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2009/12/15

音楽監督の立場とドラマーの立場

中国でこのような大仕事を受ける時には「音楽監督」という立場で仕事を受ける時が多い。
前回はYangKunという大歌手の復帰コンサートであった。

彼は苦節10数年、S社長に拾われて大ブレイクしたが、
事務所移籍に関してS社長ともめて、その結果鬱病を煩って一線を退いた。
そんな彼が満を持しての北京でのソロコンサート、
心配性の彼が訪ねて来たのはS社長の親友であったはずの私である。

「これは相当な覚悟でワシんところに来てるな」
と思ったワシは快く音楽監督を引き受けた。
それからの毎日は筆舌に尽くしがたい。

まず困るのが「舞台監督」との衝突である。
ワシとYangKunとはデビュー前からの付き合いだし、
レコーディングもライブも数々やったので心も通じ合っている。
ところが初めて会うその舞台監督のわけのわからん要求にキレるのはワシだけではなかったようだ。
当のYangKunも
「あいつの言うこと聞かなくていいから。
音楽は俺とお前で作ればそれでいい」
と言ってたぐらいで、最後にはその監督が何を言おうと誰も相手にしなくなった。

昨日のリハーサルでその監督を見た時には目を疑った。
「彼が今回の監督なの?・・・誰が呼んだ?・・・」
ワシは小声でプロデューサーの曲世聡に聞いた。

「前回のYangKunのコンサートが素晴らしかったんで僕が呼びましたが?」

アホか・・・あの監督がどれだけめんどくさいか・・・お前は知らんから・・・
と言おうとしてふと考えた。
別に今回はワシの立場は音楽監督ではない、
音楽監督はこいつである。
つまり監督がまたどんなめんどくさいことを言い出しても聞くのはワシではない、こいつなのである。

「よしよし、君がよければそれでいいではないか」

ワシは今日もリハに行く。
リハはだらだらと続く。
しかしリハが終わればそれで終わりである。
夜中に全部アレンジをやり直したりしなくてよい。
次の日に目を赤くしてやって来た彼の意見を聞いてまたドラムを叩くだけである。

楽しいかな、ドラマーの立場・・・
今はちょっと風邪ひきさんなので、
直ったらバンドのメンバー連れて飲みに行こうかな。

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