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爆風スランプトリビュートアルバム WeLoveBakufuSlump

2012年11月 2日

相撲部屋

SakimotokunAsadesuyo.jpeg

エンジニアの崎本くんがうちに詰めて3日目、
嫁は布団のカバーを換えて泊まれるようにしてある。

ずーっと働いてるわけだから
間食以外のメシも食ってないし風呂にも入ってない。

「パパぁ、よかったらお風呂使ってねと言うといて〜」
と嫁は言うが、そんなヒマがないからこんな生活をしているのである。

夕べ(と言うか朝)は6時まで若いバンドのミックスをしていたらしい。
どだい朝10時からワシのドラムを録るのは無理だったのである。

ワシもスタジオからiPad等をそっと持ち出して、
本来ならばドラムを録った後にやるべき仕事を先にやることにする。

順序が逆でいいならそのぶんゆっくり眠れるではないか!!

崎本くん、数日寝てなかったのであろう・・・12時ぐらいにやっと起き出した。
そこからやっとレコーディング開始である。

ちょうど橘高がやって来た。

これは助かる!!
タム回しにちょいとアドバイスが欲しいところである。

嫁が昼飯の準備をしている。

もちろん自分とワシのためのメシなのだが、
「崎本くん、ご飯食べる?」
と言う。

風呂に入る時間はないが、メシぐらいなら合間で食う時間はいくらでもある。
「いただきます!!」
と崎本くん。

嫁もまた考えたもんで、
定食モノではなく焼きそばとか「皿ひとつ」で食えるものを作る。

これだと仕事をやりながら食えるのである。

それを見て橘高くんがひと言。
「まるで相撲部屋のおかみさんですなぁ・・・」

まあ言ってみればそうである。
「ロック」に嫁いだうちの嫁
3人の子供の面倒だけでも大変であるが、
それ以外にもいろいろ大変なのだから大変である!!

「ほなその相撲部屋に若い衆送り込んで住み込ませましょうか」
と橘高。

その若い衆はどうせバンドをやってるのであろう、
食えない代わりに時間だけは豊富にある。

だから相撲部屋の若い衆のごとく、
「おかみさん」の面倒をとことん見る!!

橘高ぁ・・・そんな若い衆持ってるんかぁ・・・(笑)

「それはええ考えやなぁ・・・」と思ってしまう自分が怖い!!
ただでさえスタジオのせいで狭い我が家がもっと狭くなってしまうではないか〜!!!

でもその考えは「美しい」な・・・

今日もライブが終わって小畑秀光の運転で家に帰って来た。
スタジオにはまだドラムがセッティングされたままである。

まあ崎本くんもマイクを片付ける体力はなかったのだろう・・・

ところが明後日からは中国勢が大挙して泊まりに来る。
いつ片付けるかと言うと「若い衆」がいるうちに片付けるに限るのである。

夜中の2時にドラムを搬出・・・
でも若い衆がいればあっという間にそれが終わるのだ!!

思ってみればいつからそんな若い衆が「絶滅種」になってしまったのだろう・・・

ワシが若かった頃はそんな若い衆ばっかりが周りにおったのになぁ・・・


金のないヤツは俺んとこへ来い!!
俺もないけどちょっとは心配していろいろ手伝え!!

スイスイ〜スーダララッタ〜スラスラスイスイスイ〜っときたもんだぁ

Posted by ファンキー末吉 at:02:28 | 固定リンク

2012年10月 9日

うちの嫁はロックの母

今日もファンキースタジオ八王子では金のない若いバンドがレコーディングしている。

何の因果か北京の貧民街に嫁いでしまった嫁は、
当時粉ミルク事件などがあった中国で子供なんか生む勇気はなく、
そいじゃあ日本に家でも買いまひょかと二井原実の二軒隣に家を買ってスタジオにしている。

何せ機材費が400万なのに
防音費は700万もかかったほど完全防音していたはずのファンキースタジオも、
ツーバスのせいかマーシャルのせいか、
今では外にというより家の中にはかなり音漏れがし始めているようだ。

今朝も朝9時頃までマーシャルがガンガン鳴っていた(笑)

我が家がスタジオの入り口の狭い狭い台所で朝ご飯を食べる頃、
エンジニアの崎本くんはコンビニに弁当を買いに行く。

「まだ作業すんの?!!」

びっくりしてそう聞くが、
午後2時からまたレコーディング再開なのでもうスタジオで泊まっていくと言う。

嫁がいそいそと布団の準備をする。
押し入れから布団を取り出して、
シーツをかけて枕カバーをかけて・・・

嫁よ・・・頭が下がるぞ・・・

元々ワシのドラムに惚れて、
「ドラム叩けんなったら別れるからね」
と言って結婚した嫁である。

嫁よ・・・お前が嫁いだのは誰でもない、「ロック」に嫁いだのだ!!

お前のダンナはどうせ日本のロックのため、
いや、ファンキースタジオ北京も似たようなもんなので、
「世界のロックのため(大きく出たな)」に尽くす男である。

嫁よ・・・お前の苦労は誰のためでもない。
日本のロックのため、いやいや「世界のロックのため」なのだ!!

嫁よ・・・お前が敷いてくれた布団は、この金のない若いバンドのため、
いやいや「次世代のロックのため」なのだ!!

・・・とは言うものの、さすがに悪く思えて来て、
嫁が出かけている間に玄関周りの雑草抜きなどをやっていた。

一種類の雑草がいろんなところに生い茂っている・・・

片っ端からそれを抜いていたのだが、
どうも雑草らしからぬ香ばしい臭いがする草である。

「奥さん、この草って雑草よね・・・」
嫁に写メを送ってみる。

「いや、これはシソよ。もうすぐ葉っぱが出来るから食べられるよ」

げげっ!!!

せめてもの慰めは嫁が大切にしているレモンの木ではなかったことである。
どろんするのじゃ!どろんするのじゃ!!

パパは今日も世界平和のためにドラムを叩きに行くからな、
ちょっと早いがもう出かけるよ!!

明日から北京やからな、朝から出かけるからな、
これも世界平和のためやからな、

ほな!!!どろん!!!!

Posted by ファンキー末吉 at:14:10 | 固定リンク

2012年8月29日

知ってましたか?フロアタム

今日からX.Y.Z.→Aのニューアルバムのレコーディング!!

