ファンキー末吉メルマガバックナンバー

No.155 「アウェーインザライフ」

「エンゲキロック」と銘打って、
筋肉少女帯とプロペラ犬という演劇ユニットが合体して舞台をやる。
その音楽監督に任命されたのがワシなのであるが、
待てども待てども全然仕事が始まらない。

考えてみれば筋肉少女帯の音楽で演劇をやろうということ自体が無謀だったのかも知れない。
脚本家は相当煮詰まって台本を書いていたのだと思われる。
出来上がった台本を読ませてもらったが、
その苦労の甲斐あって非常にうまく仕上がっている。

これをちゃんと演り切れば相当素晴らしい舞台になるに違いない!!

と思っていそいそと仕事に取りかかる。
音楽の通し番号に台本のページ数をつけて
「使用音楽一覧」として表を作成する。
これを見ればワシがどこにどのような音楽を散りばめようとしているのかがすぐにわかるというものである。

これを持って最初のミーティングの時、
演出家から
「ファンキーさんは舞台の音楽はよくやられてたんですか?」
と聞かれたので、
「舞台は昔、岸谷五朗と小泉今日子の舞台を一回やったっきりですねえ。
映画はいっぱいやりましたが・・・」
と答えたら、
「いやー、台本も読めない音楽監督が多い中でこの仕切りは素晴らしい!!」
と誉められた。

「台本が日本語なんだから私にしてみたら楽なもんです」

と言うと、
「その問題かい!!」
と笑われながら突っ込まれ、
初ミーティングはなごやかな雰囲気で終わった。

思えば最初にこの仕事を受けた時もTBS側には
「ドラマーなのに本当にこんな仕事が出来るのか」
という不安の色があったような記憶がある。

「ところ変われば」であるが、
中国の映画界ではワシのことは逆にドラマーだと知らない人が多いのにびっくりした。
「それで音楽監督のファンキーさんは楽器は何をやってるんですか?」
と聞かれてずっこけそうになってしまったことがある。

だから中国での活動を知らない日本人にとっては
逆にドラマーがこんな仕事をするのが不思議に思うのも頷ける。

異国の地でネイティブにその言語も喋れない人間が仕事をやってゆくことは大変である。
だからワシはワシなりのやり方を編み出して何とかやってきた。
このように仕切りをちゃんとやることもそうだし、
ネイティブに喋れない「言葉」ではなく人を説得してゆくための苦肉の策として、
このような表やリスト、DEMOなどあらゆる手段を使う。

先日は会議でも
「構成とキーが決まったら全ての楽曲を録音する!」
と発言して度肝を抜いた。

ワシにしてみれば自分ちにスタジオがあるんだからレコーディングなんぞ簡単なもんである。
4月から始まる歌稽古のために
毎回バンドのメンバーが生演奏でその歌稽古に付き合うことを考えると、
1日だけ集まって全曲レコーディングしてしまった方がどれだけ楽か・・・

というわけで今は北京でデブのキーボーディスト「ジャンジャン」とミーティング中。
「お前、全曲DEMO作っとけ!!」
ってなもんである。

「こんな難しい音楽やったことありませーん!!」

そうか・・・筋肉少女帯の音楽はやっぱ難しいか・・・
ピアノも三柴くんやしなあ・・・

デブ、これも修行じゃ!頑張れよ!!