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2013/07/11

ドラムで最も大切なのは構成力

中国でドラムクリニックなどをする時、
食い入るように「テクニック」だけを見てるアホがいる。

ひとりでドラムを叩くのだから、
そりゃデモ演奏曲はテクニカルな楽曲ばかりを用意しているが、
そんな鬼のような手数フレーズや、
難解な変拍子フレーズなんぞいくら仕事やったってまず使うことないぞ!!

中国人は往々にして即物的なモノの考え方を持っているので、そんな時には
「よし、お前に一番金になることを教えてやろう」
と言って一発バラードなんぞを叩いてみせる。

なにせ中国のスタジオ仕事のほとんどはバラードぢゃからな。

例としては中国人なら誰でも知っているBEYONDの「海阔天空」などが望ましい。

ワシはこの曲を叩かせたら誰よりも上手い自身がある。
(オリジナルを叩いているWing本人を除く)

北京でPaulとWingが対バンをした時、
Wingが歌うこの曲のワシのドラムを聞いて、
Paulバンドの若い香港人メンバーは皆腰を抜かしていた(笑)

この曲は1コーラスの間ほとんどドラムを叩かない。
サビが終わってやっと盛り上がった時に、
フォルテシモ(と言っても80%ぐらい)でキメを叩く。

そしてそのまま盛り上がるように見せかけてちょっとだけ力を抜いてやるのだ。
そうすることによってこの曲のキモである間奏のサブメロディーがとてつもなく「悲しく」聞こえる。

ちょうどワシが叩いたシンガポールだと思うが映像がUPされていたので聞いてみて欲しい。
こちら、3分15秒あたりから)

残念ながらその後の盛り上げの部分がぶつ切りになっているが、
その後大サビになった時にはフォルテシモまで盛り上げるが、
サビに入る時にはまた少し力を抜いてやる。

この時に「スローボールは決して力のないボールではない」という原則を忘れてはいけない。
「気持ち」まで抜いてしまってはならない。
力一杯命をかけて力を抜くのだ。

そして途中アカペラで歌って、
次にサビに入る時には今度は90%まで盛り上げといて、
最後のサブメロディーに入る時にはまた少し落としてやる。

ここまで来れば号泣しない中国人はいない(笑)

その後のギターソロはもう好き放題、
100%を越えて力の限り叩きまくってもよい。
何をやっても中国人は号泣するだろう・・・

・・・何故かって?・・・ワシこそが一番泣きながらこれを叩いているのだ。

間奏でちょっと力を抜く時にはいつも死んだ黄家駒のことを考えて、
「世の中には思い通りにいかないことがあるんだ」
という気持ちがこみ上げて来る。

フォルテシモには自分の人生の全てがその中に表現されている。
怒り、悲しさ、無力感、希望、絶望・・・

どうだ?若造、ドラムを叩いて金を稼ぎたいんだろ?
これこそが中国で一番「金になる」ドラムだ!!

・・・と言っても大体がドラム叩いて金にしようと思ってる人間に、
そんなことを感じ取れる「心」があるわけがない。

「あのう・・・この曲だったら僕もバーのハコバンでよく叩いてましたし・・・」

アホか!!お前のドラムとワシのドラムのどこが違っているか分からんヤツが、
ワシのドラムから何かを学べるわけがないじゃろ!!

全くもってアホは手数しか見とらんからな。
そんなヤツほど覚えたてのかっこいいオカズをやたらめったら入れまくって喜んでいるのぢゃ。

若造、教えてやろう。ワシにどうして仕事が来てお前に来ないのか。

ワシと一緒にやっとるプレイヤーはみんな言っとるぢゃろう。
「ファンキーさんと一緒に演奏してると曲を間違えない。
今が曲のどの部分にあるのか、いつサビが来るのか、
その時に自分はどのようにプレイしなければならないのかが全部わかる」
と・・・

オカズはそのように入れるものなのぢゃよ。
手数なんて関係ない。

「はい、サビですよ」
とか、
「はい、Aメロですよ」
とか、
「はい、もうすぐギターソロね、盛り上がりまっせ〜」
とかな。

例えばサビに入る時に1小節付け加えているような構成の曲もあるぢゃろ、
そんな時にはその部分に逆にわざとオカズを入れないのよ。
通過して、その付け加えた1小節の部分ではじめてオカズを入れる。

逆に付け加えてない部分には必ずオカズを入れるのよ。
そしたら、
「あ、1番は付け加えてなくて2番は付け加えてる」
ってのがはっきりわかるぢゃろ。

時には入れて時には入れないとかやってはダメじゃ。
入れるなら必ず入れる、入れないなら必ず入れない。

ドラマーはバンドの指揮者ぢゃ。
メンバーに絶対的な信頼感を与えていなければならない。

もちろんミストーンなどはもってのほか。
ドラマーは絶対に間違えてはならぬ!!

それぐらい絶対的な信頼を与えておけばもう、
プレイヤーもそれぞれ勝手に解釈して演奏したりしないぢゃろ。

全部が全部ドラマーの描いた絵の通りに演奏するとバンドがまとまるぢゃろ。
バンドがまとまると歌が歌いやすいぢゃろ。

そしたらその歌手は必ずお前を呼んでくれるではないか!!

それで初めてお前は金を稼ぐことが出来る、と・・・
風が吹いて桶屋が儲かるより確実ぢゃろ。

わかったか、わかったらビール奢れ!!
授業料ぢゃ!!

今は40円のビールでいい。
しかしお前が本当にこれで儲けたら今度はもっと高い酒をワシに奢れ!!

わかったな、じゃあ今日は朝まで飲むぞ!!

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