ドラムをセッティングしながら、
「ああ、これをいつも人に言おうと思ってたんだよな」
というのがあったのでここでお伝えしておきましょう。

FloorTom.jpg

フロアタムにはご存知のように3本の足があります。

知ってましたか?
この足の位置というのは正三角形ではないのです。

一番手前の足はご覧の通りネジとネジのちょうど中間に来てますが、
その他2本の足は、内側のネジの位置を見て頂ければわかるように、
真ん中ではなく少し手前についてます。

長さを計ってみると、
一番手前の足からひとつ目のネジまでは半ブロック、
そして2ブロック間があいて、
だいたい3分の1ブロックの位置に次の足があります。

これは右向こうの足も左向こうの足も同じ長さです。

ところが残りふたつの足の間の長さは、
1ブロックと、それぞれ3分の2ブロックがふたつ分、
つまりこの間だけが間隔がせまい二等辺三角形なのです。

ほとんどのドラマーが、
フロアタムを自分の方に傾けてセッティングしますが、
その時に「どの足が手前に来ても同じだ」と思っているのではないでしょうか。

正しくは二等辺三角形の尖った部分、
つまりネジとネジの真ん中にある足を短くして、
その他ふたつを長くしてフロアタムを傾けると、
(逆でも可)
真上から見た時にちょうど正三角形になるという、
そういう設計なのです!!(驚)

さてセッティングも終わったことですし、
今から2日間、命懸けでドラムを叩きましょう!!!

X.Y.Z.→Aの新譜、いいものが出来そうです!!

Posted by ファンキー末吉 at:12:09 | 固定リンク

2011年4月21日

楽しいレコーディング

昨日はまず11時に太田明がやって来てドラムセッティング。
電車組の渡辺英樹と石川俊介を八王子駅まで迎えに行ってる間に、
野村義男と寺田恵子が到着。

隣の二井原実を呼びに行って、
寺田恵子とふたりで詞の打ち合わせに行ってる間、
こちらではあーでもないこーでもないと簡単にプリプロ。

ぼちぼち帰って来いと二井原に電話したが出ず。
あいつは携帯をめったに携帯せんからのう・・・

「ひょっとして打ち合わせ言いながら実は口説いてるだけなんちゃうん!!」
とワシ。

「今更それはないでしょう」
と義男。

「いやわからんでぇ。
知り合って20年、今だに酔っぱらったらセクハラするからなあ」
とワシ。

「むしろ偉大やなあ」
と英樹。

とか何とかやってる間に帰って来て、
とりあえず記念撮影。

20110420.JPG

今日はスケジュールが合わず参加出来なかったが、
これにシェイカーのシャラが入るんだから濃ゆいメンバーである。

このメンバーで何を録音しているかはまた後ほど発表するとして、
とりあえず交代にレコーディングしてゆくもんで、
「それじゃあ終わった人間から隣でバーベQをしよう」
と盛り上がる。

寺田さんは先に帰ったが、
筋少と爆風と聖飢魔IIとCCBラウドネスとThe Goobyeのメンバーが
一堂に会してバーベQをやっている絵はもの凄い!!

「よっちゃんは芸歴長いの?」
と二井原の芸歴比べ。
大体のところで芸歴の長さでは負けたことのない二井原だが、
さすが11歳から芸能界に入った義男にはかなわない。
「大先輩」相手に失礼のないように(ウソ)盛り上がっていた。

今日はこのレコーディングデータを整理してシャラに送らねば・・・

Posted by ファンキー末吉 at:06:27 | 固定リンク

2010年12月 1日

ファンキースタジオ八王子が本に載った!!

PrivateStudioBook.jpg

先日レコーディングしたシェイカーのシャラからの紹介で取材に来てくれたのじゃが、
いやー・・・蒼々たるプライベートスタジオに混じって我が家の台所の隣の
ほんまのほんまのちっちゃなちっちゃな自宅スタジオが紹介されておる・・・

写真も撮られる人に撮られたら小さく見えません!!

「ブースはファンキー末吉氏のフルセットが入るぐらい大きい」
と書かれているが、
ほんまにちっちゃいちっちゃいのよーん(照)

でも長谷川浩二氏のセットや、工藤義弘氏のセットもちゃんと入っている!!
来年には何と手数王菅沼孝三氏のセットも入る予定である!!
(さて何のレコーディングでしょう・・・)

その他アマチュアバンドもいっぱいお使い頂いたなあ・・・

自宅なんでほんま
「金のないヤツぁ俺んとこへ来い!!」
ですぞ!!

気楽にメールくれたまえ!!

Posted by ファンキー末吉 at:12:04 | 固定リンク

2010年9月10日

シェイカー来たりて部屋埋まる・・・

10日間日本を留守にしている間、
アースシェイカーが我がファンキースタジオでレコーディングしていた。

一番心配だったのは
「あのクドーちゃんのドラムセットがうちに入るか」
ということだったが、
帰って来た時にはシャラがギターダビングをしてたのできっと無事入ったのであろう。

噂によるとマイクが足りなかったという話なので、
クドーちゃんのドラムセットはワシのフルセットより更に点数が多いということだ。

そのままスタジオに片付けられてるドラムセット・・・

KudohDrSet.jpg

クドーちゃん・・・狭いぞ・・・

Posted by ファンキー末吉 at:13:27 | 固定リンク

2009年4月17日

いっぱつ録りの難しさ

日本でエミさんのライブを何本かこなし、再びアルバムレコーディングが再開される。

Gee Babyというスタンダード曲がある。
ライブでも度々演奏しているエミさん十八番の曲である。

この曲をレコーディングしようと思うのじゃが、
ところがライブでのあのスリリングな感覚はどうしてもクリックに合わせてやってると出ない。
「こりゃいっぱつ録りしかないで」
ということになってあれこれ考える。

ベースはラインで録るのでどこで演奏してもいいが、
ギターはアンプを鳴らさねばならない。
ドラムブースにアンプを置くと
当然のことながらギターの音がドラムにかぶってしまうので都合が悪い。
そうなるとコンソールルームに置くしかないのだが、
それじゃあ歌はどこで歌う?

