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2019/04/09

歌と共に暮らす少数民族たち

ツアーの移動日は、だいたい着いたら夕方、
そのままホテルにチェックインして飯を食いに行く。

それで一日終わりである(笑)
まあ「移動日」ですからね、これでミッションだん!!

飯は今回のように地元のライブハウスのオーナーが奢ってくれることも多く、
今回も予想に違わずオーナーがご馳走してくれた。

オーナーが店からワインを持って来てくれて、
(持ち込みOKの中国って本当に素晴らしい)
それを飲んでバタンQ(死語)。

老人なので早起きだが、
8時とかに寝てしまったら夜中の2時とかに目が覚めてしまう(>_<)

トイレに行ってふと外を見ると・・・

階下では屋台が出ていて、
そうかぁ・・・去年もここで飲んだなぁ・・・

打ち上げなう〜@安徽省銅陵(どこや?笑) 炭锅羊肉という食べたことのない料理に遭遇!! まあ隅でぐつぐつ煮る火鍋のようなものか・・・美味!!! - Spherical Image - RICOH THETA

みんな寝てるかなぁ・・・と思いつつ、
ツアーメンバーのWeChatグループに階下の写真を送ってみたら・・・

スタッフのヤオヤオとベースのダーウェイが食いついて来た(笑)

そして3人で飲み始めたのだが、
向こうの屋台から何やら歌声が聞こえて来る・・・
少数民族の歌である・・・

いいなぁ・・・流行歌なんかと違って、民族の歌は何百年も歌い継がれている。
「流行」しなくなったら誰も歌わなくなる「流行歌」とはそもそもメロディーの「力」が違うのだ・・・

・・・てなことを考えてたらその御一行が隣のテーブルにやって来た。
よも更けてきたので向こうの屋台はもう閉まって閉まったのだろう・・・

「タバコどうですか?」
お兄ちゃんが私たちにタバコを勧めて来るが、こちらは誰もタバコを吸わない。

「私たちは少数民族でねぇ・・・」

何やら会話の中にやたらと「少数民族」という言葉が多く、
一瞬「民族独立」やらきな臭い活動に勧誘して来るのかと身構えたが、
どうやらそうではなく、単なる自己紹介であったらしい(笑)

彝族・・・日本語の発音と似ている言葉を話し、日本人の祖先ではないかと言う人もいる・・・

気になってネットで探してみたらこんな話も・・・

イ族の友達というと、有名なのはこの人!!高洪章(Gao HongZhang)

この時からの付き合いで、昆明にライブに行った時にはわざわざ駆けつけてくれて酒を奢ってくれたりした。

ちなみにYouTube映像で彼が歌っている曲を彼らが向こうの屋台で歌っていた曲である。

「喜欢呢,也要喝,不喜欢,也要喝,管你喜欢不喜欢也要喝(好き?じゃあ飲まなきゃ。嫌い?でも飲まなきゃ。あんたが好き嫌い関係なくやっぱり飲まなきゃ)」
という酒飲みの歌・・・

少数民族は嬉しい時も悲しい時もこの歌を歌いながら酒を飲む。

そしてこの安徽省銅陵で会った彼ら彼女たち、
故郷を離れ、この田舎町にやって来て、仕事終わってまたこの歌を歌いながら酒を飲む。

「この娘はね、四川省から来たんだ。この娘はね。雲南省」
そうやってそれぞれを紹介してくれるのだが、
何省などと言うのは所詮は国が勝手に行政区分として線を引いただけで、
彼らは中国なんて国がなかった頃からずーっとそこで暮らしていた。

それだけのことである。

漢民族がやって来て、勝手に「国」などという集合体を作ってそこに入れられて、
今は漢民族の言葉である「中国語」を喋って暮らしているが、
こうして同じイ族の仲間と酒を飲む時はイ族の言葉で喋り、そして歌う。

彼らはこの向かいの24時間営業のマッサージ店に住み込みで働いている。

別に今日が特別の日だから酒を飲んで歌っているわけではない。
こうして真夜中まで働いて、仕事が終わったらこうして酒を飲んで歌う。
辛い時も楽しい時もこうして楽しく飲んで、そして歌を歌う。

私たちがプロのミュージシャンだと聞いてこんなことを言う。

「僕たちは歌が大好きなんです。でもそれはただの趣味。プロのミュージシャンなんて素晴らしい」

私は「違うよ!!」とそれを否定した。

プロであるか趣味であるかなんて、しょせんはそれで「金を稼ぐ能力があるかないか」というだけの話であって、音楽はそれを愛する全ての人のためにあるのである。

音楽は決して「金を稼ぐ道具」なわけではない。
それを愛する全ての人が、こうやって「生活」の中でそれを歌って、生きてゆく・・・

音楽があるから「明日もまた生きてゆける」・・・
なんて思ってくれたら作った人はどれだけ嬉しいだろう・・・

彼らはこうやって楽しく歌って飲んで、
千鳥足で向かいのマッサージ店に向かって帰って行った。

気がつけば私たちの分もお勘定を済ませてくれていた・・・


音楽を生業にして、毎日音楽だけをやって暮らしている人もいる。
仕事は決して自分の好きな仕事ではないけれども、毎日音楽と共に暮らしている人もいる。

問題はどちらが「幸せ」か、ということである。

毎日音楽をやって暮らしているけど幸せではない、
そんな生活だけはまっぴらゴメンだな・・・彼らを見てたら本当にそう思う。

そうですな、明日も楽しくドラムを叩くとしますか・・・

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