事を列挙したかったのだが、
不幸なことに今回は何ひとつ思いつかなかった。

偉いJazzミュージシャンは
「私の仕事とは即ち"練習"である。ライブは即ち"遊び"!!」
という素晴らしい言葉を残したと言うが、
他のドラマーに比べて圧倒的に練習しないワシとしては即ち「仕事」をしていないということである。

それでどうして母親を老人ホームに入れられる金があるのかと心配するのはまあ親戚でなくても当たり前のことなのじゃろうが、
過去数千万の借金をどうして作ったかもわからず、
それをどうやって返したかもわからないワシにはその辺のことこそが自分で一番わからない。

次の日、息子の同級生の父親でこれまたお世話になってる人と酒を飲み、
全くの偶然にこんなことを聞かれた。

「そいで末吉さんは最近はどんな仕事をしゆうがですか?」

これにはさすがにぶったまげて頭を抱えてしまったのだが、
「昨日も同じことを言われたんですよ」
と言うとその人が面白いことを言った。

「人から同じことを言われるなあというのは、
実はそれはご先祖様がそのことを心配しゆうがですき」

なるほどな!!

ワシを心配してくれてる人は何も生きてる人ばかりではない。
それが科学的な考えかどうかは置いといて、
ご先祖様が心配してくれていることだと思えば納得する。

そこでじっくりと考えてみた。

「ライブ」はワシにとっては「遊び」ではなく、
「戦い」であって、まあ「生き様」と自分では言う。

これを世間は「遊び」と言うのか・・・困ったなあ・・・

音楽の「仕事」というのは日本より中国の方がメインであるが、
パスポートが盗まれてからとんと中国に行ってないので、
中国方面の仕事は最近とんとやっていない。

今年2度行ったのはいずれも北朝鮮に行くためのトランジットで、
その北朝鮮プロジェクト自体が銭金を目的にしたものではない。

「人生は戦いだ!!」と言うが、
JASRACと戦ったって、金銭的には損することばかりで得することはひとつもない。

韓国の有名歌手から作曲の依頼はあったが、
その後どうなったのか全然連絡は途切れてるし、
飲み屋をやりゆうがやろ?」
と言われても自分が時々ドラムを叩けて楽しいだけで儲かったことは一度もない。

そうかぁ・・・ワシは毎日遊んでただけなんや・・・

と思うと不思議にいろんなことが不安になって来る。
母親を老人ホームに入れる前に家族5人をちゃんと養っていけないではないか!!!

途方に暮れてふといつも持ち歩いているポシェットを見てみると、
古ぼけた宝くじが何枚か入っていた。
「そうかぁ!!ワシは運がいいからきっとこの宝くじが当たるんだ!!」
そう思って宝くじ売り場に行ったら、
「支払い期限が数年前なので無効です」
と言われた。

なんかこんな下らないことで落ち込んだりすんのな・・・

八方ふさがりでも何でもないはずなのに、
自分で勝手に八方ふさがりみたいに思ってしまうみたいな・・・

まあワシはX.Y.Z.→Aをやり出してから、
このバンドの「ステイ・ポジティブ」という大きなポリシーによって、
まあ基本的には非常に楽観的に生きてるのではあるが、
何かちょっとつまずくと時々全部をネガティブに考えて落ち込んでしまうこともある。

あかん・・・ネガティブに入ってしまう・・・

そう思った時にいきなりメールが来た。
北京のワシのアホなアシスタントである。

「ファンキーさん、映画音楽の仕事を是非ファンキーさんにお願いしたいという電話が来たんですがどうしましょう・・・」

2006年に映画音楽を担当した中国映画が
タイタニックを抜く興行成績をおさめる大成功となり、
その後1年に映画2本、テレビドラマ2本という生活をしてた時に、
「アホか〜!!こんな生活やれるかい!!」
と思ったら途端にぱったり仕事が来なくなった。

「やるで!!やるやる!!来週北京行くからセッティングしといて!!」
ワシはすぐさまアシスタントに返信した。

「わかりました。月末に本人が帰って来たら連絡させますと伝えました」
と言うアホなアシスタントに、
「アホか!!先にスケジュール押さえんかい!!ボケー!!」
と返信しつつ、
久しぶりの映画音楽の仕事に期待を膨らませている。

アホなアシスタントがちゃんとアポさえ取ってくれてれば、
ワシは明日東京に帰る前におヒゲのおじちゃんにこう言おう。

「はい、最近また中国で映画音楽の仕事やってます」

これだけかい!!!!!!
まあこれだけでもあるだけマシやろう・・・

もう今年53歳なんやからちょっとは経済的な活動もやろうや・・・
と思いつつどこで稼いだ金かわからん金で買ったビールを飲んでいる・・・

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