ドラムブースで歌うとドラムの音が入ってしまうし、
コンソールルームで歌うとギターの音が入ってしまう。
仮歌と割り切って後で歌い直してもいいのじゃが、
ひょっとしてそのテイクが神様が降りて来たようなテイクになったら悔やまれる。

仕方がないのでケーブルを引っ張って行って風呂場で歌うこととなる。

EmiSingsInBathroom.JPG

長年歌いなれた曲である。凄まじい・・・
「風呂場に黒人がおるぅ・・・」
と仮谷くん。

もちろんクリックなんか使わない。
みんなで早くなってもそれでよし、遅くなってもそれでよし。

考えてみればこんなレコーディングは96年にソロアルバム「亜洲鼓魂」を録って以来である。
オーケストラと一緒なブースでドラムを録る。
あの緊張感あふれる演奏はもう「超えられない」域まで来て、
中国ではこのアルバムは「名盤」と称されるに至った。

あれから10数年。録音技術は格段に進歩し、
ドラムを叩く時は「どこで差し替えるか」まで考えながら叩くようになっている。

その「逃げ」を一切排除され、ひたすらその瞬間だけに燃え尽きて叩くのは至難の業である。
ライブでは出来ていることがレコーディングだと出来ない。
それはひとえに「欲」があるからである。
「もっとうまいはずだ」とかよけいなことを考えるから出来ないのである。

潔さは必要である。
「全部で3回録音してそれで終わり!その中から一番ええのを選ぼう」
もうJazzの世界である。

1回目は少々ちぐはぐなところがある。
2回目はほどよくまとまっている。
3回目は考え過ぎている。

結局は2回目をOKテイクにするのじゃが、
やっぱ「いや、もっと叩ける」と思うのは人の常である。
しかしもう一度やったところでどんどん悪くなるであろうことは経験上じゅうじゅうわかっている。

不本意ながらテイク2をOKテイクとする。
なーに、しょせんはこれが実力というもんじゃ。
もっと精進して神業のドラムが叩けるようになるまで頑張るのじゃ。

これから北京に発つ。

Posted by ファンキー末吉 at:13:12 | 固定リンク

2009年4月 5日

またもや女の子バンドのレコーディング

「またレコーディングしたいって言うバンドがいるんですけど・・・」

地元のギタリスト、ケンタロがまた仕事を取って来る。
まるでファンキースタジオのマネージャーである。

「今度も女の子バンドっす。
いやー・・・なかなかいいっすよ・・・おっぱい大きくて・・・」

お前・・・レコーディングすんのにおっぱいは関係ないじゃろ・・・

ということでブッキングされてたのがこの日。
朝からドラムを運び入れてセッティング。
9時半には綺麗どころを連れてケンタロが現れる。
まるで「女性紹介所」のようなイメージである。

ドラムを組んでマイクを立てて、
一度レコーディングしてみていろいろ指導する。

「生楽器で一番大切なのは音色。
ドラムを軽く叩いたんでは軽い音色しか出ないでしょ。
それを電気的に増幅しても大きい音にはなっても強い音にはならない。
ほら、強く叩いたら強い音になるでしょ」

日本のミュージシャンは中国のミュージシャンより飲み込みが早いかも知れない。
すぐさまポイントをつかんですぐに進歩する。
自分のレコーディングした音を聞きながら、
「ほら、この部分、叩くのが弱くなってるから何かカクってくるでしょ。
これを気をつけて叩けば大丈夫!!」

後は仮谷くんに任せて家庭サービス。
真に自宅スタジオというのは便利でよい。

昼飯時が過ぎた頃にはドラムは終わっていたので、
ベース入れの時に仮谷くんと替ってあげる。
「昼ごはん食べて来なよ」
こんな時に家が隣だと便利である。

「ベーシストがドラム録音して、
ドラマーがベース録音するんっすねえ」
そう言い残して昼飯食って帰って来たらベースはもう終わっていた。
真に順調である。

しかしロックと言えばギター。
予想通りダビングの多いギター録音はかなり大変そうである。
晩飯を食い終えた頃にもまだやっているので、
「替わるよ。飯食って来なよ」
とまた仮谷くんと交代。えんえん夜中までかかってやっていると、
ふと気がつくと我が家にはどんどん来客が増え、
スタジオを出たところの我が家の台所はオッサンばっかである。

OssanLikeGirlsBand.JPG

気がつくとジャンクション櫻田までやって来ている。
最近XYZのライブに現れないと思ったらこんな時にだけ現れるアホである。

「イヤー・・・思い出しますねえ・・・北京録音・・・」
ワシは別にもう思い出したくもない・・・あの日々も・・・お前のこともな!!

しかしまあ本職のギタリストがいればギターの音作りや奏法のアドバイスなどいろいろ役に立つ。
狭いスタジオにこいつの巨体は非常に迷惑じゃが一応手伝ってもらう。
今ジャンクションはまたメンバーチェンジのため休止中らしいが、
まあもしうちで録音するならあの時のように目に涙をためるまでシゴいてやろうではないか!!

金のない奴は俺んとこへ来い!
俺もないけど心配すんな!
アルバムぐらいなら作ってやる!

Posted by ファンキー末吉 at:08:39 | 固定リンク

2009年3月30日

レコーディングの日々

日本に帰ってファンキーStudio八王子ではいろんなレコーディングが行なわれた。

まず小林エミさんのレコーディング。
今回は東京に来る度にレコーディングしてアルバムを作ろうではないかという企画である。

まずはパソコンで作ったDEMOに仮歌を歌ってもらってKeyやTempoを決める。決まった頃、関西から重鎮ギタリスト西野やすしさんもやって来た。
空手の師範代も務めるという変わり種である。

エミさんの昔のレパートリーのリアレンジバージョンのガイドギターを録音し、この日は終わり。
もう1曲録音する予定だったが、
翌日ベーシストと一緒に演奏して録るのがよかろうということで翌日に持ち越しである。

ベーシストはバーベQ和佐田。
これがまた・・・太い・・・。
エミさんも・・・太い・・・。
ワシも・・・太い・・・。

うちのスタジオ・・・狭いのよ・・・。

現役の空手の師範代である西野さん以外はみんな・・・デブである・・・。
ドラムがブースを占領してしまうので、
狭いコンソールルームに身を寄せ合ってレコーディングし、
無事に3曲のガイドラインは仕上がった。

「空気が薄くて苦しい・・・」
と西野さんが逃げ出す場面も・・・


翌日はXYZの新曲レコーディング。
毎月新曲をリリースするというのは予想外に大変な作業である。

リハーサルで構成も決め、ギターとベースのガイドも録ってあるので、
それを聞きながらひとりでドラムをレコーディングする。

ひとりで録音すると往々にして終わらない。
「ちょっとヨレてるかな」
などと思いだしたら無尽蔵に録り直しが出来るのだから・・・。

やはり「今のちょっとヨレてた?」と聞いて、
「いや、別にヨレてませんでしたけど」
と答えてくれる人が必要なのである。

ちょっとツボに入って夜には2曲叩き終わった。
今度もなかなかいい作品が仕上がりそうである。


そして次の日は私がドラムではなく長谷川浩二くんのバンド「Steel Angel」がやって来た。
ファンキースタジオにXYZドラム以外がセットされるのは初めてのことである。

SteelAngelRecording.JPG

おうっ!!!Pearlの垂れ幕の前にTAMAのドラムがぁ!!!

