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2009/09/06

大仕事その2管楽器とパーカッション

ストリングスオーケストラが帰って行った後、
スタジオが次の管楽器録音のために大幅なセッティング替えをしてる間、
先ほど録ったストリングスを片っ端からデータ整理してゆく。

ブースの中で聞いているので録ったものをいちいちプレイバックしていない。
また、どの部分はどの部分を貼付けるとか計算しながらやっていたので、
それだからこそこれだけ短時間で録り終えることが出来たのだが、
自分の耳が、そして頭が少しでも悪ければそこでおしまいである。

ひとつひとつの録音を丁寧に聞いてゆき、
数テイク録ったものは一番いいものを選んで貼付けてゆく。
そんな作業をやっているうちに管楽器奏者がやって来た。

今回は管楽器はホルンだけである。
通常の編成では2本呼んでダブルで重ねて4本にするが、
何故かひとりしか呼んでくれていない。
「中国で最高のホルン奏者なんだ。ギャラも最高級だよ」
聞いてみるとひとりで800元(約1万2千円)持ってゆく。

日本のスタジオミュージシャンより高いやん!!

同時録音ではなくダビングだからひとりでよろしい!!
ポケットマネーでレコーディングしてるんだから破産してしまうわい!!

だいたいホルンはオープニングの曲のイントロの8小節だけしかないのだ。
時間で言うと20秒足らず。
譜面を見せたらあからさまに「これだけ?」という顔をしている。

「4本ダビングしてくれるかい?」
そう言うとよろこんで、
「没問題!!(ノープロブレム)」

・・・そりゃそうじゃろ・・・

BeijingStringsHorn.JPG

結局6本ダビングして5分足らずで帰って行った。
5分で800元・・・ワシは一体何をやってるんじゃろ・・・

いかんいかん!
音楽をつきつめる時に金を考えるとよくない。
もともと予算をそのままスタジオに渡しているのだ。
ブッキングもスタジオが責任持ってやってくれる。
ワシは音楽だけを考えていればいいのだ。

パーカッションが着くまでエディットを続ける。
「パーカッションは何時に着くの?」
ワシは9時40分の夜汽車で洛陽に行かねばならないのだ。
「楽器は・・・6時だな。奏者は・・・子供を迎えに行かねばならないので7時だ」

ブッキングしたのは女性。
一流の奏者であるが主婦でもあると言う。

「仕事だからすぐに来るように言いなさい!!」

人の都合よりワシ自身の都合である。
いくらコネで友人を呼ぶにしても金を払うのはワシなのだから・・・

奏者が先に到着した。
まずシンバルを録音する。
「どのシンバルがいい?」
向こうはワシがドラマーであることを知ってるので意見を請う。
とりあえず一番大きいのを選んで叩いてもらう。

このシンバルロールというのは言わば「芸術」である。
同じ打楽器奏者としてこのシングルストロークにはため息が出る。
ワシもよくドラムのレコーディングでやらされるが、
とてもじゃないけどこれだけ粒立ちのよいロールは叩けない。

そりゃそうじゃ、
この人たちはこのシングルストロークだけをひたすら練習して生きて来たのだ。
ロールに「命」がある。

あっと言う間に録り終わり、次は合わせシンバル。
猿のおもちゃみたいに左右からがしゃんと合わすのかと思いきや、
合わせシンバルは横にして、
叩くときに空気を逃がすように一瞬こすり合わせるのだ。

プロじゃ・・・

これもあっと言う間に録り終わり、
そうこうしているうちにティンパニが届く。
この引っ越し業者が実は今回のレコーディングの中で最高額の1200元(約2万円弱)を取ってゆく。

BeijingStringsTimpani.JPG

ティンパニはこの曲の要である。
機材レンタルして自分で叩けと冗談を言われるが、
とてもじゃないけれどもこのレベルで叩けない。
同じ打楽器奏者として悔しくはあるが、「餅は餅屋」である。
それに命をかけて生きて来た人にはとてもかなわない。

これもあっと言う間に録り終えてさっさと帰って行った。
所要時間10分そこそこである。
ちなみにギャラを聞いてみるとやはり最高額の800元。

ワシ・・・ドラムセッティングして30分、
音決めして30分、
いろいろ注文聞いてレコーディング30分、
片付けで30分。

ワシなんか2時間いろんな技を駆使して2000元なのに、
この人シングルストロークだけで10分で800元・・・

いかんいかん、金のことを考えて音楽は出来ん!
とりあえず全部録り終わったのだからビールを注文して
セルフ打ち上げをセッティングしつつエディット作業を再開。
順調に行けば仕上がった音をiPhoneに入れて夜汽車で聞ける予定だったが、
結局はエディットが間に合わず、そのまま夜汽車に乗る羽目に・・・

早く聞きたいよー・・・

洛陽から帰ったら仮ミックスをしてメンバーみんなにも聞かせてやるのさ!!

大仕事これにて終了!!

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