2011/02/08
中国からのお客様
ヒロキ君が来たばかりで嫁には恐縮だったのじゃが、
この予定の方が先に入っていたので仕方がない、
全てをほったらかして中国人のお客様を高知、京都と観光に連れて行ってた。
まずはひとり車を夜走りで関空に行き、御一行をピックアップ。
時は旧正月の元旦、関空には中国人が溢れていた。
テレビ局が中国人にインタビューをしている。
またどうせ「尖閣諸島の問題をどう思うか」などとアホな質問をしてるじゃろう。
10数年前、中国で大金持ちがどんどん現れて、
「この国は平均したらまだ貧乏の部類だが
日本人より金持ちな中国人が絶対1億人以上いる!!」
と言っているのをよそに、
アホなマスコミ達はひたすら貧乏な中国をこぞって特集していたくせに、
今になって大慌てでセレブ達を特集する。
別に尖閣諸島の問題をインタビューするのは自由じゃが、
ワシならばおだててすかして彼らにどれだけ日本に金を落とさせるかを考える。
だいたいフランスが核実験をして
フランス製品の不買運動が声高に叫ばれていた時、
それでもフランスに買い物に来た観光客にフランスのマスコミは
「我が国の核開発に対する貴国の経済制裁をどう思いますか」
などとインタビューしただろうか・・・
まあその話はいい。
ワシは20年来の友人であり、今一番一緒に仕事をやっている中国人のご家族の
初の外国旅行をもてなしてあげたいだけなのだ。
高知で2泊し、大村家で2泊し、京都見物をして
先ほどディズニーランドの近所のホテルに放り込んで一応ミッションは終了したが、
今回改めて思ったのは日本ってほんとイスラム教に関して認識が薄いんやなということ。
彼は漢族だが奥さんは回族。
生まれた時からイスラム教で、それを民族の証として誇りを持って生きている。
宗派によって戒律の厳しさは違うが、
ワシの知り合いの回族の友人はたいてい酒は飲んでもよいと言うが、
豚肉は例外なくタブーである。
これが日本で純粋に豚肉の入ってない料理を探すのは大変なのよ・・・
豚骨はもちろんのこと、醤油ラーメンにも背油が入ってたりするし、
コンビニでホットドッグを買おうにも
成分表を調べてもらって絶対に豚肉が入ってないと証明されなければ
おちおちとモノも買ってられない・・・
おふくろが朝ご飯を作ってくれたが、
サラダの上にハムが乗っているともうそのサラダごと食べない。
そりゃそうだ。
厳密には豚肉を調理した包丁で調理したものでさえ食ってはいけないのだ。
中国には「真清」というイスラムフードの店があらゆるところにある。
今回、「豚肉が食べられないので」と言うとたいていの人は、
「あ、豚肉が嫌いなのね」と思って軽く考えて対処するが、
例えば蕎麦アレルギーの人にそば粉が入ったモノを食わせると
命に関わったりするのと同じように、
イスラム教の人にちょっとでも豚肉を食わせたりすると、
それこそ「死」よりも大きな苦しみを背負わせることになってしまう。
さてそこでまたマスコミの話に戻るが、
中国が同化政策によって少数民族を迫害しているようにいつも報道するが、
ワシは必ずしもその一面ばかりではないと思えて仕方がない。
厳密にはイスラム教は結婚する時にはイスラム教同士、
違う宗教の人ならイスラム教に改宗せねばならないが、
それも宗派によっていろいろあるようで、
彼ら夫婦は旦那は別に漢族で仏教徒である。
中国のIDには「民族」という欄があり、
両親が漢族だと子供も漢族だし、回族だと子供も回族である。
彼んとこのような場合だと漢族か回族かを選べるらしく、
彼らは子供達を回族として届け出た。
それは母方のご両親のことを考えてもあるだろうが、
何より大人になった時に少数民族はいろいろ優遇されるからというのが大きいと彼は言う。
例えば大学の試験を受ける時、
少数民族は点数を加算してくれるとかくれないとか・・・
マスコミが声高に叫ぶ「少数民族を弾圧してる」という報道と現実とは
えらくかけ離れていると思えて仕方がない。
まあ民族っつう感覚は日本人にはちとわかりづらいな・・・
日本の琉球民族やアイヌ民族などが
民族の言語を喋る人がどんどん減っているというのも言えばある種の「同化政策」だし、
それに対して政府がそんなに積極的に対策を立てているとも思えないが、
チベットに行けばチベット語で勉強する学校がちゃんとあったし、
日本には沖縄語で勉強する施設というのは聞いたことがない。
まあワシは中国という「国」のかたを持つつもりはさらさらないが、
友達が多いといろいろ勉強になるな・・・