「Steel Angel」はエンジニアも連れて来たので私は用なし。
嫁を連れて西寺実の追っかけしに名古屋まで車を飛ばす。

「Steel Angel」よ!素晴らしいアルバムを期待する!
5月のツアーでまた会おう!!

Posted by ファンキー末吉 at:09:59 | 固定リンク

2009年2月28日

二井原スタジオ

昨日は朝からXYZの新曲のレコーディングをしていた。
橘高作の超速ヘビーメタル。
エンジニアの仮谷くん(来月隣に引っ越し予定)曰く、

「アラ50でしょ?最高齢のツーバスですよね・・・」

何度も「こんなん叩けるかい!!」とスティックを投げ出したが、
自宅スタジオなので逃げる場所がない。
昼過ぎには何とか叩き終えた。

橘高が来てあーでもないこーでもないと意見を言い、
自らの首をしめるがごとく超絶ギターを録音しだす。

二井原実がやって来て、
いや、隣の住人なのに来るよりも電話をかけて来て、

「プロトゥールス用のパソコン買ったからセッティングに来てくれる?」

ワシの命がけのプレイを聞くこともなく、
橘高の渾身のプレイを励ますこともなく・・・

しゃーないから購入したばかりのM-Box2をもって二井原家に・・・。
思えばワシら、隣で住んでながらやりとりは全てメールなので、
二井原家の2階に上がるのはなんと数年ぶりである。

設定しているうちに橘高はへろへろになってレコーディングを終え、
ワシはそのデータを使って歌を録れられるようにセッティングする。

二井原実、ここに来てやっと、家から出ないままついにワシらの渾身の演奏を耳にすることとなる。

ボーカルを録るシュミレーションをしてみると、
どうもM-Boxは最新版なのに音が遅れてしまってどうしようもない。
仕方ないのでお古の001を引っ張り出して来て再びセッティング。
プロトゥールスのバージョンが高いと認識しないので、
わざわざ低いバージョンをインストールし直したり、
まあこの辺は北京で慣れてる作業である。

夜も更けてやっと作業が終了。
かくして二井原は自宅の仕事場で歌を録れれるようになった。

そしてワシは考える・・・

二井原が「パジャマのままレコーディングしたいから」と言うのでこのファンキースタジオ作ったんちゃうん?!!」

ワシと二井原は今後も「お隣なのにメールでやりとり」の関係が続くことになるのであろう・・・

NiiharaStudio.JPG


ps.今から香港に旅立つ。ベース録れは仮谷くんに頼んだ!
歌録れは・・・自宅で勝手にやっといてけろ!!
後でメールで送ってね。

Posted by ファンキー末吉 at:03:48 | 固定リンク

2009年2月24日

女の子バンドのレコーディング

もともとホームスタジオなんだから基本的に人に貸して儲けようという頭は全然ない。

まあXYZのレコーディングがいつでも出来ればそれでいいというコンセプトでここを作ったのじゃが、
ロックを愛する人たちが是非ここでレコーディングしたいと言うならば、
まあ私としても世のため人のため、
そして日本のロックの向上のためにそれを何とかサポートしてあげたいとは思っている。

「DEMOテープレベルでいいんですよ」
という人には
「一回製品レベルのレコーディングしてみぃ!
バンドなんかそれだけで格段に進歩するよ」
と薦めている。

まあロックを愛する人ならば、
別に老若男女、ハゲでもデブでもやぶさかではない。

まあいかんせん非常に狭いホームスタジオなだけに、
おっさんバンドだとむさくるしくていやになるところじゃが、
やはり女の子バンドだとスタジオもぱーっと明るくなるってなもんである。

SatoruRecording.JPG

美女に囲まれてエンジニアの仮谷くんも心なしか嬉しそうである。
来月からうちの隣に引っ越してくるので、
ワシがいなくても彼がいればいつでもレコーディングが出来る。

月末から香港に行って来るので後は頼むよ、仮谷くん!!

(このバンドの情報は下記へ)
http://www.myspace.com/planetsace

Posted by ファンキー末吉 at:19:31 | 固定リンク

2008年8月31日

おそるべし!江川ほーじん

二井原バンドのリハ終了後、
ジェットフィンガー横関くんには居残ってもらい、
近所に住む江川ほーじんが合流してレコーディング。

HojinYokozeki.jpg

はてさてこの3人でどんな音楽を?
それは発売が決まってからのお楽しみということにして、
とにかく今回はほーじん節がさく裂した。

だいたい今の音楽界でこんな個性的なプレイヤーがどこにいる?

ベースの弦を親指のアップダウンで弾き、
弦が上下に揺れるのでその音色は極めて個性的。
莫大な練習量により機械のように正確な16分音符を高速でプレイする。

ルーツはラリーグラハムであることは有名な話じゃが、
もう既にそのサウンドはラリーグラハムとは全然違う。
世界中でこんなスタイルでプレイする奴は彼だけであろう。

思うに今の音楽業界はいつからこんなに没個性になってしまったのじゃろう・・・

ベースという楽器、
いや全ての楽器演奏において、
彼ほど独特のスタイルを築いたプレイヤーは後には存在していない。

ほーじんのアイデアにより、
ギターはダビングもなし。
定位はドラムが真ん中、ベースが左、ギターが右。
ギターソロになったら当然バッキングギターはなし。

ドラムはツーバス、ベースはチョッパー弾きまくり。
16分の嵐、音数の洪水・・・
「ギター要らんやん・・・」
ジェットフィンガー横関がちょっと困惑・・・

ベースがバスドラよりアタックが強いので、
当然ながらドラムとケンカする。
ギターが負けじと弾きまくれば当然ながら音がぶつかる。
そうなると上に歌を乗せたところで全てが歌とケンカする。

そうかぁ・・・これが初期の爆風サウンドやったのかぁ・・・

ワシの恋女房とも言うべきバーベQ和佐田というプレイヤーは、
その人間性が表れているかのごとく、
音に包容力があり、ドラムを包み込んでくれる。

やはりほーじんのこのサウンドは彼の火の玉のような性格から来ているのであろう。
「音」とはすなわち「生き様」である。
おそるべしは、
彼は50も近いというのにその生き様に微塵たりともゆらぎがないということである。

レコーディング終って一緒に爆風銃のビデオを見た。
末吉22歳、ほーじん21歳の時の映像である。

「二十歳そこそこでこの演奏やってるんですかぁ・・・」

ジェットフィンガー横関からため息がもれる。
そう、ワシら基本的にあの頃から上手くなってない・・・

思えば昔はそんなバンドがうじゃうじゃいた。
いつからこの国の音楽界はヘタクソばっかりになってしまったんじゃ?・・・

江川ほーじん、おそるべし!
死ぬまでこの生き様を貫いたら君はこの国の国宝になれるであろう。
いや、国が認めんでもワシは君を人間国宝に認定するぞ!

