中国ロックの歴史上で一番金を稼いだバンド「零点(ゼロポイント)」・・・
ワシがプロデュースを引き受けるようになったいきさつ
一緒に成し遂げた6万人コンサート
その後ボーカルが脱退し、何とか復活させたげたいと頑張ってはいたのだが・・・
ギタリストの大毛がまたおかしいことを言い出したのでやってられなくなってもうやめた(>_<)
もともとちょっとおかしいところがあったのだが、
この6万人コンサートが終わってからもちょっとおかしかった・・・
当時小室ファミリーが日本で大全盛だったのを受けて
「大毛家族」でスタジアムやるぞ!!とか・・・(涙)
いろんな業者とかも全部呼ばれて、ワシなんかも心配なので
「ねえこれ実現すんの?」
とか聞いても
「無理でしょ・・・」
と渋い顔・・・
こんな時には
「お金は前払いでちょうだいよ!!」
しかない!!
「払えない」即ち「この話はなかった」ということである。
その後ワシは一時期零点(ゼロポイント)の仕事は離れていたが、
その後復活のお手伝いということでまた仕事を始めた。
お金さえもらえれば何ぴと様でもクライアントなので、
ちゃんと値段決めてギャラさえ払ってくれればワシなりにそれはそれは愛情を込めて一生懸命やってあげた。
しかし最終的には昔のメンバーを訴えたり、話はどんどんきな臭くなって来るし、
大毛が「メンバーには言うなよ、次はこれをやってくれ」と変なことを言い始める・・・
いくら何ぴと様でもクライアントであろうが、
ワシはバンドに雇われてるんであってこいつに雇われてるわけではない。
「バンド内でちゃんと話してから持って来ないとやれないよ」
とはっきりと通達、その後
「でもやれ!!」「やらない!!」
で、それ以降彼らとは仕事をしていない。
その後数年、個人的には朝洛蒙(Chao LuoMeng)や新ボーカルの老五(LaoWu)とは仕事をしたりしていたが、
ここに来て今回メンバーを一新して完全復活!!
「リハーサル見に来てくれ」と電話があった時から実はちょっとイヤな予感がしてたのだ・・・(>_<)
まあその時は
「どうだい?新しい零点は?」
とか、純粋に元プロデューサーに意見を聞きたいのかなぐらいに思ってはいたのだが・・・
一本の電話があった・・・
「Funkyさん、今日空いてるか?単独で会ってお話ししたいんだけど・・・」
この「単独(dan du)」というのがクセモノである。
つまり「メンバーの誰にも知らせるな」ということである。
知らせるに決まっている!!(>_<)
今はたったふたりとなってしまったオリジナルメンバーのキーボード朝洛蒙(Chao LuoMeng)に一報入れておく・・・
まあこいつはモンゴル族で酒の飲み方がちょっと頭おかしいだけで、
仕事としてはちゃんと一緒に出来るヤツなのでよい。
「そうかぁ・・・じゃあ大毛と会った後に来てくれ」
ということになった。
さてその当日、ワシの車はナンバー制限
(北京は渋滞緩和のため五環路内をナンバーの末尾の数字と曜日で日替わりで入れないように制限している)
で入れなかったため、
「今日は足がないから無理〜!!」
とメッセージ送ったが、さすがに大毛・・・
「じゃあ誰かに迎えに行かせるから」
そこまでやるか・・・(>_<)
豪華な車が迎えに来て、
どこやら豪勢なレストランの社長室でその社長を紹介される・・・
そのチェーン店とタイアップして「零点白酒」を作るのだとか・・・(>_<)
まあその辺は勝手にやっててくれてよい。
音楽に関することしか手伝えんし、
以前はフォードかなんかのキャンピングカーとタイアップで何たらで、
ワシには一台くれるとか言ってたが当然もらえてない。
万が一タイアップが成功したらワシに白酒一生ぶんくれたらそれでいい(笑)
そしていよいよ本題である。
「ファンキーさん、6月27日空いてるか?」
またこれが運悪く(笑)空いてるのである(>_<)
本人は興奮しまくってるし、早口なのでよくわからんが、
まあドラムを叩いてくれと言うなら別にいつでもどこでも・・・
しかしここでちょっと気になる名前が出た・・・
「Funkyさんがドラムでベースは王笑冬(Wang XiaoDong)・・・」
いや、あんた・・・血みどろの大げんかして別れた昔のメンバーって無理やろ・・・
まあワシとしてはこの名前が出た瞬間から話半分に聞いている(笑)
アレンジの仕事とかと違ってドラムを叩くならスケジュールを押さえといてダメになったらまたその日に別の仕事を入れればそれですむし・・・
話半分に聞いて朝洛蒙(Chao LuoMeng)のところへ向かう・・・
「こんなこと言ってたよ・・・」
「不可能(BuKeNeng)」
「そうでしょ・・・」
「脑子有病(NaoZiYouBing)。。。」
ちなみに中国語で頭がおかしいことをこのように言う・・・
「じゃあワシ・・・相手しなくていいよね!!」
まあこれで楽になったとばかりそう言い放つと、
朝洛蒙(Chao LuoMeng)が真顔でこう言う・・・
「相手しなくちゃダメだろ!!」
え?!!(◎_◎;)・・・
「病気なんだから誰も相手にしなきゃどんどん悪くなっちゃうだろ!!
だから相手しなくちゃダメ!!」
え?!!(◎_◎;)・・・ワシ・・・バンドのメンバーでも何でもないんですけど・・・
かくしてワシは内モンゴルにいる・・・
何でもここのコンサートでロートタムと中国大太鼓叩いて全曲参加するんだと・・・
「あの時の工人スタジアムのように・・・」ですと・・・
リハも一回もやってないんですけど・・・
音源も一曲も届いてないんですけど・・・
朝5時半起きでここに着いた・・・
巴彦淖尔・・・何て読むのかもわからん・・・
この街の一番高級なホテルに連れて来られた・・・
スウィートルームである。
とりあえず高級料理と酒を振舞われる。
ちなみにこの「零点白酒」完成しとるし・・・!(◎_◎;)
頭がおかしいと言っても強大な「力」はあるんだから時々実現してしまうところが恐ろしい・・・(>_<)
大毛が現れた・・・
ものすごい上機嫌でワシを地元のお偉いさんに紹介する・・・
「この人はFunkyさん、あの6万人コンサートも彼がいたから実現出来た!!」
その場にいるお偉いさん・・・ぼーっ・・・
大毛はますます上機嫌でワシの肩を叩いて酒を飲もうとする・・・
「お前・・・今晩ゲネプロでしょ?飲まない方が・・・」
心配するワシににこっと笑って、
「ファンキーさんが来てくれたからもう俺は何もやらなくていい!!
超安心だから飲んでもいいんだよ・・・」
(>_<)・・・
明日には王笑冬(Wang XiaoDong)も来ると言う・・・
「あれだけ大げんかして別れたのによく来ることになったねぇ。。。」
彼と連絡を取ったらこう答えた。
「何ぴと様であろうが仕事くれたらクライアントだからね・・・」
さすがは今やこの国ナンバーワンのスタジオミュージシャン・・・
ワシも見習って頭のおかしい人の相手頑張ろう・・・(>_<)