2010/02/01
「集金」というお仕事(?)
ワシはどうも人より「偶然」が多いと見える。
サンフランシスコの交差点で日本から旅行に来ている知り合いと偶然すれ違ったり、
飛行機で知り合いに会うなんざしょっちゅうである。
今回はまた、行きの飛行機でLAで知り合った日本人と一緒になった。
奥さんと北京に旅行に行くところらしい。
そして座席に着いたら今度は隣にソン・ルイという日本に住む中国人ギタリストが座っていた。
前回一緒にバックバンドの仕事をしたミュージシャン仲間である。
聞けば今回も曲世聡の仕事だというので、
そう言えば前回のギャラをまだもらってないので見に行くことにしたのだ。
いわゆる「集金」である。
仕事内容はまたバックバンドというが、
行ってみると音楽賞の受賞イベントで、
生バンドの出演は2曲のみ。
しかも夕べのゲネプロは朝4時までやっていたというのだから、
今回の仕事はワシでなくってよかったと胸を撫で下ろす。
いわゆる「歌謡ショー」のステージは、
ワシひとりで見るにはあまりに退屈だった。
そう言えばワシはあんましコンサートを見に行くことがない。
コンサートは「見に行く」ものではなく「出演しに行く」ものだったのじゃ・・・
しかもこれはもう既に「コンサート」ではない。
有名歌手、女優等をしこたま呼んで、
授賞式の公開録画を金を取って体育館クラスでやっているだけのもんである。
授賞式ももちろん見に行ったことはない。
「出演する」か、もしくは「受賞しに」行くだけである。
数年前は受賞すると思ってなかったのでジャージとか汚い格好で行ったら、
参加したロックオムニバスが最優秀ロックアルバムを受賞し、
プロデューサーだけではなく参加者みんな壇上に上がれと言われ、
みんな正装してるのにあまりに恥ずかしいのでこそこそ逃げ帰った記憶がある。
それにしても受賞イベントはつまらない。
昔はもっと知り合いがいっぱいノミネートされてたり、
自分がレコーディングした曲が受賞したりしてたものじゃが、
ワシらが参加しなくなったから受賞する音楽がつまらなくなったのか、
はたまた単に時代が変わったか・・・
そんなことを考えながら待てども待てどもバンドが出て来ない。
もう飽きてしまって早く帰りたいのじゃが、
帰ってしまってはまたギャラをもらいそびれてしまうので我慢して見る。
「先にギャラくれよ」と言ってもみたのじゃが、
「仕事終わって一緒にメシ食おうよ、その時に渡すよ」
と言われたら待つしかない。
ほんま中国って何でもかんでもメシ食わねばならないので大変である。
やっと授賞式が終わったが、
ヤツらは機材片付けがあるので、
「どこメシ行くの?先に行っとくよ」
と言って先に会場を出た。
思えば今回はまだ一度も北京料理を食ってない。
これが今回最後の食事になるので是非北京料理を食いたかったのじゃが、
指定されたレストランは何と香港レストランだった。
ちょっと残念じゃが中華は中華なので、
腹がへってたまらないので先にいっぱい頼んでやけ食いした。
当然ながらみんなが集まった頃には満腹である。
おまけに車で来ているので酒も飲めない。
ながーいながーい酒盛りに付き合ってやっとギャラがもらえた。
ごっつい札束をもらってむっちゃ稼いだように見えるが、
実は最高額紙幣が100元(1500円ぐらい)なので、
日本円にすると何ぼにもならんのよーん。
でもまあ、遊んでるみたいなもんやからええか・・・