Posted by ファンキー末吉 at:10:34 | 固定リンク

2008年8月 6日

江川ほーじん

久し振りにほーじんと会った。

数年前モー娘のレコーディングをした時ちょっとメールのやりとりをしたぐらいで、
ちゃんとお茶でも飲んで話をするのは久しぶりである。
何せレコーディングは別々に録音するんで顔合わすこともないからなあ・・・

実は彼も八王子に住んでおり、ご近所なのである。
近所の街道レストランでご対面。

積もる話はいろいろあるが、
ひょんなことから同じく八王子に引っ越してきてご近所となった田川くんの話になる。
「今度紹介するわ」
と言うものの、
ミュージシャン同士、会ってこうして街道レストランでお茶したところで
彼もただの「ただの目が悪い人」で終わってしまう。

「そや、ほーじん、ベース持って来てるか?」
幸い7日間のツアーを終え、そのまま機材車で街道レストランに乗り付けている。

「田川くん、今からヒマか?ギター持ってうちおいでよ」

田川くんの新居はうちから歩いて5分。
いつでも音を出せるのが我が家のいいところである。

初対面のセッションが始まる。
相変わらずバチバチ弾くほーじん。
ペラペラ弾きまわる田川くん。

「変わらんなあ・・・」

ほーじんも田川くんも下戸なので仕方ない。
セッションが終わり、スタジオの地べたで麦茶飲んで話し込む。
昔話に花が咲く。

結論・・・「とどのつまり、ワシら、二十歳の頃からそんなに上手くなってないんやな」

そういう意味ではラウドネスのみんなも基本的に同じである。
深くはなっているが上手くはなっていない。
「根が同じ」なので「変わってない」のである。

ほーじんが30年近く前の爆風銃(バップガン)のビデオを入手したらしい。
あの頃は「音楽」というより「爆発」である。
何も考えず初期衝動をそのまま楽器で爆発させているだけなのである。

見たいなあ・・・

きっと「今と同じ」である。
いや、むしろ「今より上手い」かも知れない。

「あの頃は人生と音楽が完璧に一致してたやろ」
ほーじんが懐かしそうにそう言う。
臭い言葉やが「青春」という言い方がぴったりそのものなのである。

「そう言えばほーじん、あれ覚えてるか?」
爆風時代の青春の思い出、
撮影スタジオに行ったらいきなり
「はい、じゃあ服全部脱いで」
と言われて、4人で裸で抱き合って撮影させられたのである。

「ははは・・・覚えてない」

ワシなんか忘れたくても忘れられんよ。
でも人間、イヤなことを忘れていくから幸せになれるのである。
バンドをやってる頃はほーじんともほんまいろいろあったけど、
こうして数年ぶりにセッションしてみると「同じ」なのである。

「ご近所やし3人で何かやろか」

笑顔で別れて、はたと気がついた。
うちの防音、外には完璧やが、
木造の家そのものを吸音材に使っているようなものなので、
2階とかは結構爆音がそのまま振動でまる聞こえなのである。

上には年老いた母親がいる。
身体も悪くなってるし、
大音量など聞いたらいっぺんで血圧が上昇してしまう。

「おふくろ・・・音・・・うるさかったか?・・・」
おふくろ、ケロっとして
「全然聞こえんかったよ・・・」

よかった・・・既に耳も遠かったのである。

Posted by ファンキー末吉 at:05:15 | 固定リンク

2008年7月20日

八王子が熱い!!

いや、熱いのではない。暑いのである。

全ての仕事をぶっちして作った北京の畳の部屋では結局一晩しか寝られず、
最終日は例によって徹夜で全ての仕事を終わらせて空港へ。

成田からリムジンバスに乗って八王子に着いた頃にはもう夕方だった。
関空経由で高知に帰るのと同じぐらいである。

嫁子供の待つ二階に上がるとこれが暑い!!
扇風機をがんがんに回すが熱風しか来ない。
聞けば夏は都内の温度より数度高く、
冬は都内の温度より数度低いらしい。
これが八王子。

ところが下のスタジオはひんやりと涼しい。
40cmの壁で囲まれたシェルターみたいなもんやから涼しいのか・・・

と思ったらドラムブースのクーラーが入れっぱなしであった。

数日前二井原がここでこもっていた。
嫁に隠れてオナニーをしてるのかと思ったら、
先日の神楽坂のライブを仮ミックスしていたのじゃ。

うちの嫁もワシから聞いて、
「二井原さんがスタジオにいる時はドアを開けちゃダメ」
と強く心に誓ってたから開けてはないが、
「二井原さんはドラムブースには入ってない」
と宣言する。

と言うことは前回のリハ以来ずーっとクーラーが回されていたわけか・・・

八王子が燃えている・・・
ワシの家計も燃えている・・・

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2008年5月12日

スタジオのおっさんの生活2

二井原実ソロライブが終わり、
間髪置かずにXYZのライブが始まった。

橘高にとっては自宅から30分以内で来れるので大喜びであるが、
和佐田にとっては都内から2時間かけて来ねばならないので大変である。
少しでも居住性をよくして是非毎回ここでリハーサルして欲しい。

と言うことでとりあえずケータリングを充実させる。

StudioOssanKeitaring.jpg

そして管内全域を禁煙とする。

StudioOssanKinen.jpg

まあたばこを吸うのは橘高だけなので本人に口頭で言えばすむことなのじゃが、
ご丁寧に二井原が作成してくれたので館内に貼り出すことにした。

そりゃそうじゃ。
ワシは今回のXYZのツアーが終わったらもう北京に帰ってしまうので、
後にどんな人が来てこのスタジオを使うやらわからない。
念には念を入れて、命に関わる張り紙を・・・

StudioOssanFan.jpg

そうそう、M氏は完璧な防音を施工してくれたので
このスタジオの機密性は非常に高い。
ただでさえ酸欠になるヘビーメタルのリハーサルで死人が出たのではシャレにならん・・・

ちなみに先日の二井原ソロライブでは、
二井原がステージで「酸欠じゃぁ」と言っていたが、
実際PA席で煙草を吸おうとしていたエンジニアはライターに火がつかなかったらしい。
ライブを見に来てた橘高も、
煙草を吸おうとしてライターがふたつとも着火せんかったと言う。

