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2011/08/14

加納秀人セッション

「外道」というバンドが昔あった。
いや、今も実は存在している。

ワシが高校の頃、最初に坂出市民会館のステージに立った時、
演奏した曲はDeep PurpleのHighway Starと外道の「香り」であった。

当時四国にはまだ「ロック」と呼ばれるあらゆるものが手に入りにくく、
思えばレコード屋の兄ちゃんが、
ワシのような学校帰りの純朴な不良高校生を捕まえては
「ロックとは何ぞや」 と講釈し、
ミュージックマガジンたらロック雑誌を見せては、
「お前らも演歌や歌謡曲なんか聞いたたらあかん!!これを聞け」
とばかりそのレコードを注文させた。

注文してからワシに渡すまでは店でBGMとして流して
自分としては飽きるまで聞きたかったレコードが聴けるのだから、
思えばこの兄ちゃんにいいように利用されていただわけだが、
そんな中にこの「外道」のライブアルバムがあった。

中学校の音楽室でベンチャーズのドラムは叩いたことがあったが、
ツツタツツツタツとHHを8分で刻むのではなく、
ドンパンドドパンとオープンHHを4つで刻む叩き方に衝撃を受けた。

そして悪友達とヤマハ主催のアマチュアコンテストに応募して、
最初にこの曲をコピーして、
それを見に来ていた中学生の女の子と初恋に落ち・・・

思い出には語り出すと山ほどになってしまうが、
まあ原体験と言うか、間違いなく「外道」はルーツである。

今X.Y.Z.→Aで叩いている高速メタルのビートは、
ワシの場合他のメタルバンドの影響でも何でもなく「外道」なのである。

また「外道」というネーミングがインパクトあった。

高校の校長室に呼ばれて説教を受けた時も、
「俺は外道なんだからアンタ達とは違う」
と捨て台詞を吐いたこともあった。

まあ今でこそ「ロック」という言葉があるが、
当時はその「ロック」というあらゆるものがないうちに「外道」を聞いたのだから仕方ない。

結果ワシはビートルズもローリングストーンズも一切聞かずに、
いきなりパープルやツェッペリンやフォーカスや、そして外道だった。

そんな「外道」の曲をその御本家とプレイすることが出来るのだ。
ワシは非常に興奮していた。


そしてそのセッションの前日、送られて来た音資料を聞いた。
なんとその懐かしい音源がそのまま入っているではないか!!

しかし譜面と照らし合わせてみると、
ワシが聞いてない曲の譜面は全部揃っているのに、
あのデビュー盤の音源の楽曲の譜面がない。

「そこまで言うんだから外道の曲ぐらい叩けるじゃろう」
ということなのか?・・・

何せ大先輩もいいところなので緊張も並大抵ではない。
とりあえず古い外道の曲も全部譜面にさせて頂いた。


本番当日、早めに入ってリハをしようと言うので、
3時入りというのにワシは2時に入って御本家の到着を待った。

「怖い人」というイメージがあったが、想像以上に優しい人だった。
この人がその昔関東じゅうの暴走族を束ねていた人なのか・・・

ニコニコ笑いながら武勇伝を語ってくれる。

「いやー昔はねえコンサートやったら何千台もバイクが集まってねえ。
ひどい時には厚木から横浜まで彼らが全部交差点封鎖してくれてさあ、
赤信号で一度も止まらずに突っ走ったこともあったなあ・・・」

いろいろ聞きたいことは山ほどあったがとりあえずリハーサル。

変拍子やセクションの多い1曲目の曲をプレイした後に、
「君ぃ、凄くいいよ!!俺の好きなタイプのドラマーだよ」
と褒めてくれる。

そりゃそうだ。ワシのルーツは「外道」、
つまりあなたの背中を追いかけてここまで走って来たんですよ。

さて楽しみにしていた外道の曲、40年振りに御本家とリハ・・・
と思ってたらいきなり
「この辺の曲はもうやんなくていいよね」
と言ってリハ終了。

加納さん〜あなたはもう飽きるほど歌ってるからいいけど、
ワシは初めて・・・でもないか、40年振りやけど・・・ま、いいか・・・

チャックベリーという人が全米ツアー廻るとき、
現地現地で地元のバンドを使うのだがリハに来ない。
ぶっつけ本番でいきなり現れてイントロを弾き始める。
何の曲だかわからずにおろおろするメンバーに、
「お前ら、俺の曲も知らんのか!!」
と怒鳴ったという伝説があるが、
加納さんも「お前、俺の曲も叩けんのか!!」と怒るつもりか・・・(怖)

しかも外道の曲はほとんどがギターから始まる。
ライブ後半の曲は「だいたいこの辺の曲かな」という感じで、
別にびっちり曲順が決まっているわけではない。

ギターのイントロを聞いたら瞬時に何の曲か判断して譜面を並べ、
そしてぶっつけ本番でそれを叩かなくてはならない。


いざ本番、「ビュンビュン」のイントロが始まった。
続いて「香り」、「完了」と来る。

40年近くたっても身体が覚えてるのな・・・

いやー感激であった。
9月2日にもう一度やるのでそれも楽しみである。

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