重慶雑技団の音楽をやってグランプリを取ったということで、
やはりというか、当然のごとく恐れていたことが起こった。
「ファンキーさん、我が重慶雑技団はアメリカで公演を行うんですが、
その音楽も是非!!」
何度も言うが、ワシは基本的にこのテの仕事を好きでやってるわけではない。
まあ自分のバンドのためには何でもやるが、
作曲でもアレンジでもプロデュースでも、
ドラム以外の仕事は自分のバンド以外では基本的に「人助け」である。
まあ世の中往々にしてそっちの方が大きく評価されたりして、
本職よりも仕事が多くなったりする。
まあそこで多くのミュージシャンは商売替えしてそっちを本職にしたりするが、
ワシとしては・・・
本末転倒になるとドラムがヘタになるからイヤなのよん!!
というわけでデブのキーボードにまた、
「ワシは子育てに忙しいからお前やれ!!」
と言うとまた泣きが入った。
「あの人たち、今度は演目のプログラム送りつけて来て、
全曲やってくれって言うんですぅ・・・。
とてもじゃないけど無理ですぅ・・・。」
ひとつの仕事が大成功して評価されると、
通常はその値段は飛躍的に高くなり、労力は下がるのが常だが、
ここ中国では往々にして逆になる場合もある。
「全部で8曲、しかもギャラは前回より安いですぅ・・・」
しかしいいこともひとつだけある。
今回は旧正月までに全ての仕事を納めてくれと言うのである。
「よっしゃ!!引き受けた!!」
な、な、なんでですか・・・
びっくりするデブ。
なだめるワシ。
「あのな、前回の仕事みたいに締め切りまで時間がたっぷりあるとな、
ああいう人たちは満足するまで何回でも直しを要求するだろ。
考えてもみぃ。結局お前が苦労して直した部分、
結局最終的には最初のDEMOと同じになっちゃっただろ。
しょせんは最初を超えられないのよ。
時間がないぶん、直しを入れられないので今回の仕事は逆に楽だ!!」
断言するワシ。
不安がるデブ。
「ほなよろしく!!」
でぶっちしようとしたらデブが泣くのでやっぱワシも一緒にやることにした。
おせち食いながら、
「ほな4日に北京帰るから1週間で全部やろうな」
デブにお気楽にメールするワシであった。