別にスタジオが酸欠でも問題ないか・・・

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2008年5月 8日

スタジオのおっさんの生活

年寄りの朝は早い。
ワシなんか子供の授乳に合わせて起きるので5時起き、6時起きはざらである。

まず何をやるかと言うとゴミ出しである。
北京ではゴミの分別などないので楽であるが、
ここ八王子は非常に細かくゴミを分別するので大変である。

FunkyGomidashi.jpg


それが終わると午前中はライブの曲のコピーである。
爆風時代には「たいやきやいた」と言う曲の口上で

「アクションはオジンだぁ!
ラウドネスは天狗だぁ!
44マグナムはバカだぁ!」

と叫んでいたが、
天狗と言われても恥ずかしくないほど(変な言い方やなぁ)
このラウドネスと言うバンドの音楽は今更ながら素晴らしい。

ワシは脳みそのメモリーが少ないので、
ひとつのプロジェクトが終わってから次のプロジェクトの音資料を聞くようにしているが、
リハ開始当日に初めて聞いたのではさすがにコピーが間に合わんかった。
結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如と言うが、
三つとも経験しているワシは全部の能力が欠如しているわけだから、
仕方ないので全曲えっちらほっちらと譜面にする。

ところがこれが既に判断力の欠如。
曲のテンポが速すぎて譜面を目で追えないのである。

仕方がないので真っ暗なスタジオでひとりギターの練習をしている田川くんに付き合ってもらって、
身体で覚えるべく「早朝練習」を開始する。
よく考えたらおっさんコーラス隊も上で寝てるわけだから叩き起こして参加してもらう。

OssanRh.jpg

いやー久し振りやなぁ・・・ベースなしで練習なんかするの・・・
高校生以来かなぁ・・・

ちなみに入口の壁際に見えるガムテープで作ったリモコンホルダーは
ここのスタジオのおっさんであるワシの力作である。

スタジオのおっさんの仕事はいろいろ忙しく、
備品を揃えたり修繕したり、
あげくの果てには嫁が買い物に行くと言うと子守までせねばならん。

FunkyKomori.jpg

昼過ぎにはみんなわさわさと集まって来る。
それまでにスタジオのおっさん仕事は全部終わらせておかねば・・・

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2008年5月 7日

二井原リハ合宿状態

Funkyスタジオはもともと二井原大邸宅の近所の木造一戸建てを改造したもので、
1階部分は玄関と台所と風呂とトイレ以外は全てぶっ潰してスタジオにしているが、
2階部分はそのまま手つかずの日本家屋である。

もともとあったリビングもぶっ潰してしまったので、
スタジオにあるべきロビーと言うものがない。
そこで中二階にある茶室(前住人は優雅な趣味をお持ちやったんやなぁ)をそのままリビングとして使用することにした。

FunkyStudioLiving.jpg

スタジオ真上の二部屋はリハの爆音がそのまま聞こえるので、
昼間は子供はここで寝かすこととなる。
休憩時間はここにたむろしているメンバーが子供を見てくれるので嫁も楽である。


ちなみに昨日も一昨日も、近所に住む橘高一家が遊びに来た。
隣人である二井原家の子供も遊びに来る。
橘高ジュニア3+二井原ジュニア2+ワシの子供1で総勢6人。
まるで「託児所」である。

これに高知にいるワシの二人の子供が夏休みにでも遊びに来た日にゃぁ総勢8人。
こりゃぁ確かに子だくさんバンドやわぁ・・・
「少子化反対!」


ところで今回の二井原バンドは、

1、ドラマーは北京から
2、ギタリスト1の田川くんは山口から
3、おっさんコーラス隊1の飯田くんは愛知から
4、おっさんコーラス隊2の稲田くんは群馬から

と言うことで、必然的にFunkyスタジオに泊まり込まねばならない。
残り3部屋を宿泊施設とするのじゃが、
とりあえずオーナーの特権としてベランダのある南側の一番大きい部屋は末吉家が頂くことにしてベッドを購入。

FunkyStudioSueyoshikeRoom.jpg

この部屋で嫁が赤ちゃんの授乳をするので「開けるな危険」である。


そしてその隣の北向きの和室は田川部屋。
おっさんコーラス隊は、
そのために「おっさん部屋」を用意しているにもかかわらず何故かそこではなくここにたまる。

FunkyStudioTagawaBeya.jpg

ちなみに田川くんは非常に練習熱心である。
夜中に起きだして来てはスタジオでギターの練習に余念がない。
「よ、やってるね」とビール片手に励ましに降りて来たら、
電気もつけず真っ暗闇のスタジオでひとりもくもくと練習してた。

そうか・・・盲人ギタリストには電気はいらんのか・・・


と言うわけで残りひと部屋、
ベランダに面した東南の洋間を「おっさん部屋」として開放しているのじゃが、
何故におっさんコーラス隊は自分の部屋ではなく田川部屋でたむろするのか・・・

ドラムブースの真上だから音がうるさいのか?
いやリハをやってないからたむろしてるんだからそれはない。

理由は・・・

FunkyStudioOssanBeya.jpg

足の踏み場もないからであった。


合宿状態のリハは続く・・・

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2008年5月 6日

Funkyスタジオ稼働開始!

二井原実のソロライブ(5月9日、10日神楽坂DIMENSION)のリハーサルのため、
ここFunkyスタジオが初めて稼働されることになった。

もともとワシとしては、北京のFunkyスタジオでドラムはレコーディング出来るので、
世界一物価の高い日本ではダビング出来るぐらいの小規模なスタジオでいいと思っていたのじゃが、
隣人である二井原はどうしてもパジャマのままリハーサルに行きたいらしく、
狭い一軒家を改造に改造を重ね、
結局ドラムレコーディングもリハーサルも出来るスタジオと相成った。

ただでさえ狭いスタジオがあれもこれもといろいろ要求されるわけだからそれはそれは狭い。
XYZならメンバーが4人だからまだいいのじゃが、
二井原バンドは、まず楽器陣はドラム、ベースにギター2本。
更にそのひとりはキーボードも弾く。

全員をドラムブースに詰め込んだらもうそれだけで立錐の余地もない。

FunkyStReh1.jpg

凄い世界です。
とてもじゃないけど仲の悪いメンバーとは一緒にリハをしたくない。

更に二井原バンドはコーラス隊が3人もいる。
コーラス隊と言えばきれいなねーちゃん達を想像するが、
これが一般公募したメタル兄ちゃんばっか、
名づけて「おっさんコーラス隊」なので、
とてもじゃないがドラムブースの中には入って欲しくない。
いやそれ以前にもう入るスペースがない。

