李漠(LiMo)の話
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2010年09月25日(土)
女性ロック歌手「李漠(LiMo)」

李漠(LiMo)という女性歌手がいる。

オリジナルのロックナンバーを歌い、
失礼を承知で言わせてもらうとちょっとブサイクで、
それがまた「ロック」を醸し出していていい感じである。

韓陽(HanYang)とか馴染みのミュージシャンと一緒にバンドを組み、
うちで延々1年以上アルバムをレコーディングしていた。

前回北京に来た時にLaoLuanから
「今回彼女と契約してアルバムを発売することになった」
と聞いてちょいと心配していた。

「彼女と」ということはそれはバンド名義ではないということ。
そしてそのうちでレコーディングした音源をそのまま出すということ。

うちはそりゃ人助けでやってるので銭金はどうでもよいが、
それにしてもそれをそのまま勝手に発売して何の見返りもないというのは少々面白くない。
相手がLaoLuanじゃなかったら殴り込みに行くところだ。

またバンドメンバーにとっては、
「バンド」のために一生懸命頑張って、
やっと1枚のアルバムを作り上げたと思ったらそれが個人名義のアルバムとなってしまい、
何よりもそれからブッキングされるライブのメンバーが自分たちではないということだ。

ドタキャンになったが10月2日の天津の音楽祭ではワシがドラムを叩くことになっていた。
バンドのドラマーの気持ちを考えると複雑な心境である。

要は「順序」の問題なのである。
ワシとて本人から
「あの音源発売することになったけどお金にならないの」
と言われてたら「しゃーないなー」で終わってしまうが、
本人からではなく他所から聞いたら
「どーなってんの?」
ということになる。
バンドのメンバーとて同じである。

よけいなおせっかいとは知りながら彼女を呼び出した。
とくとくと話すワシの言葉を目に涙をためながら聞いている彼女がまたブサイクでよい。

こいつが美人だったらきっとワシは助けてなかっただろう。
何より美人だったら元々こんな金にならないロックなんてやってなかっただろう。
「美人」はそれだけで金になるのだから・・・

おせっかいついでにLaoLuanに電話した。
「これはメンツの問題だ!!
あれを発売して少しでも金が入るのならそれをバンドのメンバーで分けようぜ」
金が入らなくたってそれでもいい。
これで奴らはLaoLuanとのコネクションが出来、
何らかの仕事をまた振ってもらえたりする。

中国の仕事は全て「関係学(コネクション)」で出来ている。
ひとつの仕事が金になるならないよりも「関係学(コネクション)」を作れるだけで大きな功績なのだ。

これでいいのだ!!

PS.うちで録った彼女の作品をここで聞くことが出来る。
久々に聞いたがなかなかいいぞ!!頑張れ!!


カテゴリ:おもろい話(北京), 李漠(LiMo)の話
 
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