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2008/09/16

法事である

父の一周忌のため一時帰国。

葬式ではちゃんと喪服(服道楽だった親父のを拝借)で正装したが、
前回の四十九日では喪主が普段着だったのでえらい騒ぎになり、
結局果物を配達してもらった幼馴染の果物屋に
「ついでに何かお前の黒い服も配達せえ!」
と言って事なきを得た。

人間とは学習する動物なので、
今回は北京からちゃんと黒いTシャツでやって来た。
ズボンもちゃんと黒いジャージである。
上下黒なら何にも問題はあるまいと思ってたら嫁が、

「そんな服で行く気なの!!すぐに着替えなさい!!キーッ!!」

RockDamashii.jpg

アカンかなあ・・・
ちゃんと黒いTシャツで文字も白やからええと思たんやけど・・・

嫁に耳をひっぱられて黒い服を買いに行き、
どったんばったんでやっとお寺に着いた。
親戚一同は高知からマイクロバスで乗り付けている。

どうしてマイクロバスかと言うとこう言ういきさつがある。
高知の親戚代表の明子おばちゃん。
名前の通りとても明るいおばちゃんである。

「明日のお祭りのことやけんどねえ・・・」

高知ではどうも「一周忌」のことを「お祭り」と言うらしい。

「あんたぁ、どうするが?高知から親戚がこじゃんと行くがやけんど、
どうせやったらマイクロバスでも借りるかえ?」

「こじゃんと」とは「たくさん」という意味である。
このおばちゃん、東京から来たスタッフにカツオのタタキをふるまった際、
結局一言も喋っていることが理解されなかったという武勇伝を持つ。

「うちの知り合いが安っすう貸してくれる言ゆうけんど、
どうする?おまんが全部払うかよ?」

まあつまり親戚の分のマイクロバス代はワシが出せぇと、
それが高知のしきたりやと。
まあよかろう。

「坂出の親戚からぎっちぃ電話かかってきゆうでぇ。
そっちにも電話しちゃりぃやぁ」

かけてみると、
「覚くん、坂出のやり方ではな、
来た人に何かおみやげ包まないかんきんな、
とりあえず人数分そうめん注文しといたきんな」
主催地の坂出のしきたりで言うとそれもワシ持ちである、と。
ま、それもいいでしょ。

かくして「お祭り」が始まる。

Houji.jpg

葬式の時はさすがに神妙であったが、
人が死んで一年にもなるとさすがにそうは神妙ではない。
にこやかに、そして騒がしく雑談に花が咲く。
親戚とてこんな機会でもなければ一同に会するチャンスはないのである。

そして「お祭り」のフィナーレ、酒盛りである。
その酒代ももちろん言わずと知れたワシ持ちである、と。
相当な出費であるが、
ワシは何となく嬉しい気分になって来た。

うちの親戚は仲が悪かった。
(ワシが親戚と仲が悪かっただけか?)
昔の日本のことだから兄弟も多く、
親父がガンでもう長くないと聞いて、
ワシはいろんな親戚に会いに行った。

向こうはテレビで見たり
噂を聞いたりしてワシのことを知っているが、
ワシにとってはまるっきりの初対面である。

「すみません、ところでうちとはどのような関係の親戚なんですか?」

一言に兄弟と言っても、
ある人は母親を同じくする種違いの兄弟じゃったり、
またある人は父親を同じくする腹違いの兄弟じゃったり、
それはそれはややこしい。

しかし蓋を開けてみるとそれがこうして一同に会している。
親父も草葉の陰で喜んでいることじゃろう。

ある人はこう言った。

「盆だ法事だ言うのは、
死んだ人がそれをネタに親戚みんな集まって仲良うせいと言うこっちゃ」

ほんまじゃのう、ほんまじゃのう・・・と酒を飲む・・・

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