仕方がないのでコンソールルームで全員歌うことになる。

FunkyStReh2.jpg

いやですねー・・・むさくるしいですねー・・・
エンジニアの崎本くんなってこっち向いてもくれませんもの・・・

部屋が狭いと言うことでこのようなシステムになってしまったものの、
ところがどっこい蓋を開けてみたらこれが音響としては非常にいい結果になってしまった。

まずドラムブースの音が、
これが通常のリハーサルスタジオよりはるかによい。
ギター兼キーボードの田川くん曰く、
「ライブ盤のレコードを聴いているような音だぁ」
と言うことで、これはきっとこのスタジオがレコーディングスタジオであることからきているに違いない。

スタジオ設計をしてくれたM氏は、
防音のために40cmの壁を作り、
更に部屋の形を複雑にして壁間のエコーを防ぎ、
いわゆる「広さ」を犠牲にして「音」を重要視してくれた。
通常のリハーサルスタジオでは商売としてはどうしても「広さ」を重要視せねばならなかったのではないか・・・

また、ボーカルが部屋の中にいないため、
楽器の音がボーカルマイクにかぶってしまう現象がない。
これも音がクリアな原因だと思う。

ボーカリストにしても、
Protoolsでバランスをとった楽器陣の音を、
自分が聞きやすい音量でコンソールルームに流し、
極端には自分のマイクの音はドラムブースにだけ流して
コンソールルームでは生音で歌えばよい。
エフェクトをかけたければ
レコーディングのようにProtoolsでリバーブでもコンプレッサーでも好きにかければよい。

つまり通常のリハーサルスタジオのように、
「自分の声が聞こえない」とガナって歌う必要がないのである。

二井原の喉も絶好調!
これはライブが楽しみである。

MINORU NIIHARA  
"ROCK’N ROLL GYPSY" JAPAN TOUR 08

5月9日 (Fri) open/start 19:00/19:30
5月10日 (Sat) open/start 18:00/18:30 

Venue;神楽坂( Kagurazaka )DIMENSION

Vo Minoru Niihara
Gtr 田川ヒロアキ( Hiroaki Tagawa)
Gtr 小畑秀光 (Hidemitsu Obata)
Bass 寺沢こういち (Kouichi Terasawa)
Dr ファンキー末吉(Funky sueyoshi)
B.V.飯田 泰生 
B.V.佐名手 一成
B.V.稲田 尚士

Ticket;5000円 (ドリンク別)
各プレイガイド発売 中!
Tickets are still available now!

問い:神楽坂EXPLOSION 03-3267-8785

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2008年4月29日

Funkyスタジオ八王子完成!

二井原のブログで報告してくれてた工事状況を見ながら完成を楽しみにしていたが、
先日業者から引き渡しと言うことで強行スケジュールで来日して来た。

まずブースにドラムを組んでみましたが、
予想以上に場所を取って大変だった。
ワシのドラムって非常に場所を取るのよね・・・

DrumBooth.jpg

XYZは4人しかメンバーがいないのでなんとかいけるだろうが、
5月から始まる二井原ソロプロジェクトはドラム、ベースにツインギター、
しかも田川くんはギターを弾きながらキーボードも弾こうと言うのだから、
これはとてもじゃないけど全メンバーは入りきらない。
おまけにコーラス隊が3人もいると言うではないか・・・

あきらめていた頃、橘高王子様が登場。
とりあえずマーシャルを鳴らしてみる。
ドラムも一緒に叩いてみて二井原が表に出て音漏れをチェックしてみると、
これが何とほとんど表には聞こえてない。
ブースとコンソールの間のドアを開けっ放しにしても外にはほとんど音は漏れてないのだ。

と言うことは、楽器陣はブースの中、
歌の人たちはコンソールで歌えば十分リハーサルも可能だと言うことである。

喜び勇んでベースアンプとPAシステムを購入。
楽しいことってやっぱお金がかかるのよね・・・

Console.jpg

レコーディング機材はなるだけ北京と同じものを揃えたのじゃが、
ミキサーが注文のものと違っていたのでまたちょっとシステムを変える。
二井原がいそいそと近所のディスカウントショップで買って来てくれたミキサー台も、
最終的にはお払い箱になる可能性が高い。

完成とは言ってもここから長い間かけてまたマイナーチェンジを繰り返し、
数か月はかかって最終的な形に落ち着くのが常である。
5月いっぱいここに籠っていろいろといじくってみたい。

もう既に貧乏なバンドから使わせてくれと言うオファーが来てはいるが、
正式な稼働は6月以降になることであろう・・・

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2008年3月28日

Funkyスタジオ八王子

ワシは金には縁がない。

爆風全盛期のころにその莫大な収入をその年のうちに使ってしまい、
翌年には税金が払えなくて借金したと言うのは有名な話である。

江戸っ子でもないのに宵越しの金は持たず、
貯金をしたこともなく、
不動産とかに投資をしたこともない。

人生そのものが「博打」みたいなものなので賭けごともやらず、
商売とやらもいやな思いしかしたことないので、
これはきっと神様が「お前はそんなことやるな!」と言っているとしか思えない。

先日なんかドルが非常に安くなってたので、
XYZのアメリカツアーのために安いうちにドル貯金をしとこうと
口座を開設して入金した次の日にはもっと下がっていた。

「じゃあもうちょっと貯金しときましょうか」
さすがに損したと言う気持ちがあるので
これ以上はいくら何でも下がりはしまいとばかり更にドル貯金をすると、
何とその後すぐに史上まれに見るほどのドル安となった。

さすがに本当にもうこれ以上下がるはずはないだろうから
今回来日した時にまた更にドル貯金してもいいのだが、
その神様のポリシーにより更にドルが下がった暁には日本経済はガタガタになってしまうだろうから、
世のため人のため、世界平和のためにもうやめた。

そう、ミュージシャンは貯金なんかしたらあかん!
江戸っ子じゃなくても宵越しの金なんぞ持ってはいかんのである!


