先日は店で「ファンキー末吉とドラムミーティング」なるイベントを行った。
「ファンキー末吉と飲みながらドラムのことを語り合おう」
というこれまたコアな内容の飲み会に、
誰が来るんだろうと思ってたら意外とたくさんの人が集まってくれてびっくりした(笑)
ドラムクリニックなんかをやっても
「では何か質問がある人!!」
と言っても誰も手を挙げないくせに、
全部終わって片付けとかしてたらみんな質問に来るという現象を日本でも中国でもよく経験したが、
こうして飲みながら質問するというのはハードルがかなり低いのでみんなも楽しいのだろう。
まずは店のドラムセットをメンテ!!
ヘッドを全部外して緩んでいるネジを全部締める。
入場料払ってやって来た客にそれを手伝わせたり、
六角レンチがなかったら客に買いに行かせたりと、
前半はゆる〜くゆる〜く始まり、
タムのチューニングの時にはとくとくと持論を説いてみたり、
まあ中盤から徐々に「ドラムミーティング」っぽくなって来る。
酒を飲んだらドラムを叩けなくなるのでセッティングが終わったらさっさとデモ演奏!!
全中国パールクリニックツアーのために作ったVisionRocks等の曲を数曲演奏して「飲み」!!
飲みながらゆる〜く色んな質問に答えてゆく。
聞く方も答える方も飲んでるのだから遠慮がない(笑)
そのうち「おいお前、ドラム叩け!!」と客をステージに上げる。
老若男女入り乱れていろいろドラムを叩かせているうちに、
小畑秀光のバンド「秀光」のドラマー、響太の番になり、
「お前ドラムソロって出来る?」
という話になった。
「いや、出来ません」
と言うので、
「それじゃあ俺が出来るようにしてやろう」
となる。
ドラマーにとってドラムソロは高嶺の花のように思えるだろうが、
コツさえ掴めば簡単なことなのぢゃよ。
要は「構成力」!!
特にテンポの決まってないフリースタイルのドラムソロは、
自分の叩けるフレーズをどう組み立てるかということだけによってびっくりするほど完成されたドラムソロになる。
「取りあえず好きに叩いてみて」
出来ても出来なくても取りあえずソロを叩かせてみる。
「出来ません」
と言って途中で挫折するのだが、それでもいろんな叩けるフレーズ、叩きたいフレーズが出て来る。
その中で印象に残ったフレーズ、ああこれを叩きたいんだなというフレーズを頭に留めておくのだ。
「じゃぁソロを作りましょう」
フレーズを整理してゆく。
「まず初っ端はさっき叩いたシンバルものね!!」
初っ端は「掴み」なのでインパクトが必要である。
「次はタムものね」
タム回しには所々ブレークを入れるように指示する。
その方が単調にならなくてよい。
「じゃあ次はリズムもの」
本人が叩きたがってた6連のバスドラの前に16分のバスドラを付け加える。
ここは少々テンションを落としてもいいのだ。
ウルトラマンを見てみろ、
最初っからスペシウム光線を出せばいいのにその前に長々と空手チョップだのを出しておる。
つまり空手チョップみたいなユルい技を出しとかねばスペシウム光線も効きやしないのだ。
ところがやりたがってた6連のフレーズもいざやってみると怪獣が倒れるまではいかない。
「じゃあそこでもう一度16分に戻ってみて」
押すばかりでは怪獣にも効果がない。
時には引いてみるのも効果的である。
「じゃあ最後にブラスト!!」
デスメタルなどにある4倍速のビート、
この速度でやると死んでしまうだろうが遠慮なく死んで下さい!!(笑)
ちゃんと叩けるか叩けないかは関係ない、死ぬか死なないかなのです。
ここで見事死んでしまえたらドラムソロは完成です!!
あ、死んだ・・・
いや、もう一回最初っから同じように叩いてみてくれる?・・・
最後にもっと盛り上げるフィナーレが必要じゃが・・・
何?もう技がない?・・・じゃあ簡単なのを伝授しよう。
シンバル叩いて最初はゆっくりから段々速く、最後にはやはり死んで頂こう!!
あ、死んだ・・・
いかんいかん、忘れんように一度録画しとくから最初っからもう一回叩いてくれる?(笑)
かくして響太のドラムソロが出来上がった。
おう、叩けるフレーズだけで見事にドラムソロが完成されておる!!
あとは毎回ライブでやって技を足したり引いたりしてゆけばよい。
「間」とかはお客さんがいないと実際わからんからの〜
見届けに行ってやって下され〜