2012/08/31
北京に帰るのだが・・・ん?緊張感は?・・・
二井原達が貴州省でイベント出演中止命令が出たと言うので、
ワシはワシで焦っていろいろ水面下で動いていた。
イベントの主催者が自粛として出演中止させたと思ってたが、
本人からのメッセージを見るに、
「中止させられた」・・・ということは「政府」にか?・・・
「日中関係悪化のため、日本との音楽交流は軒並み禁止」
と聞いては落ち着いてられん!!
ワシはこのまま北京に着いてその足でライブハウスで自分名義のライブなのじゃよ・・・
友達のライブハウスがもうすぐ立ち退きで閉めてしまうというので、
軒並み仲間達が日替わりでお別れライブをやっておる。
ワシもJazz用のドラムセット「小すいか」を貸し出してやってるからにはということでブッキングされたのじゃが、
ワシ名義のライブ、つまり「日本人名義」のライブはちと都合が悪いのう・・・
いや、中止やドタキャンは別に慣れてるのでどうでもいいのじゃが、
(同じく貴州省ではラウドネスより過酷なスケジュールで着いたらすぐドタキャンを告げられたし・・・)
困るのは「査察」である。
まあ反日感情も少々は心配しておったが、
よく考えたらワシの行くところ必ず「友達」のいるところなので、
まあワシに生卵なんか投げつけたりしたらそいつの命が危ないわのう(笑)
先日ワシの微博(WeiBo:中国のTwitter)に書き込んだヤツはすぐに発言削除したし・・・
「査察」が何よりも困るのは、ワシはこの国では「不法就労」だからなのじゃよ・・・
アメリカで言うグリーンカードに当たる「Zビザ」を取ったこともあったが、
毎年の更新がむっちゃめんどくさい上に、
ノービザで15日間滞在出来るようになってからというもの、
別にワシは必ず月に何回かは行き来するのでいいじゃろうということでずーっとノービザである。
音楽の仕事というのは日本もそうだったが「取っ払い」で
現金でもらって領収書も切らないので別にノービザで仕事をしているという「証拠」は残らない。
別にな〜〜んにも困らないので20年間ずーっとそうなのよ〜ん・・・
しかしまあ日本人ではワシぐらいじゃが、
ここに来てアフリカ人とかいろんな外国人の不法就労が問題となって、
中国政府の規制が厳しくなって来ている。
今では外国人は入国して24時間以内に滞在している場所を届け出ることが義務化された。
これがワシにはちと厄介である。
ホテルならチェックインと同時にパスポートナンバーがオンラインで登録されるが、
ワシの住んでいる貧民街は「外国人が住んではいけない場所」なのよね〜・・・
つまり「不法滞在」!!(笑)
だからワシは焦ったのよね〜
「中止」はいいが「査察」に来て、
「お前どこに泊まっとるんじゃ?居住証明は?!」
と言われたら大変めんどくさいことになってしまう・・・
ヘタしたら不法就労もバレて銀行口座の人民元全部没収されたらどうすんの〜
居住証明は賃貸契約書があれば最寄りの警察署で取ることが出来るので、
アホのアシスタントの実家でそれを取れとずーっとそう指示しているのだが、
「ファンキーさん、そんなものは必要ありませんて」
と頑なにそれを取ろうとしない。
最初はめんどくさがってるだけなのかと思っていたが、
今回はいいチャンスだと思ってラウドネス出演中止のことをメールに書いた。
「お前な、今日本では大騒ぎやぞ!!
全ての日本との音楽交流は政府が中止命令を出したんや!!」
ところが冷静に彼が一言、
「そんなことは北京では誰も知りません」
え?!!
ワシは喰い下がってまた調べさせる。
そしたら、
「調べたんですが中国政府としてはそんな命令は出した事実はありません」
え?!!・・・
「ファンキーさん、ここは中国なんです。
黙って中国人である私の言うことを聞きなさい!!
いいですか、問題というのは起こってから処理すればそれでいいんです。
問題が起こってないのに先に処理したら、
それは問題があるということを露見するようなもんじゃないですか」
え?!!
北京では日本大使館の車の国旗が燃やされ、
人民の80%がそれを正しいと思っているようなこの国で、
不法滞在の日本人が今晩自分名義のライブを行って、
不法就労として人民元を受け取ってそれで酒を飲む。
お前は「それでいいのだ」と・・・
さすがは「上に政策あれば下に対策あり」の国・・・
まあええ、お前もPAエンジニアとして現場に来ておるのじゃ!!
何かあったらお前が責任持って対処するよーに!!
ほな!!