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2010/10/12

ところ変われば音楽制作変わる

映画音楽とかを「劇バン」と言って、
日本のスタジオ仕事では
「劇バンだからギャラはごめんね」
と言って1日で数十曲まとめて録ったりする。

ワシはやったことないが和佐田なんかはオーケストラと一発録りで、
誰かがミスをしたら全員でやり直しなので、
譜面初見でノーミスで演奏という過酷な仕事となる。

それもこれも日本はスタジオ代が世界一高いのだから仕方がない。

ところが最近では音楽ソフトウェアの充実と、
誰でも自宅スタジオを持てる環境となったので少し違って来たのは日本も中国も同じである。

ワシも北京にスタジオを作った時に「元が取れますか?」と人に聞かれたが、
音楽制作をする人間にとってよそにスタジオ代を支払わなくてもいいのはとても大きい。

今回映画音楽を一緒にやっているLuanShuも自分でスタジオを持っているので、
言ってみればスタジオは使い放題!
予算に入らないというわけである。

今回は大監督の仕事で予算もあるということで、
「生バンドでやる!!」
ということで集められたこのメンバー、
考えてみたら非常に効率的なメンバーである。

ギタリストの趙衛はそうでもないが、
キーボードの張張はピアノプレイだけでなくテクノ系のアレンジに長けているミュージシャンだし、
ベースの李劍もMacを操って器用にアレンジをするミュージシャンである。

そうなるとこの制作現場は考えてみれば非常に効率の良い音楽工場のようである。
趙衛がギターを録音してる隙に張張が音色を探し、
隣では李劍が電子系のループ等を作っている。
ワシはドラムが終わればブラスをアレンジし、
サンプルを出力してメインコンピュータに貼付ける。

ひとりの力では出来ないものをみんなの力を借りてもっとレベルが高いものを作ろうとするなんて、
団体競技の苦手な中国人らしからぬやり方である。

ここで発覚したのが最近ヤツらの使っているソフトウェアが変わって来ていることである。

録音はProToolsを使ってやるのは変わらないが、
以前はWindowsPCでCuBaseを使うのが主流だったが、
最近はMacでLogicを使うのが主流なようだ。

当然ながら海賊版である。

もう10年近く前になるが、
売れっ子アレンジャーが近々ソフトウェアを一新するのに
ハッカーの若い衆に最速のパソコンと共にシステムを発注してたので
ワシも便乗して作ってもらった。

10万そこそこの金で世界中の優秀なソフトと音色が入って届けられた時には肝をつぶしたが、
それよりも何よりもそれを使いこなすのに半年ぐらい徹夜せねばならないのが辛い。

何せループだけで何万音色あるのだ。
それぞれのソフトでどんな音色があるのか試すだけで数ヶ月かかってしまう。

それを今から全部Logicに変えてまた最初からやるのは気が遠くなるが、
しかし周りがみんなそうなって来ているなら互換性の問題でワシもそうならざるを得ない。

Logicのソフトウェアと音色は60G以上あるというのでワシのMacProにはもう入らない。
それより何よりワシはもう海賊版生活からは足を洗って、
今では日本でちゃんと正規版を買っている。
海賊版をひとつ入れてトラブルに見舞われるよりは
正規版買って業者に文句言う方がはるかに楽なのである。

「ファンキーさん、この際パソコンごと買い替えちゃいなよ」
とみんな言う。
代わりに買ってソフトも全部入れてあげるよ、と・・・
見ればMacは日本より中国の方がはるかに安いのだ・・・

いかんいかん!
そうやってまた半年間眠れない生活になるのはもうよそう・・・

アレンジャーという仕事は多かれ少なかれこのように機材の進歩についてゆかねばならないのが非常にめんどくさい。

当分ドラムだけ叩いて生活するしぃ・・・

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