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2008/08/28

人間の記憶というものは・・・

ここ数日ワシは大パニックであった。

半年に一回の会社の決算。
会計士をつけているワシは
領収書の整理や通帳の内容を表にして会計士に報告せねばならない。

ここ数年は嫁がそのめんどくさい作業をやってくれてたのじゃが、
さすがに育児に追われている嫁にそれをせえとはよう言わん。
仕方ないのでせっせこやってたら・・・

3月21日になんとワシの口座から一千万円以上の金が引き出されている。
予定表を見るとこの日は娘の小学校の卒業式。
そういえば高知のみずほ銀行に行ったような記憶がある。

自分で引き出したのか?・・・
そんな大金をなんで?・・・

そういえば嫁に、
「一千万円以上の預金があったらすぐ定期にするべきなんちゃうん」
と話していた記憶がある。
何せワシは一番稼いでいた時に数千万を1年で飲んでしまった経験があるのじゃ。

そうかそうか・・・定期に入れたのか・・・

みずほ銀行の通帳を調べてみると定期預金はゼロ円・・・
ほな一体どの口座に入れたんや?!!

確か郵便貯金にも口座があったなぁ・・・
そっちに入れたんか?
高知のおふくろに調べてもらうがらちがあかん。
八王子の郵便局に行って調べてもらう。

「口座番号も何もわからんのですが・・・」

うちの近所の郵便局の職員は実はラウドネスのファンである。
二井原が引っ越して来た時にも肝をつぶしていたと言うが、
ワシまで引っ越して来て、
こともあろうに「有限会社ファンキー末吉」という名義の口座を開きに行った時には
従業員さん、放心して口をパクパクしてたっけ・・・

「どこのどなた様かはじゅうじゅう承知しておるのですが、
規則ですので一応本人確認が出来るものを見せて頂けますか?」

純朴な真面目な職員である。
ワシが一千万もの定期預金をこの口座に入れていることがわかったら腰を抜かすじゃろう。

待たされること数分。
職員がワシの名前を呼ぶ。

「お調べしたんですが・・・」

残高は220円・・・

職員が小さい声でそう言う。
恥ずかしくなってこそこそ帰るワシ・・・

ほなワシの一千万はどこに消えたんじゃ?!!!

そう言えば四国銀行にも口座を開いていた。
これはおふくろのマンションを買い替えする時にローンを組むためである。
しかし年収12万円であったワシには銀行は金を貸さず、
そのまま手つかずの通帳を見たらやはり残金はゼロ。

ワシはどこに一千万を定期預金したんじゃ?!!!

パニックで大捜索をすること数日。
子供達は泣き叫び、おふくろはワシを罵倒する。

こうなると頼みの綱は当のみずほ銀行だけである。
その日のワシの金の動きを徹底的に調べてもらう。

「その日にお客様が当行でのお取引はありません。
お客様は現金をお引出しになった後、
そのまま持って帰られたものと思われます」

一千万もの現金を持って街に出るか?!!
いや、なんか札束リュックに入れて街に出た記憶もあるなあ・・・
いやいや、それは中国の話じゃろ、
中国では最高紙幣が千元(約千五百円)なので100枚の束でも15万円そこそこ。
札束ぐらいはよく見るし、持って歩くこともあるが、
でも日本円の札束となるとちょっと恐ろしゅうて持ち歩けんぞ・・・

再び領収書を調べてみる。
「確かスタジオ作った時の金はこの日に振り込んでるから・・・」
5月の振込記録に一千万の振り込みが・・・

あ、これ・・・ゼロがひとつ足りん・・・って・・・これ百万の振り込み・・・

ということは、これは追加機材として発注したぶんのだけ?
するってーと大騒ぎした3月21日のお金は結局・・・

このファンキースタジオを作ったお金であった。

ワシはその日に大金を引き出し、
そのまま支払いをしたので記憶に残ってないだけであった。

人間は都合の悪いことは忘れるように出来ているらしい。
ワシもいつまでも大金が手元にあると信じて疑わなかったのじゃろう。
その記憶がどこかで捻じれて「定期預金をした」という風に変わっていってしまったのじゃろう。

だいたい年収が12万だった男が、
翌年には一千万たら百万たらの数字見たって区別がつくわけないじゃろ!!

というわけで一件落着。
嫁に報告する。

「そやろ、結局うちには今残ってるお金だけやろ。
そうやと思た」

年収12万円の男に嫁いで貧民街で暮らす嫁。
このくらいのことでは微動だにしないのであった。

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