と言うわけで買い物をした。
二井原が「近所に安い物件が売りに出されてるでぇ」と言うので、
そこを買ってスタジオにしてしまおうと言うのである。

二井原の大邸宅がある八王子は、
一応東京都であるにもかかわらず、土地が非常に安い。
過疎化が問題となっている高知のうちの実家のマンションと
同じ値段でここでは一戸建てが買えると言うのである。
八王子は高知と一緒か!いやそれ以下か!!!と言いたくなる。

二井原大邸宅には何度か泊めてもらったことがあるが、
まあ言わば日本と言うよりはカリフォルニアである。
車がなければ生きてゆくことは出来ない。

閑静な住宅街、
自然が多く、空気もよい。

朝は探索を兼ねてその辺をジョギングした時の話。
近所に小川があり、澄んだ水には魚も泳いでいる。
川っぺりの道を走っていると、
川の中に何やら鳥のオブジェのようなものを発見した。

鶴?・・・いやいや一本足で立ってるからフラミンゴ?・・・

どっちにしろセンスがいい。
公園にタヌキやパンダのオブジェを置くのとは雲泥の差である。
その正体を見極めようと近くに寄ってみると、
いきなりそのオブジェが羽を広げて飛び立った。

この街はこんな大きな野生の鳥が生息してるんか・・・

こんな理想とも言える住宅地にスタジオなんか作ってええんかい・・・
北京のスタジオは周りが全部ロックミュージシャンなので防音なんてしてないが、
こんな閑静な住宅地でそれをやったら間違いなく警察沙汰である。

「ファンキー、いくらなんでも防音はせなアカンでぇ」
このスタジオをXYZスタジオとしてしまい、
レコーディングから、果てはリハーサルまでを全て近所でやってしまおう
と虎視眈々と狙っている二井原が、インターネットで業者を探して来た。
録音機材から本格的スタジオ施工までをこなすプロフェッショナルな会社である。
家のカギは二井原が持っているので、業者を呼んで見積もりを出してもらった。

「機材込みで総額1000万?!!!」

ヘドが出るほど驚いてしまった。
機材で400万ぐらいはかかるだろうとは思っていたが、
なにせ北京のスタジオは防音工事代がゼロだったもので、
どうも器材より高い防音工事と言うのがどうしても感覚的に解せない。

「もっとまかりませんか」

担当のM氏は年のころはワシらより少し若いぐらいであろうか、
完璧にラウドネス、爆風世代である。
「私の青春を飾ってくれたお二方のためなら死ぬ気で安くしましょう」
頼もしい言葉を残して図面作りに入る。
ドラム録音からミックスダウンまで出来るスタジオにすべく、
機材やドラムブースにいろいろ注文をつけるワシ。
夜中にパジャマでやって来てそのままリハーサルが出来るようにすべく、
防音関係にいろいろ注文をつける二井原。
かくしてM氏の命をかけた見積もりが出た。

「総額1200万」
上がっとるやないかい!!!

まあそれもそうである。
M氏が言うには、これだけ閑静な住宅地でドラムが叩けるようにするには、
そしておまけにヘビーメタルのような音楽をやろうなどと思ったら、
防音だけで少なくとも800万はかかってしまうのはいた仕方ない、と。

「もっとまかりませんか」
ひつこく食い下がるワシ。
何度も図面を引き直すM氏。
しかしどこをどのようにいじっても最終的に値段はそれほど変わらない。

「ではご予算は一体おいくらなんですか?」
M氏から最終的に泣きが入る。
「そうですねぇ・・・北京のスタジオが400万ぐらいで出来たんで・・・
なんとか400万ぐらいで出来ればありがたいんですが・・・」
親身になってまた図面を引き直そうとするM氏。
「防音工事を400万と言うのはかなり厳しいですがちょっと頑張ってみます」

「あ、違います。機材と防音合わせて400万っつうことなんですが・・・」

それ以来M氏からのメールの返事が途絶えた。
「怒ったんかなぁ・・・二井原ぁ、どう思う?」
周りの友人にも意見を聞いてみる。

「あんた中国の屋台でばったもんの土産でも買うとるんやあるまいし、
日本で値段交渉を半額以下から始めてどないしまんねん!!」

国際電話で詫びを入れて、再び値段交渉である。
この辺になると、間に立っている二井原が少しナーバスになって来た。

「ファンキー、1000万言うたらやっぱ大金やでぇ。
それをやっぱ土産もんでも買うみたいにぽんと買うのはおかしいでぇ。
俺、少なくてもやっぱそこまで責任持てんわ。
もっと冷静に考え直して見るべきなんとちゃうかなぁ・・・」

パジャマ姿で歩いてレコーディングスタジオは頭で考えたら素敵な夢だが、
こうして生々しい現実に晒されてみると恐れ多い夢と言うことである。
実際北京のFunkyスタジオは理想そのものである。
ウェイン・デイヴィスにセッティングしてもらった世界最高の音が
目が覚めたらそのままパジャマのままで録音出来るのだ。
しかもドラム叩き終ったらすぐにビール片手に風呂に飛び込む。
こんな理想があの値段で手に入ったのは
ひとえにここが北京の貧民街であるからであって、
それを世界一物価の高い東京で、
しかもこんな閑静な住宅地で作り上げようと言うのは
これはもう夢を通り越して幻なのかも知れない。

「ほな嫁と相談しまひょ」
少なくとも嫁はワシより常識人である。
子供も生まれて将来にも不安もあることだろう。
いきさつから結論まで細かく嫁に説明した。
そして嫁はこう言った。

「XYZのスタジオ作るんに私が反対出来るわけないやろ。
うちの旦那は飲む打つ買う。
飲むは酒を飲む、打つはドラムを打つ、買うは機材を買う。
もうあきらめとるわ・・・」

嫁の鏡である。
かくしてFunkyスタジオ八王子は着工した。

FunkyStudioZumen.jpg


M氏はこれ以上落とせないまで値段を下げ、
しかも他の現場から余った材料まで持って来て
「最高のスタジオを作らせてもらいます」
と頑張ってくれている。

二井原は日本にいないワシの代わりに工事を監督し、
100円ショップで末吉のハンコを買って、
電気、ガス、インターネット等の手続きまでやってくれている。

4月末にはスタジオは工事は終わると言う。
今回のXYZのベストに入れる新曲のレコーディングには間に合わなかったが、
今後XYZは無尽蔵に時間をかけて好きなだけアルバムを作ることが出来る。

二井原も別にラウドネスで使ってくれてもいいし、
橘高も筋少で使ってくれてもいい。
和佐田もあれだけプロジェクトを抱えてるんやからどんどん使ってくれてええし、
田川くんも東京引っ越して来ると言うならここで住めばいい。
二階にはまだ4部屋余ってるし、
何なら金のないバンドは泊まり込みでレコーディングすればよい。
二井原がきっといいプロデュースをしてくれるじゃろう。

うん、これでいいのだ!
世のため人のため、ロックのためである。

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